朝ドラ『風、薫る』第91回感想・ネタバレ|赤痢の村へ向かうりん。かつての無力感を乗り越える時が来た

朝ドラ

本記事にはアフィリエイト広告を利用しています。

2026年8月3日放送の『風、薫る』第91回は、りん(見上愛)が赤痢の発生した村へ向かう回だった。

前回までは、りんとシマケン(佐野晶哉)の恋模様が大きく描かれていた。

しかし今回は、一気に感染症との戦いに入る。

黒川(平埜生成)は、赤痢の流行を止めるため、りんに同行を頼む。

最初は断ったりんだったが、バーンズ先生の言葉を思い出し、自分しか看護婦がいない状況でこのまま寮にいることはできないと決意する。

かつて父・信右衛門(北村一輝)がコレラにかかった時、りんは何もできなかった。

しかし今のりんには、知識がある。技術がある。看護婦として学んできたものがある。

りんが自分自身の無力感を乗り越えるためにも、大きな意味を持つ回だったと思う。

前回の記事はこちらです。

朝ドラ『風、薫る』第90回感想・ネタバレ|シマケンの「いとおしい」がりんに届いた。恋模様に一応の決着か
2026年7月31日放送の『風、薫る』第90回は、新潟でりん(見上愛)とシマケン(佐野晶哉)の距離が大きく縮まった回だった。横沢(井上祐貴)は相変わらず勢いよく、りんに結婚を申し込む。しかし、りんは即座に拒否する。一方、シマケンは「結婚して...

第91回のポイント

  • 環(英茉)たちを見送った朝、寮には黒川がりんを待っていた。
  • 黒川は、近くの村で赤痢が発生し、すでに死者が出ているため、りんに同行してほしいと頼む。
  • りんは一度は「できません」と断る。
  • りんは梅岡看護婦養成所の卒業写真を見て、バーンズ先生の言葉を思い出す。
  • りんは望月校長(関智一)に、黒川と一緒に行かせてほしいと願い出る。
  • 望月校長は、早い夏休みという形で、りんが赤痢の村へ行くことを認める。
  • 黒川は、黒川病院の看病婦である伊藤マル(清水緑)と五十嵐染(大浦千佳)をりんに紹介する。
  • りんはマルと染に、自分たちが感染しないことが患者を救う第一歩だと教える。
  • 村では、太助(板橋駿谷)が妻アサ(美山加恋)の赤痢を隠そうとしていた。
  • りんは、父・信右衛門がコレラにかかった時のことを思い出す。
  • 黒川は太助に「私のせいにすればいいがね」と言い、避病院へ運ぶことを説得する。
  • りんは長太郎(渋谷そらじ)に、母が戻ってこられるよう全力を尽くすと伝える。

個人的に印象に残ったこと

今回は、環たちを見送った朝から始まった。

新潟でりんと環が再会し、シマケンの「いとおしい」がりんに届いた前回。

その余韻がまだ残る中で、寮には黒川が待っていた。

ここから二時間ほど行った村で、一週間ほど前に赤痢が発生したという。

すでに死者が数人出ている。

これ以上の流行は止めたい。

黒川は、りんに同行してほしいと頼む。

望月校長は、突然の話に困っている。

それは当然だと思う。

りんは高越女学校の舎監である。

生徒たちを見守る仕事がある。

しかも赤痢の村へ行くとなれば、感染の危険もある。

望月校長が簡単に認められないのは分かる。

黒川も、無理を言っていること、迷惑をかけることは重々承知していると望月校長に話す。

今の自分が役に立てるのかと自信のないりん。

それでも黒川は、この町に看護婦は君しかいない、力を貸してほしいと頼み込む。

これはかなり重い言葉だった。

この町に看護婦は一人しかいない。

りんだけ。

黒川がどれだけりんを必要としているかが分かる。

しかし、りんは「できません」と謝る。

黒川は「わかった」と一言だけ答える。

無理に押し切らない。

黒川はりんの傷も分かっているのだろう。

りんが簡単に患者の前へ戻れないことも分かっている。

だから、そこで責めたりはしない。

ただ、必要としていることだけを伝えて去る。

この距離感は、黒川らしいと思った。

望月校長は、女学生たちに説明する。

遠い場所でのことだから大丈夫だと思う。

ただ、強い腹痛が起きた時などはすぐに言うように。

ここで赤痢の危険が、寮の生徒たちにも共有される。

りんは、梅岡看護婦養成所の卒業写真を見る。

そして、バーンズ先生の言葉を思い出す。

「看護とは何か? 問われているのは私自身」

さらに、かつてバーンズ先生が語った言葉も思い出す。

あなたたちの手は、家族の数百、数千倍の人を助ける手である。

看護婦になれば、家族を失い、あなたと同じ思いをする人を減らすことができる。

この言葉は、りんの原点だった。

父を失ったりん。

家族を守れなかったりん。

自分と同じ思いをする人を減らしたいという思いが、看護婦になる理由の一つだった。

そのりんが、今まさに問われている。

看護とは何か。

自分は何のために看護を学んできたのか。

患者に触れるのが怖い。

命に触れるのが怖い。

それでも、このまま目を背けていいのか。

りんは望月校長に、黒川と一緒に行かせてほしいと願い出る。

自分しか看護婦がいないのに、このままここにいるのはどうしてもできない。

りんはそう言う。

望月校長は、りんに赤痢がうつり、それが生徒たちにうつることを心配している。

これはとても現実的な心配である。

りん一人の問題ではない。

寮に戻ってきた時、生徒たちに感染が広がったら大変である。

しかし、りんは、その村からさらに広まれば元も子もないと頭を下げる。

感染を広げないためにも、今そこへ行く必要がある。

りんはそう判断したのだと思う。

望月校長は、早い夏休みを認める。

その間、どこで何をしているかは、自分の関知することではない。

つまり、表向きは夏休みで、りんがどこへ行くかは問わないという形にした。

これは望月校長なりの配慮なのだろう。

りんはありがとうございますと頭を下げる。

女学生たちは、それぞれ水あめなどをりんに渡す。

少し前まで、りんは女学生たちにとって、よそ者の舎監だった。

でも今は、赤痢の村へ向かうりんを見送る生徒たちがいる。

りんは新潟でも、少しずつ信頼を得ていたのだと思う。

荷物を担いで歩くりんは、荷車を引いている黒川を見つける。

黒川は、黒川病院の看病婦である伊藤マルと五十嵐染を紹介する。

この二人は黒川病院の看病婦らしい。

ただ、本当は赤痢が出た村になど行きたくなかったのではないかと思う。

怖いはずである。

赤痢は感染症である。

死者も出ている。

そこへ向かうのは、相当な覚悟がいる。

りんの荷物を荷車に乗せ、一行は村へ急ぐ。

黒川は、避病院は村外れの寺を使い、患者は十五人ほどと聞いていると説明する。

りんは、伝染病は隠したがるものだから、重症の人が多いかもしれないと言う。

この言葉には、りんの経験が出ている。

父・信右衛門がコレラにかかった時も、村では病人を隠したり、避病院を恐れたりする空気があった。

伝染病そのものへの恐怖。

避病院へ行くことへの恐怖。

村からつまはじきにされる恐怖。

それらが重なって、病気を隠す。

りんは、その心理を知っている。

村の入口で、黒川、りん、マル、染は白衣に着替える。

りんはマルと染に、自分たちが伝染しないことが患者さんを救う第一歩だと教える。

これはとても大事な言葉だった。

患者を助けようとする人が倒れてしまえば、助けられる人も助けられない。

感染症の現場では、自分たちを守ることも看護の一部である。

りんは、自分が学んできたことはすべて伝えると約束する。

ここで、りんはもう完全に看護婦の顔になっていた。

まだ患者に触れる恐怖はある。

でも、マルと染に教える立場として、自分の知識を伝えようとしている。

黒川がりんを必要とした理由も分かる。

染は、静かで気味が悪いと言う。

その時、「助けてくれやー」という子どもの声が聞こえてくる。

「おっかぁを助けてくんなせー。」

子どもが母親を助けてほしいと叫んでいる。

黒川たちは、その子に案内されて家へ向かう。

家の前では、住人の太助と役人の山辺が揉めていた。

太助は、うちは何ともないと言い張る。

山辺は、役場でちゃんと把握しないと自分が怒られると嘆く。

一度中を確認させてほしいと頼む山辺。

それを拒む太助。

ここは村の現実が出ていた。

役人は役人で、把握しなければ怒られる。

太助は太助で、赤痢を出した家だと知られたくない。

どちらも自分の立場を守ろうとしている。

黒川は、自分は医者だと名乗り、話を聞かせてほしいと太助に頼む。

村人たちは、赤痢が出たことを噂し出す。

太助はたまらず、黒川たちを家の中に招き入れる。

子どもは母親を心配している。

りんは子どもに話しかける。

お母さんのことが心配だろうけれど、今お母さんに触ると、長太郎君もおなかが痛くなってしまうかもしれない。

だから先にお医者さんが診るね。

ここで少し気になったのは、この時点で子どもの名前が長太郎だとは出てきていないように見えたことだった。

なぜか、りんは自然に「長太郎君」と呼んでいる。

どこかで聞いた場面が省略されていたのかもしれないが、少し不思議ではあった。

黒川は、母親のアサを診察する。

赤い便は出ているかと確認すると、アサは頷く。

いつ頃からか尋ねると、二日前からだと答える。

黒川は、赤痢だと思われるから、すぐに避病院へと勧める。

しかし太助は拒む。

そんなところに行ったら、死んじまうに決まっている。

精いっぱい治療すると黒川が言っても、そんなこと当てになるかと受け入れない。

太助は、自分のところから赤痢を出したとなったら、と村での立場を心配している。

ここで、りんは父・信右衛門がコレラにかかった時のことを思い出す。

狭い村で、つまはじきにされたら大変。

りんは太助の気持ちに理解を示す。

これは、りん自身が経験しているからこそ言える言葉だった。

伝染病にかかった家が、村でどう見られるか。

避病院へ連れていかれることが、どれほど恐れられるか。

りんは知っている。

しかし、それでも言う。

このままでは、うつる。

黒川も、赤痢は大人より子どもの方が重症化することを説明する。

ここでアサ自身が、避病院に運んでくださいとお願いする。

母親として、長太郎にうつしたくないのだろう。

この場面で、りんはまた父・信右衛門の時のことと重ねていた。

あの時、りんは父が避病院に運ばれるのを拒否していた。

避病院へ行ったら死んでしまう。

父と離れたくない。

そう思っていたのだろう。

しかし今のりんは違う。

避病院へ連れていくことが、見捨てることではないと分かっている。

助けるために、感染を広げないために、避病院へ運ぶ必要がある。

あの時は何もできなかったりんが、今は知識と技術を持ち、アサを避病院へ連れていこうとしている。

ここに、りんの成長がはっきり出ていた。

それでも太助は信じない。

家の外からは、村人たちが勝手なことを言っている。

医者が毒をまいている。

避病院なんかに連れていかれたら、ろくなことにならない。

外から、太助に隠しているんじゃないと叫ぶ村人もいる。

これは本当に厄介である。

病気そのものだけでなく、噂と恐怖が広がっている。

感染症との戦いは、病原体だけとの戦いではない。

人々の恐怖、偏見、不信とも戦わなければならない。

黒川は太助に言う。

「私のせいにすればいいがね。」

これは格好良かった。

太助が村で責められるなら、自分のせいにすればいい。

医者が無理に連れていったことにすればいい。

黒川は、自分が悪者になっても構わないという覚悟を見せた。

命を救うためなら、村人に恨まれてもいい。

医療従事者としての矜持を感じる言葉だった。

黒川は、父と息子に三日間は家から出ないこと、それでも元気であれば伝染していないということだと説明する。

りんは、自分にも娘がいると言う。

それでもこの村に来たのは、一人でも多く生きていてほしいからだと伝える。

この言葉も良かった。

りんは、環を置いてここへ来ている。

自分にも大切な娘がいる。

感染の危険もある。

それでも来た。

一人でも多く生きていてほしいから。

これは、りんの覚悟である。

アサは、早く連れていってとお願いする。

太助は腹をくくり、黒川にお願いしますと告げる。

「おっかぁ!」とアサに近づこうとする長太郎を、太助が必死に止める。

りんは長太郎に声をかける。

長太郎君はここで待っていて。

長太郎は聞く。

「助かる……?」

この問いは重い。

ここで簡単に「助かる」と言えないのが、今のりんなのだと思う。

看護を学び、現場を見てきたからこそ、軽々しい約束はできない。

りんは言う。

またここに戻ってこられるように、お母さんも私たちも全力を尽くす。

だから、長太郎君はここで全力で待っていて。

これは、言える範囲での最大の約束だったと思う。

絶対に助かるとは言わない。

でも、全力を尽くすとは言う。

長太郎にも、ここで待つという役割を与える。

まずは三日我慢。

りんはそう指示する。

アサは「いい子にしてんだよ……」と声をかける。

長太郎は泣きながら太助に抱きつく。

ここで今日の放送は終わった。

恋愛から一気に感染症へ。

振れ幅はかなり大きい。

でも、個人的にはこういう看護や医療の話を待っていた。

赤痢をどう収束させていくのか。

りんが自分の過去の無力感をどう乗り越えるのか。

ここからの展開はかなり見ごたえがありそうだ。

黒川とりんに医療従事者の矜持を見た

今回の黒川とりんには、医療従事者としての矜持を見た気がする。

自分が感染するリスクがある。

村人に疑われる。

悪者にされるかもしれない。

それでも、一人でも多く生きていてほしい。

黒川は「私のせいにすればいいがね」と言った。

りんは、自分にも娘がいるが、それでもこの村に来たのは一人でも多く生きていてほしいからだと言った。

どちらも、命を救うために自分の身を差し出す覚悟がある。

もちろん、感染症の現場では無謀であってはいけない。

だからこそ、りんはマルと染に、自分たちが感染しないことが患者を救う第一歩だと教えた。

勇気と知識の両方が必要なのだと思う。

りんは信右衛門の時の無力感を乗り越えに行っている

今回のりんは、何度も父・信右衛門の時のことを思い出していた。

あの時、りんは何もできなかった。

父が避病院に運ばれることを拒んでいた。

避病院が何なのか、なぜ必要なのかも分からなかった。

ただ怖かった。

ただ父と離れたくなかった。

しかし今のりんは違う。

伝染病の仕組みを知っている。

隔離の意味も分かっている。

患者を助けるために避病院へ運ぶ必要があることも分かっている。

あの時の無力な自分ではない。

今回、りんはアサを避病院へ運ぶ側に立った。

これは、りんが過去の自分を乗り越えに行く場面なのだと思う。

マルと染はここから変わっていくのか

黒川病院の看病婦として、マルと染が登場した。

二人は赤痢の村へ同行する。

ただ、本心ではかなり怖いはずだ。

特に染の「静かで気味が悪い」という言葉には、不安が出ていた。

りんは二人に、自分が学んだことはすべて伝えると約束した。

マルと染が、りんの姿を見てどう変わっていくのかも気になる。

この二人が新潟で看護を担う存在に育っていくなら、黒川病院の看護も大きく変わっていくのかもしれない。

太助、アサ、長太郎の家族がつらい

太助、アサ、長太郎の家族は、今回かなりつらかった。

アサは赤痢にかかっている。

長太郎は母を助けてほしいと泣く。

太助は、妻を助けたい気持ちはあるはずなのに、村での立場や避病院への恐怖から、なかなか決断できない。

太助を責めるのは簡単だ。

でも、村でつまはじきにされたら生きていけないという恐怖もある。

りんがそこに理解を示したのは良かった。

そのうえで、今は避病院へ行くしかないと伝える。

これは、りん自身の経験があったからできた説得だったと思う。

長太郎に「助かる」と言わなかったりん

長太郎が「助かる……?」と聞いた時、りんは簡単に助かるとは言わなかった。

それが良かった。

子どもを安心させるために、「大丈夫」「助かる」と言いたくなる場面である。

でも、りんは軽々しい約束をしない。

その代わり、またここに戻ってこられるように全力を尽くすと言う。

長太郎君はここで全力で待っていて、と伝える。

これは、看護を学んできたりんだからこその言葉だったと思う。

希望は与える。

でも嘘の保証はしない。

今のりんは、そこまで考えられる人になっている。

恋愛から感染症へ、振れ幅がすごい

前回は、シマケンの「いとおしい」で、りんの恋模様に一応の区切りがついた。

そこから今回は、一気に赤痢の村である。

振れ幅がすごい。

ただ、個人的には今回のような話の方がやはり見ごたえがある。

看護とは何か。

医療はどう人を救うのか。

感染症とどう戦うのか。

村の偏見や恐怖とどう向き合うのか。

りんがこれまで経験してきたことが、ようやく現場で生きてくる。

この赤痢問題をどう収束させていくのか、とても楽しみである。

まとめ

第91回は、りんが赤痢の村へ向かい、かつて父・信右衛門の時に味わった無力感を乗り越えようとする回だった。

最初は黒川の頼みを断ったりん。しかし、バーンズ先生の言葉を思い出し、自分しか看護婦がいない状況で目を背けることはできなかった。

村では、病気そのものだけでなく、避病院への恐怖や村人の噂とも向き合わなければならない。黒川の「私のせいにすればいいがね」という言葉には、命を救うためなら自分が悪者になっても構わないという覚悟を感じた。

りんはもう、父の時に何もできなかったりんではない。知識と技術を身につけた今のりんが、この赤痢問題をどう乗り越えていくのかを見守りたい。

『風、薫る』感想まとめはこちら

懐かしい朝ドラをもう一度見たい方はこちら → NHKオンデマンドでは見られないけどTSUTAYA DISCASで楽しめる朝ドラ5選

広告
タイトルとURLをコピーしました