朝ドラ『風、薫る』第87回感想・ネタバレ|直美の派出看護会が動き出す。人を動かす力と吉江との別れ

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2026年7月28日放送の『風、薫る』第87回は、直美(上坂樹里)が派出看護の会を本格的に立ち上げようと動き出す回だった。

帝都医大病院を辞める直美。

多江(生田絵梨花)やトメ(原嶋凛)は病院に残り、美津(水野美紀)は物件を見つけ、卯三郎(坂東彌十郎)は医療機器の相談相手になり、しのぶ(木越明)は看護婦として加わる。

さらに虎太郎(小林虎之介)、シマケン(佐野晶哉)、吉江(原田泰造)まで、これまで直美とつながってきた人たちが次々に力を貸してくれる。

直美の派出看護会は、体制を整える段階ではかなり順調に見える。

ただ、問題はここからだと思う。

貧しい人たちに看護を届けたいという理想が、実際にどこまで利用され、継続できる仕組みになるのか。

直美の挑戦は、まだ始まったばかりである。

前回の記事はこちらです。

朝ドラ『風、薫る』第86回感想・ネタバレ|直美は派出看護へ。りんにも新潟で看護の道が再び見えてきた
2026年7月27日放送の『風、薫る』第86回は、直美(上坂樹里)とりん(見上愛)の道が、それぞれ新しく動き出した回だった。文(内田慈)との親子物語に一区切りがついた直美は、貧しい人たちのための派出看護の会を作ろうと動き出す。一方、新潟で舎...

第87回のポイント

  • 直美は多江とトメに、自分で派出看護の会を始めることを報告する。
  • 多江とトメは、帝都医大病院は自分たちに任せてと言う。
  • 直美は美津に、この家には迷惑をかけないと謝る。
  • 美津は、日本で最初の看護婦の会はいいことだと応援し、自分も力になると約束する。
  • りん(見上愛)から手紙が届き、派出看護は直美らしいと応援してくれる。
  • タマ(川島鈴遥)は、直美が残した取締の仕事のノートを読んで勉強している。
  • 直美のノートには、仕事の細かい手順というより、人の動かし方のコツが書かれていた。
  • 美津は派出看護の事務所に使えそうな物件を見つける。
  • 直美は卯三郎に、看護に必要な医療機器の購入について相談する。
  • 多江は、派出看護の看護婦候補として、しのぶを直美に紹介する。
  • しのぶはすでに看護への思いを取り戻しており、派出看護の会で働く気満々だった。
  • 虎太郎は製薬会社の立場から、直美に医薬品の手配で協力する。
  • シマケンは、派出看護会のチラシを新聞社でこっそり印刷して持ってくる。
  • 直美としのぶはチラシを配るが、反応はあまりよくない。
  • 吉江が直美を訪ね、教会の人たちに派出看護会のことを話すと言う。
  • 直美は吉江に、派出看護会の名前を付けてほしいと頼む。
  • 吉江は東京を離れ、九州で伝道を担うことになったと告げる。
  • 直美と吉江は別れを惜しみ、最後に握手を交わす。

個人的に印象に残ったこと

今回は、直美が多江とトメに、自分で派出看護の会を始めることを報告する場面から始まった。

直美は、一人では無理だから看護婦の募集はすると言う。

病院では働けないけれど、派出看護ならという人がいるかもしれない。

直美はそう考えている。

多江とトメは、帝都医大病院は私たちに任せてと言う。

これは自然な流れだった。

多江とトメが直美についていくわけではない。

帝都医大病院に残り、そこで看護を続ける。

直美は外へ出る。

多江とトメは病院を守る。

それぞれの場所で看護を続けるという形なのだろう。

ただ、少し気になったのは、直美が「看護婦を募集する」と言ったことだった。

現時点で、世の中に看護婦はほとんどいないのではないか。

梅岡看護婦養成所の一期生と、帝都医大病院の看護科の生徒たちくらいだと思う。

看病婦であれば、もっと多くいるのだろう。

でも、直美が必要としているのは、専門的に学んだ看護婦である。

募集したところで、応募できる看護婦はかなり限られているはずだ。

そう考えると、直美の中には最初から、かつての仲間をスカウトすることが頭にあったのかもしれない。

直美は美津に、この家には迷惑をかけないからと謝る。

しかし美津は、どうして謝るのかと言う。

日本で最初の看護婦の会。

いいじゃないですか。

美津はそう言い、自分も力になると約束する。

美津は本当に強い。

直美が新しいことを始めようとしても、まず応援する。

しかも、ただ気持ちだけではなく、実際に動いてくれる。

その時、りんからの郵便が届く。

りんの手紙には、派出看護が直美らしいと感心したこと、心から応援していることが記されていた。

りんは新潟から、直美を応援している。

直美とりんは離れている。

でも、互いの道をちゃんと見ている。

直美は派出看護へ。

りんは新潟で、看護に戻るかもしれない。

離れていても、この二人の関係は続いている。

帝都医大病院では、お昼ご飯を食べながら、タマが直美の残したノートを読んでいる。

タマは、直美が取締の仕事について書き残したノートで勉強していた。

多江は「勉強熱心ね。さすが、内科看護婦取締」と茶化す。

タマは、なかなかうまくやれなくてと悩んでいる。

ここで分かったのは、タマがもう見習いではなく、看護婦として取締を任されているということだった。

おそらく、梅岡看護婦養成所出身者以外で、初めて帝都医大病院の看護婦取締になったのではないか。

もし帝都医大病院出身者が今後も看護婦取締になっていくなら、多江やトメの立場も決して安泰ではないのかもしれない。

直美が残したノートをトメが読む。

そこに書かれていたのは、二つだけだった。

「取締の仕事にて大事なるは一人一人の仕事の量に偏りの出ぬよう気を配ることなり。」

「困りたる時は、必ず仲間に相談し、あわよくば、味方につけてしまうべし。」

これを見て、多江とトメは、仕事というより人の動かし方のコツだと気づく。

まさに直美らしい。

直美は、細かい実務マニュアルを残したのではない。

人をどう見て、どう頼り、どう味方にしていくか。

それを残した。

直美は取締として、看護の技術だけでなく、人を動かすことを学んできたのだと思う。

そして今回、その力が派出看護会の立ち上げでも発揮されていく。

美津は、派出看護のために良い場所を見つけたと直美を案内する。

そこは、家から目と鼻の先の場所だった。

美津が安く貸してもらえないかと頼んだらしい。

しかし大家は、頼むというよりほぼ命令だったけどな、と真相を話す。

ここは笑ってしまった。

美津はどこぞのお姫様だったという設定がある。

だから、お願いしているつもりでも、命令のようになってしまうのかもしれない。

大家からすれば、かなり強引な店子である。

よく貸してくれたなとも思う。

ただ、空けておくだけで賃料が入らないよりは、安くても借り手がいた方がいいと判断したのだろうか。

この先も、美津から「お願い」という名の命令を聞かされるのだとしたら、大家さんは少し気の毒である。

直美はその場所を気に入り、「ぜひ、貸してください!」とすぐ返事をする。

事務所も決まった。

本当に、周囲の力でどんどん形になっていく。

直美は卯三郎にも、派出看護の相談に来ている。

文の看護をしていて、きっとこういう人が大勢いるのだろうと気づいた。

派出看護の会に文の遺産を使えば、文も喜んでくれるだろう。

直美がそう言うと、卯三郎も、それはいい考えだと納得する。

文の遺産が、直美の新しい挑戦につながっていく。

これはとてもいい流れだと思う。

直美の相談は、看護に必要な医療機器を卯三郎から購入できないかというものだった。

卯三郎は、歯の治療の最新機器を輸入したり、製造も手がけたりして、適正な価格で卸しているようだ。

その話を聞きつけ、直美は即座に相談を持ちかける。

そして、場合によっては帝都医大への紹介も、と卯三郎にとってのリターンも忘れない。

ここが直美のうまいところである。

卯三郎は帝都医大という名前に大喜びする。

そして、さすが文さんに似ていますねと、直美の交渉力に感心する。

直美は、卯三郎の欲深さをよく分かっている。

ただお願いするだけではない。

相手にとっての利益をちらつかせる。

これも、直美の人を動かす力なのだろう。

丸山の店では、多江が待っている。

そこへ直美がやって来る。

さらに、しのぶもやって来る。

多江が二人を呼んだ理由は、派出看護の看護婦にしのぶはどうかということだった。

ただ、しのぶは派出看護の話よりも先に、自分が通詞と結婚するに至ったなれそめを話したい様子である。

直美が派出看護の会の話に戻そうとしても、それは多江から聞いたと言い、なれそめの話を続ける。

しのぶは相変わらずマイペースである。

直美は派出看護の会の説明を始める。

依頼によっては、患者の家で二、三日看護して戻れないこともある。

そう説明する。

すると、しのぶは自分の姉の話をする。

姉が体調を崩し、嫁ぎ先に見舞いに行ったら、ただ寝かされているだけだった。

それを見て怒って連れ帰り、自分が看護をしたらすぐによくなった。

そして、やはり自分は看護がしたいと思ったという。

しのぶは、すでに答えを出していた。

「それで、いつから働けるのかしら?」

もう派出看護の会で働く気満々である。

直美はありがとうございますと感謝する。

しのぶは、こちらこそですと答える。

多江は、思い通りにいって安堵していた。

やはり多江は、うまくしのぶをつないでくれたのだと思う。

直美が派出看護の会の事務所にいると、虎太郎が訪ねてくる。

直美は、製薬会社に勤めている虎太郎から医薬品を購入するようだ。

虎太郎は、ご希望の薬は「特別に」うちで一とおりご用意しますと言う。

直美がりんにお世話になっている方だから。

そういう理由で便宜を図っていることを匂わせる。

直美がお値段も相談できればと言うと、虎太郎はもちろん、りんがお世話になっている方ですからと答える。

ここでも、りんの存在が強調されている。

虎太郎は明らかに、りんによく思われたい。

別れ際にも、虎太郎は「あの……りんにも、私のことを……その……何て言うか……」と、りんに自分の頑張りを報告してくれることを期待している。

しかし直美は笑顔で、「虎太郎さん、お元気そうだ」と伝えることを約束する。

虎太郎は少し期待外れだったのか、「あ、はい」とだけ返事をする。

この場面は少し気の毒だった。

虎太郎は、りんへのアピールも含めて直美に協力している。

それは確かだろう。

でも、虎太郎が求めているリターンとしては、理解できる範囲だと思う。

りんによく思われたい。

自分が直美の役に立ったと伝えてほしい。

そんなに浅ましい話ではない気がする。

続いて、シマケンが印刷された派出看護会のチラシを直美に持ってくる。

直美が「おいくらですか?」と聞くと、シマケンはお祝いということでお金はいいと言う。

実は新聞社でこっそり印刷してもらったらしい。

直美は、助かる、本当にありがとうと感謝する。

そして、このことはちゃんとりんにも伝えておくからと言う。

シマケンは、これくらいでそんな大げさには、と反応する。

虎太郎とは正反対である。

虎太郎は、りんに伝えてほしそうだった。

シマケンは、伝えられることを少し遠慮する。

ただ、シマケンは過去に、団子屋にいればりんに会えると直美にアシストしてもらったことがある。

その意味では、直美のためにお祝いでチラシを用意してくれるのは、何も不思議ではない。

虎太郎だけが見返りを求めて浅ましい、という見方があるなら、それは少しかわいそうだと思う。

シマケンはすでに直美からアシストを得ている。

虎太郎だって、多少のアシストを得たいと思ってもいいはずである。

直美が使えるものを使って成功確率を上げるのは素晴らしい。

ただ、もしりんへの恋心まで利用しようとしているのだとしたら、男性陣が少し気の毒にも見える。

その後、直美としのぶは外で派出看護の会のチラシを配っている。

しかし、チラシを受け取った人たちの反応は芳しくない。

ここで、現実が少し見えた。

体制は整いつつある。

事務所もある。

看護婦も一人加わった。

医療機器や薬の手配もできそう。

チラシもできた。

でも、それを利用したい人がいるかどうかは別問題である。

今までのつながりをフル活用して準備は進んでいる。

ただ、利用者が増えるかどうかは、また別の壁なのだろう。

そこへ吉江が直美を訪ねてくる。

教会の方が、派出看護の会のことを教えてくれたという。

直美は、教会なら炊き出しで派出看護が必要な人がいると気づく。

吉江は、教会のみなさんに話してみますと言う。

直美は感謝する。

吉江は、私にできることはそれくらいしか、と謙遜する。

しかし直美は、もう一つお願いがあると言う。

派出看護会の名前を付けてもらえないか。

吉江にそう頼む。

吉江は、自分でいいのかと驚く。

直美は、吉江に付けていただきたいのだと答える。

これは分かる。

直美にとって吉江は、自分の人生の大切なところにずっといた人である。

教会で直美を見守ってくれた人。

直美の嘘も弱さも知っている人。

母親との問題で苦しんだ時も、本音を引き出してくれた人。

その吉江に、派出看護会の名前を付けてもらいたい。

直美にとって、とても自然な願いだと思う。

しかし吉江は、急がないといけませんねと言う。

吉江は、東京を離れて九州で伝道を担うことになったと教える。

直美は驚く。

吉江は、お別れをしに来たのだ。

これは寂しい。

吉江は、ずっと直美が心配だったという。

直美は「すぐに、うそ泣きしたりして?」と返す。

吉江は、嘘をつかないと生きていられなかったのだと話す。

初めて会った時には、もう大人の目をしていた。

だから、なんとか自分のところに来る時くらいは笑わせたいと思っていた。

吉江は、子どもの直美をずっと見ていた。

うそ泣きする子としてではなく、嘘をつかないと生きていけなかった子として見ていた。

これは大きい。

直美は涙を流す。

吉江は、それはうそ泣きではないですよねと確認する。

直美の涙は止まらなくなる。

このやり取りは本当に良かった。

直美は、嘘で身を守ってきた。

人をだましてでも生きようとしてきた。

でも吉江は、その奥にあった寂しさや必死さを見ていた。

そして今、直美は本当に泣いている。

うそ泣きではない。

吉江の前で、直美は本当の涙を流せるようになった。

吉江は「では、くれぐれもお元気で」と言う。

直美も「吉江先生も」と答える。

吉江は一瞬、両手を動かす。

ハグをしたそうにも見えた。

でも、最後は右手を差し出し、がっちりと握手をする。

この握手が、とても吉江らしかった。

優しさはある。

でも、直美を子ども扱いしすぎない。

一人の大人として、これから道を進む人として送り出す。

そんな別れに見えた。

直美は最初から仲間をスカウトするつもりだったのではないか

直美は看護婦を募集すると言った。

ただ、この時代に応募できる看護婦がどれだけいるのかは疑問である。

梅岡看護婦養成所の一期生と、帝都医大病院の看護科の生徒たちくらいしか、専門的に学んだ看護婦はいないはずだ。

そう考えると、直美の中には、最初からかつての仲間をスカウトするつもりがあったのではないか。

しのぶが加わったのも、その流れとしては自然だった。

派出看護の会は、直美一人では無理である。

ここから誰をどう巻き込んでいくのかが大事になりそうだ。

タマが取締になったことで、帝都医大病院も変わっていく

タマが直美のノートを読んでいたのも印象的だった。

タマはもう見習いではなく、看護婦取締として悩んでいる。

帝都医大病院の看護科出身者が取締を務めるようになったということは、病院内の看護婦制度が次の段階に入ったということでもある。

多江やトメがいるから安泰、というわけではない。

次の世代も育っている。

直美が外へ出た一方で、病院の中でも看護婦の流れは続いていくのだと思う。

美津のお願いは命令に近い

美津が物件を見つけてきた場面は面白かった。

本人は安く貸してもらえないか頼んだつもりかもしれない。

でも大家からすれば、ほぼ命令だった。

美津はやはり、どこか姫様気質が残っているのだろう。

本人に悪気はない。

でも、言葉や態度に圧がある。

大家さんはこの先も大変そうである。

とはいえ、直美にとっては美津がいてくれることは本当に心強い。

家族として、実務面でも支えてくれる存在になっている。

直美は人を利用する力がすごい

今回、直美の人を動かす力がかなり出ていた。

卯三郎には帝都医大への紹介というリターンをちらつかせる。

虎太郎には、りんとのつながりを使う。

シマケンにも、りんへの報告を匂わせる。

吉江には、教会とのつながりと、会の名前をお願いする。

もちろん、悪い意味だけではない。

直美は、相手が何を望んでいるかを見抜き、その力を借りるのがうまい。

ただ、恋心まで利用しているように見えると、少し男性陣が気の毒にもなる。

特に虎太郎は、りんによく思われたいという分かりやすい願いがある。

それを浅ましいと見るより、直美に協力するリターンとしては自然だと思う。

直美の派出看護会は、こうした人間関係の上に成り立っていくのだろう。

吉江との別れは寂しいが、直美にはもう仲間がいる

吉江が東京を離れて九州へ行くというのは、かなり寂しい。

直美の子どもの頃から、ずっと支えてくれた人である。

嘘をつかないと生きていけなかった直美。

うそ泣きで身を守っていた直美。

その直美を、吉江はずっと心配してきた。

でも今の直美には、たくさんの仲間がいる。

美津がいる。

環がいる。

りんがいる。

多江やトメがいる。

卯三郎、しのぶ、寛太、小川、シマケン、虎太郎もいる。

吉江も、それを見て安心して九州へ旅立てるのかもしれない。

直美が吉江に名付けを頼んだ派出看護の会。

どんな名前になるのかも気になる。

準備は順調。でも利用者がいるかはまだ分からない

派出看護の会の体制づくりは、今までのつながりをフル活用して順調に進んでいる。

事務所。

医療機器。

薬。

看護婦。

チラシ。

教会とのつながり。

かなりそろってきた。

でも、チラシを配っても反応はよくなかった。

ここが現実である。

いくら体制を整えても、利用したいと思う人が増えるとは限らない。

貧しい人たちは、そもそも看護にお金を払うという発想がないかもしれない。

裕福な人たちは、直美の会を信用するか分からない。

派出看護の会が本当に動き出すには、ここからもう一段、信頼と実績が必要になりそうだ。

まとめ

第87回は、直美の派出看護会づくりが一気に進んだ回だった。

美津が物件を見つけ、卯三郎が医療機器の相談相手になり、しのぶが看護婦として加わり、虎太郎やシマケンも協力する。直美はこれまで築いてきた人間関係をフル活用している。

ただ、体制が整うことと、利用者が増えることは別問題である。チラシへの反応が悪かったように、派出看護が本当に必要とされるには、ここから信頼を積み上げる必要があるのだろう。

そして、吉江との別れは寂しかった。うそ泣きの奥にあった直美の寂しさを、吉江はずっと見ていた。直美が本当の涙を流せるようになった今、吉江も安心して九州へ向かえるのかもしれない。

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