朝ドラ『風、薫る』第27回感想・ネタバレ|看護の話なのか日常の話なのか散らばりつつも、直美が少しずつほどけていく回だった

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2026年5月5日放送の『風、薫る』第27回は、看護婦養成所での学びが本格化していくのかと思いきや、看護の授業そのものはまだ手探りで、日曜日の外出や瑞穂屋での出来事まで広がっていく回だった。正直、見終わった時に「今は何の話を見ているのか」と少し散漫に感じるところはあった。けれど、その一方で、直美(上坂樹里)がりん(見上愛)や美津(水野美紀)と関わる中で、少しずつ人との距離を取り直している感じもあった。

今回は、看護の技術が進んだというより、養成所の外に出た時にそれぞれが誰とどう関わるのか、その人間関係の方が前に出ていた印象がある。だから物語の芯が少しぼやけたようにも見えるけれど、長い目で見ると必要な回なのかもしれないとも思った。

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第27回のポイント

  • バーンズ先生(エマ・ハワード)は、洋髪やエプロン作り、包帯の練習もすべて看護だと位置づける。
  • 直美(上坂樹里)は不器用さを露呈し、看護の実技でも苦戦する。
  • 日曜日の外出で、りん・直美・トメ(原嶋凛)は瑞穂屋を訪れ、美津(水野美紀)や卯三郎(坂東彌十郎)たちと再会する。
  • 最後には、多江(生田絵梨花)が日本髪に戻した姿を見せ、不穏さを残す。

個人的に印象に残ったこと

今回まず印象に残ったのは、バーンズ先生が洋髪にさせた次に、今度はエプロン作成を命じるところだった。多江(生田絵梨花)が「シーツ交換や掃除の次は裁縫か、自分は人を救う看護を学びたいのだ」と反発するのはもっともだと思った。見ている側としても、そこはかなり同じ気持ちになる。けれど、バーンズ先生は自分がやらせていることはすべて看護だと言い切る。この先生の中では一貫しているのだろうが、そこに至る説明が少ないから、どうしても生徒たちの戸惑いの方が先に立つ。

包帯の練習でも、直美(上坂樹里)はしのぶ(木越明)の腕にうまく巻けず、エプロンも縫い直しを命じられる。料理もできない、裁縫も不器用、手先のことになるととにかく弱い。このままで人の命に関わる看護を担えるのかと心配になるのは自然だった。ただ同時に、こういう不器用さがあるからこそ、この人がどうやって技術を身につけていくのかに興味も出る。

りん(見上愛)が多江の腕に包帯を巻き、「これは看護ですよね」と確認するのに、多江が不機嫌なままでいるのも印象的だった。多江の疑問はかなり真っ当だと思う。授業料を払って通っているのに、結局は自分で意味を探さないといけない。しかも教師は十分に説明してくれない。それで「看護です」とだけ言われても、すぐに納得はできないだろう。この苛立ちはかなりリアルだった。

りんが直美のエプロンを縫い直したのを見て、多江が「ほんとにおせっかいね」と呆れる場面もよかった。たしかにりんはおせっかいなのだが、そのおせっかいがあるから、いま直美は何とか養成所の流れについていけている部分もある。りんのそういうところは、良くも悪くもこの物語を動かしている。

日曜日になって、直美がエプロンを直そうと思っていたらもう直っていて、それがりんの仕業だと分かる流れもよかった。りんはその代わりに、トメを東京見物に連れていってあげてくださいと頼む。ここでりん・直美・トメの三人で出かけることになるのだが、考えてみれば、もう翻訳のグループ分けも終わっているのだから、なぜこの役目をりんや直美が当然のように背負うのか、という疑問は残る。多江、しのぶ、ゆき(中井友望)、喜代(菊池亜希子)だって一緒に行ってもよかったはずだ。そういうところに、養成所の仲間たちの思いやりがまだ均等には育っていない感じもある。

東京見物の途中で、トメが先生の足音を気にしていたせいで、遠くの音まで聞こえるようになったと言い、音のする方へ向かうと、そこには瑞穂屋の前で筝を弾く美津(水野美紀)がいる。この場面はかなり面白かった。しかも、日本語で外国人と普通に話しているのに、なぜか通じている。りんが驚くと、卯三郎(坂東彌十郎)が「気迫じゃないか」と返すのも妙に納得感があった。美津は、たしかに外国語は話せなくても、相手を怯ませない圧みたいなものは持っていそうだ。

ただ今回かなり引っかかったのは、美津と直美がすりの件以来の再会ですぐにお互いを認識するところだった。前に捨松(多部未華子)とりんが再会した時も感じたが、この作品は一度しか会っていない相手でも数年ぶりに再会するとすぐ分かることが多い。ドラマ的な都合として流せなくはないが、これが何度も続くとやはり少し無理があると感じてしまう。ここは違和感としてちゃんと残る部分だった。

その後、美津が二人を家に招き、環(英茉)が直美と遊んでいる場面はよかった。りんに対して「かか」ではなく「お母さん」と呼ぶ環の変化もよかったし、りんが一緒にいられないことを申し訳なく思っているのに対して、環が裏の宗ちゃんと遊ぶのが楽しいと言って安心させるのもよかった。ここは少し柔らかい場面だった。

そして、直美が料理を手伝い、美津の厳しい指導を受ける流れも面白かった。美津はたしかにめんどくさいし癖も強いが、直美みたいな不器用な人に対しては、意外といい指導係になるのかもしれないと思った。手厳しいけれど、教えるべきことは教える人なのだろう。

直美が信右衛門(北村一輝)の位牌を見つけ、美津から、コロリの時にりんがたった一人で看病して見送ったことを聞かされる場面も大きかった。これで直美の中で、りんの見え方が少し変わったのではないかと思う。ただの家老の娘でも、守られてきた人でもない。ちゃんと自分で地獄のような経験をしてきたのだと分かるからだ。

帰り道で、りんが「他人の家の一家団らんは嫌でしたよね」と気を遣うのに対し、直美が「エプロンの借りを返したかったし、お母様の料理も美味しかった」と返すのもよかった。かなりぶっきらぼうではあるが、前よりずっと素直だと思う。少しずつ、人の中に入っていくことを受け入れ始めているのかもしれない。

最後に、門限を告げる松井(玄理)の外に、日本髪に戻した多江(生田絵梨花)が立っているのはかなり不穏だった。バーンズ先生に洋髪を命じられたのに、それを戻しているということは、ただの反発以上の意味がありそうだ。ここは次回かなり気になる終わり方だった。

バーンズ先生のやり方には一貫性があるが、やはり説明不足が目立つ

今回も、多江が反発するのはもっともだと思った。バーンズ先生の中では全部が看護につながっているのだろうが、その意味を生徒たちに十分伝えないから、ただ雑務を増やしているように見えてしまう。これはかなり損なやり方だと思う。

もちろん、「自分で考えなさい」という教育なのだろうが、それが全員に通用するわけではない。特に今の生徒たちは、志望動機も理解力もかなりばらばらなのだから、もう少し言葉があってもいい気がした。

直美は不器用だが、人との関わりの中で少しずつほどけてきている

料理も裁縫もだめ、包帯も上手に巻けない。直美は相変わらずかなり不器用だ。でも、その一方で、りんの家に行き、美津にしごかれ、環と遊び、信右衛門の話を聞く。その一つ一つが、少しずつ直美の頑なさをほどいているようにも見えた。

だから今回の直美は、ただできない人というより、「人の中で学び直している人」に見えてきた気がする。

美津はやはりただの元姫君ではなく、かなり実践的な人だ

瑞穂屋で外国人相手に物怖じせず接客し、直美には容赦なく料理を教える。こういうところを見ると、美津はただ家格を振りかざすだけの人ではなく、信右衛門が百姓になって以降、自分なりに生きる力をちゃんと身につけてきた人なのだろうと思う。

だからこそ、りんにとっても、直美にとっても、意外な形で支えになる人なのかもしれない。

第27回は、話が散って見えるが、それぞれがつながる前の準備回なのかもしれない

今回の感想として「何の話なのかよく分からない」というのが率直な感想ではある。看護の授業、日曜日の外出、瑞穂屋、美津、直美、トメ、多江の不穏さ。あちこちに話が散っていて、一本の太い流れとしては見えにくかった。

でも、その散らばり方自体が、それぞれの人物を次の段階に進めるための準備なのかもしれない。だから今はまだ少し落ち着かないが、次回以降につながる布石として見れば意味はありそうだと思った。

まとめ

2026年5月5日放送の『風、薫る』第27回は、看護の授業そのものはまだ手探りのまま進みつつ、日曜日の外出や瑞穂屋での再会を通して、直美やりん、美津たちの関係が少しずつ動いていく回だった。話はやや散漫に見えるが、その中で直美が少しずつ人の中に戻ってきている感じはあった。

また、多江の反発や最後の日本髪の姿など、不穏な要素も残っている。第27回は、看護婦養成所編の中で、それぞれの人物が次に動く前の準備回だったように思う。

『風、薫る』感想まとめはこちら

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