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2026年4月15日に放送された『どんど晴れ』第153回。
第153回は、加賀美屋がようやく再建の形を整え始めたところへ、ワイバーン側が真正面から強硬策を仕掛けてきた回だった。一度辞めた仲居たちも戻り、板場も仲居も少しずつ持ち直し、環はその“精いっぱい頑張る今の姿”を写真として残そうと考える。さらに外では平治が秋山に静かに語りかけ、横浜では聡の正体と岸本会長の存在がいよいよ輪郭を帯びてくる。そんな中、最後に加賀美屋へ乗り込んできたアーサーたちは営業中止と経営陣退陣を迫り、従業員の総入れ替えまでちらつかせた。しかも秋山はワイバーン本社からすでにリーダーの座を外されていた。今回は、加賀美屋に希望が見えたからこそ、その希望を力でねじ伏せに来る側の冷酷さが一層際立った回だったと思う。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第152回)の感想はこちら

岸本会長の正体、そして聡の選択――点だった違和感が線につながり始めた場面
- 帳場では伸一(東幹久)が柾樹(内田朝陽)からの電話を受ける。
- 柾樹によると、明日、秋山(石原良純)の会社の社外取締役が会ってくれることになったらしい。
- その面会には、できれば女将か若女将に同席してほしいという要望も出ている。
- 環は夏美に対して、行くように命じる。
- 環は、夏美は新しい加賀美屋の顔なのだから、あなたが行かなくて誰が行くのかと背中を押す。
- 一方、岸本会長(夏八木勲)の広い部屋に聡が通される。
- 岸本会長は聡に、「どうだ? 二年ぶりに戻ってきた気分は?」と問いかける。
- さらに、一度出て行った聡を父親である自分の一存で復帰させたのだから、今度こそ期待に応えてくれよと念を押す。
- 聡は「はい。分かっています」と答える。
個人的感想
ここでまず気になるのは、秋山の会社の社外取締役が、女将か若女将の同席を希望していることだ。自分はずっと、この社外取締役って岸本会長のことなんだろうと思って見ていたんだけど、わざわざ女将か若女将を呼ぶという条件がつくと、少し話がややこしくなってくる。もし岸本会長本人が相手なら、環とも夏美とも面識はなさそうだし、同席を求める理由がまだ見えない。逆に、加賀美屋に泊まって熱を出し、夏美に看病されていた岸本様の方なのかとも思うが、そちらが社外取締役というのもまだ断定はできない。明日には判明するんだろうけど、この引っ張り方はかなり気になる。
そして何より大きいのは、聡の正体がここで一気に具体化したことだ。二年前までは岸本会長の会社にいて、そこを飛び出して南部鉄器職人の道へ進んでいた。つまり、聡が職人の道を歩んでいたのは二年程度ということになる。夏美が女将修業を始めた時期とそう遠くないのかもしれないなと思うと、少し見え方も変わってくる。
そうなると、第31回で聡が柾樹に向かって放った、あのサラリーマンを見下すような言葉も、かなり意味が変わってくる。ただの若さや反抗心ではなく、聡自身が一度その世界にいて、そこから逃げるように、あるいは反発するように、自分で選んだ道が南部鉄器職人だったということなんだろう。自分が前から感じていた、聡のサラリーマン敵視や、どこか影のある感じ、夏美の苦しみに妙に深く反応する違和感みたいなものが、ようやくここで回収された気がした。
ただ、その回収がかなり皮肉だ。聡は自分の意志で選んだ職人の道を歩んでいたはずなのに、今度は加賀美屋を救うために、その道をいったん脇へ置いて、父親の会社へ復帰することになるらしい。加賀美屋へ戻ってきた仲居たちは、自分が戻りたい場所へ戻った。でも聡は違う。誰かを助けるために、自分がやりたくなかった側の世界に戻るとしている。かなり対照的で、ちょっと苦い。
あともう一つ気になるのは、岸本会長の本業だ。秋山の会社の「社外」取締役ということは、当然その会社の中の人間ではない。つまり岸本会長には別に会長を務める本業の会社があるはずだ。その会社は何をしているのか。秋山の会社より強い立場なのか。それとも秋山の後ろにいる大手ホテルチェーンともまた別系統の力を持つ会社なのか。そのあたりもまだ全然見えていない。最終回まであと三回しかないのに、ここへ来てまだこんなに新しい興味が出てくるんだから、やっぱり目が離せない。
この場面で大きいのは、聡がついに“加賀美屋を助ける側の外部ルート”として正体を現したことだと思う
ここまで聡は、
- 何かを知っていそう
- 岸本姓が気になる
- 西田に反応する
- 東京へ行く
という伏線の塊みたいな存在だった。
でも今回でようやく、岸本会長の息子であり、二年前まで父の会社にいた人間だと分かる。
つまり聡はここで初めて、
加賀美屋の外にある権力や資本へつながるルート
として姿を現した。
かなり大きい。
第31回の“サラリーマン嫌悪”が、単なる若さではなく“自分の過去への拒否”だったと見えてくるのがかなり面白い
あの時の聡は、ただ感じが悪い若者にも見えた。
でも今振り返ると違う。
あれは聡にとって、
自分がかつていた世界への嫌悪
だったんだと思う。
だから柾樹にあれだけ強く当たった。
つまりあの棘は、一般論ではなくかなり私的な痛みから出ていた可能性が高い。
ここ、かなりきれいな回収だと思う。
聡が今また父の会社に戻るのは、“夢を諦める”というより“自分の過去と取引する”感じにも見える
南部鉄器職人の道は、聡が自分で選んだ道だった。
でも今は、その道だけでは加賀美屋を助けられない。
だから一度捨てた世界へ戻る。
これは単なる復職ではなく、
自分が嫌っていた過去の側へ、目的のためにあえて戻る
ということなんだろうなと思う。
かなり苦いし、かなり重い。
仲居たちの復職と聡の復帰が対照的なのはかなり効いている
康子たちは戻りたくて戻る。
加賀美屋が好きだから戻る。
でも聡は違う。
自分のためというより、誰かのために戻る。
しかも戻る先は、自分がかつて嫌って飛び出した場所かもしれない。
つまりここでの聡は、
救う側に回る代償として、自分の人生を少し後ろへ戻す人
として描かれている。
かなり切ない。
女将か若女将の同席を求める条件は、“単なる企業交渉ではない”ことを示しているのかもしれない
ここはかなり気になる。
もし本当にただの経営の話だけなら、柾樹だけでもいいはずだ。
でも女将か若女将を求める。
つまり相手が見たいのは、
数字や契約の話だけじゃなく、
加賀美屋の中身や顔
なんだろうなと思う。
そう考えると、この社外取締役は
- 加賀美屋を知らない人物
ではなく、 - 加賀美屋の誰かに会う意味を持つ人物
の可能性が高い。
そこがかなり意味深だ。
岸本会長の本業が何かは、最終局面の“現実的な逆転手段”に直結するはず
今までは、
- 夏美の人望
- 外からの応援
- 秋山側の揺らぎ
みたいな流れで希望が見えてきていた。
でも最後に本当にひっくり返すには、
やっぱり資本や会社法の話に踏み込める現実の力が要る。
そう考えると、岸本会長の本業ってかなり重要なんだよな。
この人が持っている力の種類によって、
加賀美屋の逆転は
- 世論の勝利
なのか - 資本の逆転
なのか - その両方
なのかが決まってきそうだ。
“ずっと気になっていた聡の違和感”がようやく意味を持ち始めた場面としてかなり重要だった
ここまで散らばっていた違和感が、
ようやく一つの形になり始めた。
サラリーマン嫌悪。
岸本姓。
西田への反応。
東京行き。
全部が少しずつつながってきている。
つまりこの場面は、
聡という人物の伏線回収の入口
であり、
同時に
加賀美屋が秋山側の内側へ食い込むための入口
でもある。
最終回まであと三回というタイミングで出すには、かなり強い場面だったと思う。
平治が秋山に向けた静かな確信――座敷童と風鈴が“加賀美屋の本質”を語った場面
- 平治(長門裕之)が加賀美屋の母屋の縁側にやって来るが、そこには誰もいない。
- 平治は一人で縁側に腰掛ける。
- すると風鈴が鳴り、平治は「いい音色だ」とつぶやく。
- 平治は、風鈴をすべての客室に吊るすとしたら、あと何個必要なのかを考えている。
- 一方その頃、秋山が外から加賀美屋の様子をうかがっている。
- 夏美の接客や、アキが写真を撮っている光景が見える。
- 平治は秋山を見つけて話しかける。
- 平治は、秋山が加賀美屋を乗っ取ろうとしていることも知っている。
- しかし平治は、座敷童のいる加賀美屋を乗っ取ろうとしても無理だと告げる。
- 平治は秋山に、みんなが加賀美屋を何とかして助けようとしているのが分かるかと問いかける。
- 秋山は、それを確かめに来たのだと言い、知っているなら教えてほしいと答える。
- 平治は、ここには人が人を思いやる心があるからだと話す。
- そしてそれこそがおもてなしの心なのだと説明する。
- さらに平治は、ここで座敷童に会ったのが運の尽きだと思って、加賀美屋の乗っ取りは諦めるんだなと、やさしい笑顔で忠告する。
個人的感想
平治、やっぱり客室全部に風鈴を吊るすつもりだったのか。風鈴の音が鳴ると座敷童が現れる、という流れはこれまでも何度も描かれていたから、ひょっとして全室に吊るすつもりなんじゃないかと思っていたけど、本当にそうだったんだな。ということは、24室全部で座敷童に会える可能性があるってことか。旅館の売りとしてはかなり強いけど、現実に全部の部屋に風鈴がついていたら、さすがにうるさいだろうなとも思ってしまう。
でも今回よかったのは、やっぱり平治と秋山のやり取りだ。平治は、秋山が乗っ取り屋だと分かっている。それでも邪険に扱わないし、怒鳴ったりもしない。あの距離感には、どこか不思議な仲間意識みたいなものがある気がする。やっぱり、二人とも座敷童を見てしまった者同士なんだろうなと思う。
そして平治が言う、「みんなが加賀美屋を助けようとしてくれるのは、人が人を思いやる心があるからだ」という言葉。これは秋山にはかなり響くだろうなと思った。秋山は、裏切られて投獄された過去を持つ人間として描かれてきた。つまり、人が人を思いやる心なんてものが壊れてしまった側の人間なんだよな。そんな秋山に対して、平治は理屈ではなく、加賀美屋に人が集まってくる理由をまっすぐに示してみせる。これはかなり効くと思う。
秋山も昔は、相手を思いやる気持ちをちゃんと持っていた人だったのかもしれない。でも裏切られたことで、それを閉じてしまった。ところが座敷童を見てしまったことで、忘れていたその感覚を少しずつ思い出している。今回のやり取りを見ていると、そんなふうにも思えてくる。
平治もまた、秋山のことを根っからの悪人だとは見ていないんだろう。最後に向けたあの笑顔も、「お前はもう加賀美屋を壊せないよ」と分かった上で向けた笑顔に見えた。かなり静かな場面だけど、秋山の心が大きく揺れた場面だったように思う。
この場面で大きいのは、平治が“加賀美屋を守る理屈”を、法律でも経営でもなく“心”の言葉で言い切ったことだと思う
ここまで加賀美屋を守るために出てきたのは、
- 株の話
- 買収の話
- 世論の話
- 予約回復の話
みたいな、かなり現実的な要素が多かった。
でも平治は違う。
人が人を思いやる心があるからだ、と言い切る。
かなりどんど晴れ的だし、かなり象徴的だ。
ここで平治は、
加賀美屋が助かる理由
を、作品の根っこにある言葉で言い表しているんだと思う。
秋山が「それを確かめに来た」と答えるのは、もう単なる敵として見ていない証拠でもある
ここ、かなり大きい。
秋山がもし完全に冷徹な買収屋のままなら、平治の言葉なんて聞き流すはずだ。
でも実際には、「知っているなら教えてほしい」とまで言う。
つまり秋山はもう、
加賀美屋がなぜ崩れないのか
を本気で知りたがっている。
ここまで来ると、敵として攻略法を探っているというより、
加賀美屋の持つ何かを理解したくなっているようにも見える。
平治と秋山の間には、“座敷童を見てしまった者同士”の静かな共犯関係みたいなものがある
平治は秋山をただの悪党として切り捨てていない。
秋山も、平治の言葉を鼻で笑ったりしない。
これはたぶん、お互いに
理屈では説明できないものを見てしまった者
だからなんだろう。
座敷童を見たという共有体験が、
二人の会話を普通の対立とは違うものにしている。
風鈴を全室に吊るすという発想は、かなりトンチキだけど、同時に“加賀美屋の再生策”としても妙に筋が通っている
全室に風鈴。
現実にやったらたしかにうるさい。
かなりおかしい。
でもこの作品の文脈では、それがただの変な行動で終わらない。
風鈴は座敷童の気配を呼ぶ。
座敷童は加賀美屋の不思議な守り神みたいな存在だ。
つまり平治はここで、
加賀美屋の再生を“設備”ではなく“気配”から支えようとしている
とも言える。
かなりどんど晴れらしい発想だと思う。
「ここには人が人を思いやる心がある」は、秋山の過去そのものを逆から刺している言葉にも聞こえる
秋山は、裏切られた人間として描かれてきた。
つまり、思いやりや信頼を失った側の人間だ。
そんな秋山に対して、平治は
加賀美屋にはそれがある、と言う。
これはかなり残酷でもある。
秋山が失ったものを、加賀美屋はまだ持っている。
だからこそ、秋山には響くんだろうなと思う。
かなり静かだけど、かなり鋭い場面だ。
この場面は、秋山が“加賀美屋を諦めるかどうか”を決める最終的な心の入口だったのかもしれない
平治は最初から、もう秋山は乗っ取れないと分かった上で話しているように見える。
それは単なる楽観ではなく、
秋山が座敷童を見てしまった時点で、もう完全な外部の論理だけでは動けなくなっていると見抜いているからなんだろう。
つまりこの場面は、
秋山の買収計画を崩す理屈
ではなく、
秋山の心を買収側から引き離す最後の一押し
だったのかもしれない。
かなり重要な場面だったと思う。
まとめ
今回の第153回でまず大きかったのは、加賀美屋の再建が“気持ちの問題”ではなく、“現実の運営”としてようやく整い始めたことだと思う。康子・則子・恵が戻り、仲居の人数が持ち直す。感情的には、勝手な駆け引きをして出て行った三人をそんな簡単に戻していいのかという思いもある。でも現実的に見れば、加賀美屋の仕事を知っている即戦力が戻るのはかなり大きい。新人を採用して一から教育する余裕なんてないし、他の旅館も人手不足だという状況なら、これは経営上も悪くない判断だったと思う。夏美の「またみんなと一緒に働けてうれしい」という言葉は甘さでもあるけれど、その甘さが実際に人を戻し、現場を立て直していく力にもなっているのがどんど晴れらしかった。
また、環がアキに写真を頼む場面も印象的だった。みんなが力を合わせて何とかしようとしている今の加賀美屋を記録に残したい。それを後の加賀美家へ伝えたい。これは単なる記念写真じゃない。勝てるかどうかはまだ分からない、でも自分たちがどう戦ったかは残したい、という意思表示なんだと思う。ここまで来ると、加賀美屋を守るということは、建物や経営権を守るだけではなく、“この旅館でどう生きたか”を残すことにまで広がってきているんだなと感じた。
一方で、外の線もかなり大きく動いた。聡の正体がついに具体化し、二年前まで岸本会長の会社にいた人間だったことが明らかになる。これで第31回の頃から感じていた、聡のサラリーマン嫌悪や、夏美への妙に深い共感が、ただの若さや反抗心ではなく、自分自身の過去に対する拒否反応だったのかもしれないと見えてくる。しかも今、その聡が加賀美屋を助けるために、かつて嫌って飛び出した世界へ戻ろうとしている。加賀美屋に戻りたくて戻ってきた仲居たちとは対照的に、聡は誰かを救うために自分が犠牲になる側へ回っている。その苦さもかなり印象に残った。
そして今回かなり良かったのは、平治と秋山の場面だ。平治は、秋山が乗っ取り屋だと知っているのに、邪険に扱わない。座敷童のいる加賀美屋を乗っ取ろうとしても無理だと、やさしい笑顔で言い切る。そのうえで、「みんなが加賀美屋を助けようとしてくれるのは、人が人を思いやる心があるからだ」と説明する。この言葉は、裏切られて投獄された過去を持つ秋山にはかなり刺さったはずだ。秋山はここで、加賀美屋がなぜ崩れないのかを“確かめに来た”とまで言っている。つまりもう、敵として攻略法を探っているだけではなく、加賀美屋の持つ何かを理解したがっている。この場面で、秋山が完全なワイバーン側の人間ではなくなっていることがかなりはっきりしたと思う。
そして最後のアーサーたちの乗り込み。ここでワイバーン側は、ついに揺さぶりや情報戦の段階を越えて、営業中止と経営陣退陣を真正面から迫る“強制執行モード”に入ってきた。とくに「女将の代わりもいる」と言い放った瞬間、買収は単なる数字や株の話ではなく、加賀美屋という旅館の人格そのものを踏みにじる話に変わったと思う。だからこそ従業員たちも怒るし、見ているこちらも強く反発したくなる。そしてそこへ現れた秋山が、約束の一週間を守ろうとしていたにもかかわらず、すでにワイバーン本社からリーダーの座を外されていたことも明かされる。これはかなり大きかった。ワイバーン本社45%、秋山8%という構図で見てきた以上、その8%を握る秋山を軽視するのは危険なはずだし、ここへ来て秋山の持分がキャスティングボートとして急に重みを増したように見えた。
第153回は、加賀美屋が“再建できる形”をようやく整えた直後に、その希望ごと押しつぶそうとする側の冷酷さが正面からぶつかってきた回だったと思う。ただ、その一方で、聡の正体、秋山の揺らぎ、平治の確信、そしてアーサーによる秋山排除まで、一気に逆転の条件も揃い始めている。表面上は絶体絶命だけれど、内側ではかなり大きな亀裂と希望が同時に育っている。最終盤にふさわしい、かなり重いけれどかなり面白い回だった。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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