朝ドラ『風、薫る』第112回感想・ネタバレ|歳月は流れ、看護婦は増えた。でも新たな問題も見えてきた

朝ドラ

本記事にはアフィリエイト広告を利用しています。

2026年9月1日放送の『風、薫る』第112回は、一気に歳月が進む回だった。

明治29年。

環(山田詩子)は、ついに女学校へ入学する。

りん(見上愛)がずっと願ってきたことが、ようやく形になった。

そしてさらに3年が経過し、明治32年4月。

環(瀧七海)は最上級生になり、明(開原律)も大きく成長している。

一方で、美津(水野美紀)はすでに亡くなっていた。

恵風看護婦会は大きくなり、りんは看板看護婦として評判になり、直美(上坂樹里)も経営者として忙しく働いている。

看護婦の数は全国で3,000人とも言われるようになった。

バーンズ先生が夢見た世界は、確かに近づいている。

しかしその一方で、悪質な派出看護婦会も出てきているようだった。

看護婦が増えたからこそ、新たな問題も見えてきた回だった。

前回の記事はこちらです。

朝ドラ『風、薫る』第111回感想・ネタバレ|看護の未来はりんと直美へ。戦争が残した傷と、それでも吹く風
2026年8月31日放送の『風、薫る』第111回は、戦争が終わった後に残された人たちの傷が描かれた回だった。戦争は、直美(上坂樹里)から吾郎(甲斐翔真)を奪った。そして、無事に帰ってきた虎太郎(小林虎之介)にも、大きな傷を残していた。虎太郎...

第112回のポイント

  • 明治29年、環がいよいよ女学校へ入学する。
  • 美津は仏壇の位牌に、りんが立派に孫を女学校へ入れたことを報告していた。
  • 美津は、思いがけぬ道を歩んだが、自分は幸せ者だと信右衛門に報告する。
  • りん、直美、美津、環、明が玄関前で写真を撮る。
  • さらに3年が経過し、明治32年4月になる。
  • 成長した環は最上級生になり、明も大きくなっている。
  • 美津は3か月前に亡くなっており、りんたちは仏壇の前で合掌する。
  • 恵風看護婦会には依頼が増えているが、直前に取りやめる患者も増えている。
  • しのぶ(木越明)が、子どもの茂を連れて恵風看護婦会を訪れる。
  • しのぶは、子育てしながら働くりんと直美のすごさを改めて感じる。
  • 環は卒業後の進路について、すぐには答えない。
  • 取材では、看護婦が3,000人とも言われるほど増えたことが話題になる。
  • 一方で、知識のない人を看護婦として派出したり、法外な金額を請求する看護婦会の噂も出てくる。
  • 佳枝(相田翔子)は、近くにできた「親和派出看護婦会」から勧誘されたことをりんに話す。
  • 親和派出看護婦会は、強引な勧誘もしているらしい。
  • 重野が、悪い噂を理由に、恵風看護婦会への依頼を取りやめに来る。

個人的に印象に残ったこと

今回は、明治29年から始まった。

環がいよいよ女学校に入学する。

これは、りんにとって本当に大きな出来事だった。

環を女学校に入れること。

それは、りんがずっと願ってきたことだった。

環の父・亀吉は、女に教育はいらないという考えだった。

しかし、りんは環に学ばせたいと願い続けた。

新潟に行ったことも、看護婦として働き続けたことも、環のためという面が大きかった。

その環が、ついに女学校へ入る。

美津は仏壇の位牌に向かって、

「私たちの自慢の娘は立派に孫を女学校に入れましたよ。」

と報告していた。

それをりんに教える。

そして、ここまでよく頑張ったとりんを褒める。

りんは涙を堪える。

ここは、かなり感慨深い場面だった。

りんは本当によく頑張った。

看護婦になり、挫折し、新潟へ行き、また戻り、恵風看護婦会で働き、環を育ててきた。

母として、看護婦として、かなり難しい道を歩いてきた。

その結果として、環を女学校に入れることができた。

りんが泣きそうになるのも分かる。

写真撮影で環が待っていると、りんは美津を連れ出そうとする。

しかし美津は一人振り返り、仏壇の位牌に向かって言う。

「思いがけぬ道を歩みましたが、私は幸せ者です。」

この言葉も良かった。

美津は、もともと筆頭家老の妻だった。

まさか百姓の妻になるとは思っていなかっただろう。

娘が看護婦になるとも思っていなかっただろう。

しかもその娘は、日本の看護婦の先駆者のような存在になっていく。

美津自身も、一ノ瀬家で直美や明を受け入れ、かなり思いがけない家族の形を歩んできた。

でも、美津は幸せ者だったと言う。

その言葉には、いろいろな苦労を乗り越えてきた人の穏やかさがあった。

玄関前には、りん、直美、美津、環、明が集まり、写真を撮る。

この写真は、一ノ瀬家の家族の形をそのまま表しているようだった。

血縁だけではない。

夫婦でもない。

でも確かな家族。

直美と明も、もう一ノ瀬家の一員である。

時はさらに3年が経過する。

明治32年4月。

成長した環は最上級生になっている。

明も大きくなっている。

明が破いた服を、直美が繕っている。

りんは明を呼び寄せ、環と共に仏壇の前に正座する。

直美も遅れてやって来て正座する。

3か月前に美津も亡くなっており、二つの位牌に向かって4人で合掌する。

美津は、大切な家族に囲まれ、幸せな最期だったようだ。

それはよかった。

ただ、少し見たかった気持ちもある。

せっかく看護婦の話なのだから、りんが自分の母親の最期をどう看護し、どう看取ったのか。

そこを演じてくれても良かったのではないかと思ってしまった。

文(内田慈)の看護の時にも、看取りの話はなかった気がするが

美津はりんにとって母であり、この物語にとっても大きな存在だった。

だから、少しだけでも美津の最期に触れてほしかった気持ちは残る。

環は「行ってきます」と家を出ていく。

明は環を追いかけていく。

直美はりんに、今日は遅くなりそうだから夕食の支度を頼み、今度また取材を入れたから対応をお願いすると伝える。

りんは「また?」と呆れる。

直美は、

「いつもありがとうございます。看板看護婦の一ノ瀬さん。」

とおだてる。

この二人のバディ感は変わらない。

りんは看板看護婦。

直美は経営者。

互いに役割は違うが、うまく補い合っている。

外では、明がメンコをしている。

ツル(うらじぬの)が相手をしている。

恵風看護婦会には、どんどん依頼が増えている。

しかし近頃、間近になって取りやめる患者も結構多いらしい。

直美は、みんなに向かって言う。

「大変だと思うけど、看護の質だけは落とさないように気を付けよう。」

ここに、恵風看護婦会の成長と課題が見える。

依頼が増える。

忙しくなる。

でも、質を落としてはいけない。

直美は経営者として、きちんと現場を引き締めている。

そこへ、しのぶがやって来る。

たまたま近くに来たからというしのぶは、子どもの茂を連れている。

上の子は元気に学校に通っているらしい。

学校に通うことで少し楽になるかと思っても、茂がいるからまた大変だと話す。

しのぶは茂に、ここが日本で初めてできた派出看護婦会で、自分もここで一所懸命働いていたのだと自慢する。

このしのぶの言葉は良かった。

しのぶにとっても、恵風看護婦会で働いた時間は誇りなのだと思う。

自分がいた頃とずいぶん変わったというしのぶに、直美は患者さんが増えた分、備品も増えたと説明する。

その時、明が大きな石を持ってきて直美に渡す。

直美が「なにこれ?」と聞くと、明は元気よく、

「お母さん!」

と答える。

しのぶとりんは笑い出す。

明はかなり元気に育っている。

直美が母として奮闘してきたことが、この明の姿からも伝わってくる。

しのぶは、環と明が大きく成長していることを見て言う。

「子育てしながら働くのって大変なんじゃない?」

「私、今なら2人がどれだけすごいか分かる。」

この言葉も印象的だった。

しのぶは、妊娠した時に仕事を辞めた。

その後、子育てをしてきたからこそ、子育てしながら働くりんと直美の大変さが分かるようになったのだろう。

明はまた外に出ていく。

直美は、明にツルの言うことをちゃんと聞くのよと念を押す。

明を追いかけるツル。

直美を目で追うしのぶ。

その様子を、りんがそっと見ている。

しのぶは、茂と一緒に帰っていった。

ここは少し意味深だった。

しのぶは、また働きたいと思っているのかもしれない。

まだ小さい子どもはいる。

でも、子育てしながら働く直美の姿を見て、自分にもできるのではないかと思ったのかもしれない。

恵風看護婦会は、子育てしながら働く母親に対して、比較的寛容な組織に見える。

しのぶが復帰する流れもあるのだろうか。

夕食を作るりん。

明が、少し食べてみるかと聞かれ、料理中のものを菜箸で食べさせてもらう。

「おいしい!」

と喜ぶ明。

りんの夕食作りを環が手伝う。

りんは環に聞く。

「卒業後はどうするの?」

環は何も答えない。

りんは、

「環がやりたいこと、何でも応援するから。」

と言う。

環は「ありがと」と返事をする。

ここは、環のこれからが気になる場面だった。

環は無事に女学校に入り、最上級生になった。

りんの願いは叶った。

でも、環自身が何をしたいのかはまだ分からない。

何もやりたいことがないのか。

何か思うところはあるが、まだ言い出せないのか。

それとも、りんや直美のように、周囲の期待とは違う道を選びたいのか。

環の中に何があるのか、まだ見えない。

取材の日。

記者は、看護婦が猛烈な数で増えていて、その数は3,000人とも言われていることについてどう思うかと質問する。

りんは、仲間が増えたことは大変喜ばしく思っていますと答える。

看護婦が3,000人。

ここまで来たのかと思う。

バーンズ先生が夢見た世界は、確かに近づいている。

看護婦という職業が、社会に広がり始めている。

外には、友達と一緒に下校途中の環の姿がある。

話題はお見合いについて。

環以外の二人には、お見合いの話があるらしい。

友人が環に、そういう話はまだ来ていないのかと確認する。

環は、

「私は、まだ結婚はあんまり……。」

と答える。

友達は、環も嫁ぐより先に、まずはお母さんと同じ看護婦かと言う。

環は笑ってごまかす。

ここも気になる。

環は結婚にあまり興味がなさそうである。

りんや直美を見て育った環にとって、人生の「上がり」は結婚ではないのかもしれない。

ただ、看護婦になりたいのかどうかも分からない。

環は、何を選ぶのだろう。

取材中の部屋に入ろうとする明を、環が止める。

直美は、環に目配せで感謝する。

環はもう、かなり頼れる存在になっている。

取材を終えようとする直美。

しかし記者は、最後の質問をする。

看護婦が増えたことは喜ばしいと言っていたが、近頃、何の知識もない人を看護婦として派出したり、法外な金額を請求するところもあるという。

こうしたことをどう考えるか。

この質問で、空気が変わった。

看護婦が増えた。

派出看護婦会も増えた。

それ自体は喜ばしい。

でも、増えれば質の低いところも出てくる。

悪質なところも出てくる。

直美は、そういった話はまだ噂にすぎないが、派出看護婦会が増えているのは事実だと答える。

各地でどのような看護が行われているのか注視していく。

直美は慎重に答えた。

経営者としても、看護婦会の代表としても、軽々しく他を批判するわけにはいかない。

でも、問題意識は持っている。

宮川家では、りんが佳枝の看護を続けている。

佳枝は、りんの活躍は耳に届いていると言う。

有名な一ノ瀬さんにもう7年も看護してもらっていて、本当に運がいい。

佳枝のこの言葉で、りんが長く看護を続けてきたことが分かる。

7年。

佳枝の病気は治っていない。

でも、りんはずっと寄り添っている。

りんが「これからも末永くお願いいたします」と頭を下げると、佳枝も「こちらこそ」と応じる。

この関係もとても良い。

佳枝は、見せたいものがあると言い、りんに引き出しからチラシを取り出させる。

近くに看護婦会ができたので勧誘されたという。

りんの知り合いだったら、お断りしてもらおうと思っていたという。

持ち帰ったチラシには、

「親和派出看護婦会」

と書かれている。

ツルは、かなり強引な勧誘もしているという話を聞いたらしい。

直美は「う〜ん」と悩む。

そこへ重野がやって来る。

明日からお願いしていた派出看護を取りやめにしたいという。

直美が理由を聞くと、重野は言いにくそうに説明する。

看護婦会は近頃悪い噂も立っているだろう。

やめた方がいいと方々から言われた。

ここで、悪い噂が恵風看護婦会にも影響し始めていることが分かる。

悪質な派出看護婦会が出てくる。

そのせいで、看護婦会全体への信用が揺らぐ。

恵風看護婦会がどれだけ真面目にやっていても、同じ「看護婦会」として見られてしまう。

看護婦が増えたからこそ起きる問題である。

看護婦の数が増えることは、バーンズ先生の夢に近づくことでもある。

しかし、質をどう保つのか。

知識もない人を看護婦として派出することをどう防ぐのか。

法外な料金をどう防ぐのか。

ここからは、看護婦という職業の「量」だけではなく、「質」と「信用」が問われる段階に入ったのだと思う。

環は真っすぐに育った。でも進路はまだ見えない

環は、かなり複雑な家庭で育った。

父親はいない。

りんと離れて暮らした時期もある。

シマケンが身近にいるおじさんのような存在だったこともある。

直美が二人目のお母さんになった。

りんと直美が仕事でいない時は、美津が面倒を見ていた。

それでも、環はぐれることなく真っすぐ育ったように見える。

ただ、卒業後に何をしたいのかという質問には即答しなかった。

結婚にもあまり興味を示していない。

看護婦になりたいともはっきり言わない。

環の中に、何か別の思いがあるのかもしれない。

りんが「何でも応援する」と言ったことが、環にどう響くのか気になる。

美津の最期はもう少し見たかった

美津は、3か月前に亡くなっていた。

大切な家族に囲まれ、幸せな最期だったようだ。

それ自体は良かった。

ただ、看護婦の物語としては、りんが母の最期をどう看護し、どう看取ったのかを少し見たかった気持ちもある。

文の時に、直美が母を看護する話は描かれた。

だから同じことを繰り返さなかったのかもしれない。

でも、美津はりんの母であり、物語の大きな支えだった。

「思いがけぬ道を歩みましたが、私は幸せ者です。」

この言葉を聞くと、美津の最期にももう少し触れてほしかったと思ってしまう。

ツルは明の子守をどういう立場でしているのか

ツルが明の相手をしていること自体は、当時の感覚では自然なのかもしれない。

昔は近所のおじさんやおばさんに面倒を見てもらい、地域全体で子どもを育てるような感覚があった。

ただ、恵風看護婦会の業務時間中に、ツルが明の子守をしているようにも見える。

これは直美が業務命令として行わせているのか。

それともツルの善意に甘えて子守を任せ、その代わりに就労をある程度免除しているのか。

細かいことだが、少し気になった。

とはいえ、明も環も、みんなで育てた子どもなのだろう。

恵風看護婦会と一ノ瀬家は、仕事場であり、家族の場でもある。

しのぶは復帰を考えているのかもしれない

しのぶの登場も意味深だった。

子育てしながら働くりんと直美のすごさを、今なら分かると言う。

そして、働く直美の姿を目で追っていた。

しのぶにもまだ小さい子どもがいる。

でも、仕事に復帰したい気持ちがあるのかもしれない。

恵風看護婦会は、子育てしながら働く母親に対して寛容な組織に見える。

直美自身が明を育てながら働いている。

りんも環を育てながら働いてきた。

しのぶが戻ってくるなら、それは恵風看護婦会らしい流れだと思う。

りんと直美は適材適所のバディになった

りんは、プライベートでは環を女学校へ入れた。

仕事では恵風看護婦会の看板看護婦となり、取材も多数こなし、活躍が評判になるほどになった。

悩み、壁にぶつかりながらも、看護婦として成功の道を進んできたように見える。

直美も、吾郎を亡くしながら明を育て、経営者として恵風看護婦会を軌道に乗せている。

直美には、やはり経営の才能があったのだと思う。

りんは現場の看板。

直美は経営と組織づくり。

二人は適材適所で、お互いを補い合いながら成長してきたバディなのだろう。

看護婦が増えたからこそ、質が問われる段階に入った

看護婦が3,000人規模まで増えたことは大きい。

バーンズ先生が夢見た世界に近づいている。

看護婦という職業が社会に広がっている。

しかし、増えれば問題も出てくる。

何の知識もない人を看護婦として派出する。

法外な金額を請求する。

強引な勧誘をする。

そういう看護婦会が出てくれば、看護婦全体の信用が傷つく。

恵風看護婦会が真面目にやっていても、悪い噂は一緒に広がってしまう。

これからは、看護婦を増やすだけではなく、質を守ること、信用を守ることが大きな課題になるのだと思う。

まとめ

第112回は、珍しく一気に歳月が進む回だった。環は女学校に入学し、さらに最上級生となり、明も大きく成長していた。美津も亡くなり、一ノ瀬家の形も少しずつ変わっていた。

りんは環を女学校へ入れるという願いを叶え、看護婦としても看板看護婦と呼ばれる存在になった。直美も明を育てながら、恵風看護婦会を経営者として軌道に乗せている。二人は本当に適材適所のバディになったのだと思う。

一方で、看護婦が増えたことで、新たな問題も出てきた。悪質な派出看護婦会の噂が広がり、恵風看護婦会への依頼にも影響が出始めている。看護婦の数が増えた今、次は質と信用が問われる段階に入ったのだろう。

環が女学校で何を学び、卒業後に何を選ぶのか。悪質な看護婦会の問題にりんと直美がどう向き合うのか。物語終盤に向けて、また新しい課題が見えてきた。

『風、薫る』感想まとめはこちら

懐かしい朝ドラをもう一度見たい方はこちら → NHKオンデマンドでは見られないけどTSUTAYA DISCASで楽しめる朝ドラ5選

広告
タイトルとURLをコピーしました