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2026年8月19日放送の『風、薫る』第103回は、全体的に気持ちのいい回ではなかった。
シマケン(佐野晶哉)は小説家の道を諦め、浜松に帰ることを決める。
しかし、その事情を十分に説明しないまま、りん(見上愛)に「一緒に浜松に来てほしい」と頼む。
一方、直美(上坂樹里)は無償看護で遠藤平蔵(太田光)のもとを訪れるが、「貧しい人や弱った人にこそ手を差し出したい」という理念を語ったところ、平蔵から「弱い人間じゃねえ」と返されてしまう。
昨日はシマケンの文章に「強さがない」と言われた。
今日は、貧しくて体が弱くても「弱い人間じゃねえ」と言われた。
強さとは何か。
弱さとは何か。
その言葉に人々が振り回されているような回だった。
前回の記事はこちらです。

第103回のポイント
- りんは丸山(若林時英)の店で、シマケンが最近来たかを確認する。
- りんはシマケンの下宿へ差し入れを持っていく。
- シマケンは連載がなくなったことを謝り、小説家を諦めると話す。
- りんは、シマケンが何者でなくても、自分にはただいとおしい人だと伝える。
- 恵風看護婦会では、りんと直美がしのぶ(木越明)の看護日記を見て、仕事ぶりを振り返る。
- ヤエ(小山まりあ)が、身寄りのない右足の動かせないおじさんがケガをしたと知らせに来る。
- 直美は遠藤平蔵の家を訪れ、医者を呼び、換気をする。
- 平蔵は、自分は貧乏で体も弱いが、弱い人間ではないと直美に話す。
- シマケンの義姉・絹(金澤美穂)が息子の文史朗を連れて丸山の店を訪れる。
- 絹は、夫・万太郎が借金を作って失踪し、家も店も失うことをシマケンに伝える。
- 絹は、シマケンに浜松へ戻って助けてほしいと頼む。
- 直美は平蔵の言葉に落ち込むが、りんはこれから少しずつだと励ます。
- シマケンはりんに、浜松に帰ることにしたと伝える。
- シマケンは小説とは全く違うことをしようと思っていると言い、りんに一緒に浜松に来てほしいと頼む。
- りんは、少し考える時間をくださいと答える。
個人的に印象に残ったこと
今回は、りんが丸山の店にやって来る場面から始まった。
りんは、シマケンが最近来たかを丸山に確認する。
丸山が来ていないと答えると、りんは「いつものください」と言って、何かを二つほど購入する。
おそらく、シマケンへの差し入れなのだろう。
前回、シマケンの連載は突然なくなった。
しかも綿貫から、文章には強さがない、才能がないと突きつけられた。
りんも新聞を見て、シマケンの小説が載っていないことに気づいている。
だから、シマケンのことが心配で様子を見に行ったのだと思う。
シマケンの下宿に来たりん。
シマケンは荷物をまとめている。
りんは差し入れをする。
シマケンは、連載がなくなり、新聞に小説が載っていなかったことをりんに謝る。
そして言う。
「小説家は……もう……諦めることにした。」
りんは、いいのかと確認する。
シマケンは答える。
「よくはないけど、しかたない。僕には無理だっていいかげん分かった。」
「それだけのことが分かるのに随分かかった。」
シマケンは笑う。
でも、明らかに笑える状況ではない。
あれだけこだわっていた小説家の道。
退路を断って挑んだはずの道。
りんに「待ちます」とまで言わせた道。
それを諦める。
しかも、実家の問題も重なっている。
シマケンは、二人でとんびを飛ばした時のことを話す。
あの時、りんはまだ看護婦になるかどうか悩んでいた。
でも今は立派な看護婦だ。
その間、自分は何も変わらず、ずっと何者でもない人間のままだ。
そう落ち込む。
ここはシマケンらしい。
シマケンはずっと「何者でもない」ことに苦しんできた。
しかし、りんは変わった。
看護婦になり、赤痢の現場にも立ち、恵風看護婦会でも働いている。
シマケンから見ると、りんだけが前に進み、自分はずっと同じ場所にいるように見えるのだろう。
それに対して、りんは言う。
シマケンが活字工でも、お坊さんでも、お相撲さんでも、何者でも。
いや、何者でなくたって構わない。
「私には……私には、ただ、いとおしい人です。」
この言葉は、りんにとってのシマケンの答えだったのだと思う。
シマケンが小説家だから好きなのではない。
何者かになったからいとおしいのではない。
何者でなくても、ただいとおしい。
りんはそう伝えた。
シマケンはりんを抱きしめる。
「それは……僕が言いたかった。」
りんは「すみません」と謝る。
そして二人は抱きしめ合う。
ここだけ見ると、りんとシマケンの関係はかなり深まっている。
シマケンが何者でなくても、りんはシマケンを選んでいる。
それ自体は分かる。
ただ、後半の浜松行きのお願いを考えると、この場面の温かさだけでは受け止めきれないものも残った。
恵風看護婦会では、りんがしのぶの看護日記を見ている。
りんが「しのぶさんって意外と……」と言う。
すると直美が続ける。
「いっぱい、仕事してくれてたのね……。」
患者さんの記録も丁寧で、二人はしのぶの働きぶりを評価しているようだった。
ただ、この場面は少し引っかかった。
見ている側からすると、「しのぶさんって意外といっぱい仕事してくれてたのね」と聞こえてしまう。
それだと、しのぶを少し馬鹿にしているようにも感じる。
もちろん、二人にそんなつもりはなかったと思いたい。
りんの「しのぶさんって意外と……」の後には、本当は別の言葉が続く予定だったのかもしれない。
直美がそれを受けて「いっぱい仕事してくれてたのね」と言っただけで、一つの文章としてつながってしまったのかもしれない。
このドラマは、セリフの末尾が「……」で終わることが多い。
何を考え、何を思い、何を伝えたいのかを、あえて明確にしないことが多い。
今回もその曖昧さが悪い方向に出たように感じた。
二人が本当に、しのぶが意外と仕事していたと馬鹿にしているならかなり嫌だ。
ただ、そうではなく、しのぶの仕事の丁寧さを改めて知って感心していたのだと信じたい。
直美はりんに、シマケンは大丈夫かと確認する。
りんは、シマケンには急がなくていいから、何か違う、やりたいことを見つけてほしいと思っている。
りんはシマケンを急かさない。
小説家になれなくても、何者でもなくてもいい。
ただ、シマケン自身が何かを見つけてほしい。
そう思っているのだろう。
その時、ヤエが恵風看護婦会に入ってくる。
「ここはお金がなくても看てもらえるって……。」
ヤエは、隣の身寄りのない、右足の動かせないおじさんがケガをしてしまったと伝える。
直美は、遠藤平蔵の家に向かう。
平蔵は酒を飲んでいる。
ヤエが気を利かせて呼んでくれたみたいだけれど、大したことはない。
ちょっと転んで頭を打っただけだという。
直美は念のため医者を呼ぶことを提案する。
平蔵は、いいってと拒否する。
しかし直美は、よくありませんと言って町医者に診てもらう。
町医者は、大丈夫だと思うけれど、しばらく酒は控えるようにと言って去っていく。
直美は医者を見送る。
平蔵は「礼は言わないよ」と言う。
直美は、酒を控えてくれればそれでいいと伝え、襖を開けて換気する。
ここまでは、いつもの直美の看護である。
必要なら医者を呼ぶ。
換気をする。
生活に入り込んで、少しでも安全な状態にする。
しかし、平蔵は直美に尋ねる。
「おたくはどうしてタダなんだい?」
直美は、恵風看護婦会の理念を説明する。
「医療や看護を受けられない貧しい人や、弱った人にこそ手を差し出したいと思って……。」
この言葉は、理念としては分かる。
恵風看護婦会がやろうとしていることも分かる。
お金がなくても看護を受けられるようにする。
弱っている人に手を差し出す。
それ自体は大事である。
ただ、実際に貧しい人を目の前にして「貧しい人や弱った人にこそ」と言うのは、かなりひやひやした。
あなたは貧乏人ですよ。
あなたは弱い人ですよ。
そう言っているようにも聞こえてしまう。
ここは、「どんな人でも平等に看護が受けられるように」と言ってもよかったのではないか。
案の定、平蔵は反論する。
「俺は、体、壊して、稼げないから貧乏だ。うん……病気してるから、体も弱い。けど、弱い人間じゃねえと思ってるよ。こんな場所で生きていけるんだから、案外、強いんじゃないかってね」
これはかなり大事な言葉だった。
お金がない。
体が弱い。
だからといって、人間として弱いわけではない。
むしろ、こんな場所で生きていける自分は強いのではないか。
平蔵のプライドであり、現実でもある。
直美は完全に言葉を失っていた。
昨日、シマケンは「強さがない」と言われた。
今日は平蔵が「弱い人間じゃねえ」と言った。
強さや弱さを誰が決めるのか。
貧しいことは弱さなのか。
病気であることは弱さなのか。
文章に強さがないことは才能がないことなのか。
この二日間で、強さと弱さという言葉がかなり重くなっている。
丸山の店には、シマケンの義理の姉・絹が息子の文史朗を連れて来ている。
丸山は文史朗に蒸し麺包を与え、「新作もあるけど、食べるか?」と提案し、シマケンに軽く目配せをする。
丸山は、さりげなく気を遣っている。
絹は、夫がもう戻らないことを確信しているようだった。
生きているかどうかも分からない。
店も家も全部借金の形に取られ、来月には住む所もなくなる。
だからシマケンに、浜松に戻ってきてくれないかとお願いする。
夫が親戚中から借金して逃げたため、誰も助けてくれない。
お義母さんも気落ちして寝込んでしまった。
自分と息子とお義母さんでは、もうどうにもならない。
絹は困り果て、泣きながら頭を下げる。
「お願いします。助けてください。」
これは重い。
絹はかなり追い詰められている。
夫は借金を作って失踪。
家も店も失う。
親戚も助けてくれない。
義母は寝込む。
子どももいる。
シマケンに頼るしかない。
母のそんな姿を見た文史朗は、「お母様、お母様!」と駆け寄り、絹に向かって変顔をして笑わせようとする。
そして、これおいしいよと、絹とシマケンに蒸し麺包を分け与える。
文史朗の明るさが、かえって切なかった。
子どもは子どもなりに、母のつらさを感じ取っている。
何とか笑わせようとしている。
その姿が重い。
恵風看護婦会では、直美が平蔵の言葉に落ち込んでいる。
お金がなくて、体は弱いけれど、弱い人間じゃない。
そう言われて、返す言葉がなかった。
何て言ったらよかったのか。
直美は落ち込む。
でも、りんは聞く。
「でも、看護はできたんでしょ?」
直美は、また行くって話してきたと伝える。
りんは、じゃあ、これから少しずつ、と励ます。
ここは、りんの言う通りなのだと思う。
理念の言葉はまだ未熟だった。
平蔵を傷つけたかもしれない。
でも、看護はできた。
医者を呼び、換気し、次も行く約束をした。
そこから少しずつ関係を作ればいい。
直美は、りんたちのおかげで無償の看護を続けられる、これからもよろしくねと感謝する。
直美の無償看護は、理念だけでは進まない。
相手のプライドに触れることもある。
その現実が見えた場面だった。
一ノ瀬家では、りんが洗濯物を干している。
そこにシマケンがやって来て、二人は縁側に座る。
シマケンは、りんに浜松に帰ることにしたと伝える。
そして、小説に関わることとは全く違うことをしようと思っていると言う。
ここまでは分かる。
実家の状況を考えると、シマケンが浜松に戻ること自体は自然かもしれない。
兄は失踪し、義姉と甥と母が困っている。
小説家の道も閉ざされたように見える。
ならば、浜松に帰って家族を助ける。
それは責任ある選択にも見える。
しかし、次の言葉にはかなり引っかかった。
「僕と一緒に浜松に来てほしい。」
りんは答える。
「あの……少し考える時間を頂けますか?」
シマケンは「ああ、ありがとう」と返す。
これは、かなり身勝手なお願いに見えた。
シマケンは、浜松の実家が借金問題で苦しんでいる事情を、りんにどこまで伝えたのだろうか。
少なくとも今回の場面では、詳しい事情を話しているようには見えなかった。
それなのに、一緒に浜松に来てほしいと頼む。
りんは、せっかくシマケンを選んだ。
小説家の夢を応援して、待つと言った。
恵風看護婦会も軌道に乗って忙しくなっている。
宮川家のような長期看護も始まっている。
無償看護も続いている。
環もいる。
美津も体にガタが来ている。
その状況で、いきなり浜松に一緒に来てほしいと言われても、即答できるはずがない。
シマケンという人間は、言葉をたくさん知っている。
相手にとって必要な時に、必要な言葉を探すことはできる。
りんに対しても、何度もそういう言葉を届けてきた。
でも今回のお願いは、本当にりんのことを考えているのだろうか。
何者でもないことにぐるぐる悩み続けただけの自分が、浜松に戻ったところで何ができるのか。
親戚は助けてくれない。
家も店も取られる。
住む所もない。
そこにシマケンが帰って、一体何ができるのか。
そして、そんな状況にりんを連れて行こうとしている。
これはどういうことなのだろう。
りんの収入をあてにしていると勘ぐられても仕方がない状況にも見える。
もちろん、シマケンにそんなつもりはないのかもしれない。
何か裏があるのかもしれない。
りんが断る選択をするように、あえて誘っているのかもしれない。
それならまだ分かる。
シマケンは、一人で浜松に帰ると言った方がよかったのではないか。
りんのことだから、案外、自分からついていきますと言ったかもしれない。
でも、シマケンから「一緒に来てほしい」と言われると、りんは選ばされる。
東京の家族、仕事、恵風看護婦会、環。
そしてシマケン。
どれかを選ばなければならないような形になってしまう。
これはなかなか重い。
平蔵「こんな場所で生きていけるんだから
案外、強いんじゃないかってね」直美が新たに出会った患者は、転んで頭をぶつけた身寄りのない平蔵さん。
👇直美、返す言葉がなく…https://t.co/ELFvYEMGZQ[見逃し配信中]#朝ドラ #風薫る
上坂樹里 太田光 pic.twitter.com/DaxKCLRaCr— 朝ドラ「風、薫る」公式 (@asadora_nhk) August 19, 2026
平蔵の「弱い人間じゃねえ」が直美に刺さった
平蔵の言葉は、直美にかなり刺さったと思う。
直美は、貧しい人や弱った人にこそ手を差し出したいと言った。
それは恵風看護婦会の大事な理念である。
でも、平蔵は、自分は貧乏で体も弱いが、弱い人間ではないと言った。
ここには、受ける側のプライドがある。
看護を受けることと、弱い人間だと見られることは違う。
体が弱いことと、人間として弱いことも違う。
直美は、相手を助けたいと思っている。
でも、その言葉が相手の尊厳に触れてしまうこともある。
これは無償看護の難しさだと思う。
貧しく弱くても、看護は必要になる
平蔵は、自分は弱い人間ではないと言った。
その通りだと思う。
では、弱い人間ではないなら看護は必要ないのか。
そんなことはない。
お金がない。
体が弱い。
酒も飲む。
ケガもする。
医者を呼ぶ必要もある。
平蔵には看護が必要である。
でも、看護を受けることは、弱さを認めることではない。
ここを直美がどう言葉にしていくのかが大事なのだと思う。
貧しい人、弱い人に手を差し伸べるという言葉から、どんな人でも看護を受けられる社会へ。
直美の理念も少し変わっていくのかもしれない。
しのぶへの「意外と」は少し引っかかった
しのぶの看護日記を見た場面は、どう受け止めればいいのか少し迷った。
りんの「しのぶさんって意外と……」に、直美の「いっぱい、仕事してくれてたのね……」が続くと、かなり失礼な言葉にも聞こえる。
しのぶが意外と働いていた。
そう聞こえてしまうからである。
でも、おそらくそういう意味ではないのだと思う。
しのぶの記録が丁寧だった。
患者のことをよく見ていた。
自分たちが思っていた以上に、いろいろな仕事を担ってくれていた。
そういう驚きだったのだろう。
ただ、言葉の切れ目が曖昧なために、少し嫌な印象も残った。
このドラマは、言葉を濁す場面が多い。
それが余韻になる時もあるが、今回のように本心が見えにくくなる時もある。
仲間に対して「意外と仕事していた」と馬鹿にした意味ではないことを願いたい。
シマケンは浜松で何ができるのか
シマケンが浜松へ帰る決断をしたこと自体は分かる。
実家が大変なことになっている。
兄は失踪。
義姉と甥と母が困っている。
何かしなければならない。
ただ、浜松に戻って何ができるのかは分からない。
家も店も借金の形に取られる。
親戚も協力的ではない。
母は寝込んでいる。
義姉と甥もいる。
そこで、何者でもないことに悩み続けてきたシマケンが戻って、状況を打開できるのだろうか。
東京に残れば、何らかの書く仕事や出版関係の仕事もあるかもしれない。
母と義姉と甥を東京に呼び寄せてやり直す方が現実的ではないかとも思ってしまう。
もちろん、当時の社会や家の事情を考えると簡単ではないのだろう。
でも、りんまで浜松に連れて行こうとするなら、もっと具体的な見通しを話してほしい。
りんを誘うシマケンはかなり身勝手に見えた
今回のシマケンは、かなり身勝手に見えた。
小説家の道を諦める。
浜松に帰る。
それは自分で決めればいい。
でも、りんに一緒に来てほしいと言うなら話は別である。
りんには仕事がある。
家族がある。
環がいる。
恵風看護婦会もある。
宮川佳枝のように、長くりんの看護を必要としている患者もいる。
そのすべてを置いて、浜松に来てほしいと言う。
しかも、浜松の厳しい事情を十分に説明しない。
これは、りんの人生をかなり大きく動かすお願いである。
りんが即答できないのは当然だ。
むしろ、すぐ断らず「少し考える時間をください」と言えただけでも、りんはかなり誠実だと思う。
シマケンは断る選択を誘導しているのかもしれない
ただ、少し別の可能性も考えた。
シマケンは本当は、りんに断ってほしいのかもしれない。
一人で浜松に帰ると言えば、りんは自分からついていくと言うかもしれない。
だからあえて「一緒に来てほしい」と頼んだ。
そうすることで、りんに考えさせ、断る選択肢を与えた。
もしそうだとしたら、シマケンなりの不器用な優しさなのかもしれない。
ただ、そこまで意図しているのかは分からない。
今回の描写だけを見ると、単純にりんを連れて行こうとしているように見えてしまう。
だからもやもやする。
全体的に気持ちのいい回ではなかった
第103回は、全体的に気持ちのいい回ではなかった。
平蔵の言葉は大事だったが、直美の理念の未熟さも見えた。
しのぶの看護日記への言い方も少し引っかかった。
シマケンは小説を諦め、浜松へ帰ることを決め、りんまで誘った。
それぞれの本心が見えにくい。
りんは「しのぶさんって意外と……」の後に何を言おうとしていたのか。
シマケンはなぜ、りんを浜松に連れて行こうとしているのか。
そのあたりが分からず、もやもやが残った。
まとめ
第103回は、強さと弱さの言葉が重くのしかかる回だった。昨日、シマケンは文章に「強さがない」と言われ、今日は平蔵が「貧乏で体も弱いが、弱い人間じゃねえ」と言った。
直美の無償看護は大事だが、相手を「貧しい人」「弱った人」と呼ぶことの難しさも見えた。看護を届けることと、相手の尊厳を守ることは、同時に考えなければならないのだと思う。
一方で、シマケンは小説家の道を諦め、浜松へ帰ることを決めた。そこまでは分かるが、事情を十分に話さないまま、りんに一緒に来てほしいと頼んだことにはかなり引っかかった。
りんはせっかくシマケンを選んだのに、またいばらの道に入ってしまったように見える。シマケンの本心がどこにあるのか、りんがどんな答えを出すのか、かなりもやもやしたまま次回を待つことになった。
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