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2026年7月17日放送の『風、薫る』第80回は、新潟ではサワ(磯山さやか)と久(近藤華)の親子問題、東京では直美(上坂樹里)と文(内田慈)の関係が描かれた。
サワは娘の幸せを願っている。
けれど、その思いは久には届かず、むしろ「私のせいにすんなって!」「私、お母さんみてえになりとうねぇ!」という強い拒絶となって返ってくる。
一方、東京では直美が文の看病を続ける中で、自分が教会に捨てられていたことや、女郎の子であることを打ち明ける。そして最後には、文の部屋で、直美のお守りに似た柄のものを見つける。
新潟では母と娘の断絶。東京では、母娘かもしれない二人の接近。
今週の終わりとして、かなり気になる引きだった。
前回の記事はこちらです。

第80回のポイント
- りん(見上愛)は玄関先で郵便物を受け取る。
- そこへサワが現れ、久が「お母様!」と声をかける。
- 本来、面会には事前申請が必要だが、りんは特別にサワと久を面会させる。
- りんは自室で、環(英茉)と直美からの手紙を読む。
- 直美の手紙には、文の腰痛がよくならず、仕事帰りや休みに看護を始めたことが書かれている。
- 東京では、直美が文の看病をしながら、自分の生い立ちを打ち明ける。
- 新潟では、サワが婚家を飛び出してきたことが分かる。
- りんはサワを自室にかくまい、自分も娘を連れて婚家を飛び出したことを話す。
- サワは、実家の母を病院に診せるのが遅れ、手遅れになったことを語る。
- 久は、母に「私のせいにすんなって!」「私、お母さんみてえになりとうねぇ!」と強く反発する。
- 瑞穂屋では、卯三郎(坂東彌十郎)が美津(水野美紀)に、直美の仕事に支障が出ていないか確認する。
- 直美は文の長屋を訪れ、文の部屋に落ちていたものが、自分のお守りの柄に似ていることに気づく。
個人的に印象に残ったこと
今回は、新潟の高越女学校で、りんが玄関先で郵便物を受け取る場面から始まった。
そこへサワが現れる。
久が出てきて、「お母様!」と声をかける。
本来、寮での面会には事前の申請が必要らしい。
ただ、りんは今日は特別にと、サワと久を面会させる。
「何かあればお呼びください」と言い、自分の部屋へ戻る。
りんは、舎監として規則を守る立場にいる。
でも同時に、母と娘が会いに来たという事情を見て、特別に許可する柔らかさもある。
看護婦としては現場を離れたりんだが、こういう場面で人を見て判断するところは変わっていないのだと思う。
自室に戻ったりんは、環と直美からの手紙を読む。
環からの手紙が届くことで、りんと東京の家族がつながっていることが分かる。
そして直美の手紙には、少し残念な知らせとして、文が腰痛で仕事を休むようになり、あまりよくならないため、仕事帰りや休みに看護を始めたことが書かれていた。
文は、話せば話すほど分からなくなる不思議な人。
直美はそんなふうに書いている。
文は確かに不思議な人である。
語学ができる。
長く瑞穂屋で働いている。
借金がある。
家族はいないと言う。
何も残さず、きれいさっぱり人生を終えたいと言う。
直美にとって、文は気になる存在になっているのだろう。
東京では、直美が文の看病をしている。
牛乳でおかゆを炊くことを不審がる直美。
文は、これがおいしいのだと言う。
昔、アメリカ人のマダムに教わったらしい。
ここでも、文の過去に外国人との関わりがあったことが示される。
直美も、教会にアメリカ人の宣教師がいて、小さい頃にちょっと変わった料理を作ってくれたと話す。
そして、子どもの頃は横浜に住んでいたことを文に教える。
ここから直美は、自分の生い立ちをかなり率直に話す。
教会に捨てられていたこと。
女郎の子どもであること。
それをすべて話す。
文は、それにしてはまっすぐに育ってと褒める。
直美は、結構ひねくれていますけどと返す。
文は「まっすぐ……ひねくれてる」と、無理やり返す。
このやり取りは少し可笑しかった。
直美は、自分がみなしごであることや女郎の子であることを、わりとあちこちで話している印象がある。
本人も、みんなに言っているから誰にどこまで言ったか分からないと言っている。
これは、同情を集めるための切り札として話しているのだろうか。
そういう計算高い人には見えない。
むしろ、隠しておくより全部素直に言ってしまった方が楽なのだと思う。
自分がどこから来た人間なのか。
それを隠しながら人と付き合う方が、直美には面倒なのかもしれない。
文は、こんなふうに誰かに看病してもらうのは故郷にいた頃以来だと言う。
この「故郷にいた頃」という言葉も引っかかる。
文の過去が少しずつ見えそうで、まだ見えない。
直美との共通点も増えてきた。
語学ができる。
外国人との関わりがある。
家族がいない。
へそ曲がり。
そして、どこかで直美の過去とつながっていそうな気配がある。
新潟では、りんがサワと久の面会を終わらせようとしていた。
そろそろ食事の時間ですので、と声をかける。
帰ろうとするサワに、久が言う。
「どご行ぐの? 行ぐ当てなんてねえでしょう?」
ここで、サワがただ面会に来たのではなく、婚家を飛び出してきたことが分かる。
望月校長(関智一)が部屋に入ってきて、りんを探す。
しかし、りんとサワはりんの部屋に避難している。
久は望月校長に、りんは郵便局に行くと言っていたとうそをつく。
久は母に反発している。
でも、完全に突き放しているわけではない。
母をかくまうために、りんのためにも嘘をついた。
この複雑さが、久の中にもあるのだと思う。
りんはサワに、自分も娘を連れて婚家を飛び出したことがあると打ち明ける。
サワは、それでどうなったのかと気にする。
りんが、来年尋常小学校に上がる娘を置いて、一人で新潟に働きに来ていることを知り、サワは驚く。
りんとサワは、似ている部分がある。
どちらも婚家に苦しみ、子どもを抱えながら生きている。
ただ、りんは婚家を出て、今は娘と離れて働いている。
サワは婚家に戻るしかないと思っている。
その違いもある。
サワは、自分の実家の母の具合が悪く、新しくできた大きな病院に診せたいから、一度実家へ帰らせてほしいと主人に半年お願いし続けたという。
そして、やっとこの前連れていけた。
でも手遅れだった。
サワが主人に話しても、酒を飲みながら顔も見ずに、そんなものは寿命だと言ったらしい。
これはかなりつらい。
母を病院に連れていきたかった。
でも夫が許してくれなかった。
半年かかってようやく連れていけた時には、もう手遅れだった。
そして、そのことを夫は「寿命」で片づける。
サワが家を飛び出したくなる気持ちは分かる。
りんは同情したのか、「今日は、ここに泊まっていってください」と申し出る。
りんは、放っておけなかったのだろう。
ただ、ここから久との衝突が起きる。
サワは、久がいるからずっと耐えてこられた、久と離れたくなくてずっと耐えてきたと言う。
すると障子を開け、久が入ってくる。
「私のせいにすんなって!」
この一言は強烈だった。
久は、自分もうちのせいで、母のせいで、ずっと苦しいのだと言う。
いつも近所と親戚の目を気にし、おばあちゃんの小言ばかり気にし、小さい時から家の中で暗い顔をしていたと久はいう。
サワは、自分は久のために耐えてきたつもりだった。
でも久からすれば、それは「自分のせい」にされているように感じていた。
これはつらい。
母は娘のために耐えている。
しかし娘は、その母の犠牲を重荷として受け取っている。
サワは久を地主一族の誰かに嫁がせて、いい嫁、いい母親として認められたいのだろうと久は責める。
サワは、母親だから久の幸せのためにと言う。
しかし久は言い放つ。
「私、お母さんみてえになりとうねぇ!」
これは、かなり深い拒絶だった。
サワは娘の幸せを願っていた。
でも、その願いは久には届いていない。
むしろ、久にとって母は「なりたくない姿」になっている。
この場面を見ていて、以前からりんと環の関係で心配していたことを思い出した。
りんは環を女学校に入れたいと思っている。
環のために、自分は新潟に来て働いている。
それは母としての愛情なのだろう。
でも、その思いが本当に環の幸せになるのかは分からない。
親が「あなたのため」と思ってやっていることが、子どもにとっては重荷になることがある。
サワと久の関係は、その危うさを別の親子で見せているようだった。
サワは、やっぱり家に戻ると言って帰っていく。
サワは久と向き合い切れなかった。
久の言葉を受け止めるには、あまりにも痛すぎたのだと思う。
一方、東京の瑞穂屋では、松原が接客し、卯三郎が美津に直美のことを確認している。
直美が文の看病をしていて、仕事に支障は出ていないか。
卯三郎は、やはりリターンや仕事の影響を気にする人である。
美津は、疲れているかもしれないが、文がいい話し相手になっているのかもしれないと答える。
文は何を考えているか分からない不思議な人だと、直美が楽しげに話していたことを卯三郎に伝える。
ここで少し気になったのは、美津が瑞穂屋でちゃんと働けているのかということだった。
松原や文が働いている姿は見かける。
美津も働いているのだろうが、卯三郎が重視するようなリターンをちゃんと与えられているのかは、少し気になる。
卯三郎は無駄なことを嫌う人である。
だから、美津を置いている以上、何かしらの価値を見出しているのだとは思いたい。
そして、卯三郎は文の過去をどこまで知っているのだろう。
瑞穂屋で長く働いている文。
語学が堪能な文。
借金を抱えている文。
直美と何かつながりがありそうな文。
卯三郎なら、文の過去をある程度知っていても不思議ではない。
そのあたりは来週明らかになっていくのだろうか。
直美はまた、文の長屋へ看病にやってくる。
声をかけても返事がない。
直美は勝手に戸を開けて入り込む。
そこには横になっている文がいる。
寝返りを打った様子を見て、生きていることに安心する直美。
この反応を見ると、直美はかなり文のことを心配している。
単に看護婦としての義務感だけではない。
不思議な人だと思いながらも、文に惹かれているというか、放っておけなくなっているのだろう。
そして、文の部屋に落ちていたものに気づく。
それは、直美がいつも身につけているお守りの柄に似ていた。
ここで今週の放送は終わった。
これは、さすがに直美と文が親子なのではないかと思わせる引きだった。
直美の母親が本当に文なのか。
それとも、文は直美の出生に関わる別の人物なのか。
お守りの柄が似ているだけなのか。
あまりにも分かりやすい伏線なので、このまま親子でしたとなると少し単純すぎる気もする。
どこかで、そんな簡単な話ではなかったと裏切られることを期待している自分もいる。
ただ、今のところは、直美と文がかなり近い存在であることは間違いなさそうだ。
直美「え……?」
👇文の家で見つけたものは……https://t.co/hNSFYYhYq3[見逃し配信中]#朝ドラ #風薫る#上坂樹里 pic.twitter.com/cRkY6VqtTG— 朝ドラ「風、薫る」公式 (@asadora_nhk) July 17, 2026
サワは久の幸せを願っているが、それが久の幸せとは限らない
サワは、久の幸せを願っている。
それは嘘ではないと思う。
母親として、娘には幸せになってほしい。
だから地主一族の誰かに嫁がせたい。
いい嫁、いい母親として認められる道を歩ませたい。
サワにとっては、それが現実的な幸せなのだろう。
でも久にとっては違う。
久は、母のようになりたくない。
その母から「あなたのために耐えてきた」と言われることは、久にとって重荷でしかなかったのだと思う。
親が良かれと思ってすることが、必ずしも子どものためになるとは限らない。
この親子は、そのことをはっきり見せていた。
サワと久の問題は、りんと環の未来にも重なる
サワと久の親子問題を見ていて、どうしてもりんと環のことが気になった。
りんは環を女学校に入れたい。
そのために新潟で働くことを選んだ。
これは環のためでもある。
でも、環が本当にそれを望むかどうかは、まだ分からない。
今は環も母の背中を押している。
でも、将来どう思うかは分からない。
「お母さんのせいで」「私のせいにしないで」と言われる可能性だって、ゼロではない。
サワと久の衝突は、りんと環の未来に対する不安を強める場面でもあった。
直美はなぜ自分の境遇をすぐ話すのか
直美は文に、自分が教会に捨てられていたことや、女郎の子どもであることを打ち明けた。
直美は、こういうことをわりと人に話す。
みんなに言っているから、誰にどこまで言ったか分からないという感じでもある。
それは同情を集めるためなのか。
最初は少しそういう見方もできるかと思った。
でも、やはり直美はそういう人には見えない。
たぶん、隠しておくより、最初から言ってしまった方が楽なのだと思う。
自分の過去を変に隠すより、全部出してしまう。
そのうえで自分を見てほしい。
直美には、そういう開き直りのような強さがあるのかもしれない。
直美と文は本当に親子なのか
直美と文は、かなり親子っぽく見えてきた。
語学ができる。
外国人との関わりがある。
家族がいない。
へそ曲がり。
そして、文の部屋に落ちていたものが、直美のお守りの柄に似ている。
これだけそろうと、親子なのではないかと思ってしまう。
ただ、あまりにも分かりやすい。
本当に親子なら、意外と近くにいたのだなという話になる。
それはそれでドラマ的ではあるが、少し都合が良すぎる気もする。
文が直美の母なのか。
母ではないが、直美の出生を知る人物なのか。
ただのお守り違いなのか。
来週の展開がかなり気になる。
卯三郎は文の過去をどこまで知っているのか
文は瑞穂屋で長く働いている。
卯三郎は文を雇っている。
となると、卯三郎が文の過去をどこまで知っているのかが気になる。
文が借金を抱えていること。
語学ができること。
故郷にいた頃の話。
直美のお守りと似たものを持っていること。
卯三郎なら、何か知っていてもおかしくない。
来週、直美が文のことを調べる流れになるなら、卯三郎が重要な鍵を握るのかもしれない。
今週の終わり方としてはかなり気になる
新潟では、サワと久が確実に揉めている。
東京では、直美と文が親子かもしれないという疑念が一気に強くなった。
来週は、サワと久の親子問題がさらに深まるのか。
それとも、直美と文の関係が中心になるのか。
親子として揉めるのか、仲よくなるのか。
あるいは、親子ではないただの他人なのか。
かなり気になるところで今週が終わった。
まとめ
第80回は、サワと久の親子問題と、直美と文の関係が大きく動いた回だった。
サワは娘の幸せを願っているが、その思いは久には重荷として届いていた。これは、りんと環の未来にも重なる不安として見えてくる。
一方で、直美と文には親子を思わせる材料が増えてきた。お守りの柄が似ているという引きは、かなり分かりやすい。
来週は、新潟の親子問題と、東京の直美・文の関係がどう進むのか。どちらも簡単には片づかなさそうで、気になる終わり方だった。
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