本記事にはアフィリエイト広告を利用しています。
2026年8月7日放送の『風、薫る』第95回は、赤痢との戦いが終息し、りん(見上愛)がもう一度、看護婦として生きることを決める回だった。
最後の後片付けをしながら、自分の右手を見つめるりん。
その手を取って握手する直美(上坂樹里)。
二人は「やったね」と笑い合う。
この達成感は、今週の赤痢編を見てきたからこそ伝わってきた。
患者に触れることが怖かったりん。
命に触れることが怖かったりん。
そのりんが、アサ(美山加恋)に手を握られた時、あたたかく、生きているんだなとうれしくなったと言う。
赤痢編は、りんが過去のトラウマを乗り越え、もう一度看護婦として立ち上がるための大きな山場だったと思う。
前回の記事はこちらです。

第95回のポイント
- 赤痢との戦いが終息し、りんと直美は最後の後片付けをしている。
- りんは、患者に触れるのが怖かったが、アサに手を握られた時に生きているあたたかさを感じたと話す。
- りんは直美に、もう一度、看護婦として一緒に働きたいと申し出る。
- 直美は、新潟に来た本当の目的がりんを恵風看護婦会に誘うことだったと打ち明ける。
- 黒川(平埜生成)は、りんに一年だけ黒川病院で働いてほしいと頼む。
- 条件は月給十二円、住む家も用意、一年で百円は貯まるという破格の待遇だった。
- 黒川は、一年後にはりんを直美に譲ると約束する。
- 直美はその一年で恵風看護婦会を立て直すと誓う。
- 太助(板橋駿谷)一家は、黒川、りん、直美を料理でもてなす。
- 望月校長(関智一)は、りんの退職を認める。
- 久(近藤華)たち女学生は、高越日報の記事を見て、りんの働きを喜ぶ。
- 横沢(井上祐貴)は東京の新聞社に移ることをりんに伝える。
- サワ(磯山さやか)は、久が変わったことへのお礼をりんに伝える。
- りんは環(英茉)に、もう一度看護婦をやることにしたと手紙を書く。
個人的に印象に残ったこと
今回は、赤痢との戦いを終え、最後の後片付けをしているりんと直美の場面から始まった。
りんは、自分の右手を見つめている。
その手を直美が取る。
二人は握手をする。
そして「やったね」と笑い合う。
この短い場面に、赤痢編のすべてが詰まっていた気がした。
怖かった。
大変だった。
何が正しいのか分からなくなる瞬間もあった。
患者は増え続け、避病院は限界に近づき、村人たちの協力を得なければ回らなかった。
それでも、二人はやり切った。
りんの右手は、山本の「助けて」を思い出させる手でもあった。
患者に触れることが怖かった手。
命に触れることが怖かった手。
その手を直美が取って、二人で「やったね」と笑う。
ここは素直に良かった。
りんは、この村に来てからもずっと患者さんに触れるのが怖かったと話す。
しかし、アサに手を握られた時、あたたかく、生きているんだなとうれしくなった。
この言葉は大きかった。
山本の時、りんの手には「助けて」という言葉が残った。
命に触れることが怖くなった。
でも今回、アサの手は違った。
あたたかい。
生きている。
うれしい。
りんの手に残ったものが、恐怖だけではなくなった。
だからりんは言う。
「直美さんと……看護婦としてもう一度、一緒に働きたい。」
りんは、看護婦に戻ることを自分の口で選んだ。
これは、今週の赤痢編の一番大きな結論だったと思う。
直美は驚く。
でも「ありがとう」と喜ぶ。
そして、新潟に来た本当の目的は、りんを誘いに来たことだと打ち明ける。
恵風看護婦会がうまくいっていないことも正直に話す。
これは、直美にとっても大きな前進だった。
少し前の直美は、りんに「順調だ」とうそをついていた。
本当は困っていた。
りんに力を貸してほしかった。
でも言えなかった。
それが今回は、素直に打ち明けられた。
赤痢の現場で、二人は怖さも共有した。
助けが必要な時に助けてくださいと言うことも、直美は村人たちにできた。
だから今、りんにも正直に言えたのだと思う。
ただ、直美は環のこと、お金のことも大事だからと、まずはりんの様子を見に来たと言う。
りんは「どうしようかね……」と悩む。
直美も答えを出せない。
そこへ黒川が現れる。
黒川は二人を労う。
そして、りんに一年間だけ黒川病院で働かないかと誘う。
一年のうちに、一人でも多く看護婦を育ててほしい。
条件は、月の給金十二円。
住む家も黒川が用意する。
一年間で百円は貯まるだろうという。
直美は思わず「先生、太っ腹……」と驚く。
これは本当に破格の好待遇である。
帝都医大病院で月給十円だったことを考えれば、十二円はかなり大きい。
住む家まで用意される。
しかも一年で百円貯まるなら、環の教育費のことを考えるりんにとってもかなり現実的な提案である。
黒川は、以前からりんを評価していた。
今回のことで、より来てほしくなったと説明する。
さらに、一年後には直美に譲ることを約束する。
ここで三人が笑い合う。
りんは黒川に感謝する。
しかし、舎監の仕事を紹介してくれた捨松(多部未華子)や望月校長のことも気にしている。
理解を得るために少し時間がほしいと、黒川にお願いする。
黒川も承知する。
直美は、その一年で恵風看護婦会を立て直すと誓う。
りんと黒川も納得する。
ここで、かなり現実的な落としどころが見えた。
りんはすぐに東京へ戻るのではない。
一年間、新潟の黒川病院で働く。
その間に看護婦を育てる。
直美は東京で恵風看護婦会を立て直す。
そして一年後、りんが戻る。
これは良い整理だと思う。
ただ、黒川がなぜここまでりんにこだわるのかは、少し分からないところもある。
新人教育に関しては、帝都医大病院時代を見る限り、りんより直美の方が上手くやっていたようにも思える。
現場全体を見る力、仕事を整理する力、人を動かす力は、直美の方が分かりやすい。
それでも黒川は、りんが必要だと言う。
視聴者には見えていないりんの良さが、黒川には見えているのかもしれない。
横沢は本間村長に、無事乗り切ったことを話す。
本間が屋敷を開放したことを、大英断だったと褒める。
本間は、ちゃんと新聞に書いてくれと頼む。
本間は本間で、かなり人間らしい。
最初は拒んだ。
でも家を開放した。
そのことを新聞に書いてほしい。
褒められたい気持ちもあるのだろう。
ただ、結果的には軽症者の受け入れ場所を提供したことで、赤痢収束に大きく貢献したのは確かである。
黒川たちが帰ろうとすると、長太郎(渋谷そらじ)が呼びに来る。
太助の家には、たくさんの料理が用意されていた。
黒川、りん、直美はもてなしを受ける。
アサも、料理を作れるほどに元気になっていた。
この場面は本当にほっとした。
前回まで、アサは熱に苦しみ、長太郎も外から声をかけることしかできなかった。
そのアサが料理を作っている。
長太郎が持ってきたあんころ餅を、りんと直美が頬張る。
おいしいと言うと、長太郎も喜ぶ。
黒川もりんも直美も、使命感で赤痢の村へ行ったのだと思う。
感謝されたくて行ったわけではない。
でも、感謝され、もてなされるのは、やはりうれしかったに違いない。
命を救った結果が、こういう食卓として返ってくる。
赤痢編の報われる場面だった。
その後、りんは望月校長に退職願を出す。
申し訳ないと切り出すりん。
望月校長は、看護婦に戻るのかと確認する。
そして、辞めてもらおうと思っていたからちょうどよかったと言う。
本気なのか、強がりなのか分からない。
望月校長は、「夢」だの、きれい事だのを言った挙げ句、赤痢の看護に行ったりんに対して、どんな噂が立つかと思っていたら、新聞記事一つで世間の評価がころりと変わり、時の人になっていることを語る。
そんな世間がろくでもなく、うんざりである。
考えを変える気がないことも伝える。
この人は相変わらずひねくれている。
でも、言っていることには一理ある。
世間は簡単に評価を変える。
昨日まで変わり者だった人が、新聞記事一つで称賛される。
その軽さを、望月校長は信じていない。
りんのような生き方を女学生がうっかり夢見て転んだ日には、目も当てられないとも言う。
ただ、望月校長はそこで終わらない。
りんのように人とは違う道を行く人を邪魔しないで、応援できる人になれ。
そう指導することを伝える。
次の舎監が来るまでは働いてもらうが、退職は認める。
望月校長は不器用だが、悪い人ではないのだろう。
自分の信念は曲げない。
でも、りんの道を邪魔はしない。
そして、女学生たちには、そういう人を応援できる人になれと教える。
それで十分なのだと思う。
りんは、ありがとうございましたと頭を下げる。
舎監の部屋で、りんが梅岡看護婦養成所時代の写真を見ていると、久たち女学生が入ってくる。
高越日報には、
「看護婦の働きありて、防疫は成功せりと言うべし。」
と書かれている。
女学生たちは、これは先生のことですよねと嬉しそうに確認する。
りんは、皆さんがくれたあめのおかげ、本当にありがとうと感謝する。
久は、りんが辞めるのかと確認する。
りんは、中途半端な先生でごめんなさいと謝る。
しかし久は責めない。
きっと、そっちの方が向いてます。
そう言って、看護婦への道を後押しする。
常は、この時の話をいっぱい教えてほしいと頼み込む。
りんは舎監として長くいたわけではない。
でも、女学生たちに確かに何かを残したのだと思う。
久にとって、りんが来てから学校は面白くなった。
女がどう生きるか。
夢を持つこと。
人とは違う道を行くこと。
りんの姿は、女学生たちに影響を与えた。
飴屋では、横沢とりんが話している。
りんは新聞記事のお礼を言う。
おかげで助けられましたと言うと、横沢は謙遜することなく「そうでしょう」と笑う。
このあたりは横沢らしい。
りんは、あの記事のおかげで伝染病への考え方が変わったのではないかと気にする。
横沢は、そうでしょうと言いたいところだが、人はそんな簡単には変わらないと言う。
だから、もっと多くの人に自分の記事を読んでもらわないといけない。
東京の新聞社に移ることにしたと伝える。
横沢もまた、自分の道を進もうとしている。
りんも、しばらくしたら東京に戻ろうと思っていたと伝える。
すると横沢は言う。
「ああ……、じゃあ、少しの辛抱ですね。東京で待ってますから。」
りんはフフフと笑う。
正直、このやり取りには少し気持ち悪さを感じてしまった。
横沢はこれまで何度もりんに結婚を申し込んでいる。
だから「少しの辛抱」というのは、横沢だけの辛抱だと思っていた。
しかし、りんは「東京で待ってますから」と言われて、フフフと笑った。
以前は、求婚されたら即座に断っていた。
今回は少し受け止めたようにも見える。
まさか、横沢の好意を少し受け入れたのだろうか。
シマケンとの「いとおしい」で、恋模様は一段落したと思っていた。
赤痢パートが純粋に面白かっただけに、ここでまた恋愛要素が強くなるのではないかと少し心配になった。
寮には、りんが辞めると聞きつけた久の母・サワがやって来る。
ひと言お礼を言いたかったという。
久はサワ宛ての手紙に、いつもりんのことを書いていたらしい。
サワは、りんが来て学校が面白くなったのだろうと思っている。
校長先生にこんなに怒られる先生は見たことがないと笑う。
久は、父の顔色ばかりうかがっていた母が、最近は勝手に出歩くようになったのを見て、今のお母さんみたいになれるなら、結婚して親になるのもいいなと言う。
これにはサワも驚く。
りんも笑顔になる。
久にとって、母の変化は大きかったのだと思う。
以前は、母のようになりたくないと言っていた。
でも今は、今の母のようになれるなら、結婚して親になるのもいいと思える。
母が変わったことで、久の結婚や家族への見方も変わった。
それは、とても良い変化だと思う。
ただ久は、何か、いつか、やりたいこと、「夢」を見つけたいとも打ち明ける。
結婚して親になることも一つの道。
でも、それだけではない。
自分の夢も見つけたい。
久もまた、りんから何かを受け取っている。
サワは、土産に持っていってと思い出の飴菓子をりんに渡す。
最後に、りんは環に手紙を書く。
お母さんはもう一度、看護婦をやることにした。
この町に来て、初めて会う人たちと初めての道を進んでみたら、元気が湧いてきたみたいだ。
環の所に帰るまで、もう少し気張ります。
りんはそう書く。
新潟編は、りんがもう一度元気を取り戻すための場所だったのだと思う。
東京から離れ、看護婦から離れ、舎監として暮らした。
横沢に出会い、黒川に誘われ、女学生たちと関わり、赤痢の現場に飛び込んだ。
その中で、りんはまた看護婦として生きる力を取り戻した。
これで新潟編は一区切りなのだろう。
今週は純粋に面白かった。
赤痢編は、今までと作りが変わったのかと思うほど見ごたえがあった。
ただ、来週の予告を見ると、また恋愛要素が多めになりそうな気配もある。
またか、という気持ちがどうしても拭えない。
看護の話がこれだけ面白いのだから、できればこの流れを大事にしてほしい。
看護婦を一人でも多く育ててほしいと黒川先生に頼まれ、1年間だけ黒川病院で働くことにしたりん。
直美はその1年間で恵風看護婦会を立て直すと話しました。👇このシーンをぜひ本編でhttps://t.co/I4h1ztt2Bx#朝ドラ #風薫る
見上愛 上坂樹里 平埜生成 pic.twitter.com/kiIdD89RiG— 朝ドラ「風、薫る」公式 (@asadora_nhk) August 6, 2026
りんはアサの手のぬくもりで看護に戻った
りんは、アサに手を握られた時、あたたかく、生きているんだなとうれしくなったと言った。
これは、山本の時の記憶と対になる場面だったと思う。
あの時、りんの手には「助けて」が残った。
今回は、アサの生きているぬくもりが残った。
命に触れることが怖かったりんが、命に触れることの喜びを思い出した。
だから、もう一度看護婦として働きたいと言えたのだろう。
赤痢編は、りんの復活の物語としてかなり良かった。
黒川の好待遇はすごいが、なぜそこまでりんなのか
黒川の提案はかなり太っ腹だった。
月給十二円。
住む家も用意。
一年で百円は貯まる。
しかも一年後には直美に譲るという。
りんにとっては、環の教育費を考えても、かなりありがたい条件である。
ただ、なぜそこまでりんなのかは少し気になる。
りんが優秀なのは分かる。
赤痢の現場での働きも見事だった。
でも、新人教育や現場の整理という点では、直美の方が向いているようにも見える。
黒川には、りんの中に見えているものがあるのだろう。
患者との距離感なのか。
人の心に触れる力なのか。
それとも、赤痢の現場で見せた覚悟なのか。
ここはもう少し説明があってもよかった気がする。
望月校長は不器用だけど悪い人ではない
望月校長は、相変わらず厳しい。
りんのような生き方を女学生が夢見て転んだら困ると言う。
世間の評価が新聞記事一つで変わることにも、うんざりしている。
でも、りんの道を邪魔はしなかった。
むしろ、りんのように人とは違う道を行く人を邪魔しないで、応援できる人になれと生徒たちに教えると言った。
この人は不器用だが、悪い人ではないのだと思う。
望月校長には望月校長の曲げられない信念がある。
その信念と、りんのような新しい道を進む人を認めること。
その二つを、彼なりに折り合いをつけたのだと思う。
横沢とのやり取りは少し心配
横沢は東京の新聞社に移ることになった。
りんもいずれ東京に戻る。
そこで横沢は「東京で待ってますから」と言う。
りんはフフフと笑う。
ここは少し不安になった。
横沢は何度もりんに求婚している。
りんはそのたびに断ってきた。
それなのに今回は、少し含みを持たせたようにも見えた。
シマケンの「いとおしい」で恋模様は一応区切りがついたと思っていた。
赤痢編がかなり面白かっただけに、ここでまた恋愛模様が始まるのかと思うと、少し心配になる。
横沢が記者として物語に関わるのは面白い。
でも、りんを巡る恋愛要素として引っ張られると、またかという気持ちもある。
久とサワにも変化があった
久とサワの関係にも、ちゃんと変化があった。
久は以前、母のようになりたくないという気持ちが強かった。
でも今は、父の顔色ばかりうかがっていた母が、自分の意思で出歩くようになった。
その姿を見て、今のお母さんみたいになれるなら、結婚して親になるのもいいと思えるようになった。
これは大きな変化である。
サワが変わったことで、久の将来への見方も変わった。
そして久は、自分もいつか夢を見つけたいと言う。
りんが新潟に来たことは、久やサワにも確かに影響を与えたのだと思う。
赤痢編は純粋に面白かった
今週の赤痢編は、純粋に面白かった。
医療と看護。
村人の恐怖。
隔離のつらさ。
総力戦。
りんの復活。
直美の成長。
黒川の医師としての覚悟。
どれも見ごたえがあった。
恋愛模様よりも、やはり看護の話の方がこのドラマは強いのではないかと思う。
来週以降、また恋愛要素が増えそうな気配は少し心配だが、今回の赤痢編で見えた看護の面白さは、ぜひ今後も大事にしてほしい。
まとめ
第95回は、赤痢との戦いが終息し、りんがもう一度看護婦として生きることを決める回だった。
アサの手のぬくもりによって、りんは命に触れることの怖さだけでなく、生きていることのあたたかさも感じた。そこから「直美さんと看護婦としてもう一度、一緒に働きたい」と言えたのは大きかった。
黒川の一年間の提案、直美の恵風看護婦会立て直し、望月校長や久たちとの別れ。新潟編はここで一区切りになりそうだ。
赤痢編は今週、本当に面白かった。だからこそ、来週以降また恋愛模様に寄りすぎないかは少し心配だが、看護の物語としては大きな山場を見せてもらったと思う。
『風、薫る』感想まとめはこちら
懐かしい朝ドラをもう一度見たい方はこちら → NHKオンデマンドでは見られないけどTSUTAYA DISCASで楽しめる朝ドラ5選
