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2026年4月27日放送の『風、薫る』第21回は、りん(見上愛)と直美(上坂樹里)がついに梅岡女学校の看護婦養成所へ入学し、ようやくこの物語が本格的にトレインドナースの道へ入っていく回だった。ここまでかなり長い助走があったぶん、正直ほっとした気持ちもある。まだ授業は始まっていないし、養成所そのものも急ごしらえで、頼りなさすら目につく。けれど、それでも「ここから変わるのだろう」という期待を初めて素直に持てた回だった。
しかも今回は、一期生たちがそろったことで、それぞれが何のために看護婦を目指すのか、その違いも見えてきた。特に直美と多江の対立はかなり分かりやすく、この先どうぶつかってどう変わっていくのかが楽しみになった。
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第21回のポイント
- りんと直美は、梅岡女学校の裏手にある看護婦養成所へたどり着く。
- 養成所には全部で7人が集まり、寮生活の説明も行われる。
- 梶原敏子(伊勢志摩)は看護の専門家ではなく、まだ体制が整っていない不安も見える。
- 一期生それぞれの志望理由が語られ、とくに直美と玉田多江(生田絵梨花)の価値観の違いが鮮明になる。
個人的に印象に残ったこと
今回まず印象に残ったのは、看護婦養成所のたたずまいそのものだった。女学校の裏手にある急ごしらえのような建物で、いかにもまだ手探りで始めたばかりという空気がある。ここから本当にトレインドナースが育つのか、と不安になるような頼りなさもあった。けれど逆に言えば、それだけこの国にまだ何も土台がないということでもある。その何もない場所に、りんと直美たち一期生が立つのだと思うと、やっと物語の本筋に入った感じがした。
入所したのが全部で7人というのもよかった。少人数だからこそ、今後一人ひとりの違いがはっきり出てきそうだし、閉じた空間の中で人間関係が濃くなっていくのだろうと思える。直美の短い髪型を尼さんと勘違いする空気も、まだ時代的に女性の見た目の常識がかなり固定されていることを感じさせた。
梶原校長の場面は、ある意味すごくこの養成所の不安定さを象徴していたと思う。「ご入学おめでとうございます」と挨拶し、第一期生として新しい職業を確立する第一歩を担うのだと語りながらも、直美の短い髪が気になって話がしどろもどろになる。そして何より、看護のことはよく分からないから、この養成所に来て良かったと思えるものに皆さんが各々なりましょう、と言ってほぼ丸投げしてしまう。これはかなり不安だった。これから専門職を育てる場なのに、中心にいる大人が「よく分からない」と言ってしまうのだから、見ている側としても心配になる。
その後を任される松井エイ(玄理)も、修身や裁縫など看護以外の科目担当で、寮の舎監まで兼ねているようだったし、看護そのものを教える先生が今日はいないというのも、かなり頼りない。とてつもなくいいかげんな大人たちが集まっているような不安さがある。ただ、逆に言えばその不完全さこそが「まだ日本には看護婦という職業が根づいていない」ことの表れなのだろうとも思った。
その中で直美が、自分の短い髪について「己の出自や自分の未来を考え、悩むのも髪と一緒に断ち切りました」と説明するのは強かった。何も持たない女が生きていくには、トレインドナースになるしかない。ここまで言い切る直美は、やはり腹が据わっている。以前よりも、ただ結婚相手を探していた頃よりも、自分の足で立とうとする方向に少し重心が移ってきたように見えた。
寮生活の説明もかなり具体的で、ようやく「学ぶ日々」が始まるのだなという感覚があった。朝5時起床、夜10時消灯、炊事は当番制、日曜だけが休み。大変そうではあるけれど、逆にこういう細かいルールが出てくると、これからの生活の輪郭が見えてきて楽しい。
そして今回いちばんよかったのは、やはり自己紹介の場面だったと思う。それぞれが別々の事情でここへ来ていることが分かる。キリスト教徒の泉喜代(菊池亜希子)、青森から来た工藤トメ(原嶋凛)、医者の家に生まれた玉田多江(生田絵梨花)、そして東雲ゆき(中井友望)や柳田しのぶ(木越明)も含めて、最初からかなり個性が立っていた。
その中でも、直美と多江の対立は分かりやすかった。女が一人で生きていくためにナースになると語る直美に対して、多江は「己が生きるためではなく、病人を生かすためにここに入学したの」と言う。これはもう価値観が真っ向からぶつかっている。直美から見れば、そんなきれいごとで生きていけるのかと思うだろうし、多江から見れば、直美は志が低く見えるのだろう。ここにりんがあわてて割って入るのも、りんらしかった。
ただ、この対立はかなり面白いと思う。現実の生活のために働きたい直美と、最初から「病人を生かす」ことを志として語れる多江。どちらが正しいというより、どちらもこの時代の看護婦養成所には必要な視点なのかもしれない。だからこそ、この二人が今後どう衝突し、どう変わるのかはかなり楽しみだ。
最後に、ゆきが「ナイチンゲール女史は深い慈しみを持った優しい人ですわ!」と叫ぶところで終わるのも象徴的だった。まだ実際の看護の現場に入る前だからこそ、理想像としてのナイチンゲールが強く掲げられる。でも、ここにいる7人は、それぞれ全然違う理由で来ているし、優しさだけでは続かない現実もあるだろう。そのズレが今後どう描かれるのか、かなり気になった。
\本日から登場 /
<看護婦養成所・同級生>
玉田 多江 (生田絵梨花)
泉 喜代 (菊池亜希子)
東雲 ゆき (中井友望)
柳田 しのぶ (木越明)
工藤 トメ (原嶋凛)個性豊かな彼女たちの詳細は👇https://t.co/R9IaAjM9ak
登場シーンはこちらから👇https://t.co/InUu0GRPLH#朝ドラ #風薫る pic.twitter.com/Fp9bh7uF16
— 朝ドラ「風、薫る」公式 (@asadora_nhk) April 26, 2026
看護婦養成所の頼りなさが、逆に「始まりの物語」として効いている
今回の養成所は、正直かなり頼りなかった。看護のことがよく分からない校長、今日はいない看護の先生、急ごしらえの建物。それだけを見ると不安しかない。でも、この不安定さがあるからこそ、「まだこの国には看護婦という職業がない」という事実がよく伝わった。
完成された制度の中で学ぶ話ではなく、まだ形も整っていないものを作っていく話なのだと思うと、この頼りなさも意味がある。第一期生であることの重さも、ここでようやく実感できた気がした。
直美と多江の対立は、この物語の大きな軸になりそう
今回いちばん楽しみになったのはここだった。直美は自分が生きるためにここに来た。多江は病人を生かすために来た。この差はかなり大きいし、たぶん今後何度もぶつかるだろう。
ただ、どちらかが間違っているとも言い切れない。まず自分が生きることを考えなければならない人もいるし、最初から理想を持てる人もいる。その違いが同じ場所に集まったことで、物語はかなり面白くなりそうだと思った。
ようやく「これから努力していく人たちの話」が始まる感じが出てきた
ここまでの『風、薫る』は、正直かなり助走が長かったし、重い話も多かった。でも今回は、一期生たちがそろって、寮生活が始まり、これから看護を学ぶのだという土台がようやく整った。だからこそ、ここから先は「どう成長していくか」を見ていけそうな期待がある。
それぞれの事情も、対立も、まだ始まったばかりだが、今回は久しぶりにその先が純粋に楽しみだと思えた。
第21回は、やっと「楽しみ」が前に出てきた回だった
まだ授業そのものは始まっていない。でも、それでも今回は「ここから展開が変わるだろう」という期待を持てた。第5週にしてようやく、トレインドナースへ向かう努力の物語として見られそうな感じが出てきたのは大きい。
ここからまた重い展開や衝突もあるだろうが、少なくとも今回は「この先を見たい」と思えた回だった。
まとめ
2026年4月27日放送の『風、薫る』第21回は、ついに梅岡女学校の看護婦養成所が本格的に始動し、物語がようやくトレインドナースの道へ向かって進み出した回だった。頼りない運営、大人たちの不安、ばらばらな志望動機。最初から不安要素は多いが、それだけに「ここからどう育っていくのか」が楽しみになる。
特に直美と多江の対立、一癖も二癖もありそうな一期生たち、そしてようやく始まる寮生活。第21回は、ここから先の物語にちゃんと期待を持てた、かなり大事な回だったと思う。
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