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2026年4月6日に放送された『どんど晴れ』第145回。
第145回は、前回の重苦しい謝罪の空気から一転して、ようやく加賀美家が本音をぶつけ合い、もう一度ひとつにまとまり直す回だった。夏美は「加賀美屋は一番大事なものを失っていない」と言い、その核にあるのは180年受け継がれてきた「おもてなしの心」と「家族の和」だと語る。柾樹も浩司も、自分たちが伸一を孤立させたことを認め、家族はようやく責め合いから再建へと向き直り始めた。ただその一方で、秋山はもう次の手を打っている。家族がまとまりかけたなら、今度は仲居たちの側から加賀美屋を崩しにくる。今回は、再生の希望と新たな不穏が同時に置かれた回だったと思う。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第144回)の感想はこちら

契約書は完璧、でもまだ終わりじゃない――法では崩せない現実と、残された次の一手
- 横浜では香織(相沢紗世)が、企業買収専門の弁護士に契約書をチェックしてもらったことを柾樹に報告している。
- その結果、契約書自体は完璧であり、契約を反故にするのは難しいと言われたと伝える。
- さらに、このままでは加賀美屋の経営の実権を外資に握られることになると忠告する。
- 香織は、何かほかに手段はないのかと柾樹に確認する。
- そして香織は、伯父や部長にも相談してみると申し出る。
- 柾樹は香織に感謝する。
- しかし香織は、そんな気遣いは無用だと返す。
個人的感想
香織、かっこいいなと思った。仕事中に私用電話してるのはどうなんだという気はするけど、柾樹にかなりいいように使われているように見える状況でも、「気遣いは無用よ」とさらっと言えるのは強い。香織にとっては、この程度の調査や根回しはもう大した仕事じゃないのかもしれないなと思う。
ただ、ここで少し気になったのは、企業買収専門の弁護士が「契約書は完璧」と言ったとして、その前提条件がどこまで共有されているのかだ。条項そのものに抜けがない、形式的にきれいに作られている、という意味では完璧なのかもしれない。でも、契約の相手方が所在不明になって、事務所も引き払って逃げているという事実まで踏まえての評価なのか、それとも単純に書面だけを見た評価なのかで、かなり話は違ってくる気がする。
たとえば、契約書に書かれている住所が虚偽だったら私文書偽造になる?とか、最初から株をだまし取る意図があったなら詐欺取消しの余地は本当にゼロなのかとか、そのへんはかなり気になる。でも企業買収専門の弁護士が見て「難しい」と言っている以上、少なくとも簡単に無効だ取消しだと言える筋ではない、ということなんだろうなとは思う。
それにしても、香織が「何か他に手段はないのか」と柾樹に聞いているなら、もう次に考えることはかなりはっきりしている気もする。環は前に、加賀美屋の株は全部「身内」しか持っていないと言っていたはずだ。ということは、残りの50%は本家や分家の誰かが持っているわけだろう。だったらもう、秋山にこれ以上一株も渡さないように、残りの株を固めに走るしかないんじゃないのかと思ってしまう。
分家側の人たちが、事情も知らずに高値で秋山側へ売ってしまったら本当に終わる。だからここからは、本家だけじゃなく分家まで含めた“家族の和”が必要になるんじゃないかとも思う。50%対50%のままなら、少なくとも簡単には好き放題できないはずだし。ここにきて、精神論みたいに見えた「家族の和」が、実はかなり実務的な意味を持ってくるのかもしれない。
この場面で大きいのは、“法的にひっくり返す”ルートがかなり厳しいと示されたこと
ここまで少し期待していたのは、契約書に穴があるとか、秋山側が雑だったとか、そういう突破口だった。
でも今回、それはかなり厳しいと言われる。
つまりここで初めて、
この話は“悪い契約だから無効です”では簡単に終わらない
とはっきりしたんだと思う。
かなり重いけど、逆にリアルでもある。
香織はここで“調査役”から“対抗策を一緒に考える側”に一歩踏み込んでいる
今までの香織は、情報を持ってくる人だった。
でも今回は違う。
「他に手段はないのか」と聞く。
さらに伯父や部長にも相談すると言う。
つまり香織はここで、
単なる情報源ではなく、
この問題をどうひっくり返すかを一緒に考える側
へ少し立場を進めている。
かなり頼もしい。
「契約書は完璧」は、“終わり”の宣告というより“戦い方を変えろ”という合図にも見える
この言葉だけ聞くとかなり絶望的だ。
でも見方を変えれば、これは
契約無効一本で勝とうとするな
という合図でもあるんだと思う。
つまり、
- 契約そのものを崩すのではなく
- 支配権の広がりを止める
- 残り株を固める
- 外部協力者を探す
みたいに、戦い方を変える必要がある、ということなんだろう。
その意味でここは、希望を断つ場面というより、次の実務的な局面へ進める場面でもある。
“残り50%を固めろ”はかなり重要
契約をひっくり返すのが難しいなら、次に考えるべきは
これ以上取られないこと
だ。
もし残り50%が身内に散っているなら、そこを秋山側に取らせないことが最優先になる。
つまりここで初めて、「家族の和」が精神論ではなく
議決権防衛のための実務的意味
を持ってくる。
かなり面白いポイントだと思う。
この場面は短いけど、“反撃の方法が法律一本ではない”と示したかなり重要な場面
契約書チェック、弁護士、完璧、難しい。
情報量としては少ないけど、ここで
- 法的逆転は簡単ではない
- でも相談先はまだある
- 他の手段を考える段階に入った
ことがはっきりする。
つまりこの場面は、
絶望の確認でもあり、
次の一手を探すスタート
でもある。
静かだけどかなり大事な場面だったと思う。
座敷童の音と、女将の覚悟と、仲居たちへの新たな工作――加賀美屋の内と外が同時に揺れる終盤
- 平治(長門裕之)は南部鉄器の風鈴の音を聞いている。
- 聡(渡邉邦門)は、平治が南部鉄器で風鈴を作るようになったことで、以前とは変わったと感じている。
- 平治は、夏美を初めて見た時に、このようなどこか懐かしくて心が洗われるような音を聞き、そのことがきっかけで風鈴を作ったのだと話す。
- そして平治は、夏美がいる限り加賀美屋は大丈夫だろうと思っている。
- 一方、加賀美屋の母屋では、環がカツノの遺影の前に座っている。
- 夏美は、契約書には間違いがないことを環に伝える。
- 環は、伸一に対して母親としての甘さが出たことを後悔している。
- 環は、カツノが旅館を捨てて出て行った実の息子・政良(奥田瑛二)を最後の最後まで旅館には入れなかったことを思い出す。
- それは母親としてではなく、大女将として筋を通したからだったのに、自分は甘さのせいで加賀美屋をこんな事態に陥れてしまったのだと責任を感じている。
- さらに環は、代々の女将が譲り受ける玉手箱を夏美に見せる。
- 環は大女将と、その玉手箱を夏美に譲ると約束していたことを話す。
- それなのに、もし加賀美屋が他人の手に渡ったら、どう詫びたらいいのかと苦しんでいる。
- その話を、部屋の外で伸一と柾樹が聞いている。
- 環は、何としても加賀美屋を守り切らなければならないと語る。
- 夏美もまた、家族みんなと一緒に加賀美屋を守り抜くことを誓う。
- 環は、自分たちには分かり合える家族がいる、一番大切なものは「家族の和」なのだと話す。
- その後ナレーションで、加賀美屋はその旅館の中までもが大変な事態になっていくと説明が入る。
- そしてラストでは、秋山が康子(那須佐代子)と清美(中村優子)に対し、加賀美屋より条件の良さそうな就職先を斡旋しようとしているような様子が描かれる。
個人的感想
座敷童が出てくる時って、この南部鉄器の風鈴の音が鳴っているんだよな。だから平治が夏美を座敷童と見間違えた時も、秋山が夏美を座敷童と見間違えた時も、きっとこの音が鳴っていたんだろう。そう考えると、この風鈴の音そのものが、加賀美屋の“見えない核”みたいなものを象徴しているようにも思えてくる。
ひょっとしたらこの先、また秋山がその音を聞いて、もう一度座敷童を見てしまって、リゾート開発のためにはお地蔵様も撤去しなきゃいけない、座敷童のいる蔵も壊さなきゃいけない、と考えた時に罪悪感が芽生えて、計画を引っ込める、みたいな展開もあるんじゃないかとちょっと思ってしまった。秋山って、完全な根っからの悪人にはまだ見えないんだよな。座敷童が見えている時点で、どこかにまだ“感じる力”は残っていそうだし。
環は、カツノが最後の最後まで政良を旅館には入れなかったと言っていたけど、いや、母屋には入れてたじゃないかとも思う。そこまで自分を責めなくてもいいだろうとは感じた。ただそれでも、環がずっと「大女将ならどうしたか」に縛られているのはよく分かる。死んでなお環を縛り続けるカツノの存在感、すごいよなと思う。
それでも今回よかったのは、女将と若女将がきちんと「守り抜く」と言葉にしたことだ。しかもその話を、外で伸一と柾樹が聞いている。だったら、この二人ももう腹をくくるしかないだろうなと思う。ここまで来たら全員で守るしかない。
ただ、本当に家族が一つになるというなら、やっぱり伸一はレナとの件をちゃんと話した方がいいんじゃないかとも思う。一晩同じベッドで朝を迎えたという事実がある以上、何もなかったかどうかは別として、あの件を伏せたまま「家族の和」でいくのは少し危うい気がする。せっかくここまでまとまった感じになっているのに、あとからバレたらまた崩れるだろうし。
そして最後の秋山。柾樹たちが必死で探しているのに、康子と清美はそんなに簡単に接触できるのかよ、とそこはかなり気になった。秋山の方から連絡したのなら、今まさに追われている最中によくそんな大胆なことができるなと思うし、逆に康子と清美の方から連絡したのだとしたら、佳奈も秋山の連絡先くらいは知っている可能性が出てくる。そうなると、あの時イーハトーブで佳奈が言った、事前にできることがあればやっておきたいといういうような申し出を夏美が受けて、もっと情報共有ができていれば、意外と早く居場所を割れたんじゃないかとも思えてしまう。
しかも秋山、仲居の斡旋みたいなことを前にも匂わせていたけど、あれはただの口だけじゃなくて、本当にやっていそうだ。もし報酬を得て業として仲介しているなら許可が必要なはずだ。もし、無許可であれば職業安定法違反になるんじゃないか。そのへんもかなり怪しい。柾樹、そのへんも使って秋山を攻撃するんだ!と思ってしまった。
この場面で並んでいるのは、「加賀美屋を守る心」と「加賀美屋の中から崩す手口」なんだと思う
前半では、環、夏美が、加賀美屋をどう守るか、何が加賀美屋の核なのかを確認している。
でもラストでは秋山が、まさにその加賀美屋の中で働く仲居たちを揺さぶっている。
つまりこの場面は、
- 守ろうとする側の決意
- 内部から崩そうとする側の工作
が同時に置かれているんだよな。
かなり分かりやすく、戦いの構図が見えてきている。
風鈴の音は、加賀美屋の“理屈では守れないもの”を象徴しているようにも見える
契約書は完璧。
弁護士でも崩しにくい。
株も取られた。
そういう現実的な不利がある一方で、この場面には風鈴の音がある。
つまりこの音は、法律や契約や資本の論理では測れない、
加賀美屋に宿っているもの
を象徴しているようにも見える。
平治が夏美を見た時にこの音を感じた、というのもかなり象徴的だと思う。
平治が「夏美がいる限り大丈夫」と言うのは、夏美を能力で評価しているというより“核として見ている”からだと思う
夏美が特別に経営に強いとか、法務に強いとか、そういう話ではない。
でも平治は大丈夫だと言う。
それはたぶん、夏美が
- 人をつなぐ
- 場を和らげる
- ばらばらになりそうなものをまとめる
存在だからなんだろうなと思う。
つまり平治は夏美を、実務家ではなく
加賀美屋の中心を保つ核
として見ているんだと思う。
ここはかなり大きい。
玉手箱の場面で描かれているのは、旅館経営ではなく“女将の継承”の危機
株の話、契約書の話、買収の話。
ここ数回はどうしても会社や経営の話が前に出ていた。
でも玉手箱が出てくることで、一気に次元が変わる。
ここで問題になっているのは、
加賀美屋という会社がどうなるかだけじゃなく、
女将から女将へ受け継がれてきたものが途切れるかもしれない
ということだ。
だから環の苦しみがかなり重い。
伸一と柾樹がその話を盗み聞きしているのは、二人がようやく“守るべきもの”を同じ形で見始める場面でもある
今まで伸一と柾樹は、方法論ばかりでぶつかっていた。
建て替えか、リフォームか。
革新か、伝統か。
でもこの場面で外から聞いているのは、環と夏美の「守り抜く」という言葉だ。
つまりここで二人は、
どう変えるかの前に
何を守るのか
を同じ場面で聞くことになる。
かなり大きいと思う。
それでもレナの件を伏せたままなのは、家族の和がまだ“全部を開示した上での和”ではないことを示している
ここはかなり気になる。
表面的にはまとまっている。
でも、まだ共有されていないことがある。
しかもそれは、秋山に付け込まれるきっかけになったかなり大きなことだ。
だから今の和は、完全なものではない。
まだ伏せられている火種を抱えたままの和
なんだと思う。
そこが少し危うい。
ラストで秋山が康子と清美に接触していることで、“家族がまとまっただけでは足りない”とはっきり示される
せっかく家族がまとまった。
守り抜こうとも言った。
でも秋山は、そこを正面から突破しようとはしない。
今度は仲居たちを揺さぶる。
つまりこのラストで分かるのは、
加賀美屋を守るには、家族が一つになるだけでは足りない
ということだ。
従業員まで含めて持ちこたえないと、本当の意味では守れない。
この場面は、精神的には立ち直ったように見えて、実際には戦いが旅館の内部全体へ広がる場面だった
前半はかなり希望がある。
風鈴、玉手箱、守り抜く決意。
でもラストで一気に現実へ引き戻される。
つまりこの場面は、
- 加賀美屋を守る意味を確認する場面
- でも同時に、敵はもう旅館の内部全体を標的にしていると示す場面
でもある。
かなりきれいな場面なのに、最後の一撃でまた不穏さを増す。
終盤らしい、かなり効いた場面だったと思う。
まとめ
今回の第145回でまず大きかったのは、やはり加賀美家がようやく「伸一だけが悪かった」で終わらず、自分たちにも責任があったことを認めたことだと思う。柾樹はもっと意見を戦わせるべきだったと認め、浩司も兄の話をもっと真剣に聞いてやればよかったと謝る。つまりこれまで視聴者側がずっと感じていた「伸一を孤立させた家族の空気」もまた、今回の騒動の一因だったことが、作中でもようやく言葉になったわけだ。ここはかなり大きかった。あの露骨な伸一外しは、やはり意図された流れだったんだなと納得できた部分でもある。
その中心にいたのが夏美だったのも印象的だった。夏美はただ場を和ませるのではなく、「加賀美屋にとって一番大事なものは何か」をちゃんと言葉にしてみせた。株を失っても、契約で不利でも、まだ失っていないものがある。それが「おもてなしの心」と「家族の和」だと言い切ったことで、家族は責任追及の場から、立て直すための共同体へと切り替わっていった。ここで夏美は、単なる仲裁役ではなく、加賀美屋の精神的な軸を示す人としてかなり大きな役割を果たしていたと思う。
一方で、今回よかったのは家族の和解だけではない。環が「これからの加賀美屋を変えていけるのは若いあなたたちだ」と言ったことで、守るだけではなく変えていく方向へ、女将としてもはっきり舵を切ったことも大きかった。カツノが夏美や柾樹に期待していた“新しい風”を、ここで環自身も認めた形になったわけで、ようやく伝統を守ることと、時代に合わせて変わることがつながり始めた感じがした。180年の歴史を抱えながら、古さにしがみつくのではなく、残すべきものを残しつつ変えていく。その共通目標が見えたのはかなり良かった。
ただし、今回の希望はそれだけでは終わらない。後半で契約書の法的な厳しさが確認され、さらにラストでは秋山が仲居たちに対して次の工作を始めていることまで描かれた。つまり、家族がまとまっただけではもう足りない。これからは従業員も含めて加賀美屋全体が持ちこたえられるかが問われることになる。第145回は、加賀美家がようやく「戦える家族」になった回であると同時に、その戦いが家族の中だけでは済まないところまで広がっていくことを示した回だったと思う。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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