2025年9月25日放送 第142回
ざっくりあらすじ
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戦争が終わる。 玉音放送から数日、蝶子(古村比呂)は仕事を失い、着物を農作物と交換して日々をつなぐ。
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光代との出会い。 加津子(藤重麻奈美)が光代(清水愛)という子役の少女を連れてきて、家族に紹介する。
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食糧難の工夫。 着物と交換できる米や野菜は減り、子どもを一緒に連れていくことで同情を引き、少し多めにもらえることも。
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芝居との縁。 農家を回る途中、光代が所属する旅回りの芝居一座の稽古に出会う。光代は発熱で出演できず、代役を加津子が務めることになる。
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初めての舞台。 堂々と演じた加津子の芝居は観客の涙を誘い、一同はごちそうに招かれる。光代も加津子に感謝を伝える。
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母の心の奥。 娘の活躍を喜びながらも、「自分も芝居に出たかった」と思うチョッちゃんらしい欲も垣間見えた。
今日のグッと来たセリフ&場面
# | セリフ/場面 | ワンポイント |
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1 | チョッちゃん「あなたたちにそんなことさせられないわよ」 | かっこよく言った直後に子どもを同行させるオチ。 |
2 | 光代「子どもが一緒だと、余計にくれたりする」 | 子役らしい現実的な知恵。 |
3 | 市川馬之助「お嬢ちゃん、今夜の芝居に出ていただけやすか?」 | 加津子への突然の抜擢。 |
4 | 加津子の堂々たる演技 | 観客を泣かせ、舞台を成立させた。 |
5 | 泰輔「叔父さんね、加津ちゃんに泣かされちゃったよ」 | 家族の誇らしい喜びがにじむ。 |
6 | ナレーション「出てもいいなとチョッちゃんは思っていたのに…」 | 娘の晴れ舞台の横で自分も出たがる本音。 |
私が感じたポイント
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したたかなチョッちゃん。 「子どもを連れて行けない」と言った直後に、加津子と俊継を連れて着物交換に出かけ、しっかり成果をあげる。視聴者が思わず笑ってしまう“柔軟さ”がチョッちゃんらしい。
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遠慮しない強み。 芝居の稽古を「中で見ていけ」と言われれば、きっぱり「じゃ、遠慮なく」と入る。その結果が加津子の初舞台、そして家族へのごちそうに繋がった。チョッちゃんの生き抜く知恵は“遠慮しないこと”にあるのかもしれない。
- 富子の変化。 最初は「義姉さんやチョッちゃんにおんぶしちゃって…」と恐縮し、自分たちがお荷物だと感じていた富子。しかし加津子の演技が称賛されると、途端に「加津ちゃんの周りには昔から映画女優や噺家がいた」と東京での暮らしを自慢げに語る姿に一気に元気が戻った。夫の不甲斐なさを叱り飛ばす気丈さと共に、こうした切り替えの早さが富子らしくて印象的だった。
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加津子の舞台度胸。 光代の代役を堂々とこなし、観客を泣かせた加津子。女学校時代に主役を務めていたという母の血を引いているのか、初めての舞台を軽やかにやり切った。
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母のちょっとした欲。 娘が褒められるのを嬉しく思いつつ、自分も舞台に立ちたかったと感じるチョッちゃん。その素直な感情が、彼女の人間らしさと可愛らしさを引き立てていた。
まとめ
今日は、生活の糧をどうにか得ようと奮闘する一方で、芝居との思わぬ出会いが描かれた。加津子が舞台に立ち、大人顔負けの演技を披露したことは家族にとっても誇らしい瞬間だった。そしてチョッちゃんは、娘の成功に喜びながらも「私も出たい」と思ってしまうお茶目さを見せた。戦後の厳しい暮らしの中でも、家族の笑いと誇りがしっかり描かれた回だった。
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