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2026年4月8日に放送された『どんど晴れ』第147回。
第147回は、前回まででようやく加賀美家がまとまり直したその直後に、今度は旅館の現場そのものが崩れ始める回だった。家族の朝食には明るさが戻り、伸一と柾樹もそれぞれの役割を担って動き出す。だがその裏で、秋山の工作はついに仲居たちの実力行使へつながり、加賀美屋の内部に最も痛い形で亀裂を入れてきた。給料、夜勤、朝までの待機、そして生活不安。これまで“老舗旅館のおもてなし”の裏に隠れていた現場の負担が一気に表に出てきて、加賀美屋の危機が単なる買収騒動ではなく、労務と経営の問題にまで広がっていることがはっきりした回だったと思う。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第146回)の感想はこちら

- 嵐の中でも戻ってきた笑顔――加賀美家が立て直しへ動き出した朝
- 仲居たちの不満がついに爆発――加賀美屋の弱点を秋山に突かれた場面
- 個人的感想
- この場面で大きいのは、“家族がまとまった”直後に、“現場の不満”が噴き出したこと
- 仲居たちの行動はタイミングとしては厳しいが、問題提起の中身自体はかなり正当にも見える
- 秋山の怖さは、嘘だけで煽っているのではなく、“本当に痛いところ”を突いていることなんだと思う
- 加賀美屋の“高収益っぽさ”が、もし人件費の抑制で成り立っていたならかなり苦い
- 環たちが悪意で搾取していたわけではないことも、逆にこの問題を難しくしている
- 夏美の報告遅れは、責めるというより“若女将としての学び”としてかなり大きい
- 久則が仲居たちを庇うのは、経営側としての正しさより“秋山の工作の巧妙さ”を認めているからなんだと思う
- この場面は、“加賀美屋の弱点”が家族の外側ではなく、仕事の現場そのものにあったと突きつけた場面だった
- 個人的感想
- 秋山の昇進話と揺らぐ本心――“乗っ取り屋”の中に迷いが生まれた場面
- 個人的感想
- この場面で大きいのは、秋山がただの現場担当ではなく“出世をかけて動いている人間”だとはっきりしたこと
- 梶原の物言いからすると、秋山はまだ“有能だが使われる側”でしかない
- アーサーの不満げな反応が、ワイバーン内部もかなり競争社会なんだと示している
- 秋山が“本格着手”に待ったをかけるのは、戦略的判断にも見えるが、やはり迷いもあるんだと思う
- 「加賀美屋以外の旅館の資料を用意しろ」は、秋山が加賀美屋への一点集中を少し避けようとしているようにも見える
- “5%が盾に変わる”という見方はかなり熱いし、十分ありそう
- 秋山は、数字と論理で動くプロであるはずなのに、“いい人だ”という評価にいちばん揺らいでしまう
- この場面は、最終的な勝敗の鍵が“法務”や“経営”だけでなく、“秋山がどちらを選ぶか”にも移り始めたことを示している
- 個人的感想
- ついに仲居たちが退職へ――秋山の買収が加賀美屋の現場を直撃した場面
- 個人的感想
- この場面でついに、秋山の攻撃が“家族への揺さぶり”から“現場の機能停止”へ進んだ
- 清美の退職は“裏切り”というより、“生活が理念に勝った瞬間”として見るべきだと思う
- 康子・則子・恵の三人は、清美ほど切迫していないように見えるからこそ、秋山の工作の強さが出ている
- 夏美の土下座は、前回の伸一の土下座とは違って、“権威の放棄”としての土下座に見える
- それでも止められないことで、“家族の和”だけでは越えられない壁があることもはっきりした
- この回は、加賀美屋の“おもてなし”が、結局は人の労働で成り立っていることを容赦なく見せている
- 組合へ行く環の動きは、“女将の判断”だけではもう処理できないと認めたことでもある
- この場面は、“加賀美屋の弱点”がついに致命傷になり始めた場面だった
- 個人的感想
- まとめ
嵐の中でも戻ってきた笑顔――加賀美家が立て直しへ動き出した朝
- 加賀美家の朝食の席で、夏美(比嘉愛未)がご飯を何杯もおかわりする。
- その様子にみんなが驚く。
- 健太(鈴木宗太郎)と勇太(小室優太)、さらに浩司(蟹江一平)も負けられないとおかわりをする。
- 食卓には笑顔が戻り、明るい朝食風景になっている。
- 伸一(東幹久)は亭主関白っぽい言動を見せる。
- しかし、久則(鈴木正幸)から「恵美子(雛形あきこ)さんの手のひらの上だからな」と言われると、それをあっさり認める。
- 伸一は以前よりも素直になった様子を見せる。
- さらに、恵美子に頼らず、自分の分は自分でやると言って、自らおかわりをよそいに行く。
- 雨降って地固まるというように、以前より家族の仲が良くなってきた様子がうかがえる。
- その後、柾樹(内田朝陽)は伸一に一緒に行ってほしいところがあると言う。
- 夏美はどこへ行くのか気にする。
- 柾樹は、秋山(石原良純)が土地の買収を進めているようだから、不動産屋へ行って探ってくるのだと説明する。
- 夏美も何か手伝えることがあれば手伝うと言う。
- しかし伸一は、こういうことは自分たちがやるから、若女将は女将と一緒に旅館の方を頼むと言う。
- そして柾樹と伸一は出て行く。
個人的感想
すごいトラブルの真っ只中だというのに、みんなよくそんなにご飯が喉を通るなと思ってしまった。あれだけ食欲があるなら、最悪加賀美屋が取り上げられても案外なんとか生きていけるんじゃないのか、とちょっと思ってしまうくらいだ。
でも、それくらい食卓に明るさが戻っていたのは大きい。前回までの張り詰めた空気を見てきたからこそ、こういう朝食の場面が逆に効いてくる。買収騒動の副産物みたいなものではあるけど、家族仲が明らかに良くなっているのは確かだった。
特に伸一が、恵美子に対して前よりも気遣いを見せるようになっているのは大きい。自分でおかわりをよそいに行くなんて、今までの伸一ならあまりやらなかっただろうしな。ただ、こういうのって問題が解決したら元に戻ることもあるからな。この騒動が収まったあとも、ずっとその謙虚さを忘れるなよとは思ってしまう。
そして柾樹は伸一を連れて、不動産屋に秋山が買い進めている土地のことを探りに行くと言う。でも正直、不動産屋がそんなに他人の売買についてぺらぺら話すのかね、とは思う。もしそんなふうに簡単に情報を漏らす不動産屋なら、自分だったらちょっと利用したくない気もする。ただ、それでも今の柾樹と伸一は、少しでも手がかりが欲しくて必死なんだろうなとも思う。
旅館の中のことは女将と若女将が守る。外のことは自分たちが動く。ここでようやく、家族の役割分担が見えてきた感じがする。かなり大事な立て直しの場面だったと思う。
この場面で大きいのは、“和解した”だけでなく“役割が整理され始めた”ことだと思う
前回も家族はまとまり直していた。
でも今回はそこから一歩進んでいて、ただ気持ちが通じ合っただけではなく、誰が何を担うのかが見え始めている。
- 環と夏美は旅館の中を守る
- 伸一と柾樹は外の情報を追う
つまりここで初めて、
家族の和が実務の分担へつながった
感じがある。
ここがかなり大きい。
朝食のにぎやかさは、“危機が去った”のではなく“危機の中でも日常を回す力が戻った”ことを示している
こんな状況でよく食べられるなとは思う。
でも逆に言えば、食べられるようになったということは、家族が少し持ち直してきたということでもある。
つまりあの食卓は、
何も解決していないのに呑気というより、
まだ危機の中にいながら、それでも日常を取り戻し始めた場面
として見るとかなり意味があるんだと思う。
伸一が素直になっているのは、単なる反省というより“家の中で自分の居場所を取り戻しつつある”からかもしれない
自分でおかわりをよそいに行く。
久則の冗談も受け止める。
恵美子に対する態度も少し柔らかい。
これは単なる反省だけじゃなくて、
もう家族の中で無理に威張らなくてもよくなった
ということでもあるのかもしれない。
つまり伸一はここで、
後継者争いの中で意地を張る人から、
ようやく家族の一員に戻り始めている感じがある。
柾樹が伸一を連れて行くのは、“もう一度従兄を当事者として扱う”という意味でも大きい
前は違った。
柾樹が前に出て、伸一が外される場面も多かった。
でも今回は違う。
柾樹は伸一に「一緒に行ってほしい」と頼む。
これはつまり、
伸一をもう一度、加賀美屋を守る側の当事者として呼び戻している
ということだ。
かなり大きい変化だと思う。
夏美が「何か手伝えることがあれば」と言い、伸一が「旅館の方を頼む」と返す流れもかなりよかった
ここも地味にいい。
前なら伸一は夏美を軽く見たり、逆に夏美が無理に全部抱えたりしそうだった。
でも今回は違う。
夏美は手伝う姿勢を見せる。
伸一はその気持ちは受け取りつつ、若女将としての役目を任せる。
つまりここでは、
善意だけで全部動くのではなく、立場に応じて役割を分ける
感じが出ている。
かなり大人なやり取りだったと思う。
この場面は、“反撃のための朝”としてかなり大事だった
まだ何も解決していない。
でもこの場面では、
- 家族の空気が戻る
- 伸一が少し変わる
- 柾樹と伸一が外へ動く
- 環と夏美が内を守る
という形で、かなりはっきり反撃の態勢が整い始めている。
だからこれは単なる和やかな朝食ではなく、
加賀美屋が立て直しに動き出した最初の朝
としてかなり重要だったと思う。
仲居たちの不満がついに爆発――加賀美屋の弱点を秋山に突かれた場面
- 清美(中村優子)が時江(あき竹城)にお願いがあると言う。
- しかし時江は、「こったな時に何を言い出すんですか!今は余計なことで女将さんたちに迷惑をかけないの!」と注意して仲居部屋を出ていく。
- その後、遅れてやって来た佳奈が「何?どうしたの?」と確認する。
- 康子(那須佐代子)は「やるしかないんでない?」と清美、則子(佐藤礼貴)、恵(藤井麻衣子)に同意を求める。
- その後、清美たちがボイコットして仲居部屋から出てこず大変だと、佳奈(川村ゆきえ)が夏美を呼びに来る。
- 夏美が呼びかけても、仲居部屋は開けてもらえない。
- 仲居たちは、労働条件を改善するためにも必要なことだとして、秋山の入れ知恵でストライキに入る構えを見せる。
- 康子と清美は、女将さんが話を聞いてくれるまでここから出ないと言う。
- 佳奈は夏美に、清美たちが給料や夜勤のことに不満を持っていると伝える。
- 時江もやって来て戸を開けようとするが、仲居たちは「女将さんと話をさせてください」と言って応じない。
- 夏美が環(宮本信子)を呼びに行き、話し合いが始まる。
- 清美たちは、加賀美屋の給料が他と比べて安いのではないか、週に何回か夜勤があること、部屋付きの仲居はお客様の都合で朝まで待機することもあると訴える。
- 環は、給料は盛岡の相場だが、夜勤や朝まで待機することについては申し訳なく思っていると答える。
- ただし、今加賀美屋がどういう状況にあるのかは分かってほしいと確認する。
- 仲居たちもそれには「はい」と答える。
- 時江は、こんな時に女将さんたちを困らせるなんてと憤る。
- 環は、このことはきちんと考えるから、もう少し待ってほしいと頼む。
- 清美は、いつまで待てばいいのかと尋ねる。
- その後、帳場に戻った夏美たちは、清美はあんなことを言う人ではない、きっと母親の入院が長引いて大変なんだろうと話す。
- 環もそれに理解を示す。
- 時江は、自分の若い頃にはボイコットなんて考えられなかったと嘆く。
- 夏美は、秋山が清美たちに工作していることを佳奈から聞いていたのに環に伝えなかったことを謝る。
- 環は、いつもなら仲居たちの態度で気づいていたはずだが、今はお客様をもてなすことで精いっぱいで対応できなかったことを悔やむ。
- 環は、加賀美屋の仲居たちはプロ中のプロだから、本当はできることなら給料を上げてやりたいと話す。
- そのうえで、自分や時江の給料も仲居たちとあまり変わらないと夏美に告げる。
- 久則は、経費削減は身内である加賀美家の給料から始めたこと、久則と伸一と浩司も同じように給料を減らしたことを夏美に教える。
- 時江は、そんな状況なのに自分たちのことばかり考える仲居たちに腹を立てる。
- しかし久則は、仲居たちも秋山にそそのかされたのだろうと庇う。
- そして、株を手にしただけではなく、旅館内部にも手を回してくる秋山の手慣れたやり方に感心するように嘆く。
- 時江は、秋山はとんでもない悪党だと言い切る。
個人的感想
これはボイコットというより、労働条件改善を訴えるためのストライキなんだろうなとは思う。
ただ、時江が言うように、「どうして今このタイミングなんだ」という疑問はどうしても残る。清美は差し迫ってお金が必要そうだからまだ分かる。でも、まずは賃上げ要求より、彩華がやったみたいに給料の前借りを頼むという選択肢もあったんじゃないかとは思ってしまう。
いくら労働者の権利だと言っても、今は加賀美屋そのものが乗っ取られるかもしれない瀬戸際だ。そんな時に賃上げ要求で現場を止めたところで、旅館ごと持っていかれたり潰れたりしたら元も子もない。買収騒動を何とか乗り切ってから、あらためて労働条件改善の話し合いを持てばいいんじゃないか、と自分は思う。少なくとも清美以外は、今この瞬間に賃上げがないと生活が破綻する、という感じでもなさそうに見えるしな。
ただ、ここで初めてかなり具体的な労働条件が見えてきたのは大きかった。秋山に「給料が安い」と吹き込まれている、というところまではこれまでも出ていた。でも今回は、週に数回夜勤があること、部屋付き仲居はお客様の都合で朝まで待機することがあることまで出てきた。ここはかなり重い。
しかも環は、給料は盛岡の相場だと反論しつつ、夜勤や朝まで待機することについては申し訳なく思っていると答えている。これはつまり、その部分については痛いところを突かれたと自覚しているってことなんだろうなと思った。ひょっとしたら、深夜割増や時間外割増がちゃんと払われていないんじゃないか、と疑ってしまう。お客様対応のために待機している時間って、労働の密度が薄くても使用者の指揮命令下にあるなら手待ち時間で、立派な労働時間だ。そこに賃金が払われていないなら、かなりブラックだぞと思ってしまう。そんな変なことはしていないということを願う。
柾樹のレポートでは、加賀美屋は利益率もかなり高くて、優良企業っぽく見えていた。でも、もしその収益性のからくりが、仲居たちのやりがいや我慢に甘えて人件費を抑えていたからだとしたら、その見え方はかなり変わってくる。伝統ある老舗旅館という聞こえはいいけど、実態としては未払い残業や低処遇で支えられていたのだとしたら、かなり印象は違う。これも全部自分の妄想であってほしい。
一方で、環や久則たちも何も考えていなかったわけではない。身内の給料から先に削った、環や時江の給料も仲居とあまり変わらない、久則・伸一・浩司も給料を下げている。経営が苦しいときにまず役員や身内から削るのは筋としては分かる。だからこそ、この問題は単純に「女将たちが搾取していた」で片づく話でもない。しかし、一個だけ気になる。夏美と柾樹の給料はどうなってるんだ?給料が支払われてない?下げる余地がないくらい元から薄給?それとも高給だけど夏美と伸一だけは下げられてない?どれなんだ。
夏美が、佳奈から聞いていた清美たちの不満を環に伝えていなかったことを謝る場面も印象的だった。たしかに、仮に伝えていても今すぐ賃上げには応じられなかっただろう。でも、「不満を持っている人がいる」ということが分かっていれば、先回りして「改善は考えている」「今は待ってほしい」と伝えることくらいはできたかもしれない。そういう意味では、やっぱり初動は少し遅れたんだろうなと思う。
そして最後に思うのは、秋山って本当に抜け目ないなということだ。株だけ取って終わりじゃなくて、内部の人間関係、労働条件、生活不安、あらゆる角度から攻めてくる。かなり手慣れている。これは加賀美屋にとって相当きつい相手だなと思った。
この場面で大きいのは、“家族がまとまった”直後に、“現場の不満”が噴き出したこと
前回までで、加賀美家そのものはかなりまとまり直していた。
でも今回、その直後にストライキが起きる。
つまりこれは、
家族の和が回復しても、それだけでは旅館は守れない
ということをかなりはっきり示しているんだと思う。
加賀美屋を支えているのは家族だけじゃない。
仲居たちの労働があって初めて旅館は回る。
その現場が揺れたら、もう家族の団結だけでは足りない。
かなり重要な転換だと思う。
仲居たちの行動はタイミングとしては厳しいが、問題提起の中身自体はかなり正当にも見える
ここが難しいところだ。
今このタイミングでやるのか、という違和感はかなりある。
でもその一方で、言っている内容そのものはかなり真っ当なんだよな。
- 給料が安いのではないか
- 夜勤がある
- 朝まで待機することがある
- それに見合う処遇があるのか
これはどれも、労働条件として見ればかなり本質的な問題だ。
だからこの場面は、
タイミングは最悪だが、言っていることは無視できない
というかなりやっかいな構図になっている。
秋山の怖さは、嘘だけで煽っているのではなく、“本当に痛いところ”を突いていることなんだと思う
もし秋山が完全なでっち上げで煽っているだけなら、もっと簡単に切れる。
でも今回は違う。
夜勤や待機の話に対して、環が「申し訳なく思っている」と言っている時点で、
そこには実際に問題があるんだよな。
つまり秋山は、何もない不満を作り出しているんじゃなくて、
もともとあった不満や矛盾を増幅させている。
そこがかなり怖いし、うまい。
加賀美屋の“高収益っぽさ”が、もし人件費の抑制で成り立っていたならかなり苦い
ここはかなり大きい視点だと思う。
柾樹の資料では、加賀美屋はかなり収益性が高そうに見えた。
でももしその裏に、
- 夜勤負担
- 待機時間の長さ
- 割増賃金の不備
- やりがいへの甘え
みたいなものがあるなら、話は全然違ってくる。
つまりこの場面は、
加賀美屋の美しさの裏側にあった労務の歪み
を見せてしまっている可能性がある。
かなり重要だ。
環たちが悪意で搾取していたわけではないことも、逆にこの問題を難しくしている
ここも大事で、単純に女将や家族が悪いわけでもない。
実際に身内の給料から削っているし、自分たちも我慢している。
だからこそこれは、
悪意ある搾取というより、
昔ながらのやり方のまま無理を現場に押しつけてきた結果
なんだろうなと思う。
この「誰か一人が悪い」では済まない感じが、この問題をかなり複雑にしている。
夏美の報告遅れは、責めるというより“若女将としての学び”としてかなり大きい
夏美は佳奈から話を聞いていた。
でも環に伝えなかった。
それを謝る。
ここは、夏美が単に優しいだけでは足りないことを学んでいる場面でもあるんだと思う。
つまり若女将には、
- その場を和ませること
- 相手に寄り添うこと
だけじゃなくて、
不満や火種を早めに上へ上げること
も必要だろう。
かなり大事な学びの場面だったと思う。
久則が仲居たちを庇うのは、経営側としての正しさより“秋山の工作の巧妙さ”を認めているからなんだと思う
時江は怒る。
でも久則は、そそのかされたんだべ、と仲居たちを庇う。
これは甘いとも見えるけど、同時に久則は、
秋山が人の不満に入り込むのがどれだけうまいか
をかなり深刻に受け止めているんだろうなと思う。
つまりここで久則は、仲居たち個人を責めるより、
もっと大きな敵の手慣れたやり方を見ている。
そこが少し印象的だった。
この場面は、“加賀美屋の弱点”が家族の外側ではなく、仕事の現場そのものにあったと突きつけた場面だった
ここまでは、伸一の孤立、家族の不和、秋山の工作、みたいな話が中心だった。
でも今回分かったのは、
加賀美屋の弱点はそれだけじゃないということだ。
- 労働条件
- 現場の不満
- 長年見過ごされてきた負担
- 言い出せなかった不満の蓄積
こういうものが、旅館の内部にずっとあった。
そして秋山はそこを正確に突いてきた。
つまりこの場面は、
加賀美屋が本当に抱えていた“内部の弱さ”が表に出た場面
なんだと思う。
かなりしんどいけど、かなり重要な場面だった。
まとめ
今回の第147回でまず大きかったのは、加賀美家がどれだけ結束を取り戻しても、それだけでは加賀美屋を守れないという現実が突きつけられたことだと思う。前回までで家族はようやく本音を言い合い、役割分担まで見え始めていた。朝食の明るさも、その立て直しの象徴だったと思う。伸一も少しずつ素直になり、柾樹と一緒に外の情報を追う側に回る。環と夏美は旅館の中を守る。ようやく反撃の体勢が整ったように見えた。だからこそ、その直後に仲居たちのストライキと退職が起きるのはかなり痛かった。
ただ、今回しんどいのは、仲居たちの行動がタイミングとしては最悪でも、言っている中身自体はかなり正当だということだ。給料が他より低いのではないか、夜勤がある、部屋付きの仲居はお客様の都合で朝まで待機することがある。そのうえ環自身も、その部分については申し訳なく思っていると認めている。つまりこれは、秋山がゼロから嘘を作って煽ったわけではなく、加賀美屋の中にもともとあった不満や負担を正確に突いてきたということだ。そこがかなり厄介だった。老舗旅館の誇りやおもてなしの心は美しい。でも、その美しさが仲居たちの我慢や長時間の拘束の上に成り立っていたのだとしたら、かなり見え方が変わってくる。
その意味で今回、加賀美屋の“高収益っぽさ”の裏側も見えてしまった気がする。柾樹のレポートでは、加賀美屋は利益率もかなり高く、優良企業のようにも見えていた。でももし、その利益が仲居たちのやりがいや献身に甘え、人件費を抑えて成立していたのなら、そこにはかなり苦い現実がある。もちろん、環や久則が悪意で搾取していたわけではないし、身内の給料から先に削っていたことも分かった。だからこれは単純な搾取というより、昔ながらのやり方のまま無理を現場に押しつけてきた結果なんだろうと思う。誰か一人が悪いでは済まないからこそ、余計に重い。
そして何よりきつかったのが、清美たちの退職だ。清美は家族のために少しでもいい給料が欲しいという、かなり切実な理由だった。加賀美屋への恩義もあるし、本当はここで働き続けたかったとも言う。それでも辞める。つまりここでは、情や恩義よりも生活の切迫が勝ってしまったわけだ。一方で康子・則子・恵の三人は、清美ほど切実ではないように見える分、むしろ秋山の工作のうまさが際立っていた。今より楽で、条件のいい職場があると聞いてしまったら心が揺れる。その心理を秋山は実によく分かっている。今回の秋山は、家族の和では届かない“生活の現実”のところから、加賀美屋を崩しに来ていた。
夏美が土下座して引き止める場面もかなり重かった。前回の伸一の土下座は、自分のしでかしたことへの謝罪だった。でも今回の夏美の土下座は違う。若女将としての言葉も、情も、説得も届かず、最後には人として頼むしかなかった土下座だ。つまり今回は、家族が一つになることでは越えられない壁があることがはっきり見えてしまったんだと思う。第147回は、加賀美屋の危機がついに現場の機能停止と人材流出にまで進んだ回だった。そして同時に、老舗旅館の美しさの裏にあった労務の歪みを、秋山に容赦なく突かれた回でもあったと思う。
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