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2026年3月14日に放送された『どんど晴れ』第126回。
柾樹と夏美の結婚披露宴は、イーハトーブの仲間たちも加わり、にぎやかな雰囲気のまま幕を閉じようとしていた。
その一方で、大女将カツノの病床では、平治と政良が静かに付き添っていた。
平治はまるで命をつなぎ止めるかのように、思い出を語り続ける。
カツノが見つけた夏美。
そしてその夏美が、今日、若女将となった。
「あんたの願った通りになったよ」
平治の言葉に微笑みを浮かべたカツノは、その後、静かに息を引き取る。
祝福と別れが同じ日に訪れた、加賀美屋にとって忘れられない「長い一日」が、ついに終わりを迎えた。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第125回)の感想はこちら

平治が語り続けた思い出、カツノ静かにその生涯を閉じる
・披露宴が終わり、柾樹(内田朝陽)がギターを弾き、招待客や仲間たちと「カントリーロード」を歌っている。
・一方、カツノ(草笛光子)の病床では平治(長門裕之)と政良(奥田瑛二)が付き添っている。
・平治はカツノに話しかけ続ける。
・平治は、カツノが夏美を座敷童に見間違えたことを振り返る。
・その後、平治や政良も夏美を座敷童に見間違えたことを語る。
・平治は夏美が女将修業を始めた経緯を話す。
・事情を知らなかった政良が平治に詳しく聞く。
・カツノは二人の話を穏やかな表情で聞いている。
・平治は、カツノが大女将として最後のお茶会を立派にやり遂げたことを振り返る。
・カツノは大女将としてだけでなく、加賀美家の家長としても立派だったと平治は語る。
・部屋の外では時江(あき竹城)がその話を聞きながら静かに頷いている。
・カツノのおかげで加賀美屋が一つになり、カツノが見つけた夏美(比嘉愛未)が若女将になったと平治は語る。
・夏美がこれから加賀美屋を盛り立てていくだろうと話す。
・「願った通りになった」と平治が語りかける。
・平治は堰を切ったように泣き崩れる。
・政良も涙を流し「母さん」とつぶやく。
・時江は部屋の外で涙を流し静かに一礼する。
・加賀美屋七代目大女将カツノは静かに息を引き取る。
個人的感想
まず気になったのは、披露宴の最後にまた「カントリーロード」が歌われていたことだ。
盛り上がる歌なら何でもいいとは思うが、どうしてここまでこの曲が使われるのだろう。この作品と何か深い関係がある曲なのか、少し気になってしまった。
一方、カツノの病室では、平治が必死に語り続けていた。
おそらく平治は、会話が途切れてしまえばカツノの命も途切れてしまうのではないかという思いで、必死に話しかけ続けていたのだろう。
カツノと平治の間にはきっと数えきれないほどの思い出があるはずだが、視聴者にも伝わる話となると、やはり夏美の話になる。
そして、ここで夏美を「座敷童」と見間違えた話が改めて語られる。
カツノ、平治、政良の三人が真剣に「夏美は座敷童かもしれない」と語っても、普通なら周囲は不思議に思うだろう。
だからこそ以前、時江にも夏美が座敷童に見える体験をさせていたのだろう。あの場面は少し不思議に思っていたが、この最期の場面のための伏線だったのだと考えると腑に落ちる。
時江自身も同じ体験をしているからこそ、部屋の外でその話を聞いても不自然に思うことなく受け止めることができるわけだ。
カツノと平治がどれほど夏美に期待を寄せているのかもよく伝わってきた。
体調が苦しいはずのカツノが、夏美の話を聞いているときだけ自然に笑顔を見せていたのが印象的だった。
ただ、平治が「お茶会で大女将として最後の花道を見事に飾った」と語る場面では、少し気になる点もあった。
茶釜を作ったのは確かに平治だったが、平治自身がお茶会に参加していたのかどうか、あまり記憶にない。今日の回想シーンでも平治は映っていなかったように見えた。
それでも、平治を演じる長門裕之さんの演技は本当に見事だった。
泣き崩れる姿からは、愛する人との最後の別れの悲しみが痛いほど伝わってきた。
政良も長い確執を経て、最後に母親へ別れを告げることができた。
そして時江も、部屋の外からではあったが、その最期を見届けることができた。
カツノは本当に、静かに眠るようにその生涯を閉じたのだと思う。
平治の役割は“語り部”
この場面で平治は
-
思い出を語る
-
カツノの人生を総括する
-
視聴者に物語を整理させる
という
語り部の役割
を担っている。
カツノの死の演出
カツノの死は
-
病院ではない
-
騒がしくない
-
苦しむ描写もない
完全に
「大往生」の演出
になっている。
これは
-
女将として役目を終えた
-
後継者が誕生した
という
物語の区切りを示す死。
この回の意味
第126回は
実質
加賀美屋の時代交代の回
であり
-
カツノの物語の終わり
-
夏美の物語の本格開始
の境界になっている。
大女将カツノの死、加賀美屋の長い一日が終わる
・披露宴が終わり、久則(鈴木正幸)・伸一(東幹久)・恵美子(雛形あきこ)が招待客を見送っている。
・柾樹と夏美がカツノの部屋へ駆けつける。
・平治が「安らかな最期だったよ」と二人に伝える。
・夏美は「大女将!」と叫び、カツノにすがりつき泣き崩れる。
・その後ろで柾樹も涙を流している。
・夏美は泣きながら大女将との日々を思い出す。
・庭で立ち尽くしていた環(宮本信子)の姿を見て、久則と伸一もカツノの部屋へ入る。
・その後、浩司(蟹江一平)と恵美子も部屋へやってくる。
・家族それぞれがカツノの死を前に悲しみを見せる。
・「夏美にとって生涯忘れることのできない長い一日でございました」というナレーションが入る。
・こうして今週の放送は終了した。
個人的感想
言いたいことはたくさんあるが、まず真っ先に思ったのは「久則がかわいそうだ」ということだ。
久則はカツノの次男である。
長男の政良は長い間加賀美屋から離れていたが、今日になって戻ってきたことで母の臨終の場に立ち会うことができた。
しかし久則は違う。
カツノの容体が良くないことは知っていたものの、今まさに危篤状態であるという事実は環によって伏せられていた。
もし披露宴のあとに悠長にカントリーロードなど歌っていなければ、臨終の瞬間に間に合った可能性もあったのではないかと思ってしまう。
久則にどれほど覚悟があったのかは分からないが、カツノが亡くなる前に真実を伝える機会はあったのではないだろうか。
同じことは孫である伸一や浩司にも言える。
披露宴の終盤で事情を伝えていれば、歌など歌わず、招待客を見送ったあとすぐにカツノの部屋に駆けつけることもできたのではないかと思う。
さらに気になったのは、最後に部屋へ入ってきたのが浩司と恵美子だったことだ。
恵美子は本来、久則や伸一と一緒に招待客の見送りをしていたはずだが、浩司と一緒に最後に現れたということは、もしかすると板場の後片付けを手伝わされていたのではないかと想像してしまった。
いつも家事を押しつけられている恵美子の立場を考えると、そんな想像をしてしまうのも無理はない。
また、庭で立ち尽くしていた環の姿も印象的だった。
おそらく環自身も様々な葛藤を抱えていたのではないだろうか。
カツノの病状を皆に正直に伝えるべきだったのではないか。
生きているうちにもっとできることがあったのではないか。
そんな思いを抱えながら、ただ庭に立ち尽くしていたようにも見えた。
そしてやはり思ってしまうのは、以前から感じていたことだ。
カツノの病状を夏美と柾樹に正直に伝え、結婚式を行うかどうかの判断を二人に委ねるべきだったのではないかということだ。
結婚式当日の思い出が、これから二人にとって苦い記憶として残ってしまう可能性もある。
最後に夏美についても少し気になった。
カツノの実の息子や孫たちがその場にいるにもかかわらず、一番関係が浅いはずの夏美がカツノにすがりつき続けて泣いている。
家族よりも夏美の悲しみが強く描かれてしまうと、逆に家族がそこまで悲しんでいないようにも見えてしまう。
そこは息子や孫たちに少し譲ってもよかったのではないかとも感じた。
そしてもう一つ、少し気になる点がある。
この日の午前中、往診した医師は「今日一日持つかどうかだが、入院すれば数日生き延びるかもしれない」と説明していた。
それでも環は入院を選ばず、自宅で看取ることを選んだ。
通常であればこれは「不審死」ではなく、「自然死」として扱われるのではないかと思うが、警察への届け出や事情聴取が必要になるのだろうか。
自分自身に経験がないのでどうするべきなのかは分からないが、医師がすでに病状を把握していたのなら、医師へ報告するだけで済むようにも思うがどうなのだろうか。
保護責任の問題が発生するのかどうか、そのあたりは少し気になった。
披露宴と死の“時間差演出”
脚本はあえて
-
披露宴の余韻
-
カツノの死
を時間差で描いている。
これによって
祝福 → 喪失
という強い落差が生まれる。
久則が臨終に立ち会えない構造
久則は
-
次男
-
経営責任者
-
物語の中間世代
という立場。
臨終に間に合わないのは
「責任ある立場の人ほど現場に縛られる」
という象徴演出とも考えられる。
環が庭にいる意味
環が部屋に入らず庭に立っているのは
-
女将としての責任
-
嫁としての感情
の板挟みを表しているようにも見える。
つまりこの瞬間
環は
女将でも嫁でもない
一人の人間
に戻っている。
夏美が中心に泣く理由
演出的には
夏美が中心に泣くことで
カツノ → 夏美
への世代継承を強調している。
つまり
母 → 家族
ではなく
女将 → 次の女将
という継承。
まとめ
第126回は、加賀美屋の一つの時代が終わる瞬間を描いた回だった。
披露宴のにぎやかな空気の裏側で、静かに進んでいたカツノの最期。
平治の涙、政良の「母さん」という一言、そして部屋の外で静かに頭を下げる時江。それぞれの立場からカツノとの別れが描かれていた。
ただ一方で、カツノの臨終の瞬間に立ち会えなかった家族もいた。
そのことを思うと、環が皆に病状を伏せていた判断については、少し複雑な気持ちも残る。
それでも確かなのは、カツノが生涯をかけて守ってきた加賀美屋が、次の世代へと引き継がれたということだ。
大女将カツノが静かに幕を下ろしたこの日。
加賀美屋の新しい物語が、ここから本格的に始まっていくのかもしれない。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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