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2026年3月12日に放送された『どんど晴れ』第124回。
神前式を無事に終えた夏美と柾樹は、加賀美屋で披露宴を迎えることになった。
しかしこの披露宴は、ただの結婚披露宴では終わらなかった。
環は挨拶の中で、夏美を若女将に就任させること、そして将来的に柾樹が加賀美屋を継ぐことを発表する。ところが、この決定に分家の親族が強く反発。株主でもある分家の人々は、環の独断のようにも見える決定に納得がいかない様子だった。
ざわめく披露宴会場。
その空気を一変させたのは、環の迫力ある一言と、そして若女将として初めて語られた夏美の決意だった。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第123回)の感想はこちら

披露宴で明かされた加賀美屋の未来
・結婚の儀は無事に終わり、夏美(比嘉愛未)と柾樹(内田朝陽)は正式に夫婦となった。
・披露宴会場に入ってきた二人に、イーハトーブの仲間たちが祝福の声をかける。
・その頃、離れでは披露宴が始まったことを時江(あき竹城)がカツノの部屋越しに伝え、平治(長門裕之)が改めてカツノ(草笛光子)に伝える。
・カツノは病床で静かに頷く。
・披露宴会場では環(宮本信子)が招待客の前で挨拶を行う。
・環は続けてもう一つ報告があると言い、夏美が若女将として働くこと、将来的に柾樹が加賀美屋を継ぐことを発表する。
・分家の弘道(でんでん)が、この決定に対して異議を唱える。
・啓吾(大杉漣)と智也(神木隆之介)は怒りを押し殺した様子で見守り、久則(鈴木正幸)と伸一(東幹久)が弘道に反論する。
・環が仲裁に入ろうとするが、弘道は自分たちも株主なのだから勝手に決められては困ると主張する。
・他の分家の親族も弘道の意見に同調し始め、会場がざわつく。
・環が鋭い視線で会場を黙らせる。
・環は異議がないものとして話を打ち切り、一方的に決定を承認させる形で場を収める。
個人的感想
この場面のために、これまでこのドラマでは「事前に相談しない文化」がずっと描かれてきたんだろうなと思わざるを得なかった。やはり、ちゃんと事前に話し合っていればこんな衝突にはならなかったのではないかとも思ってしまう。
そして、分家の弘道の言い分もなかなか説得力がある。環はこれまで、株式会社加賀美屋旅館の株はすべて「身内」が持っていると説明していたはずだが、その“身内”の範囲がどこまでなのかは少し引っかかっていた。今回の放送で、本家だけでなく分家の人間も株主であることが分かった。そうなると、株主でもある弘道が「環の考えだけで勝手に決められては困る」と言うのは筋の通った主張だと思える。
それでも環は、自分は加賀美屋の九代目女将であり、加賀美屋の全責任を背負う身で、自分以上に加賀美屋のことを思い考えている人物はいないと言い切る。そして、その女将である自分の決断に不服があるのなら、今ここで話してほしいと迫るのだった。
もし加賀美屋が個人経営の旅館であれば、「女将」がすべての責任を背負う存在だという理屈もまだ理解できないわけではない。しかし加賀美屋は「株式会社加賀美屋旅館」という正式な法人組織だ。本来であれば取締役会や株主総会といった意思決定の仕組みがあるはずで、すべてを女将が独断で決められるような体制ではない。
それにもかかわらず環は、自分が女将だからすべての責任と決定権限があるかのように振る舞い、半ば恫喝するような形で会場を黙らせてしまった。分家の言い分は「自分たちも株主なのだから、大事なことを何の相談もなしに勝手に決められては困る」という、極めて真っ当な主張だと思う。
結局、分家の人々は会場の雰囲気と環の圧力に押されて黙るしかなかった。だが、この決着のつけ方は後々禍根を残すのではないかという気がしてならない。
大女将・カツノの代から、どこか法やルールを軽視しているような描写はあったが、ここにきてそれが極まってきているようにも感じた。
個人的には、環が今いちばん急ぐべきことは、結婚式を成立させることでも披露宴でのお披露目でもなく、まず取締役会を開くことなのではないかと思ってしまう。
カツノと伸一の間で株券の生前贈与について話がまとまっていたのであれば、当事者同士の間では契約自体は成立しているのかもしれない。しかし、株式会社加賀美屋旅館の株式は譲渡制限付株式だったはずで、株式を譲渡するためには取締役会の承認が必要になっている。
ところが、カツノが伸一に株券をすべて譲ると言った場面では、代表取締役である久則がかなり驚いていた様子だった。あの反応を見る限り、少なくともその時点では取締役会が開かれていたとは考えにくい。そうなると、今もまだ株式譲渡について正式な取締役会の承認は行われていない可能性が高いのではないかと思う。
カツノが伸一に株券を譲ると言ったときには、まだ判断能力は十分に残っていたはずだし、その場にいた人たちも特におかしな様子はなかったと証言できるはずだ。ただ、現在のカツノは夏美と柾樹の結婚式の幻視が見えているような状態になっている。そうなると、今のカツノにどこまで判断能力が残っているのかは正直かなり怪しい。
だからこそ、カツノが生きているうちに、本人が以前から希望していた株式譲渡を正式に承認する形で取締役会を急いで開いたほうがいいのではないかと思う。そして、そのまま株式の名義変更まで終わらせておいたほうが後々のトラブルを防ぐことにもつながるような気がする。
取締役の中にも分家の人間が入っているのだろうか。そのあたりの会社の体制はまだはっきりとは描かれていないが、いずれにしても今回の環のやり方はかなり強引で、後々争いの火種になりかねないようにも思える。
とはいえ、分家の人間も株式を保有しているということは、本家の人間であり、しかも支配人でもある伸一がまったく株式を持っていないと考える方がむしろ不自然だろう。もし伸一がすでに一定数の株式を持っているとすれば、カツノが保有しているすべての株式、すなわち加賀美屋の全株式の50%を譲り受けることができれば、伸一が過半数を握ることになる。
そうなれば、最終的には株式会社加賀美屋旅館の経営権は伸一が掌握する形になるのではないかとも思う。
弘道の主張を聞いていて、少し気になった点もあった。
弘道は、本家の人間である伸一が後を継ぐのであれば納得できていたと言っていた。確かに伸一は本家の人間だが、柾樹もカツノの長男・政良の息子なのだから、血筋で言えば本家の人間であることに変わりはない。
それでも弘道が柾樹の後継ぎを認められない理由は二つあるようだった。ひとつは、柾樹が加賀美屋を捨てて出て行った男の息子であること。もうひとつは、柾樹自身も一度加賀美屋を離れ、横浜で働いていたことだ。
弘道は「一度加賀美屋を出た人間でも後を継げるのであれば、東京に働きに出ている自分の息子だって後継ぎになれるはずだ」とも言っていた。
ここで気になるのは、180年続く加賀美屋の歴史の中で、本家の人間がいるにもかかわらず分家の人間が後を継いだ例があるのかどうかという点だ。もし過去にそういう前例があるのであれば、弘道の言っていることもあながち無茶とは言えない。しかし前例がないのであれば、弘道の主張はやや厳しいものにも思える。
それともうひとつ、弘道が柾樹に対して「財産目当てで加賀美屋を継ぐつもりなんだろう」と罵っていたのも少し引っかかった。加賀美屋は株式会社なのだから、旅館の土地や建物は基本的には法人の所有になっているはずだ。そうなると、弘道の言う「財産」とは具体的に何を指しているのだろうか。
カツノ個人が持っている現預金や金融資産であれば、法定相続人である政良や久則の相続対象になるはずだ。だとすると、柾樹が財産目当てで狙うとすれば、一体どの財産のことを言っているのか……そのあたりは少し気になってしまった。
この場面は「家制度 vs 会社制度」
この衝突の本質は
家の論理(女将)
と
会社の論理(株主)
の衝突になっている。
環
→ 家の代表
弘道
→ 少数株主の代表
という構図。
環の「女将権力」
環はこの場面で
家長的権威
を使っている。
これは
株式会社の理屈ではなく
老舗旅館の家制度
の理屈。
つまり
加賀美屋は
会社でありながら
実質は家業
であることを示している。
この回の構造
この回は
①結婚
②後継ぎ発表
③親族反発
という流れで
披露宴=政治の場
になっている。
つまり
これは
家族ドラマではなく経営ドラマ
でもある。
若女将としての最初の挨拶
・柾樹が披露宴の席で挨拶し、加賀美屋の後継ぎとしての決意を述べる。
・続いて夏美が若女将就任の挨拶を行う。
・夏美はこれまでの女将修業の経験について語る。
・修業を通して気づいたことや、自分が目指す女将像について話す。
・若女将として認めてくれた加賀美家の人々への感謝を述べる。
・さらに、同僚、家族、仲間たち、そして加賀美屋を訪れるお客様のためにも精一杯努めたいと決意を表明する。
・会場から大きな拍手が起こる。
・若女将としてまだ未熟ながらも、自分の決意をしっかりと述べた夏美だったとナレーションが入り、この日の放送は終了する。
個人的感想
柾樹の決意表明は、これからの加賀美屋の未来のために頑張っていくという、比較的短くあっさりとしたものだった。それに対して夏美の挨拶は、柾樹のそれよりもずっと長く、かなり丁寧に語られていた印象がある。
その内容は、これまでの女将修業の経験や、自分がどんな女将を目指しているのかという話を中心に、加賀美家の家族、朝倉家の家族、職場の仲間、イーハトーブの友人たち、そして加賀美屋を訪れてくれるお客様への思いまで含めたものだった。まるで、これまでの事情をよく知らない分家の親族たちにも理解してもらうための説明を兼ねた挨拶のようにも聞こえた。
印象的だったのは、拍手が起こった瞬間だった。最初に拍手をしていたのが、さっきまで一番強く反対していた弘道だったという点だ。あれだけ強く反対していたのに、夏美の挨拶を聞いた途端に考えを改めたのだろうか。
もしそうだとすれば、弘道は意外とあっさりした人物だったということになる。あれほど怒っていたのに、決意表明を聞いただけで納得してしまうのは、少しチョロすぎるようにも感じてしまった。
おそらく、この流れで本家と分家を巻き込んだ後継ぎ問題は、このまま収束していくのだろう。ただ、あれだけ大きな問題として描かれていたものが、夏美の挨拶だけで一気に解決してしまうとなると、少し拍子抜けしてしまったというのが正直なところだ。
夏美の挨拶は「就任演説」
夏美の挨拶は
単なる結婚の挨拶ではなく
若女将就任演説
になっている。
つまり
披露宴は
結婚披露宴であると同時に
経営体制発表の場
でもある。
弘道の拍手の意味
弘道の拍手は
必ずしも
完全な納得ではない可能性がある。
-
若い世代の覚悟
-
誠実な言葉
に対して
長老世代が一定の敬意を示した
という演出とも考えられる。
柾樹より夏美の挨拶が長い理由
柾樹よりも
夏美の挨拶が長いのは
この物語の中心人物が
夏美
だから。
つまり
この場面は
「後継ぎ誕生」ではなく
若女将誕生の場面
になっている。
この回の構造
第124回は
①結婚式
②後継ぎ発表
③親族反発
④若女将挨拶
という流れで
対立 → 説得 → 承認
という
非常に教科書的なドラマ構造になっている。
まとめ
第124回は、華やかな結婚披露宴の場でありながら、加賀美屋の後継ぎ問題が一気に表面化した回だったように思う。
分家の弘道が言っていることも、株主という立場から見れば決して無茶な主張ではない。加賀美屋が株式会社である以上、本来はもっと丁寧な手続きが必要だったのではないかと感じる場面でもあった。
それでも環は、九代目女将としての覚悟を示し、圧倒的な迫力で場を収めてしまう。
その強引さには賛否が分かれそうだが、環が加賀美屋の女将として全てを背負う覚悟でこの場に立っていることだけははっきりと伝わってきた。
そして最後に語られた夏美の若女将としての挨拶。
これまで支えてくれた家族や仲間、そして加賀美屋を訪れるお客様のために精一杯務めたいという言葉は、会場の空気を少しずつ変えていったようにも見えた。
さっきまで強く反対していた弘道が、最初に拍手を送っていたのも印象的だった。
本家と分家を巻き込んだ後継ぎ問題は、ひとまずこの若女将の決意表明で一区切りついた形になりそうだ。
とはいえ、加賀美屋ではまだ披露宴が続いている。
そしてその裏では、大女将カツノが静かにその時を迎えようとしている。
加賀美屋にとって、長い一日の終わりはまだもう少し先になりそうだ。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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