朝ドラ再放送『どんど晴れ』第101回感想(ネタバレ)──板場危機の後に現れた“もう一つの闇”──柾樹の父はなぜ消えたのか

どんど晴れ

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2026年2月13日放送『どんど晴れ』第101回。

家族一丸で板場の危機を乗り越えた加賀美屋。

安堵の空気が流れるはずだった第101回は、思いがけず“過去”へと物語を進めた。

「悪しき慣習」という言葉。

それは柾樹だけのものではなかった。

かつて同じ言葉を口にした人物がいる。

柾樹の父——そして彼は、絵を描きに出かけたまま帰ってこなかった。

改革の物語は、親子二代の物語へと姿を変え始める。

※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。

👇 前回(第100回)の感想はこちら

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危機後の夜──加賀美屋の“束の間の安堵”

板場の危機を乗り越えた夜。

加賀美屋の母屋では、柾樹を除く加賀美家の面々と夏美(比嘉愛未)、時江(あき竹城)が集まり、ささやかな打ち上げのような時間を過ごしていた。

夏美もビールを口にし、久則(鈴木正幸)が作った煮物の残りを夜食として囲みながら、場は穏やかな空気に包まれる。

風呂上がりのカツノ(草笛光子)が現れ、皆を労う。

環(宮本信子)は「女が板場に入ってはならない」というしきたりを破ったことをカツノに詫びるが、その後はいつものように姑と嫁の応酬が始まる。

浩司(蟹江一平)や伸一(東幹久)は「嫁と姑のやり取りだから気にしなくていい」と夏美に説明し、夏美も一応納得する。

やがてカツノが柾樹(内田朝陽)の不在に気づく。

夏美が探しに行こうとすると、時江が「柾樹は出かけた」と告げる。


個人的感想

前日の放送で、柾樹が一人で外に出ていく姿を夏美は心配そうに見ていたはずだ。

それなのに今回は、打ち上げの席でビールを飲み、笑顔で場に溶け込んでいる。

もちろん場の空気を壊さない配慮だったのかもしれない。

だが、あのラストの“心配そうな視線”との接続があまりにも薄い気がして、少し置いていかれた感覚があった。

そして久則を自然に「おじさん」と呼ぶ距離感。

まだ正式に家族でもないのに、この順応力はすごい。

ある意味、最強のメンタルだ。

さらに環一派の態度変化。

ついこの前まで夏美を排除しようとしていた人たちが、

まるで何事もなかったかのように同じ卓を囲んでいる。

危機を乗り越えれば絆が生まれる。

それは分かる。

ただ、その変化があまりに一瞬で、

視聴者としては心の準備が追いつかない。

そして何より気になるのはカツノだ。

「自分が環の立場でも板場に入った」

あの一言は衝撃だった。

これまで“しきたりの化身”のように描かれてきたカツノが、

実はそこまで絶対視していなかったのか?

それとも、守っているのは“しきたり”ではなく

“旅館の本質”なのか。

もし後者なら、

カツノは誰よりも柔軟な人物なのかもしれない。

そして10年前の二日酔いエピソード。

あれは単なる昔話ではないはずだ。

わざわざ今出した以上、

何かが繋がってくる。

今回の団らんは温かい場面だった。

でもその裏で、

柾樹だけが不在だった。

その不在が、

この家族の中での彼の現在地を静かに物語っているようにも見えた。


カツノにとっての「しきたり」の本質

カツノは守旧派の象徴のように描かれてきた。

しかし今回の発言から見えるのは、

  • しきたりは目的ではない

  • 旅館を守るための装置にすぎない

という柔軟性。

つまりカツノは「伝統主義者」ではなく

“機能主義的な保守”なのかもしれない。


10年前の二日酔いエピソードの意味

10年前という時期。

環が寝込むほど酒を飲んだ出来事とは何だったのか。

  • 経営危機?

  • 家族問題?

  • 後継問題?

あの話は単なる昔話ではなく、

今後「柾樹の父」のエピソードと結びつく伏線の可能性が高い?それとも平治の茶釜事件?


柾樹の孤立は意図的に描かれている

母屋の団らんにいない柾樹。

全員が一体感を持つ場面で、あえて外されている。

これは偶然ではない。

  • 組織は危機を乗り越えた

  • しかし改革者は輪に入れない

つまり、

組織は安定を取り戻しつつあるが、改革はまだ受け入れられていない

という構図が強調されている。


夏美の立ち位置の変化

夏美は今回、

  • 恋人として柾樹を気にする

  • しかし場の一員として団らんにも溶け込む

二つの立場の間にいる。

今後、彼女は

柾樹側に立つのか

加賀美屋側に立つのか

それとも橋渡し役になるのか。

この回はその分岐点の静かな前触れにも見える。


イーハトーブと母屋──柾樹の居場所

柾樹は「イーハトーブ」を訪れる。

夏美を探して来た様子だが、そこには裕二郎(吹越満)がいるだけだった。裕二郎は座るよう促し、どこか疲れた表情の柾樹を気遣う。

一方、加賀美屋の母屋では柾樹が顔を出さない理由を伸一が気にしている。夏美は柾樹が迷惑をかけたことを詫びるが、久則は「君が謝ることではない」とたしなめる。

翌日は隣町の旅館から板前のヘルプが来ることになり、しばらくは浩司を板長代行として何とか回せそうだと久則と環は判断する。

篠田のキックバック問題について話題が及ぶ。

浩司は本当に知らなかった様子を見せるが、伸一は微妙な表情を浮かべ、環は「薄々気づいていた」と認める。カツノと目を合わせる場面もあった。久則は、柾樹がどこで不正に気づいたのかを不思議がる。伸一は最近柾樹がよく出かけていたのは調査のためだったのではないかと推測する。

夏美は、やり方は強引だったが柾樹は間違っていないのではないかと主張。

「悪しき慣習」という柾樹の言葉に対し、久則は「兄貴(柾樹の父)も同じことを言っていた」と語る。

柾樹の父の話題が出ると、カツノの表情は険しくなり、その場の空気は一変。やがて皆が自然に席を離れていく。


個人的感想

イーハトーブはやはり、柾樹と夏美にとっての“逃げ場”なんだろう。

打ちのめされた柾樹を、裕二郎が黙って放っておくはずがない。

あの距離感は、兄でも上司でもなく「理解者」だ。

一方、母屋ではまたしても夏美が謝っている。

正直に言えば、まだ結婚もしていない段階で、柾樹の行動まで背負う必要はない。

もちろん、場を和らげたい気持ちは分かる。

でも夏美は、少し“背負いすぎる”。

謝ることで自分の立場を安定させているようにも見えて、少し切なくなる。

翌日のヘルプの件。

隣町から来てもらえることになったのは朗報だが、

逆に言えば盛岡市内では一人も動けなかったということだ。

本当に繁忙期だったのか。

それとも、上岡の影響が想像以上だったのか。

昨日、平治が上岡を外へ連れていった場面を見て、

圧力は消えたのかと思っていた。

だとすれば、単純に人手不足か。

そしてキックバックの話。

浩司が知らなかったのは本当だろう。

でも他の面々はどうだろう。

「薄々気づいていた」ではなく、

完全に認識していたのではないか。

前日の伸一の様子からすれば、

“もしものための積立金”という認識まで持っていた。

主犯は篠田。

だが、黙認の構造はあったのではないか。

そこを誰もはっきりさせない。

だからモヤモヤが残る。

そして「悪しき慣習」という言葉。

柾樹の父も同じ言葉を使ったという。

つまり、加賀美屋は一度、改革を試みられている。

そして失敗している。

カツノの表情を見る限り、

あの過去は決して円満な終わり方ではなかった。

もし柾樹が父と同じ道を歩こうとしているのなら、

歴史は繰り返すのか。

夏美が「お父さんは今どこにいるのか」と聞いただけで

場が凍りつく。

これはただの家族の不和ではない。

加賀美屋にとって、

柾樹の父の存在は“触れてはいけない過去”なのだろう。


イーハトーブ=感情の避難所

柾樹が向かったのは母屋ではなくイーハトーブ。

これは象徴的。

母屋は“責任の場所”

イーハトーブは“本音の場所”

彼はまだ、家族の中に戻る準備ができていない。


黙認の構造

篠田のキックバックは、

・本人の不正

・旅館の黙認

・緊急用資金という名目

のグレーゾーンにあった可能性が高い。

誰も完全否定しないのが、その証拠。

これは個人腐敗というより、

「慣習化した裏の運営」。

柾樹が壊そうとしているのは、

まさにこの構造だ。


父と息子の対称構造

「悪しき慣習」という言葉の一致。

父も同じことを言い、

衝突し、

いなくなった。

息子も同じ道を進んでいる。

つまり今描かれているのは、

第二次改革戦争。

そしてカツノは、

前回それを止めた側の人間だろう。

今回も止めるのか。

それとも今度は受け入れるのか。


カツノの沈黙の意味

父の話題になると場が散る。

これは偶然ではない。

・失敗した改革

・家族の断絶

・去った息子

カツノは柾樹を可愛がる。

だが父は許していない。

その矛盾が、今後の爆発点になるか。


父の失踪──5歳の柾樹が背負ったもの

母屋の居間を離れた後、時江は夏美に対してやや苦言を呈する。

それに対し夏美は「ずうずうしかったですか?」と率直に問い返す。

夏美は柾樹の父について知りたいと食い下がり、根負けした時江が語り始める。

一方、久則と環は、柾樹の父に二人の結婚のことを知らせなくていいのかと気をもんでいる。

時江の話によれば――

柾樹の父は曲がったことが嫌いな人物だった。

しかし、それを理由に人と正面から衝突することも良しとしなかった。

絵を描くことが好きで、ある日「絵を描きに出かける」と言ったまま帰ってこなかった。

柾樹が5歳のときのことだった。

それ以来、柾樹は一度も父に会っていない。

幼少期に父と母を失った柾樹は、意地を張り、人に甘えられない性格になっていった――

柾樹の寂しげな様子の意味を理解し始めた夏美の表情が映り、放送は終了する。


個人的感想

まず、夏美の「ずうずうしかったですか?」。

あれは少し戸惑った。

本人は本気で確認している。

だが、まだ結婚もしていない段階で社長を「おじさん」と呼ぶ距離感は、正直かなり強い。

でも夏美は、

遠慮を覚えるより先に踏み込むタイプだ。

断られてももう一歩いく。

あの粘り強さが、良くも悪くも物語を動かしている。

時江がここまで話すとは思わなかった。

柾樹の父は、

・曲がったことが嫌い

・でも衝突も好まない

この矛盾は興味深い。

正義感はあるが、戦わない。

だから「いなくなる」という選択をしたのだろうか。

カツノと真正面からぶつかれば、

家族は壊れる。

だから去った。

理想主義者の敗北の形だ。

ただ、失踪というのは残酷だ。

事故か事件か分からない状態が続くのは、

家族にとって一番しんどい。

それでも、

久則と環が結婚報告を気にしているということは、

完全に行方不明ではない可能性が高い。

失踪宣告も申し立ててないだろう。

生きていることを、どこかで把握しているのではないか。

ここで少し気になるのは、

篠田の横領問題が、

きれいに整理されないまま話題が“父の失踪”に移っていること。

大きな問題が曖昧なまま、次の展開へ。

どんど晴れ世界は、

罪と責任の処理がやや緩い。

不正があっても、

関係が壊れなければそれでよし、の空気がある。

そこに少し引っかかる。

そして最後。

柾樹の寂しさ。

横浜にいた頃は、こんな顔をしていなかった。

智也と笑顔で語り、

”今”を楽しんでいた。

加賀美屋に戻ってから、

彼は常に何かと戦っている。

もしかすると、

今の柾樹に一番足りないのは

“対等に笑い合える存在”なのかもしれない。

智也不足説、案外ある。


父は「未完の改革者」

柾樹の父も「悪しき慣習」を嫌った。

しかし彼は戦わなかった。

去った。

柾樹は逆だ。

戦う。

去らない。

父が逃げた場所で、

息子は踏みとどまっている。

これは世代を超えたリベンジ構造。


「衝突しない正義」は成立するか

曲がったことが嫌い。

だが衝突は避けたい。

このスタンスは美しいが、現実では弱い。

正義は摩擦を生む。

摩擦を避ければ、

正義は実現しない。

父は理想を守り、

居場所を失った。

柾樹は居場所を守り、

理想を押し通そうとしている。

どちらが正しいのか。


カツノの本当の怒り

柾樹の父の話題で空気が変わる。

これは単なる家出ではない。

・価値観の対立

・経営方針の衝突

・親子の決裂

カツノは柾樹の父を許していない。

だが、柾樹は可愛がる。

なぜか。

もしかすると、

父にできなかったことを、

柾樹にやらせたいのかもしれない。


板長問題の“未処理感”

篠田の不正は、

・事実は認めた

・処分は不明瞭

・復帰の可能性も残る

この世界では、

「関係の修復」が優先され、

「責任の明確化」は後回しになる傾向がある。

それは温かいが、

同時に危うい。


柾樹の寂しさの正体

5歳で父を失った少年。

甘えられない。

頼れない。

弱さを見せない。

今の強引さは、

不器用な自己防衛かもしれない。

改革は、

経営の問題ではなく

“父への答え合わせ”

になりつつある。


まとめ

第101回は、板場危機の後始末回ではなかった。

本質はここだった。

柾樹はなぜ強引なのか。

なぜ妥協ができないのか。

なぜ孤立しても進もうとするのか。

その原点が、5歳で父を失った少年にあった。

父は「悪しき慣習」を嫌い、去った。

息子は「悪しき慣習」と戦い、残っている。

親子二代の改革。

ただし、父は衝突を避けた。

柾樹は衝突を恐れない。

物語は、経営改革から

“家族の未解決問題”へと舵を切った。

そして篠田問題はまだ完全に決着していない。

加賀美屋は今、

過去と未来の間で揺れている。

次回は——

父の真実に踏み込むのか。

それとも再び板場問題へ戻るのか。

いずれにせよ、

物語は“核心”に近づいている。

『どんど晴れ』感想まとめはこちら

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