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2026年2月11日放送の 『どんど晴れ』第99回、
柾樹の経営改革は、ついに板場崩壊という最悪の事態を招いた。
仕入れ先の変更。
裏金疑惑の暴露。
そして板長・篠田の退職。
「加賀美屋のため」という言葉が交錯する中、
誰が正しく、誰が間違っているのかは簡単には決められない。
改革は必要だ。
しかし、そのやり方は正しかったのか。
第99回は、加賀美屋が本当の意味で壊れ始めた回だった。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第98回)の感想はこちら

仕入れ先変更という“宣戦布告”
・柾樹(内田朝陽)が仕入れ先を無断で変更したため、なじみの業者から魚を回してもらえず、板長の篠田(草見潤平)が激怒。柾樹を連れてこいと怒鳴る。
・柾樹は自ら仕入れてきたメバルを提示。地元の若手漁師が始めたインターネット卸から購入したと説明する。
・「加賀美屋の大切なお客様に出す」と伝えたところ、一番良い魚を回してくれたと自信を見せる。
・今後は毎日そこから“必要な分だけ”買うと宣言。
・篠田は、荒天時に安定供給できるのかと疑問を呈する。
・柾樹は「その場合は魚以外の旬の一品を」と板場の献立方針にまで言及。
・篠田は「そこまで指図されるなら辞める」と退職を示唆。
・環(宮本信子)が場を制止し、話は後でと指示。
・時江(あき竹城)は朝食準備を指示し、場は一旦解散。
個人的感想
今回一番強く感じたのは、
柾樹は“根回し”や”調整”という日本独特の文化的技術を持っていない。
日本的組織で重要視される
・事前調整
・関係者への説明
・顔を立てる
・段階的変更
それらを完全に飛ばしている。
裕二郎(吹越満)が言っていた「こうと決めたら突き進む」という性格が、
ついに組織破壊モードに入った印象だ。
横浜で評価されていたのは事実。
あれは外資系ホテルだったのかどうかはわからないけど
トップダウンとスピードが評価される国で働いた方が柾樹は重宝されるのではないかとも思う。
しかし加賀美屋は、
・血縁
・地元経済
・長年の信用
・曖昧な慣習
で回っている組織。
いままでのやり方は通用しない世界なのかもしれない。
篠田も擁護できる人物ではない。
卸の上岡とずぶずぶだった可能性もある。
だが、
✔ 安定供給
✔ 長年の信用
✔ 一番良い魚を優先的に回してもらう関係
を築いていたのも事実。
それを、
「若手漁師のネット卸」という
実績未知数の仕組みに一気に切り替える。
これは改革というより賭けだ。
もしそれがまだ始まったばかりの取り組みなら、
・価格が将来上がる可能性
・供給不安定リスク
・規模拡大で質が落ちる可能性
全部ある。
スタートアップに全ベットする老舗旅館。
冷静に考えるとかなり大胆だ。
(しかし、卸の上岡から大きな不満が加賀美屋に届いていないのであれば、上岡の方も本音では加賀美屋を切りたかったのでは?本当に最高級の魚を加賀美屋だけが安定的に独占していて、上岡も困っていたのではないだろうか…。)
さらに気になるのは「一品料理」の話。
もし加賀美屋が
・日替わりで最良の魚を使う柔軟型なら成立する。
・メニュー固定型なら、料理体系そのものを壊す指示。
つまり柾樹は
仕入れ改革だけでなく
板長の職人領域に踏み込んだ。
それは職人の矜持を踏む行為でもある。
篠田が退職をちらつかせるのは卑怯に見える。
でも同時に、
長年の積み上げを一夜で否定された側の怒りも理解できる。
本来は、
✔ 17%ルールの根拠共有
✔ 実際の原価構造の開示
✔ 段階的試験導入
が必要だった。
それがない。
お互いに「正義」だけを握っている。
そしてその背景には、
加賀美屋の“しきたり”が対話を阻害している可能性がある。
これは改革ではなく“文化衝突”
柾樹は悪意で動いていない。
だが、
・合理主義
・数値管理
・効率優先
という文化を、
・信用経済
・顔の立て合い
・暗黙の互助
の世界に持ち込んだ。
これは制度改革ではなく、
文化破壊に近い。
若手漁師ネット卸は“希望”か“爆弾”か
新しい流通は可能性がある。
・中間マージン削減
・生産者直結
・透明性向上
だが同時に、
・供給安定性
・価格維持
・信用の蓄積
は時間が必要。
老舗旅館は安定を売る商売でもあると思う。
ここに不安定要素を入れるのは戦略的に危険かもしれない。
料理人のプライドを踏んだ瞬間
料理人にとって
仕入れ=魂の一部。
そこに
「魚がなければ別の旬で」
と言うのは合理的だが、
職人の美学からすれば屈辱にもなる。
柾樹は効率を見ている。
篠田は“誇り”を見ている。
見ているものが違う。
本当に悪いのは“対話不能構造”
本質はここ。
加賀美屋は
・疑ってはいけない
・波風を立てない
・内輪で処理
という構造。
その構造がある限り、
改革は爆発的にしか起こらない。
静かに進める術が存在しない。
この瞬間、柾樹は孤立を始めた
彼は
・正しいと信じ
・結果を出したいと思い
・未来を見ている
だが方法が強すぎる。
組織改革は正義だけでは進まない。
支持がなければ、正義は孤立する。
公開告発という最終手段
環が柾樹に対し、関係者全員の前で仕入れ先変更の経緯を説明させる。
(久則(鈴木正幸)、伸一(東幹久)、浩司(蟹江一平)、篠田、時江、中本(高橋元太郎)、夏美(比嘉愛未)が同席)
・伸一と久則は、篠田が怒るのも無理はないと理解を示す。
・篠田は「35年働いてきて、こんな屈辱はない」と語る。女将や大女将に板場のことで口出しされたことはなかったと主張。
・「仕入れ先を変えるなら辞める覚悟だ」と明言。
・環一派は突然の退職は困るとし、柾樹に謝罪を要求。
・篠田は「今まで通りやらせてもらえるなら謝罪はいらない」と条件提示。
・伸一は謝罪にこだわり続ける。
・柾樹は謝罪を拒否し、経営改革の必要性を改めて訴える。
・篠田は「地元との信頼関係がある」「自分も加賀美屋のためを思ってやっていた」と反論。
・柾樹は余分な魚購入の見返りにキックバックがあると公の場で指摘。
・証拠を示せと激昂する篠田。
・柾樹は「事実は事実」と断言。
・篠田はその場で退職を申し出る。
個人的感想
この柾樹のやり方については賛否両論あるのは分かっているが、正直に言うと、
柾樹のやり方は良くなかったと思っている。
改革の方向性がどうであれ、
手続きの正当性を踏まなければ組織は壊れる。
多くの企業での通常手順はこうだ:
-
疑義の把握
-
非公開での事情聴取
-
弁明の機会付与
-
証拠確認
-
必要なら懲戒手続き
今回は
✔ 事情聴取なし
✔ 弁明機会なし
✔ 公衆の面前での告発
いきなり最終段階。
しかも確度が高い証拠を持っているような口ぶり。
だが証拠は提示していない。
もし篠田が白だった場合――
これは名誉毀損に近い。
組織責任は重大だ。
しかし、それだけでは面白くないので、どんど晴れ世界の「しきたり」という視点で見ると少し構造が変わる。
加賀美屋には
「加賀美屋で一緒に働く者を疑ってはならない」
という「しきたり」がある。
もし柾樹が早い段階で疑念を抱いていても、
・裏取りができない
・問い詰められない
・表立って確認できない
構造だった可能性はある。
つまり、
温情で見逃したのではなく、
“動けなかった”。
そして篠田の
「加賀美屋のためを思って」
という発言が引き金になった。
その瞬間、
溜め込んでいた疑念が爆発した。
これは計画的告発ではなく、
感情の臨界点だった可能性もある。
そしてここで再確認
厚労省のパワハラ6類型の一つ:
同僚の前での叱責
これは現代労務管理では問題視される。
不正確認は通常、
非公開で行う。
公の場での吊し上げは、
たとえ事実であっても方法が問題になる。
柾樹は改革者である前に、
経営者としてのリスク管理を欠いた。
こういう柾樹のような対応がまかり通っていたから、後に、いわゆるパワハラ防止法ができ、6類型も示されたのかもしれない。
おそらく篠田は真っ黒なのだろうが、万が一篠田が白だった場合?
組織は修復不能。
だからこそ、
方法は目的と同じくらい重要。
柾樹は正義を急ぎすぎた。
これは改革ではなく“公開処刑”だった
経営改革の場ではなく、
心理的圧迫の場になった。
証拠提示なき断定は、
改革ではなく断罪。
篠田は本当に私腹を肥やしていたのか
可能性は高い。
だが、
もしキックバックの一部が旅館運営に回っていたなら?
それは腐敗か、
それとも慣習的裏調整か。
どんど晴れ世界はグレーを多く抱えている。
「しきたり」は腐敗を守る構造でもある
疑ってはいけない文化は、
不正を検証不能にする。
柾樹が爆発した背景には、
この閉鎖構造があるのかもしれない。
柾樹はこの瞬間、敵を増やした
改革者は孤独になりやすい。
だが孤立した改革は失敗率が高い。
正しいことをしても、
味方がいなければ続かない。
土下座と決別──板場の崩壊
・篠田は包丁をまとめ、退職の準備を始める。
・伸一たちは必死に止める。
・時江は「板長はすべて加賀美屋のためにやった」と擁護。
・篠田もそれを認め、「だからこそ許せない」と去ろうとする。
・浩司が土下座して引き止める。
・夏美も一緒に土下座し、「出て行かないでください」と懇願。
・篠田は浩司に「ついてくるか」と問いかけるが、浩司は即答できない。
・篠田は自分の手拭いを浩司に渡し、頭をぽんと叩き、
弟子の英雄・哲也を連れて板場を去る。
個人的感想
まずここ。
「すべて加賀美屋のため」って何だ?
以前、
✔ 帳簿の開示を伸一が拒否
✔ 不自然なお金の流れを匂わせる描写
があった。
もしキックバックが
・篠田の私腹だけでなく
・旅館側にも還流していた
としたら?
それは個人腐敗ではなく
構造的グレー経営になる。
そしてそれを組織ぐるみで隠していたとすれば、
柾樹は“個人不正”ではなく
“組織慣習”を暴露したことになる。
ただし、
どんど晴れ世界の文脈的には
単純に「篠田=黒」の線が濃厚。
土下座について
浩司の土下座は理解できる。
尊敬する師匠を失う恐怖。
料理人としての信念の崩壊。
だが、
夏美の土下座は何か違う。
彼女は
・柾樹の恋人
・加賀美家の嫁候補
・当事者でもある
だからこそ謝ったのか?
もし「柾樹の代わり」に謝ったのなら、
それは健全ではない。
恋人の責任を背負う必要はない。
夏美はまた、
他人の問題を自分で引き受ける構図に入っている。
浩司の即答できない沈黙
ここは非常に重要。
浩司は
✔ 師匠を尊敬している
✔ 料理人として育てられた
✔ しかし加賀美家の一員
「血」と「師弟」の板挟み。
即答できなかったのは優柔不断ではない。
覚悟の重さ。
英雄と哲也は誰の雇用?
通常なら:
・板長=雇われ料理長
・板前=旅館雇用
だが今回の描写は、
まるで
・篠田=親方
・弟子=篠田が雇用する人間
の構図。
もし加賀美屋と篠田が業務委託契約だったなら、
板場は“篠田組”。
つまり旅館直雇用ではない可能性がある?
ここ、制度設計としてはかなり曖昧。
即日退職は可能か?
法律的に整理すると:
民法627条
期間の定めのない雇用契約は
2週間前の予告で解約可能。
今回:
・使用者は明確に引き止めている
・合意退職ではない
なら原則14日後。
有給があれば消化退職は可能。
有給がなく無断欠勤で、
お客様に料理が提供できなくなり実損害が発生しているなら、損害賠償請求の可能性はゼロではない。
ただし、
実務上はほぼ行われない可能性が高い。
なぜなら:
・立証が困難
・関係悪化
・ブランド毀損
これは腐敗の断罪か、秩序の崩壊か
柾樹は不正を止めたのか。
それとも、
機能していた裏の調整機能を壊したのか。
土下座は“謝罪”ではなく“恐怖”の表れ
浩司と夏美の土下座は、
罪悪感ではなく
・料理崩壊への恐怖
・組織瓦解の恐怖
の表出。
篠田は悪人か、それとも旧体制の守護者か
もしキックバックが
・自分だけのため → 悪
・旅館維持のため → 旅館も共犯
位置づけは変わる。
柾樹は正義だが、組織適応能力が低い
改革者が必ず成功するとは限らない。
正義と適応力は別物。
恋人としての対立
・母屋では恵美子(雛形あきこ)がカツノ(草笛光子)に、旅館で重大な事態が起きたと報告する。
・板場崩壊に途方に暮れる夏美と浩司のもとへ柾樹が現れる。
・浩司は怒りを抑えきれず、柾樹の胸倉をつかむ。
夏美が必死に仲裁に入る。
・そして夏美は柾樹に向かって、
「今のやり方は行き過ぎだと思う」とはっきり伝える。
・柾樹を傷つけると分かっていながら、
それでも言わずにはいられなかった――
というナレーションで回は終了。
個人的感想
夏美が女将修業をさせてほしいと乗り込み、
加賀美屋を引っかき回し、
やっと落ち着いてきた。
そのタイミングで今度は柾樹。
「経営改革」という大義名分を掲げて、
組織そのものを壊しに来た。
そして皮肉なことに――
カツノが見込んだ二人が、
今いちばん加賀美屋を揺らしている。
これは偶然じゃない。
カツノは「変化」を望んでいた。
だがその変化は、
・静かな改革
・円滑な継承
ではなかった。
爆発型だった。
そして今、
加賀美屋は崩壊寸前。
ここを乗り越えれば未来があるのか?
それとも、
守るべきものまで壊してしまうのか?
正直、今は「再生」より「瓦解」の匂いが強い。
でもだからこそ目が離せない。
改革は正義でも、方法が正義とは限らない
柾樹は理念では間違っていない。
・不正排除
・コスト見直し
・経営改善
だが、方法が暴力的だった。
組織改革には三つ必要になると思う
-
正当性
-
根回し(労使協議)
-
共感形成
柾樹は①しか持っていない。
夏美が初めて“対等”になった瞬間
今まで夏美は
・信じる
・支える
・寄り添う
立場だった。
しかし今回は違う。
「それは違う」と言った。
これは恋人としてではなく、
次世代の経営者としての発言。
ここで夏美は初めて、
柾樹の“補助者”ではなく
“対等な存在”になった。
浩司の胸倉つかみは感情の爆発
浩司は料理人。
料理は継続が命。
板長退職=料理崩壊。
だから胸倉をつかんだ。
これは暴力ではなく、
恐怖の発露。
カツノの沈黙が不気味
母屋で報告を受けるカツノ。
まだ動かない。
だが、
この人は「動くときは一気に動く」。
もしかするとこの騒動は、
カツノの最終試験かもしれない。
破壊の先にしか再生はない構造
今の加賀美屋は、
・慣習依存
・裏金疑惑
・地元忖度
・世代対立
が絡まり合っている。
静かに直せる状態ではない。
だから、
一度壊れる必要があるのかもしれない。
問題は――
壊れた後に何が残るか。
夏美と柾樹の関係はここが分岐点
今まで二人は
・同じ方向を見ていた
・同じ未来を描いていた
だが今回、
理念は同じでも
方法で対立した。
これは破局の伏線か、
真のパートナー化の始まりか。
まとめ
第99回は、改革の限界と方法論の重要性を突きつけた回だった。
柾樹は間違っていない。
だが、やり方は間違えたかもしれない。
篠田は黒かもしれない。
だが、去り方は悲劇だった。
そして加賀美屋は今、
板場という中枢を失った。
これは破壊の始まりか、
再生の前触れか。
カツノが見込んだ二人が、
結果として加賀美屋を最も揺らしている。
次回、どう立て直すのか。
目が離せない。
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