朝ドラ再放送『どんど晴れ』第96回感想(ネタバレ)──勝負の終わりと改革の始まり、加賀美屋に忍び寄る本当の危機

どんど晴れ

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2026年2月7日放送の 『どんど晴れ』第96回は、

彩華の退場によって一区切りついたはずの物語が、

思いがけずまったく別の局面へ突入した回だった。

若女将就任を辞退した夏美。

経営改革に踏み出す柾樹。

そして、それを「どうせ無理だ」と高を括る環一派。

女将修業対決が終わったと思ったら、

今度は“組織と金”という、より生々しい問題が浮かび上がってくる。

この回は、加賀美屋という旅館そのものが試され始めた回だった。

※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。

👇 前回(第95回)の感想はこちら

朝ドラ再放送『どんど晴れ』第95回感想(ネタバレ)──彩華の敗北と退場、そして浩司だけが置き去りにされた結末
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彩華の退場と、夏美が若女将を辞退した理由

彩華(白石美帆)の母はすでに退院しており、彩華と二人でどこかへ去ったようだ。

それでも夏美(比嘉愛未)は、彩華はいずれ浩司(蟹江一平)や柾樹(内田朝陽)のもとへ戻ってくると確信している。

環(宮本信子)は、彩華が敗北を認めて姿を消した以上、

女将修業の勝負は夏美の勝ちだと伝える。

しかし夏美は、

自分はまだ修業中の身であり、

今は若女将になる段階ではないとして、その申し出を辞退する。


個人的感想

彩華の母の退院については、

病状が回復した結果なのか、

それとも彩華が加賀美屋を去るために、

無理を承知で転院・退院させたのかは分からない。

ただ、いずれにしても行動があまりにも早い。

退職の意思表示から姿を消すまでのスピード、

居所を知られる前に母まで退院させている段取りの良さを見ると、

過去にも同じように突然姿をくらました経験があるのではないかと、

つい勘ぐってしまう。

一方で夏美は、

せっかく勝負に勝ち、若女将になれる立場にありながら、

「自分はまだ修業中の身だから」と辞退する。

時間感覚が少し分からなくなるが、

夏美が修業を始めてから、

まだ1年も経っていないのではないだろうか。

その段階で若女将と言われても、

周囲がすんなり納得するとは思えない。

そう考えると、

一度辞退して、

周囲の納得を得てから就任するという判断自体は理解できる。

ただ一方で、

「なれるときに、さっさと若女将になっておかないと、

環たちがまた新たな対抗馬を擁立しないとも限らない」

という現実的な不安も残る。

正論としては辞退が妥当。

だが政治的には、

どちらが正解だったのかは簡単には言えない場面だ。


■ 彩華の「撤退力」は異様に高い

短時間で人も物事も整理し、痕跡を残さず消える。

これは感情ではなく、経験に裏打ちされた行動にも見える。

■ 夏美の辞退は謙虚か、それとも無防備か

成長を示す判断である一方、

権力闘争の中では隙にもなり得る選択。

夏美はまだ、その危うさに自覚的ではない。


三か月後の春、見えてきた加賀美屋の金の歪み

母屋では、夏美が若女将就任を辞退したことについて話し合われる。

伸一(東幹久)は「せっかくのチャンスを自分で潰すなんてバカだ」と一蹴するが、

久則(鈴木正幸)は「みんなが納得するまで修業を続けるという夏美はいい子だ」と評価する。

環は、夏美が自分たちを信じているからこそ辞退したのだろうと、伸一に伝える。

時は流れ、三か月後。季節は春。

伸一は融資を断られて帰ってくる。

柾樹は独断で加賀美屋の帳簿を調べ、

不透明な金の流れを発見し、伸一に説明を求める。

しかし、明確な説明は得られなかった。

柾樹は直接、環のもとを訪ね、

不正と思われる金の流れについて確認する。

環からもはっきりした答えは得られなかったものの、

柾樹は「自分がおかしいと思うことはすべて改めたい」とし、

加賀美屋の経営改革に乗り出す決意を表明する。

環はその覚悟を確認したうえで、

「一度やってみたらいい」と柾樹に任せることを認める。

柾樹は、副支配人の立場のままで構わないから、

改革を進めるための権限を与えてほしいと環に申し出る。


個人的感想

伸一は一貫して夏美を嫌っているが、

久則は根本的に夏美を嫌っているわけではないように見える。

ただし久則は、自分の意見を強く持つ人物ではなく、

伸一や環の空気に流されているだけなのだろう。

柾樹は「仕事ができる人間」として描かれてきたが、

横浜のホテルでは企画部にいたはずで、

経理の専門家というわけではない。

それでも三か月かけて、不正な金の流れに気づいたということだろう。

もし前職が監査法人や会計事務所だったら、

もっと早く気づいていたのだろう。

三か月もかかったということは、この不正は“あからさま”ではなく、

長年見過ごされてきた種類のものなのだろうとも思う。

伸一に聞いても、環に聞いても、

返ってくるのは

「いろんな地元とのつながり」

「昔からむげにできないお付き合い」

といった、実体の見えない言葉ばかり。

だが、その実態のない名目で、

毎月何十万円もの金が流れている。

これは自己利益のための不正なのか、

それとも第三者の利益のための、表に出せない黒い交際費なのか。

いずれにしても、加賀美屋におかしな金の流れがあることだけは確かだ。

柾樹は、そこにメスを入れようとしている。

これまでよく分からなかった女将修業対決から、

物語は一気に「経営改革」という別のフェーズへ移行しそうだ。

もはや朝ドラではなく、

日曜21時枠でやる内容ではないかと思えてくる。

また、柾樹と環の会話は、

お互いに「分かり合っているつもり」で進んでいるが、

肝心な言葉は何一つ明確にされていない。

もし認識にズレがあれば、

事態は簡単に別方向へ進んでしまうだろう。

どこか“すれ違いコント”を見ているような会話だった。

加賀美屋は問題だらけだが、

まだこんな問題が残っていたのかという驚きもある。

この作品はお金の問題を、

なあなあで済ませがちだから、

今回の不正についてはきちんと解明してほしい。

「昔からむげにできない付き合い」があるということは、

カツノ(草笛光子)の時代から不正が続いていた可能性もある。

もし、あの善人然としていたカツノまで真っ黒だったら、

さすがにがっかりする。


■ 「慣習」という名のブラックボックス

説明できない支出は、

慣習という言葉で守られてきた。

改革とは、そのブラックボックスを開ける行為でもある。

■ 柾樹は敵か、調整役か

柾樹は正論を振りかざしているが、

加賀美屋の論理とは根本からズレている。

このズレが、今後の衝突の火種になるのは間違いない。


改革は無理だと言い切る環一派の慢心

柾樹に権限を与え、経営改革を進めるという環の判断に、

伸一・久則・時江(あき竹城)は動揺を隠せない。

しかし環は「絶対にうまくいくはずがない」と断言し、

久則も「柾樹が気づいたことは自分たちもとっくに分かっていた。

だが、長年続いてきた習慣は簡単には変えられない」と語る。

環もその意見に同調し、その言葉を聞いた伸一は次第に落ち着きを取り戻す。

一方、配膳室では、

みんなでやることになっている仕事を、夏美が一人で黙々とこなしている。

その姿に、康子・則子・恵は感謝の言葉を口にする。

その頃、柾樹は板場に現れ、

調理中の板前たちの手を止めさせ、何かを報告しようとする。

夏美は、柾樹が何をしようとしているのか知らされていない。

そして、その行動が加賀美屋を大きな混乱へと導いていく――

というナレーションとともに、今回の放送は終了した。


個人的感想

環一派が「絶対にうまくいかない」「無理だ」と断言する時点で、

物語的には柾樹の経営改革は成功するのだろうなと思ってしまう。

彼らはなぜいつも、

相手の挑戦をここまで楽観的に否定できるのだろうか。

自分たちができないから相手もできない、

そう思い込んでいるとすれば、

相手の力を侮っているか、

自分たちの力を過信しすぎているかのどちらかだ。

正直、無能な集団にしか見えないが、

その自信は一体どこから湧いてくるのだろう。

久則の

「気づいていたが、長年の習慣は変えられない」

という発言も気になる。

これは少なくとも、

環一派自身が主導している不正ではないことを示唆しているように見える。

となると、

長年にわたり、

しかも簡単には止められない立場の人物が関与している不正――

該当しそうなのは、

大女将だったカツノか、板長の篠田くらいしか思い浮かばない。

また、配膳室での夏美の行動にも引っかかるものがある。

みんなでやることがルールの仕事を、

夏美が一人で引き受けることは、

一見すると善意でありがたい行動だ。

だが、その善意が常態化すれば、

いずれ「夏美がやるのが当たり前」という歪んだルールが生まれる。

暇だったのなら、

皆でやる決まりの仕事ではなく、

別の仕事を見つけて手伝った方が良かったのではないかとも思う。

とはいえ、

善意でやっている以上、

文句をいうほどのことでもない。

そしてやはり、

柾樹が板場に現れたということは、

不正な金の流れが板場に関係している可能性が高いのだろう。

にもかかわらず、

柾樹は自分が何をしようとしているのかを、

夏美に共有していない。

じゃじゃ麺の件では、

夏美が柾樹に相談するという成長を見せたのに、

柾樹の側は歩み寄っていない。

「これからは何でも話そう」と言っていなかっただろうか。

結局のところ、

柾樹は「夏美に話しても仕方がない」と、

どこかで下に見ているのではないか。

自分は優秀で、自分の判断は正しい。

そう思い込んでいるのだとしたら、

いつか必ず足をすくわれる。


■ 「無理だ」と信じる側が作る失敗の構図

環一派は、失敗を予測しているのではなく、

失敗する未来を信じている。

その確信こそが、

改革を後押しする皮肉な力になっている。

■ 善意が組織を歪める瞬間

夏美の行動は善意だが、

善意がルールを上書きする瞬間、

組織は静かに歪み始める。

■ 情報共有できない二人の危うさ

夏美と柾樹は、

同じ方向を向いているようで、

重要な局面ほど言葉を交わしていない。

この断絶が、

今後の混乱の火種になるのは間違いない。


まとめ

第96回で明確になったのは、

女将修業対決の勝敗よりも、

加賀美屋そのものが抱えてきた問題の深さだ。

夏美は勝ったにもかかわらず若女将を辞退し、

柾樹は経営改革に踏み出す。

一方、環一派は「どうせ無理だ」と決めつけ、

長年の慣習にすがって安心しようとする。

だが、その「慣習」こそが、

説明できない金の流れを生み、

誰も責任を取らない構造を温存してきた原因ではないのか。

また、重要な決断を共有しない柾樹と夏美の関係にも、

静かな不安が漂い始めている。

同じ方向を向いているはずの二人が、

肝心なところで言葉を交わさない――

それはこれからの混乱を予感させる。

第96回は、

「勝った・負けた」の物語から、

「変えられるか・変えられないか」の物語へ


はっきりと舵を切った回だった。

加賀美屋は、このまま変われるのか。

それとも、「昔からこうだから」という言葉に沈んでいくのか。

本当の勝負は、ここから始まった。

『どんど晴れ』感想まとめはこちら

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