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2026年1月29日放送の 『どんど晴れ』第88回は、女将修業対決が「第三者による公平な評価」で決着するはずだった前提が、早くも揺らぎ始める。
調査員の来訪という情報は、一部の人間にだけ共有され、信じると言い切った夏美の心にも、静かな不安が忍び寄っていく。
一方で、彩華は“勝つため”に浩司の気持ちを利用し、加賀美屋の内部では、誰が何を知っているのか分からない緊張感が高まっていくのだった。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第87回)の感想はこちら

崩れ始めた「公平な勝負」――知らされる者と、知らされない者
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夏美(比嘉愛未)は「柾樹(内田朝陽)を信じる」と言い切ったものの、内心では不安を拭いきれていない。
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伸一(東幹久)は、ガイドブックの調査員が来る件について「彩華(白石美帆)に知らせるべきではないか」と時江(あき竹城)に相談し、最終的に彩華本人にだけ事前に伝えてしまう。
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夕食の配膳で慌ただしい時間帯、浩司(蟹江一平)は夏美と彩華の双方に対して距離を取るような態度を見せる。
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夏美は仕事に集中できず、時江から注意を受ける。佳奈(川村ゆきえ)もまた、様子のおかしい夏美を心配している。
個人的感想
第三者による評価だから「公平公正な勝負」だと言っていたはずなのに、
その評価の前提となる情報が片方にだけ事前共有された時点で、すでに公平性は崩壊している。
せっかく評価基準が定まったと思った翌日に、あっさりとルールが歪められる展開には正直うんざりする。
この女将修業対決は、もはや勝敗を競う以前の問題なのではないか。
もしこのまま彩華が勝ったとして、
その旅館が「心からのおもてなし」を語れるのかという疑問も残る。
自分たちの都合を優先し、ルールすら守れない経営陣のもとで、
お客様第一の旅館が成立するとは思えない。
また、夏美も浩司も、私情を仕事に持ち込みすぎだ。
確認すべきことを先延ばしにした結果、周囲にまで迷惑をかけている。
あの表情のまま接客をされて、果たしてお客様はくつろげるだろうか。
■ 「公平な第三者評価」という幻想の崩壊
第三者評価は本来、
内部の恣意性を排除するための装置である。
しかし今回、
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情報の非対称性
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意図的な事前リーク
が発生したことで、
評価制度そのものが内部抗争の道具に堕してしまった。
■ 環たちが守ろうとしているのは「旅館」ではない
この行動から見えるのは、
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旅館の未来
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お客様の満足
ではなく、
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経営権
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主導権
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体面
を守ろうとする姿勢だ。
「女将修業対決」は、
もはや育成でも選抜でもなく、
排除のための装置になりつつある。
■ 夏美の「信じる」は停止状態に入った
夏美は「信じる」と言葉では言っているが、
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確認しない
-
問いたださない
という選択をしている。
これは前向きな信頼ではなく、
事実に向き合うことを避けるための信念に近い。
■ 浩司の態度変化は「唯一の現実反応」
感情を処理しきれず、態度に出てしまう浩司は未熟だが、
一方で、
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見たものを否定できない
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事実から目を逸らせない
という点では、この回で最も現実的な反応を示している人物とも言える。
「信じてもいいんだよね?」――浩司の選択と、彩華の条件
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彩華は「今日は早番」「話したいことがある」という理由で浩司を自宅に誘う。
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板場では英雄と哲也が浩司を冷やかす。
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彩華のアパートを訪れた浩司は、話の内容を確認する。
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彩華は、
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若女将になれれば浩司と結婚できる
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そのためにガイドブック調査員の件で協力してほしい
と持ちかける。
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浩司は「信じてもいいんだよね?」と確認し、
彩華の「もちろんよ」という言葉を受けて、
彼女のためなら何でもする、と協力を約束する。
個人的感想
浩司と彩華の関係は、
付き合っているようで決定的な一線を越えていない、
極めてプラトニックな状態に見える。
そんな関係性の中で、
「話したいことがあるから家に来てほしい」と言われたら、
浩司が淡い期待を抱いてしまうのも無理はない。
しかし実際に待っていたのは、
若女将になるための取引と協力要請だった。
「信じてもいいんだよね?」
という浩司の問いは、
恋人としての確認であると同時に、
自分が利用されていないかを確かめたい必死な確認にも見える。
それに対する彩華の「もちろんよ」は、
具体的な約束ではなく、
可能性だけを匂わせる曖昧な肯定だ。
若女将になれれば結婚できる、
という未来をちらつかされ、
あと一歩協力すれば関係が前に進むかもしれないと思ったのなら、
浩司の判断を一方的に責める気にはなれない。
浅はかではあるが、
感情としては理解できてしまう場面だった。
■ 「プロポーズの返事」を交渉材料にする危うさ
彩華はこの場面で、
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結婚の返事
-
恋人関係の確定
を明確にせず、
「若女将になれたら」という条件付き未来にすり替えている。
これは恋愛ではなく、
明確に交渉の言葉遣いだ。
■ 浩司の「信じたい」は恋ではなく救済願望
浩司の
「信じてもいいんだよね?」
という問いは、
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彩華を信じたい
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これまでの努力を無駄にしたくない
という自己防衛でもある。
ここで否定されれば、
自分のこれまでの選択すべてが否定されてしまう。
■ この協力は恋ではなく「従属」の始まり
「彩華のためなら何でもする」という浩司の言葉は、
愛情表現のようでいて、
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対等な関係
-
相互の意思
からは大きく逸脱している。
この瞬間、
二人の関係は
恋人未満 → 利害関係者へと変質した。
話せない二人、こじれる空気――すれ違う夏美と柾樹
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夏美は、帳場で毎晩遅くまで仕事をしている柾樹を見かけるが、
浩司から聞いた「抱き合っていた」という話を確かめられずに立ち去る。 -
翌朝の母屋の朝食では、浩司と柾樹が久則・伸一(鈴木正幸)よりも早く仕事場へ向かう。
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環(宮本信子)は、これまでカツノ(草笛光子)が参加していた観光組合の家族会に、自分が代わりとして日光へ行くと告げる。
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カツノは「何でもあんたに任せてすまないね」と皮肉を返す。
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伸一が口を滑らせ、ガイドブックの調査員が来る件がカツノに知られそうになる。
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環は、
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やましいことはない
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だが今知られると“何か企んでいる”と思われる
として、伸一に「正々堂々の勝負なんだから余計なことをするな」と釘を刺す。
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個人的感想
夏美と柾樹は、以前から話し合いが苦手な二人だと思っていたが、
今回もやはり言いにくいことほど口にできず、心に溜め込んでしまう。
「これからは何でも話し合おう」と言っていたような記憶もあるが、
現実は何も変わっていないように見える。
母屋の居間に大きなストーブが置かれているのを見て少し安心した。
雪国の生活感がやっと追いついた気がする。
(自分も以前はあれを使っていた。暖かいし、湯も沸かせるし、餅も焼ける。あれは本当にいいものだ。)
それはさておき、
カツノと環の会話は、もはや普通のやり取りではなく、
最初から棘を含んだ応酬になっている。
この二人の関係が、
「意見の対立」ではなく
「感情の対立」にまでこじれてしまった理由が気になる。
そして伸一。
相変わらず不用意で、言ってはいけないことを簡単に口にする。
環は「正々堂々の勝負」と言うが、
その正々堂々は、
すでに伸一が彩華に情報を漏らした時点で崩れている。
もうこの勝負には、
はっきりと“ケチ”がついてしまった。
■ 夏美と柾樹は「問題解決型」ではなく「保留型」の関係
二人は衝突を避けるあまり、
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今聞かない
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今は黙っておく
という選択を繰り返している。
その結果、
問題は解消されず、
不安だけが静かに蓄積していく。
■ 伸一は「裏切った自覚」がない
最も厄介なのは、
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伸一自身が
「余計なことをした」という自覚を持っていない
点だ。
だからこそ、
環にとっては一番扱いづらく、
一番信用できない存在になっている。
“それらしいお客様”の登場――知らないまま迎える夏美
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学校へ向かう健太と勇太を恵美子(雛形あきこ)が送り出し、居間には久則とカツノの二人きりが残る。
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久則は帳場へ逃げようとするが、カツノに引き止められ、何か隠していることがあるのではないかと言いたげな詰問をされる。
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時江は、まもなくお客様が到着するとして、夏美に玄関掃除を急がせる。
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時江は「今日と明日は女将さんがいない」ことを理由に、気を抜かないようにと仲居たちを引き締める。
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宿泊客・川端が到着。
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時江は川端を調査員だと思い込み、慌てて伸一を呼びに行く。
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彩華も何かを察したような表情を見せる。
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ナレーションで
「夏美と彩華の競い合いの決着をつける“それらしい”お客様がお見えになりました。ですが、夏美はまだ何も知りません」
と示され、放送は終了する。
個人的感想
カツノは、相手が久則であっても一切容赦しない。
久則は逃げようとするが、隠居してもなおカツノの支配から逃れられない。
この家の実質的な権力者が誰なのか、改めてはっきりする場面だった。
調査員らしき客が来ただけで、
時江と伸一がこれほど浮き足立つ様子を見ると、
「これで老舗旅館として平常心の接客ができるのか?」と不安になる。
そもそも、この川端という客が本当に調査員なのかは分からない。
ナレーションがわざわざ「それらしいお客様」と表現している以上、
ミスリードの可能性が高いように思える。
仮に調査員だったとしても、
どの仲居が誰を担当するかは、そんなに行き当たりばったりなのだろうか。
事前に
「本日この部屋のお客様はあなたが担当」
と決まっているものだと思っていたので、
もし、玄関に居合わせた仲居が先着順で対応する仕組みだとしたら少し驚きだ。
■ カツノの支配は「役職」ではなく「恐怖」で成り立っている
久則は帳場へ逃げようとしたが、
それ自体がカツノへの“後ろめたさ”の表れに見える。
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隠居している
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表向きは権限がない
それでも、
誰も逆らえない空気を作り続けているのがカツノだ。
■ 「女将不在」が異常な緊張を生む
時江が強調する
「今日は女将さんがいない」という言葉。
これは、
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判断の最終責任者が不在
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誰も決定を引き受けたくない
という不安定な状況を象徴している。
だからこそ、
調査員“らしき”存在に過剰反応してしまう。
■ 川端は“評価者”ではなく“混乱装置”の可能性
ナレーションが使った「それらしい」という曖昧な表現。
これは、
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本物の調査員ではない
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だが、場を揺らす役割は十分
という位置づけを示しているように思える。
勝敗を決めるのではなく、
人間関係を露呈させる存在として配置されている可能性が高い。
■ 「夏美だけが知らない」構図の危うさ
彩華・環・伸一・時江が
何かを知ったうえで動いている中で、
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夏美だけが状況を知らない
この非対称性は、
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公平な勝負
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正々堂々
という建前を完全に壊している。
無垢さが、
この先“不利”として機能し始める兆しだ。
まとめ
調査員の評価で女将修業対決を決着させるという話は、
一部の人間にだけ情報が渡ったことで、早くも公平性を失い始めた。
彩華は勝つために浩司の協力を取りつけ、
夏美は柾樹を信じたい気持ちと、不安の間で揺れ続ける。
そんな中、調査員らしき宿泊客が加賀美屋を訪れるが、
夏美だけはまだ、その意味を何も知らされていなかった。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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