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2026年1月28日放送の 『どんど晴れ』第87回は、女将修業対決が本格化する中で、
加賀美屋では「仕事」とは別の場所で、静かに人の心が揺れ始めていた。
彩華と柾樹、そして浩司。
それぞれが抱え込んでいた思いが、少しずつ表に滲み出していく。
信じるとは何か。
そして、信じきれなくなったとき、人はどう振る舞うのか――
そんな問いが突きつけられる回だった。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第86回)の感想はこちら

彩華の過去と、柾樹の“優しさ”が生む誤解
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柾樹(内田朝陽)は、彩華(白石美帆)が最もつらかった時期にそばにいられなかったことを謝罪する。
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これからはできるだけ彩華のそばにいて、力になると約束する。
-
柾樹は彩華を「妹のような大事な友達」だと表現する。
-
しかし彩華は、その「友達」という言葉に強く引っかかり、納得できない様子を見せる。
個人的感想
正直に言えば、「大事な友達だから一番つらい時にそばにいられなかったことを謝る」という感覚自体が、やや過剰にも感じる。
友達である以上、人生のすべての局面に寄り添えるわけではないし、それは責められることでもない。
それにもかかわらず柾樹は、
-
謝罪し
-
これからはそばにいる
-
力になると約束する
という、恋人や配偶者に近い言葉を重ねてしまう。
その直後に「妹みたいな大事な友達」と言われたら、彩華が混乱するのも無理はない。
実際、彩華はその「友達」という言葉を受け入れられていないように見えた。
柾樹の優しさは理解できるが、これはかなり思わせぶりだ。
本人に自覚がない分、なおさら残酷に映る。
■ 「友達」という言葉の残酷さ
柾樹の中では、
-
大事
-
妹みたい
-
守りたい存在
これらをまとめた便利な言葉が「友達」なのだろう。
しかし彩華にとっては、
-
感情を向けてきた相手
-
期待してしまった相手
からの「友達」は、
線引きではなく、拒絶に近い響き を持つ。
優しさのつもりで使った言葉が、
最も強く相手を傷つける典型例だ。
■ この場面は「悲劇の起点」
ここで重要なのは、
この会話が 誰にも悪意がない ことだ。
-
柾樹は本気で気遣っている
-
彩華も本気で救われたかった
だからこそ、
勘違い
期待
すれ違い
が、静かに積み重なっていく。
このシーンは、
後に起こる衝突の「原因」ではなく、
避けられたはずの分岐点 として描かれているように見える。
イーハトーブに広がる噂と、交錯する恋の視線
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イーハトーブで、夏美(比嘉愛未)たちがじゃじゃ麵を囲んで食事をする。
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裕二郎(吹越満)は毎晩じゃじゃ麵を食べているが飽きないのかと語り、ビリー(ダニエル・カール)は「イーハトーブのじゃじゃ麵が盛岡一うまい」と太鼓判を押す。
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裕二郎は、アキ(鈴木蘭々)のじゃじゃ麵にも「愛情をたっぷり入れている」と冗談交じりに語り、アキは照れたような表情を見せる。それに聡(渡邉邦門)は驚く。
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話題は夏美と彩華の女将修業対決へと移り、イーハトーブの面々はこの対決に強い関心を寄せている。
個人的感想
イーハトーブといえばじゃじゃ麵、という描かれ方があまりにも強調されすぎているが、過去回を振り返ると、実際には別の麺料理も登場しているはずで、面倒だったが、じゃじゃ麵しか見たことないというのは誤りじゃないかと思うので調べてみた。
第38回では、明らかにじゃじゃ麵ではない麺料理を夏美と佳奈(川村ゆきえ)が食べていた記憶があり、「本当にじゃじゃ麵しか出てこない店」というわけではないはずだ。第38回で夏美と佳奈が食べていた麵料理は明らかにじゃじゃ麵の器とは違う深い器で、じゃじゃ麵を食べる時には使用していないレンゲを使用しており、麺もじゃじゃ麵の肉みそが付いた色ではなく冷麺のような透き通った色をしている。これを見て、じゃじゃ麵以外の麵料理もあるんじゃんと思ったので、おそらく裕二郎は冷麵のようなものも作れるはずだと思っている。美味しいのかどうかは知らんが。
裕二郎とアキのやり取りは微笑ましいが、ここまで来ると「この作品、登場人物全員に恋愛フラグを立てにいってないか?」という気持ちにもなる。
三角関係、片思い、すれ違いが次々と描かれ、正直なところ恋愛要素にはやや食傷気味だ。
その分、女将修業対決という物語の軸にもっと集中してほしいと思ってしまう。
佳奈が「彩華が来てからおかしなことばかり起きている」と違和感を覚えているのは印象的で、彼女の勘の鋭さがここで際立っていた。
■ イーハトーブは「日常の安全地帯」
イーハトーブでの食事シーンは、物語上、
-
緊張が持ち込まれない
-
立場や上下関係が消える
-
本音がこぼれやすい
という 安全地帯 として機能している。
加賀美屋での対立や駆け引きが激化するほど、
イーハトーブの存在は「逃げ場」として強調されていく。
■ じゃじゃ麵=関係性を可視化する装置
毎回のように登場するじゃじゃ麵は、
-
誰が作るか
-
誰が褒めるか
-
誰が食べるか
によって、人間関係の距離感を示している。
裕二郎が「愛情を入れている」と語り、
アキがそれを受け入れる構図は、
言葉にしない関係の変化をさりげなく示す演出だ。
■ 恋愛フラグの氾濫が生む“ノイズ”
この回では、
-
裕二郎×アキ
-
夏美×柾樹
-
彩華×柾樹
-
佳奈×聡(含み)
と、恋愛の矢印が過密状態になっている。
その結果、
女将修業対決
経営の行方
といった本筋が、一時的に霞んで見える。
これは意図的なものだとしたら、
「感情が整理されていない大人たち」 というテーマを
強調するための混雑とも読める。
■ 佳奈は“外部視点”を担う存在
佳奈が彩華を怪しむ視線を向けているのは重要だ。
彼女は、
-
加賀美屋の権力争いに直接関与しない
-
それでも現場をよく見ている
という立場にいる。
つまり佳奈は、
視聴者の違和感を代弁する役
感情に飲み込まれない観測者
として配置されている可能性が高い。
「絶対に負けたくない」――彩華が選んだ覚悟
-
彩華はアパートに戻り、父の形見の皿に向かって「夏美には絶対に負けない」「必ず勝つ」と強く誓う。
-
イーハトーブでは、佳奈が彩華が夏美を敵視しているのではないかと疑問を口にする。
-
裕二郎は「彩華は昔から柾樹が好きだったのだから仕方がない」と理解を示す。
-
ビリーは浩司(蟹江一平)の立場を気にするが、裕二郎は「今は浩司が好きということでいいじゃないか」と楽観的にまとめようとする。
-
しかし佳奈は納得せず、彩華は今も柾樹のことが好きなのだと一人納得する。
-
夏美を心配した聡は「何かあったらいつでも相談してほしい」と声をかけるが、夏美は頼らない。
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頼られなかった聡を、佳奈がさりげなく励ます。
個人的感想
彩華の行動を見ていると、
「女将になりたい」のか
「柾樹の恋人である夏美に負けたくない」のか、
その優先順位がいよいよ分からなくなってきた。
本当に女将になりたいだけなら、加賀美屋に固執する必要はないし、
本当に柾樹が好きなら、女将修業対決という回りくどい方法を取らずに、
正面から気持ちをぶつける選択肢もあるはずだ。
それでも彩華は、
「女将修業で夏美に勝つ」
「夏美に敗北感を与える」
という形にこだわっているように見える。
ビリーが浩司の行く末を気にかけているのは意外だったが、
イーハトーブの中で他人の恋愛にまで目を向けられる人物は、
確かにビリーくらいしかいないのかもしれない。
一方、聡は相変わらず夏美への未練を断ち切れていない。
弱っているところに入り込めば可能性があると考えているようにも見えて、
正直あまり印象はよくない。
それでもそんな聡を気にかける佳奈を見ると、
佳奈もまた一途な人物なのだと感じさせられる。
■ 彩華の動機は「目的」ではなく「対抗」
彩華の誓いは、
-
女将になるため
-
夢を叶えるため
というよりも、
「夏美に勝つ」
「夏美に負けない」
という 対抗心そのもの が原動力になっているのだろうか。
目的が自己実現ではなく、
常に「誰かとの比較」に置かれている点が、
彩華の不安定さを生んでいる。
■ 女将修業は“恋愛の代替戦場”
彩華にとって女将修業は、
-
技術や適性を競う場
ではなく、 -
恋愛で直接ぶつかれない相手と戦う場
になっている。
つまり女将修業対決は、
恋愛感情を合法的にぶつけられる舞台 として
機能してしまっている。
■ ビリーは唯一の「第三者視点」
ビリーだけが、
-
浩司の立場
-
傷つく可能性
に目を向けている。
これはビリーが、
-
誰の陣営にも属さない
-
当事者にならない
という立ち位置を保っているからこそ可能な視点だ。
物語が感情で渋滞するほど、
ビリーの発言は“外の空気”として効いてくる。
■ 聡の優しさは「救済」ではなく「侵入」
聡の
「いつでも相談してくれていい」
という言葉は、一見優しさに見えるが、
-
夏美の選択を尊重していない
-
距離を縮める口実にも見える
危うさを含んでいる。
これは、
助けたい
ではなく
まだ関わりたい
という未練の表れとも読める。
■ 佳奈は感情の“後始末役”
佳奈は、
-
彩華の本心を見抜き
-
聡の不器用さを知り
-
それでも誰かを断罪しない
という立場にいる。
彼女は前に出て物語を動かす人物ではないが、
崩れかけた感情を受け止める役 を一手に引き受けている。
だからこそ、
佳奈の存在がある場面では、
感情が一段落する。
第三者の評価で決着へ? 環が仕掛けた新たな一手
-
加賀美屋の掃除をしている夏美が、通りがかった彩華に挨拶をする。
-
帳場では環(宮本信子)が電話で誰かと話し、時江(あき竹城)とともに喜んでいる様子を見せる。
-
そこへ柾樹が戻ってくると、環と時江は不自然に話題をそらす。
-
場所を母屋に移し、環・久則(鈴木正幸)・伸一(東幹久)・時江は「ガイドブックの調査員が来る」件について話し合う。
-
環は、この調査員の評価をもとに女将修業対決の勝敗を決めようと提案する。
-
第三者の評価で決まれば誰も文句は言えないとして、久則たちはこの案に乗る。
-
事前に彩華へ知らせるべきだという意見に対し、環は「こそくなことはしない」「普段通りの接客で彩華は勝てる」と拒否する。
-
久則も彩華が勝つと見るが、伸一と時江はどこか不安げな表情を浮かべる。
個人的感想
柾樹という“外部の目”が入ったことで、
環たちは帳場では自由に話せなくなり、母屋に集まるようになった。
これは分かりやすく、密談の場所が移動した ということだろう。
ただ、母屋で話していてカツノの耳に入る可能性は本当にないのか、
そこは少し引っかかる。
それでも柾樹に聞かれるリスクよりは低いと判断したのだろう。
ここに来てようやく、
女将修業対決の「決着方法」が具体化したのは評価できる。
しかも、環が直接判定しないという点は、
これまでの出来レース感を薄める効果がある。
とはいえ、覆面調査員が
-
夏美の担当になるのか
-
彩華の担当になるのか
-
まったく別の仲居を見るのか
この時点では分からない。
その不確定要素を含んだまま「公平」と言い切っていいのかは疑問が残る。
環と久則は彩華の勝利を信じているが、
伸一と時江の表情を見る限り、
内心では「夏美が勝つ可能性」を否定しきれていないように見えた。
技量では彩華、
しかし“不思議な力”を持つのは夏美。
この刷り込みがここまで続いてきた以上、
物語の流れとしては夏美有利に傾いている気がする。
■ 「公平な第三者評価」という名の主導権保持
環は、
-
自分が直接判定しない
-
第三者に委ねる
という形を取ることで、
「結果の責任」から身を引いたように見せている。
しかし実際には、
-
ルール設定は環
-
勝負の場を用意したのも環
であり、主導権は一切手放していない。
これは
「公平を装った支配」
という、環らしいやり方だ。
■ 彩華を“信じている”という言葉の裏
環は、
「知らせなくても彩華は勝てる」
と言い切る。
だがこれは、
-
彩華を信じている
というより、 -
夏美を評価していない
という裏返しにも聞こえる。
夏美の「不思議な力」を認めながらも、
それが第三者にどう映るかについては、
まだ過小評価している可能性がある。
■ 伸一と時江の「沈黙」が示すもの
久則が即座に「彩華が勝つ」と言ったのに対し、
伸一と時江はどこか歯切れが悪い。
この差は、
-
技術や段取りを知っている者ほど
-
現場の空気を感じ取っている
という構図を示している。
二人はすでに、
勝敗が単純ではないことに気づいている。
■ 女将修業対決は“技量勝負”から“印象勝負”へ
覆面調査員の評価が基準になることで、
勝負は、
-
正確さ
-
伝統の理解
よりも、
-
印象
-
記憶に残る体験
へと重心が移る可能性がある。
これは明らかに、
夏美が有利になるルールだ。
■ 柾樹の存在が生んだ「密室化」
柾樹が加賀美屋に戻ってきたことで、
-
帳場 → 母屋
-
公の場 → 閉じた空間
へと、
話し合いの場所が後退している。
これは、
環たちが「見られること」を恐れ始めた証拠であり、
加賀美屋の内側がいよいよ閉鎖的になっている兆しとも読める。
信じたい夏美と、信じきれない浩司
-
久則が恵美子(雛形あきこ)に女将修業の決着について話そうとするが、カツノが現れたため、久則は逃げるように帳場へ戻る。
-
板場では浩司が気の抜けた様子で仕事をしており、板長・篠田(草見潤平)から気合を入れられる。
-
板前の英雄と哲也も、浩司の様子がおかしいことを気にかける。
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洗濯物を干しに外へ出た夏美が、ベンチでうなだれている浩司を見つける。
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浩司は、彩華と柾樹が抱き合っていた場面を目撃したことを、一人では抱えきれず夏美に打ち明ける。
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浩司は以前から彩華が柾樹に気があるのではと不安に思っていたと語る。
-
夏美は「柾樹のことは信じている」と答え、浩司にも彩華を信じてあげてほしいと言うが、浩司は「信じられない」「そんな自信はない」と返す。
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ナレーションで、柾樹を信じたい気持ちは変わらないものの、夏美の中にわずかな不安が生まれたことが示され、放送は終了する。
個人的感想
母屋で不用意な話をしていると、
いつカツノが現れるか分からないという緊張感が、ついに現実となった。
もっとも、聞かれたら困る話を抱え込んでいる側に問題があるとも言える。
浩司は完全に限界状態で、
そんな精神状態で板場に立っていれば、篠田に叱られるのも当然だろう。
英雄や哲也が気にかけるのも自然な流れだった。
一方、盛岡より北の雪国に住んでいる自分から見ても、雪が積もっている中で外に洗濯物を干しに出る夏美にはさすがに違和感がある。
時代背景の問題というより、単純に現実的ではない。
浩司が薄着で外に出ていたことについては、
自分の体験的にも、寒い中、薄着のまま外に出てしまって立ち話をすることは「なくはない」と思えるので、こちらはまだ許容範囲だ。
浩司は、
彩華が組合費を盗んだことも知っている。
その上で「抱き合っている姿」を見てしまった以上、
夏美に「信じてあげて」と言われても無理がある。
夏美自身も、
これまで柾樹を疑ったことはなかったはずだが、
今回だけは、ナレーションで「少し不安になった」と明示された。
ただし、
ナレーションはミスリード気味なので、
言葉通りに受け取らず、話半分で聞いておくくらいがちょうどいいと感じた。
■ 「信じている」と「不安がない」は別物
夏美ははっきりと
「柾樹のことを信じている」
と言い切る。
だがそれと同時に、
不安が芽生えたことも否定されない。
この二つは矛盾しない。
-
信じたい
-
でも揺れる
という状態こそが、
人間的でリアルな感情だ。
■ 浩司は“もう一段階先”に進んでしまった
浩司は、
-
彩華の裏の顔
-
組合費の件
-
そして抱擁の目撃
という情報をすでに抱えている。
だから彼は、
「信じたい段階」を通り越し、
信じられなくなってしまった側 にいる。
この点で、
夏美と浩司の立ち位置は明確にズレている。
■ 夏美の言葉は「慰め」であって「解決」ではない
夏美の
「信じてあげて」
という言葉は、正論ではある。
しかしそれは、
-
浩司の疑念
-
浩司が見た事実
を消すものではない。
この場面は、
夏美の優しさが、
必ずしも相手を救えない瞬間として描かれている。
■ カツノの“存在圧”が示す構図
久則が、
カツノの登場で逃げるように場を離れる描写は、
-
権力関係
-
恐れ
-
そして未解決の問題
が、
依然としてカツノを中心に回っていることを示している。
女将修業対決が動き出しても、
その土台はまだ
「語れないこと」で満ちている。
■ ナレーションは「事実」ではなく「揺さぶり」
今回のナレーションは、
-
夏美の不安
を断定的に伝えている。
だが、
これまでの流れを見る限り、
ナレーションは視聴者の感情を揺らすための装置に近い。
重要なのは、
ナレーションよりも、
夏美がその後どう行動するか だろう。
まとめ
彩華は、女将になるという目的と、夏美への対抗心をより強く自覚していく。
一方、環たちはガイドブック調査員の評価を使い、女将修業対決に決着をつけようと動き出した。
そんな中、浩司は彩華と柾樹の関係に耐えきれず、夏美に真実を打ち明ける。
夏美は柾樹を信じると答えながらも、心の奥にわずかな不安を抱えてしまう。
加賀美屋では、
仕事の評価と、人の気持ちが交差し始めていた。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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