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2026年1月23日放送の 『どんど晴れ』第83回は、柾樹がついに加賀美屋へ戻ってきた。
夏美との再会は祝福に満ち、穏やかな時間が流れる一方で、帳場では明らかに空気が変わり始めている。
歓迎される孫。だが見せられない帳簿、触れさせない模型、
そして「考えているから大丈夫」という曖昧な言葉。
第83回は、幸せな再会と同時に、加賀美屋の内部に潜んでいた緊張が表面化した回だった。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第82回)の感想はこちら

帰還と溺愛――祝福の再会と、環が避け続ける過去
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夏美(比嘉愛未)と柾樹(内田朝陽)が加賀美屋に戻り、環(宮本信子)・久則(鈴木正幸)・伸一(東幹久)・時江(あき竹城)に迎えられる
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柾樹と夏美はカツノ(草笛光子)に挨拶し、母・俊江(中江有里)への報告として仏壇に手を合わせる
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平治(長門裕之)がお祝いとして、釣ってきたニジマスを持参
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環と時江もカツノの部屋に現れるが、平治の姿を見た環は柾樹を連れて部屋を出る
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カツノは、環が「昔、平治に茶釜を作ってもらえなかったこと」を今も引きずっていると語る
個人的感想
夏美は環との約束どおり、夕食の準備までにきちんと戻ってきた。
形式上ではあるが、環・久則・時江は柾樹の帰郷を歓迎する姿勢を見せる。一方で、伸一だけは相変わらず嫌味を忘れない。ただ、露骨に拒絶することはなく、ひとまず「迎え入れた」形になったのは救いだ。
カツノの柾樹への溺愛ぶりは、もはや隠そうともしていない。同じ孫である伸一との扱いの差はあまりに大きく、伸一がこれまで抱えてきた感情も理解できてしまう。
母親代わりに育てたという事情を差し引いても、ここまで露骨な差があれば、伸一が不満を爆発させたのも無理はない。
平治は、柾樹の帰郷を心から祝いたかったのだろう。雪の中で釣りをしてまでニジマスを持ってきたことに、彼なりの気持ちが表れている。
一方で環は、平治の姿を見た途端に態度を変え、柾樹を連れてその場を離れる。平治本人は理由が分かっていないが、その原因は「昔、茶釜を作ってもらえなかった」という出来事にある。
やった側は忘れていても、やられた側は忘れない。
環にとって平治は、今なお触れたくないトラウマ級の存在なのだろう。
■ カツノの“溺愛”が生んだ歪み
カツノの柾樹への愛情は、もはや善意だけでは説明できない。
同じ孫である伸一との待遇差は、家族関係そのものを歪ませてきた可能性が高い。
■ 伸一の反発は「経営論」以前の問題
伸一の態度は単なる反抗ではなく、長年積み重なった感情の表出とも取れる。
リゾート化構想も、愛されなかった側の自己証明だったのではないか。
■ 平治にとっては些細でも、環には消えない傷
茶釜を作らなかった理由が何であれ、
「期待したのに応えてもらえなかった記憶」は環の中で凍り付いたままだ。
■ 家族がそろったことで、逆に不安定になる加賀美屋
柾樹の帰還は祝福である一方、
抑え込まれていた過去の感情や力関係を一気に浮かび上がらせてしまった。
従業員の前での挨拶――彩華との再会が生む微妙なズレ
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環は板場に従業員を集め、柾樹を紹介する
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柾樹は皆の前で挨拶を行い、仲居たちは笑顔で拍手する
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一方で、環・久則・伸一はどこか苦い表情を浮かべている
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この場で柾樹は初めて、
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彩華(白石美帆)が加賀美屋で仲居として働き女将修業をしていること
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浩司(蟹江一平)が彩華にプロポーズしていること
を知る
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個人的感想
柾樹の挨拶に対する反応は、はっきりと二分されていた。
仲居たちは素直に歓迎ムードだが、環・久則・伸一の表情は明らかに硬い。
柾樹を“戻ってきてほしくなかった存在”として見ているのは、もはやこの一家だけなのかもしれない。
板前たちの反応は映されなかったが、少なくとも板長・篠田が柾樹を拒絶する理由はないだろう。
大好きな大女将カツノの孫という理由のみでも、頭ごなしに否定するなんてことはありえないだろう。
そして、柾樹と彩華の再会。
柾樹にとっては「学生時代の知り合いとの久しぶりの再会」程度なのだろうが、彩華にとってはそう単純ではなさそうだ。
この場面を見ていた浩司や夏美がどう感じたのかは描かれなかったが、二人とも人を疑うことを知らないタイプだ。
決定的な証拠でも突きつけられない限り、相手の誠実さを疑うことはないだろう。
それにしても柾樹、思った以上に背が高い。
浩司と並んでもほぼ同じくらいに見えるが、浩司は下駄を履いているのかな?
柾樹、意外とデカいな。
■ 歓迎される柾樹/拒む環一家
加賀美屋全体で見ると、柾樹は「歓迎される存在」だ。
拒絶しているのは、立場を脅かされる側だけとも言える。
■ 柾樹の帰還は“波風を立てない異物”
外の世界を知り、穏やかに挨拶をする柾樹は、
逆に内部の閉塞感や歪みを際立たせてしまう存在になっている。
■ 彩華にとっての再会の意味
柾樹にとっては過去、彩華にとっては現在進行形。
同じ再会でも、受け取る重さはまったく違う。
■ 純粋な人間ほど、疑うことができない
夏美と浩司は似た者同士で、
人の悪意や計算を前提に物事を見ることができない。
■ 「知らされる」形で明かされる事実
彩華の女将修業も、浩司のプロポーズも、
柾樹はすべて“事後報告”で知る立場に置かれている。
噂話と防衛線――佳奈が張る“見えない結界”
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康子(那須佐代子)・則子(佐藤礼貴)・恵(藤井麻衣子)の三人は相変わらず一緒に行動し、柾樹の話題で盛り上がる
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話題は「柾樹が素敵」という評価
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彩華に対しても「学生時代からモテていたのか」と確認する
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そこに佳奈が割って入り、「柾樹は夏美と結婚するんだから」と牽制する
個人的感想
康子・則子・恵の三人は、あくまで「夏美だけ」が嫌いであって、
柾樹に対してネガティブな感情を持っているわけではない。
むしろ空気としては、普通にイケメン歓迎ムードですらある。
そんな中でも、佳奈のガードは徹底している。
悪い虫が寄りつかないように、先回りして遮断する動きは一貫している。
横浜のホテルでは久美子が同じ役割を担っていたし、
盛岡では佳奈がそのポジションにいる。
夏美は女友達にかなり恵まれているタイプだと思う。
正直、何がそこまで人を惹きつけるのか分からないが、
柾樹は異常なレベルでモテる。
もし佳奈や久美子の“防波堤”がなければ、
もっと露骨にアプローチされていてもおかしくなかった気がする。
■ 嫌われているのは「夏美」であって「柾樹」ではない
康子たちの態度は一貫している。
対象は柾樹ではなく、あくまで夏美。
■ 女将修業レースとは別の“恋愛軸”
現場では女将修業の対立とは別に、
柾樹をめぐる視線の構図も静かに存在している。
■ 佳奈の役割=防衛装置
佳奈は感情的な味方というより、
構造的に「守る役」を担っている存在になっている。
■ 久美子と佳奈の共通点
横浜と盛岡で、同じ役割を果たす人物が配置されているのは意図的。
柾樹と夏美の関係は、常に“第三者の防衛”によって守られている。
■ 柾樹のモテ方の異質さ
積極的アピール型のモテではなく、
「周囲が勝手に評価を積み上げていくタイプ」のモテ方。
見せられない帳簿、拒まれる模型――情報を握る側の論理
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帳場で伸一が柾樹に業務の指示を出す
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柾樹は指示を素直に受け入れつつ、帳簿を見せてほしいと申し出る
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伸一と久則は動揺し、理由をつけて帳簿の開示を拒否する
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柾樹は伸一が進めているリゾートホテルの模型にも目を向けるが、これも「関係ない」として見せてもらえない
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仕事後、母屋で環・久則・伸一は、柾樹が帳簿を見たがったことを煙たがる
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環は「いろいろ考えているから大丈夫」と意味深な発言をする
個人的感想
柾樹は横浜のホテルでは企画室勤務だった。
正直なところ、帳簿を見てどこまで分かるのかは分からない。
大学時代に経営や簿記を学んでいた可能性もあるが、作中ではそこまで明示されていない。
ただし、初日から帳簿を見せてほしいと言い出す是非は、いったん脇に置いたとしても、
それに対して即座に開示を拒む態度は、あまりにも印象が悪い。
「見せられない理由がある」と言っているのと同義に聞こえてしまうし、
少なくとも「信頼して迎え入れる姿勢」には見えない。
さらに、リゾートホテルの模型についても同様だ。
見られたくないのなら、そもそもあんなに目立つ場所に置かなければいい。
わざわざ視界に入る場所に置いておいて、「関係ない」と遮断するのは不自然だ。
この時点で、
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情報を握ってコントロールしようとする側(伸一・久則)
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状況を把握しようとする側(柾樹)
という構図が、かなりはっきり匂い始めている。
能力差というより、姿勢の差が露骨に出てきた場面だった。
■ 帳簿を拒む=「疑われる覚悟」を選んだ行動
帳簿を見せない選択は、
透明性よりも支配を優先した行動に見える。
■ 初日から帳簿要求は拙速か
拙速ではあるが、
同時に「家業を引き継ぐ意思が本気」であるサインとも取れる。
二馬力で進む夏美と、一馬力の彩華――夜の部屋で語られた本音
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早番を終えた夏美が、柾樹の部屋の片づけを手伝っている
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大量のファイルを整理しながら、夏美はこの部屋で二人で暮らす未来を想像する
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柾樹は、なぜ彩華が女将修業をしていることを黙っていたのかを夏美に問いかける
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夏美は、心配させたくなかったこと、そして柾樹がそばにいてくれるだけで今まで以上に頑張れると伝える
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部屋で座敷童の絵本を見つけ、二人で読む
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ナレーションで、彩華の柾樹への秘めた思いが暗示され、物語は次回へ続く
個人的感想
まず気になるのが、加賀美屋の早番が何時に終わるのか問題。
勤務体系が全く見えてこないし、同じ時間帯に同じメンバーが頻繁に集まっているので、
他の時間帯にも当然、他の社員やパートはいるんだろうと、こちらが勝手に補完するしかない。
それよりも強烈だったのが、
柾樹の部屋にある大量のファイル。
房子が送った荷物は「明日以降に届く」と言っていたはず。
ということは、今整理しているファイルは朝倉家から送られたものではない。
では、この盛岡の部屋に既にある大量のファイルは一体何なのか。
まさか横浜のホテルの顧客情報や内部資料ではないよな……?
競業避止義務や秘密保持契約がザルだったら、普通に怖い。
せめて、アパートで自炊していた時代のレシピファイルであってほしい。
彩華が女将修業をしていることを黙っていた理由について、
夏美は「心配すると思ったから」と説明する。
この二人は、これまでも大事なことを話し合わずに進んできたので、
正直もう驚きはない。
それよりも重要なのは、
「そばにいてくれるだけで、今までよりもっと頑張れる」という夏美の言葉。
つまり、これからの夏美は
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自分自身の努力
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柾樹からもらう精神的な支え
この二馬力で女将修業に臨むということになる。
一方の彩華はどうか。
浩司がそばにいようと、それが力になるとは思えない。
少なくとも描写上、浩司は「支え」ではなく、ほぼ金づる扱いに近い。
そうなると構図は
二馬力の夏美 vs 一馬力の彩華。
現時点では、彩華は圧倒的不利に見える。
ただし、彩華には彩華で、
夏美の超絶ポジティブパワーに対抗し得る
計り知れない負のパワーを秘めている可能性もある。
最後にナレーションで示唆された
「彩華の秘めた思い」。
これは
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単純な柾樹への恋心なのか
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それとも学生時代に傷つけられた過去を引きずる復讐心なのか
と考えたくもなるが、
おそらく答えはシンプルで、恋心なのだろう。
■ 夏美は「個人戦」から「ペア戦」へ移行した
精神的支柱を得たことで、修業の質そのものが変わった。
■ 彩華は完全に“孤立型”
浩司は支えではなく、資源。
精神的には一人で戦うしかない立場。
■ ファイルの違和感は伏線かガバか
現実的に考えると危険だが、
物語的には「外から持ち帰った知識」の象徴とも読める。
■ 彩華の「秘めた思い」は爆弾
恋心であれ、怨念であれ、
今後必ず表に出てくる種類の感情。
まとめ
柾樹の帰還は、夏美にとっては確かな支えとなり、加賀美屋にとっては均衡を揺るがす出来事だった。
帳簿を見せない。
模型を隠す。
説明を拒み、「考えているから大丈夫」と言葉を濁す。
一方で夏美は、
「そばにいてくれるだけで、もっと頑張れる」と言い切る。
これまで一人で耐えてきた修業を、これからは二人で進む覚悟をはっきり示した。
女将修業という競争は、
もはや技術や年数だけの勝負ではない。
誰と生き、誰を信じ、どんな力で前に進むのか。
二馬力で走り出した夏美と、
一馬力で踏ん張る彩華。
祝福の再会の裏側で、
加賀美屋は静かに、しかし確実に次の局面へ踏み出していた。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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