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2026年1月20日放送の 『どんど晴れ』第80回は、「受け入れられる人」と「受け入れられない人」の差が描かれた。
姑となったカツノの一言で、ようやく正される現場。
それを素直に受け止められない彩華。
柾樹の決断を理解しようとしながらも、心が追いつかない香織。
そして、
すべてを「信じる気持ち」で受け止めようとする夏美。
第80回は、誰かが勝ち、誰かが負ける話ではない。
それぞれが、どこで立ち止まり、どこで前に進もうとしているのかを浮き彫りにする回だった。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第79回)の感想はこちら

大女将の介入と、女将としての限界
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加賀美家の朝食の場で、カツノ(草笛光子)は環(宮本信子)に対し、仲居同士の揉め事について女将として対処すべきだと、姑として意見する
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環はその後、仲居たちを集め、いがみ合いをやめるように指導する
個人的感想
カツノはすでに大女将を引退している。
だからこそ、
「旅館のことには口を出さないでほしい」
という環の気持ちは、正直よく分かる。
ただ一方で、仲居同士の揉め事を放置するのはどうなのかと言われると、ここについては、カツノの言っていることの方がもっともだと思わざるを得ない。
問題なのは、カツノが
「柾樹の嫁になる夏美」
という要素を絡めることで、姑として、いくらでも口出しできてしまう構造だ。
それを思うと、大女将の引退とは何だったのか、と疑問が湧いてくる。
もっとも、
「夏美と柾樹に関すること以外には口を出さない」
という線引きがあるのだとしたら、それはそれで一貫しているのかもしれない。
環については、今回はようやく、女将として正しい指導をしたように感じた。
以前は、
「揉めていても、お客様の前では見せないプロだ」
といったニュアンスで仲居たちを評価していた印象が強い。
だが今回は、
「お客様が見ていなくても、いがみ合っていれば伝わる」
「それはお客様に失礼だ」
と、はっきり言葉にして指導した。
そのうえで、
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夏美には「行動に気をつけろ」と釘を刺し
-
ベテランの康子(那須佐代子)と清美(中村優子)「こんなことで注意させないでほしい」と求め
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彩華には「余計なことにとらわれず修業に集中しろ」と命じた
それぞれに役割と責任を分けた点は、少なくとも今回は、環が女将として機能した場面だったと思う。
それにしても、カツノが環に言った、「あなたが嫁として嫁いできたときのようにね」というセリフは、夏美のことも、環が嫁いできたときのように守れってことなのだろうか。
環が嫁いできたときはどんな状況だったのかが気になる。俊江(中江有里)を大事にして、環のことは邪険に扱っていた?環と俊江はどっちが先に加賀美家に嫁いできたのだろうか。
■ カツノの介入は「越権」か「最後の責任」か
カツノの行動は、
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引退した大女将の越権行為
とも読めるし、 -
旅館の空気が壊れる前に止める最後の責任
とも読める。
どちらを取るかで、カツノ像は大きく変わる。
■ 「姑」という立場が万能キーになっている問題
大女将としては引退していても、
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柾樹の祖母
-
環の姑
という立場が残っている限り、旅館への影響力は失われない。
役職を降りても、関係性は降りられないという構造がここにある。
■ 環は初めて「線を引く指導」をした
今回の環の指導は、
-
誰か一人を責める
のではなく、 -
立場ごとに役割を整理する
という、女将として最も基本的なマネジメントだった。
この指導が継続できるかどうかが、今後の分かれ目になる。
■ 「正しい指導」が遅れて出てきた意味
今回の指導は適切だったが、
-
もっと早くできたはず
という思いも残る。
遅れて出てきた正しさは、時に火消しにしかならない。
注意されたことに納得できない人
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彩華(白石美帆)は、環から自分にまで説教が及んだことに納得がいかず、浩司(蟹江一平)に理由を確認する
-
環が説教をした背景にカツノの存在があると知り、彩華は不穏な表情を見せる
-
その後、彩華は感情を抑え、「自分は女将修業に専念するだけだ」と決意を口にする
個人的感想
彩華は、
自分が説教される立場にあるとは思っていなかった
のではないだろうか。
環から注意を受けたこと自体に、納得している様子はまったくなく、その理由を浩司に確認しにいくあたり、自分を特別視しているようにも見える。
そして、環が説教をした原因がカツノにあると分かった瞬間の表情。
あれは、単に不満を抱いたというより、
「次に排除すべき対象」を見定めたようにも見えた。
もしかすると、彩華は
自分にとって不都合な存在を、順番に排除していくつもりなのではないか
とさえ思えてくる。
もし、ここまで描かれてきた彩華が悪役ではない、という扱いなのだとしたら、それはそれで驚くほどの性格の悪さだ。
■ 彩華は「注意される側」に立った経験がない
彩華の反応を見る限り、
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注意を受ける
-
叱責される
という立場に、慣れていないように見える。
それは、
-
守られてきた
-
優遇されてきた
経験の裏返しとも取れる。
■ 環の説教は「内容」より「存在」が問題だった
彩華にとって重要だったのは、
-
何を言われたか
ではなく、 -
なぜ自分が言われたのか
だった。
説教の中身ではなく、自分が対象に含まれた事実そのものが、受け入れられていない。
■ カツノは「次の障害」として認識された可能性
カツノの名前が出た瞬間の反応は、
-
理由が分かって納得
ではなく、 -
原因を特定した
という印象が強い。
彩華の中で、敵リストが更新されたようにも見える。
■ 「修業に専念する」という言葉の危うさ
「専念する」という言葉は、
-
真面目な決意
にも聞こえるが、 -
余計なものを切り捨てる宣言
にも聞こえる。
この言葉が、努力の表明なのか、排除の正当化なのかで、意味は大きく変わる。
「客」として入り込んだ外部者・香織
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香織(相沢紗世)が客として加賀美屋を訪れ、伸一(東幹久)が応対する
-
玄関には久則(鈴木正幸)も現れ、香織の美貌に見とれ、伸一と久則は香織の荷物運びを取り合う
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横浜では、山室部長(中原丈雄)が香織がこの時期に休みを取っていることを不審に思い、柾樹(内田朝陽)に事情を確認する
-
加賀美屋を見学していた香織は、彩華と出会い、会話を交わす
-
厳しく指導を受けている夏美の姿を見た香織が、声をかける
個人的感想
まず伸一。
伸一には、伸一にはもったいないくらいの美人な妻がいるはずなのに、香織に対して思い切り鼻の下を伸ばしている。
もし香織が
「柾樹の元カノ」
だと知ったら、発狂するんじゃないかとさえ思う。
香織は加賀美屋の中を見て回り、彩華と花の話をしていたが、育ちも良さそうだから花も嗜んでいるのだろうか。
もし、生け花やお茶の経験まであったら、
「じゃあ女将修業に参加したら?」
と言いたくなるほどだ。
香織は夏美に声をかけ、柾樹の実家がどういうところなのかを見に来たのだと説明する。
労働者の権利として有給休暇を使い、宿泊客として加賀美屋に泊まっているだけなので、形式的には何も問題はない。
ただ、それでもやっぱり、
別れた元彼の実家の旅館に泊まりに来る
という行為は、普通に怖い。
もしこの事実を柾樹が知ったら、よりを戻す方向に働くのか、それとも逆効果なのか。いい方向に向かうとは決して思えない…。
香織の行動は、善意とも、未練とも、どちらにも読めてしまう。
■ 香織は「客」でありながら、完全な外部者ではない
香織は、
-
有給休暇を使った正規の客
-
旅館のルール上は問題なし
だが同時に、
-
柾樹の元恋人
-
退職理由を探りに来た同僚
という、二重の立場を持っている。
■ 伸一と久則の反応が浮き彫りにする男社会
香織の美貌に対する、
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露骨な反応
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役割争い
は、加賀美屋の男たちの価値観を分かりやすく可視化している。
これは軽い笑いとして処理されているが、かなり時代性の出る描写でもある。
■ 香織は「女将候補」にも見えてしまう存在
香織は、
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所作が落ち着いている
-
花の話ができる
-
外からの視点を持っている
という点で、今の女将修業レースの基準にすっと当てはまってしまう。
だからこそ、
「参加しちゃえば?」
という違和感が生まれる。
■ 夏美に声をかける行為の意味
香織が声をかけたのは、
-
気遣い
-
共感
とも取れるし、
-
観察
-
確認
とも取れる。
香織は、加賀美屋という場と、夏美という人物の両方を測ろうとしているようにも見える。
■ 元恋人の実家を訪ねる行為の危うさ
この行動は、
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未練
-
整理
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好奇心
いずれとも断定できない。
だが確実に言えるのは、
境界線がかなり曖昧
だということだ。
香織自身が、その線を自覚しているかどうかで、今後の印象は大きく変わる。
信じることで昇華してしまう強さ
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伸一と久則は、香織の美貌について下世話な会話を交わす
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その様子を見た環は、デレデレした接客をしていなかったかと心配する
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香織が初めての宿泊客で、横浜から来ていることを知り、環は何かに気づいた様子を見せる
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香織は夏美を客室に呼び、旅館のことや柾樹のことについて話をする
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「信じる気持ちこそが大切なのだ」と夏美が改めて思う、というナレーションで放送は終了する
個人的感想
美人が集まる加賀美屋で働いているはずの伸一と久則が、それでもなお香織の美貌に驚いている様子を見ると、香織が相当な“とびきりの美人”として描かれていることが分かる。
そんな美女たちから思いを寄せられる柾樹。
若くして昇進が約束され、仕事もでき、横浜のホテルでも評価されている。
それを捨ててまで加賀美屋に戻るという決断を、香織はわざわざ宿泊までして確かめに来た。
一方で、
柾樹のことを信じて待ち続ける夏美。
そして、おそらくは浩司ではなく柾樹のことが好きそうな彩華。
……こうなってくると、
いっそ「加賀美屋」を舞台にした
恋愛リアリティーショーに変更したらどうか、
なんて冗談も言いたくなる。
女将修業を勝ち抜いた美女が柾樹と結婚できるとか、
夏美・彩華・香織・柾樹・浩司の5人が働きながら、
最後に結ばれた男女が経営権と女将の座を手に入れるとか。
まぁ、もちろん冗談だけど。
ただ、香織の中で何かが整理されたのは確かだ。
柾樹は加賀美屋を大事に思っている。
柾樹の母は、この旅館を命がけで守ろうとしていた。
だから柾樹の居場所は、ここなのだと、香織は納得したように見える。
夏美が一度、女将修業を投げ出したことを問いかける香織に対して、
それも「それで良かった」と受け止めている夏美。
自分の行動でお客様を危険な目にあわせ、その責任を一身に背負わされ、メンタルが崩壊寸前まで追い込まれ、逃げ出した過去さえ、
「それはそれで良かった」と昇華できる。
この夏美という人間、
正直、恐ろしく強い。
これはもう、誰も勝てないんじゃないかと思ってしまう。
お客様を心からおもてなしできる女将になりたい夏美と、
加賀美屋を大事に思う柾樹の気持ちがつながっている。
それを理解し、納得したように見える香織。
……このまま諦めてしまうのか。
でも、このドラマをここまで見続けている視聴者は、
もっとドロドロした展開を期待している気もする。
だから言いたい。
諦めるな、香織。頑張れ、香織。
■ 香織は「確かめに来た外部者」
香織の行動は、
-
牽制
-
未練
というより、
「本当にこの決断でいいのか」を
自分自身で確かめに来たように見える。
■ 柾樹をめぐる構図が完全に恋愛ドラマ化している
女将修業よりも、
-
誰が柾樹を理解しているか
-
誰が柾樹と価値観を共有しているか
という軸が、前面に出始めている。
■ 夏美の強さは「無理をしていない強さ」
夏美の強さは、
-
我慢
-
忍耐
ではなく、
-
経験を意味づけできる力
にある。
過去の失敗を
「必要な過程だった」と言える点が、他の登場人物と決定的に違う。
■ 香織は身を引く役割なのか、揺さぶる役割なのか
この回だけを見ると、
香織は身を引きそうに見える。
だが、
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わざわざ来た
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わざわざ確認した
以上、物語的には「揺さぶり役」としてまだ使える余地も大きい。
■ 「信じる気持ち」という言葉の軽さと重さ
ナレーションの
「信じる気持ちこそが大切」という言葉は、
非常に綺麗だ。
だが同時に、
-
信じる側だけが傷つく
-
信じられなかった側が悪者になる
危うさもはらんでいる。
この言葉が免罪符になるのか、覚悟の表明になるのかは、これから次第だ。
まとめ
「信じる気持ちこそが大切」。
夏美がたどり着いたその答えは、この回を穏やかに締めくくる。
だが同時に、その言葉は、
納得できない人、受け入れられない人、
整理がついていない人の存在も際立たせる。
正しく指導されることで前に進む可能性の仲居たち。
説教そのものを拒む彩華。
決断の理由を確かめに来た香織。
それぞれが違う場所で立ち止まり、
違う形で答えを探している。
第80回は、誰が正しいかではなく、何が見えなくなっていたのかを突きつけてくる回だったように思う。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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