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2026年1月12日放送の 『どんど晴れ』 第73回 では、
ついに彩華が正式に女将修業へと名乗りを上げ、夏美と「競わせる」という環の方針が明確に打ち出された。
窃盗事件を経てもなお強気な彩華と、不安を抱えながらも一生懸命になることしか選べない夏美。
血統と覚悟、計算と無垢。
女将修業は、努力だけでは測れない“競争の章”へと入っていく。
※この回は、前日の展開を踏まえて見ると、より重みが増します。
👇 前回(第72回)の感想はこちら

彩華、女将修業へ名乗り出る──環が下した決断
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彩華(白石美帆)は、環(宮本信子)に対し、正式に女将修業をさせてほしいと申し出る。
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彩華は、「夏美(比嘉愛未)と自分の修業の様子を見比べてもらえれば、どちらが女将にふさわしいか分かるはずだ」と主張する。
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環はその申し出を受け入れ、彩華の女将修業を認める。
ここで、女将修業は「一人の成長物語」から「比較と競争の構図」へと明確に切り替わった。
個人的感想
正直に言って、あまりにもあっさり認められたな、という印象が強い。
窃盗事件がうやむやになり、
浩司(蟹江一平)の好意を利用しているようにも見え、
それでもなお「女将修業をさせてほしい」と堂々と申し出る彩華。
しかもその言い方が強烈だ。
「見比べてくれれば分かる」
――つまり、私は夏美より上ですと言っているに等しい。
一切の謙遜も遠慮もなく、自分が勝つ前提で勝負を仕掛けてくるこの姿勢。
不快ではあるが、物語の“火種”としては非常に分かりやすい。
結果として、
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窃盗という重大な問題を抱えた彩華
-
人命に関わるほどの事故を起こす猪突猛進の夏美
この二人が「次期女将候補」として並べられる構図になる。
……どっちがなってもジゴク…。
という感想が真っ先に浮かんでしまった。
■ 彩華は「対等な挑戦者」ではなく「勝者の顔」で入ってきた
彩華は、
「挑戦させてください」
ではなく、
「比べれば分かりますよね?」
という立ち位置で環に迫っている。
これは修業希望者というより、審査を要求する側の態度だ。
この時点で彩華は、自分が負ける可能性を一切想定していない。
■ 女将修業が「育成」から「サバイバル」へ変わった瞬間
これまでの夏美の女将修業は、
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失敗しながら学ぶ
-
現場で叩き込まれる
-
人間関係に翻弄される
という“育成物語”だった。
だが彩華の参入で、
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比較される
-
優劣をつけられる
-
負けたら脱落する
というサバイバル構造に切り替わった。
この瞬間から、
「努力したかどうか」より
「勝ったかどうか」が重視される世界になる。
■ 「どっちが地獄か」ではなく、「地獄を作った構造」が問題
彩華が危険なのは事実。
夏美が未熟なのも事実。
だが本当に問題なのは、
そんな二人を競わせる仕組みを平然と作る環の判断ではないか。
個人の資質よりも、
対立と競争で答えを出そうとするその構造自体が、
加賀美屋という組織の歪みを象徴している。
貴重な器と引退した大女将──競わせるという環の選択
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彩華の女将修業が正式に認められたことを、夏美はまだ知らない。
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夏美は他の仲居たちと一緒に、蔵から器を運び出す作業を続けている。
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時江(あき竹城)は夏美に対し、「江戸時代に作られた年代物の貴重な器」を運ぶよう命じる。
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落とさないよう、慎重に、細心の注意を払うよう、念押しする描写が強調される。
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一方その頃、環はカツノ(草笛光子)に、彩華が女将修業を始めることを報告する。
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環は「夏美と彩華を競わせ、加賀美屋にふさわしい方を選ぶ」という方針を提示する。
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カツノはすでに引退した身であることを理由に、環の判断を渋々受け入れる。
個人的感想
まず、器の扱いに関する演出があまりにも露骨!
「江戸時代の貴重な器」
「落とさないように」
「そーっと、そーっと」
ここまで念押しされたら、
この器、後で壊れますよね?
と予感せずにはいられない。
そして、カツノの態度にはどうしても引っかかる。
夏美の復職は、確か
「みんなが納得していない中で、大女将の最後の権力行使として押し切った」
はずだ。
それなのに今回は、
「もう引退した身だから」
と一歩引いてしまう。
復職を強行した責任として、もう少し夏美の後ろ盾になってやってもいいんじゃないか…。
一方で、環の態度も相変わらず不安定だ。
カツノが引退して権限を失ったことを、どこか嬉しそうに、優位を確認するかのように振る舞う。
いい人なのか、冷酷な管理者なのか、日によってキャラが切り替わりすぎていて、見ている側が追いつかない。
■ カツノは「守らなかった」のではなく「守れなかった」のか
カツノの態度は冷たくも見えるが、
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すでに引退している
-
環に権限が完全に移っている
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これ以上口出しすると、余計に夏美の立場を悪くする
と判断した結果の距離感とも取れる。
ただし、その判断が夏美にとって最善だったかどうかは、かなり怪しい。
■ 女将修業は「競争」と宣言されたが、条件は公平ではない
環は「競わせる」と言うが、
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夏美は何も知らされていない
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彩華はすでに覚悟と戦略を持って動いている
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評価基準も、失敗の扱いも不透明
この時点で、勝負は対等ではない。
競争という名の下で、管理側が結果を操作できる構造ができあがっている。
語られなかった動機 ――「女将になりたいのが当然」という前提
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環は、久則(鈴木正幸)、伸一(東幹久)、浩司に対し、彩華が女将修業を始めることを正式に報告する。
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浩司は、自分はプロポーズはしたものの、まだ彩華から正式な返事はもらっていないと説明する。
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さらに浩司は、彩華から女将修業については何も聞いていなかったと打ち明ける。
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それに対し環は、「彩華本人は前からそのつもりだったようだ」と説明する。
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久則は、「老舗料亭の娘として育ってきたのなら、女将になりたくないはずがない」と断言する。
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環はその言葉を受け、「旅館の娘として育ってきても、なりたくない人はいるけどね」と返し、恵美子のことを暗に引き合いに出して伸一に嫌味を言う。
個人的感想
「老舗料亭の娘として育ってきたのなら、女将になりたくないはずはない」
この久則の言葉を聞いて、まず浮かんだのは 「本当にそうか?」 という疑問だった。
これまで描かれてきた加賀美屋の女将・大女将の姿を見ていて、女将という職業が
「どうしてもなりたい憧れの仕事」
に見えたことは正直一度もない。
むしろ、
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常に誰かに睨まれ
-
伝統や格式に縛られ
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人間関係の調整に追われ
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ミスすれば容赦なく断罪される
そんな姿ばかりが強調されてきた。
実際、恵美子は
「女将になりたくない」
と明確に意思表示していた。
それを見る限り、女将という立場は「魅力的だから目指すもの」ではなく、押し付けられがちな役割 に近い印象すらある。
■ 「なりたくないはずがない」という価値観の危うさ
久則の発言は、
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家業の娘
-
老舗の血筋
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育った環境
これらが揃えば、本人の意思とは無関係に
「女将になりたいに決まっている」
と決めつけている。
これは、
選択ではなく義務
希望ではなく役割
として女将を位置づけている考え方だ。
■ 女将は「なりたい職業」ではなく「選ばされる役割」?
ここまでを整理すると、
この作品における女将とは、
-
自分で目指す職業
ではなく -
周囲から期待され、競わされ、選別される立場
として描かれている。
だからこそ、
「女将になりたいはずだ」
という言葉が、本人不在のまま語られてしまうのだろう。
女将修業から解放された恵美子と、伸一のリゾート構想
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伸一は恵美子(雛形あきこ)に対し、彩華が女将修業を始めることになったため、恵美子はもう女将修業をしなくてよくなった と説明する。
-
恵美子は、自分自身が修業を免れた事実は受け止めつつも、「それなら夏美がかわいそうだ」と複雑な心情を口にする。
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その後、伸一は
「自分は柾樹には加賀美屋を継がせたくない」
と明言し、加賀美屋を高級リゾートホテルに転換する構想 を恵美子に語る。
個人的感想
恵美子は、「自分が女将修業をしなくてよくなった」という点については、正直ほっとしているように見える。
それでも、夏美のことを気にかけ、彩華が女将修業を始めることに素直に喜べないあたりに、恵美子の人柄の良さが出ている。
一方で、伸一が語る高級リゾートホテル構想には、正直まったく魅力を感じなかった。
このままの形で加賀美屋を続けても、将来的に厳しいのは確かだとは思う。
ただし、
-
莫大な建築費
-
競争の激しい高級リゾート市場
-
実績もブランドもない新規事業
これらを考えると、
今ある加賀美屋を守る方が、よほどリスクは低い ように感じる。
「今のままでは先がない」
という判断自体は理解できるが、
伸一の描く未来もまた、かなり危うい賭けに見えてしまう。
■ 女将修業を“なくす”ことは、本当に救いなのか
伸一の説明は一見すると、
-
恵美子を苦しませない
-
無理をさせない
-
配慮のある判断
のようにも見える。
だがその実態は、
役割を与えないことで、物語から外す決断
とも言える。
女将修業をしなくていい
=
加賀美屋の将来から切り離される
という意味でもある。
■ 「柾樹には継がせたくない」という本音
伸一がはっきりと語った
「柾樹には加賀美屋を継がせたくない」
という言葉。
これは、
-
柾樹の意思
-
柾樹の適性
を考慮した発言というより、
自分の理想の経営像に、柾樹が合わない
という宣告に近い。
だからこそ、
-
女将修業の整理
-
後継者レースの再編
-
リゾートホテル構想
が、一気に語られる。
■ 恵美子が“興味を示さない”意味
恵美子が伸一の話に乗らないのは、経営に無知だからではない。
-
女将になりたくなかった
-
加賀美屋に縛られたくなかった
-
だからといって、壊してまで新しくしたいわけでもない
その距離感が、この場面ではっきりと表れている。
職場に走る緊張──派閥が可視化された瞬間
・環は従業員たちを前に、彩華がこれからも加賀美屋で働き続けることを報告する。
・その言葉を聞き、佳奈(川村ゆきえ)以外の仲居たちは一斉に喜んだ表情を見せる。
・しかし環は続けて、彩華は「仲居として」ではなく、女将修業をする立場として働いてもらうと説明する。
・その瞬間、清美(中村優子)の表情は曇り、夏美も困惑した表情を浮かべる。
・康子(那須佐代子)、則子(佐藤礼貴)、恵(藤井麻衣子)の三人は、「彩華の女将修業を応援する」と口々に賛同する。
・一方で、佳奈と清美は、「すでに夏美が女将修業をしているのに、どういうことなのか」と戸惑いを隠せない。
・彩華は夏美に近づき、「これからはライバルね」と声をかける。
・夏美はそれに対し、笑顔で「私も負けないように頑張ります」と答え、そのまま自分の仕事に戻っていく。
・夏美の様子を心配する佳奈に対し、夏美は「心配しないで。私、頑張るから」と言い、外の掃除へ向かう。
・その様子を見ていた佳奈と清美の前で、時江が咳払いをする。
時江は、
- 女将修業として、仲居のすべき仕事はすべて身につけさせる
- そのために自分が指導している
- あとは本人の心がけ次第だ
と語る。
個人的感想
環が「彩華がこれからも働き続ける」と発表した瞬間、清美が喜んだのは自然だと思う。
仲居として働いてくれるなら、自分たちの負担は確実に減る。
だがそれが「女将修業」だと分かった途端、喜べなくなった清美の反応は、とてもリアルだった。
自分が楽になることより、「夏美がどうなるか」を瞬時に考えてしまったのだろう。
この場面で、
-
夏美・佳奈・清美
-
彩華・康子・則子・恵
という構図が、はっきりと固定された。
彩華の「これからはライバルね」という言葉は、宣戦布告のつもりだったのだろう。
だが、夏美は相変わらず夏美で、嫌味も挑発もまったく効いていない。
妬みや嫉みを持たないという、これまで何度も言われてきた夏美の特性が、ここでもそのまま出ている。
そして、何と言っても時江の存在が頼もしい。
今日の時江は、感情論ではなく「仲居頭としての矜持」をはっきり示していたように思う。
夏美に対して、女将修業として仲居の仕事はすべて身につけさせる――そう言い切ってくれるのは心強い限りだ。
勤続30年以上のベテラン仲居頭である時江は、仲居が担うべき業務を一通りどころか、細部まで身体で理解している人間だろう。
血統として老舗料亭に生まれた彩華と、現場叩き上げの仲居頭に育てられる夏美。
「生まれ」か「育ち」かという対比が、ここで一気に鮮明になってきた。
これまで視聴者の中には、時江の指導をすぐに「パワハラ」と受け取る声も少なくなかった。
だが、少なくとも描かれてきた範囲では、時江の指導は業務の適正な範囲内にあることも多く、感情的に相手を貶めるようなものではない。
厳しさはあるが、それは仕事を教える立場としての責任から来るものもあった。
ここまで見てきて、さすがに「時江=パワハラ」という単純なラベル貼りは通用しなくなってきたのではないだろうか。
時江は夏美をいじめているのではなく、「女将候補として通用する人間に育てようとしている」。
その姿勢が、ようやく物語の中でもはっきり見えてきた回だったと思う。
■ 喜びと失望が一瞬で入れ替わる清美の反応
清美の表情の変化は、
-
仲居としての現実
-
人としての感情
この二つを同時に持っている人物だということを示している。
「自分が楽になる」よりも、
「夏美が不利になる」ことを嫌がった。
この一瞬の反応だけで、清美がどちら側の人間かは十分に伝わる。
■ 派閥は自然発生ではなく、構造的に作られた
今回の派閥分裂は、感情の衝突ではなく、
-
女将修業という制度
-
人事判断
-
女将の宣告
によって、意図的に生まれたものだ。
誰かが悪意を持って動いたというより、
「そうならざるを得ない配置」が完成した。
■ 彩華の挑発と、夏美の無効化スキル
彩華の
「ライバルね」
という言葉は、
-
優位に立っている側の宣言
-
精神的揺さぶり
として投げられたものだ。
だが夏美は、
-
比べない
-
競争を煽られない
-
感情で反応しない
という、常人とは少しズレたメンタル構造を持っている。
この点では、彩華のほうが空回りしているとも言える。
■ 時江の宣言が意味するもの
時江は、
-
誰が女将になるか
-
血筋がどうか
には踏み込まない。
ただ、
「仲居として必要なことは、全部教える」
とだけ言う。
これは、
-
女将レースには関与しない
-
だが、育成は最後までやり切る
という、時江なりの一線だ。
不安を抱えたまま、夏美は一生懸命になることを選んだ
・彩華が女将修業を始めることになり、夏美は明るく振る舞いながらも、内心では不安を抱えている様子が描かれる。
・庭掃除をしていた夏美は、番頭の中本(高橋元太郎)が腰を痛めてしまい、松の木の手入れができなくなっていることを知る。
・夏美は中本の代わりに手入れを申し出て、「松の木の手入れの方法を教えてください」と自ら頼み込む。
・一方、環は、仲居の仕事はすでに一通りこなせる彩華に、接客の仕事を任せる指示をする。
・庭で松の木の手入れをしている夏美の姿を、彩華は静かに見つめている。
・その様子を見た環は彩華に対し、「侮っていると、足元をすくわれるかもしれませんよ」
と忠告する。
・そしてナレーションで、「余計なことは考えず、一生懸命になることしか、夏美には思いつかなかった」と語られ、この日の放送は終了する。
個人的感想
彩華から「ライバル宣言」を受けたときは、あれだけ平然としていた夏美だったが、やはり心の奥では不安を感じていたのだな、と分かる締めだった。
松の木の手入れについては、正直なところ「専門業者に頼めばいいのでは?」と思ってしまう。
だが、彩華一人分の人件費すら捻出が難しい経営状況なのだから、削れる経費は削るしかない、という現実も見えてくる。
それにしても、番頭に教えてもらったからといって、すぐに客の目に触れる庭木の手入れを任せて大丈夫なのか、という心配は拭えない。
とはいえ、松の木の手入れに集中することで、夏美が「考えすぎず、目の前のことだけに向き合える」状態になるのは、精神的には救いなのかもしれない。
環の
「足元をすくわれる」
という言葉について、正確には「足をすくわれる」のようだ。
ただ、言葉は生き物だし、意味が通じている以上、いつか「足元をすくわれる」も誤用ではなくなる時代が来るのかもしれない。
■ 対照的な配置がより明確になった
この場面では、
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彩華 → 接客・表舞台
-
夏美 → 庭仕事・裏方
という配置がはっきりと描かれた。
だが、この配置は優劣ではなく、「どこで力を発揮する人間なのか」という違いを示しているようにも見える。
まとめ
第73回は、事件が起きた回でも、大きな対立が爆発した回でもない。
しかし、女将修業が「努力」ではなく「競争」として位置づけられたという意味で、物語の空気が決定的に変わった回だった。
彩華は自信と計算を武器に前へ出る。
環は比較と競争によって、加賀美屋にふさわしい女将を選ぼうとする。
一方の夏美は、不安を感じながらも、余計なことを考えず一生懸命になることしか選べない。
血統か、育成か。
覚悟か、姿勢か。
まだ勝負は始まったばかりだが、この回で「女将修業は甘くない」という前提が、視聴者にもはっきりと示された。
ここから先、一生懸命であることが報われるのか、それとも踏み台にされてしまうのか。
第73回は、
女将修業編が“静かな戦い”へ入ったことを告げる回 だった。
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