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2025年12月25日放送の『どんど晴れ』第64回では、浩司が彩華との交際を正式に報告し、環はその才覚と立ち居振る舞いに強い好印象を抱く。一方、仲居不足をきっかけに、彩華は加賀美屋で働くことを申し出る。
その裏で、佳奈・聡・夏美の関係は決定的にこじれ始め、友情と恋心が正面からぶつかる局面を迎える。
彩華という「理想的すぎる存在」の登場
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浩司(蟹江一平)は、交際相手として彩華(白石美帆)を環(宮本信子)と久則(鈴木正幸)に紹介する。
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夏美(比嘉愛未)は、以前イーハトーブで彩華に会ったことを時江(あき竹城)に報告する。
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時江は「加賀美家のことはすべて把握しておく必要がある」として、今後は分かったことをすべて報告するよう夏美に命じる。
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夏美はその指示を受け入れ、「今後はすぐ報告する」と答える。
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彩華は加賀美屋を褒め、九代目女将就任の祝いの品を環に渡す。
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環は彩華の振る舞いにすっかり気を良くし、「いい娘さんだ」と高く評価する。
個人的感想
夏美が「プライベートなことだから報告しなかった」と説明したのは、このドラマでは珍しいほど常識的だった。
それに対して、時江が「加賀美家のことは何でも知っていなければならないから全部報告しなさい」と命じる流れは、さすがに行き過ぎだと思う。
業務と無関係な私生活まで把握しようとするのは、指導というより監視に近い。それを夏美が疑問も持たずに「分かりました」と受け入れてしまうのは、やはり夏美の危うさでもある。
一方で、夏美が笑顔を向けた瞬間、時江が思わず笑ってしまい「いかんいかん」と我に返る場面は印象的だった。時江の中で、夏美に対する感情が確実に変化し始めていることが伝わってくる。
環については相変わらずちょろい。褒められて、贈り物をもらっただけで「いい娘さん」と即断してしまうのは、女将としては少し心許ない。
思えば夏美は、謝罪や訪問の場面でも手土産を持たないことが多かった。彩華とのこの差は、かなり意図的な対比に見える。
■「報告せよ」という命令は、女将修業ではなく統制の一環
時江の指示は、教育ではなく情報統制に近い。
女将修業という名目の下で、夏美を“管理対象”として扱い始めている兆候とも読める。
■時江は敵でありながら、すでに揺らぎ始めている
夏美の笑顔につられて笑ってしまう描写は、時江自身が「排除する側」に完全にはなりきれていないことを示している。厳しさと情の間で、時江自身も揺れている段階に入った可能性がある。
■彩華は「女将に好かれる振る舞い」を熟知している
褒める・祝う・贈る。
彩華の行動はすべて、加賀美屋の価値観にぴったり合致している。一流料亭の娘として、環が何を喜ぶかを完全に理解した振る舞いだ。
■夏美と彩華の対比は「才能 vs 立ち回り」
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夏美:手ぶら、直球、感情優先
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彩華:配慮、贈答、空気読み
この差は、単なる性格差ではなく、「女将に求められる資質とは何か?」という問いそのものでもある。
夫婦関係の逆転──恵美子と伸一の力関係
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恵美子(雛形あきこ)が、子どもたちの遠足の荷物をまとめている。
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その様子を見た伸一(東幹久)は、恵美子が家を出ていく準備をしているのではないかと勘違いし、動揺する。
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恵美子は、これからの結婚生活について自分の考えを伸一に率直に伝える。
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伸一は反論できず、言葉に詰まり、押し切られる形になる。
個人的感想
恵美子と伸一の立場が、ここにきて完全に逆転した。
これまで散々、「女将になれないなら価値がない」
という趣旨のモラハラ発言を繰り返してきた伸一が、恵美子の覚悟を前にして一言も返せなくなる。
恵美子が示したのは、「出ていく覚悟がある」という静かな強さ。ヒステリックに責めるわけでもなく、泣き落としでもなく、ただ淡々と今後をどう考えているかを伝える。
この姿勢が、逆に伸一を追い詰めていた。
今までの伸一は、相手が弱いからこそ強く出られていただけだったのだと、よく分かる場面だった。
正直、ここまで来ると「伸一、今さら何を言っても遅いだろ」という気持ちにもなる。
■ 恵美子が「強くなった」のではなく「戻った」だけ
恵美子は急に強くなったわけではない。もともと、判断力も冷静さもある人物だった。
これまでは、
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家の立場
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子どもの存在
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「若女将になる」という期待
に縛られて、自分を後回しにしていただけ。
それを一つずつ手放した結果、本来の恵美子に戻っただけだと感じることもできる。
■ 伸一の支配が成立していた条件
伸一のモラハラが成立していたのは、
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恵美子が「この家に居続けたい」と思っていた
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伸一が「捨てられる側」だと自覚していなかった
この二つが揃っていたから。
今回、恵美子が「出ていく可能性」を現実の選択肢として示したことで、一気に力関係が崩れた。
■ 若女将問題と結婚問題が切り離された瞬間
これまでこの夫婦は、
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結婚していること
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若女将になること
が不可分だった。
だが恵美子はここで、「結婚生活としてどうするか」という一点に話を絞った。
これは、
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加賀美屋の問題
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女将の問題
から距離を取る宣言でもある。
恵美子がこのまま「自分の人生」を選び続けた場合、伸一は加賀美屋よりも先に、家庭を失う可能性が高い。
彩華は味方か、それとも不穏分子か
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客室に飾られている皿を、彩華が意味深に見つめている。
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そこへ夏美が、アイスコーヒーとフルーツを持って現れる。
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夏美は、客室から見える岩手山について説明する。
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続けて「どんど晴れ」という言葉の意味を説明しようとするが、彩華は盛岡出身のため、すでに意味を知っていると明かす。
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彩華は、夏美が加賀美屋の女将になろうとしていることを気にかけつつ、「応援している」と言葉をかける。
個人的感想
客室の装飾品を、まるで値踏みするかのように眺める彩華の視線が引っかかる。さらに、夏美が部屋を出たあとに見せた一瞬の“悪そうな表情”。この短い描写だけで、「この人はただの善人ではない」という予感を強く残す。
また、
岩手山を褒める
→「どんど晴れ」の説明
という流れは、加賀美屋の仲居にとって完全にテンプレ化された接客ルートなのだろうと感じた。
それを彩華にあっさり遮られることで、
「地元を知らない“外から来た夏美”」
と
「同じ盛岡出身の彩華」
の立ち位置の差が、さりげなく浮き彫りになっている。
■ 彩華は“応援者”の顔をした観察者ではないか
応援すると言いながらも、
・室内装飾を見る目
・表情の一瞬の変化
からは、加賀美屋や夏美を「評価対象」として見ている気配がある。
善意と好奇心の境界が曖昧な人物ほど、後に厄介になる。
■ “同郷”という属性が今後の火種になる可能性
彩華は
・盛岡出身
・料亭の娘
・仕事もできる
という点で、夏美の上位互換として配置されてもおかしくない存在。
この時点では応援者だが、条件が揃いすぎている人物ほど、物語上は「揺さぶる側」になる。
仲居不足と“できすぎた善意”
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休憩室で佳奈(川村ゆきえ)と出くわした夏美は、裕二郎(吹越満)からもらったさくらんぼを一緒に食べようと誘う。
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しかし佳奈は、これまでと同様に素っ気ない態度を取り、距離を詰めようとはしない。
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その後、彩華が風呂上がりに、環に対して風呂の心地よさや女将の心遣いを丁寧に褒める。
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時江が、慌てた様子で環のもとへ駆け寄る。
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清美(中村優子)が実家の事情でしばらく休むことになり、紅葉シーズンの人手不足を環たちが嘆いていると、その話を聞いた彩華が「自分が手伝う」と申し出る。
個人的感想
佳奈は徹底して夏美と距離を取っている。
友情と恋愛の板挟みというより、佳奈はすでに「選択」をしてしまったようにも見える。
そもそも二人が出会ってから、まだ数か月程度だ。初日に「親友」宣言はあったとはいえ、この状況で夏美との友情より自分の恋心を優先しても、人間としては十分リアルな反応だと思う。
一方で、彩華の動きはどうにも引っかかる。
女将や旅館を必要以上に褒める。困りごとが聞こえれば即座に手を挙げる。善意としては完璧すぎるほど完璧だ。
善意が過剰になると、それは「好意」ではなく「目的」を疑われる段階に入る。
■ 佳奈は「悪者」ではなく「現実側の人間」
佳奈の態度は冷たいが、裏切りとは言い切れない。
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出会って日が浅い
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好きな相手が明確にいる
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その相手が夏美に気持ちを向けている
この条件が揃えば、距離を取るという選択はむしろ自衛に近い。
友情を壊したくないからこそ、これ以上踏み込まないという選択にも見える。
■ 彩華の「できすぎた振る舞い」が生む不信感
彩華は、
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褒める
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気配りする
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手を差し伸べる
という点で非の打ちどころがない。
だが、「評価されたい」「受け入れられたい」という欲求が透けて見えるほど行動が整いすぎている。
本当に無欲な善意は、もう少し雑で、もう少し隙がある。
■ 夏美の孤立が二重構造になりつつある
この段階で夏美は、
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職場では監視と試練
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私生活では友情の亀裂
という二重の孤立に入っている。
しかも、その外側に「完璧に見える新しい存在(彩華)」が現れた。
これは物語的に見ても、明確な対比装置だ。
崩れ始めた三角関係と、避けられない衝突
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佳奈がイーハトーブに帰宅。聡(渡邉邦門)が「夏美ちゃんは?」と声をかける。
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佳奈は、聡が夏美のことばかり気にする理由を問い詰める。
→ 聡は答えられない。 -
1階ではアキ(鈴木蘭々)とビリー(ダニエル・カール)がその様子を盗み聞きしている。
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そこへ夏美が帰ってきて、会話を聞かれていたことが聡にバレる。
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佳奈は部屋に閉じこもる。裕二郎とビリーは「三角関係はこじれると難しい」と語る。
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夏美は、盛岡で初めてできた大切な友達・佳奈が冷たくなった理由を理解し、閉じこもる佳奈に声をかける。
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その場面で放送終了。
個人的感想
岩手って紅葉シーズンにノースリーブで歩ける気温なの?このドラマ、時間経過と季節感がときどきバグるから、そこは相変わらず混乱する。
それはさておき、盗み聞きという「どんど晴れおなじみの装置」によって、
・聡の感情が夏美に向いていそうなこと
・それが原因で佳奈が夏美に距離を取っていたこと
この二点を、鈍感代表だった夏美ですら理解してしまったのは大きい。
「下宿内恋愛禁止!」みたいなルールを作っておけば…と思わなくもないが、人を好きになる感情はルールでは止められない。
それでも、トラブルが起きて居づらくなるよりは、何らかの抑止力はあったほうがいいのかもしれない。
佳奈・聡・夏美の三角関係が、どんな形で決着するのか。
そして、佳奈と夏美の友情が元に戻るのかどうか。
ここは今後、かなり重要な見どころになりそうだ。
■ 夏美が「気づいてしまった」ことの意味
今回が決定的だったのは、夏美が「佳奈が冷たくなった理由」を 感情として理解してしまった 点。
これまでは
・仕事
・修業
・立場
に意識が向いていたが、ここで初めて
「自分の存在が、誰かを傷つけているかもしれない」
という局面に立たされている。
これは女将修業とは別軸の、対人関係の試練。
■ 聡の「答えられなさ」は最悪手
佳奈に問い詰められたとき、聡は何も答えられなかった。
否定もしない
肯定もしない
説明もしない
この「沈黙」は、三角関係において一番ダメな選択肢かもしれない。
結果として
・佳奈を追い詰め
・夏美にも知られ
・状況を一気に悪化させた
聡は優しいが、優しさの使い方を完全に間違えた可能性が高い。
■ 佳奈が「閉じこもる」選択をした理由
佳奈は怒鳴らない。責め続けない。ただ、部屋に閉じこもる。
これは逃避ではなく、これ以上傷つかないための防御反応に近い。
友情も恋心も両方失う可能性が見えたとき、人は「距離を取る」しかできなくなる。
佳奈の行動は、感情的というより、むしろ現実的ですらある。
■ 夏美が声をかけたことは「正解」か?
ラストで夏美は佳奈に声をかける。
これは
・踏み込みすぎる危険
・無視する冷たさ
そのどちらでもない、ギリギリの選択。
ただし、ここから先は「善意」だけではどうにもならない段階に入る。
友情を守るには、夏美自身も何かを諦める必要が出てくるかもしれない。
まとめ
第64回は、新たな登場人物・彩華によって、「有能で感じがいい人ほど、視聴者を不安にさせる」
という構図がはっきりと描かれた回だった。
彩華は表向き、誰に対しても誠実で、協力的で、非の打ちどころがない。だがその完璧さこそが、環を舞い上がらせ、夏美との対比を強め、視聴者に微妙な緊張感を生んでいる。
一方で、佳奈・聡・夏美の関係は、ついに“見て見ぬふり”ができない段階へ入った。鈍感だった夏美が、佳奈の冷たさの理由に気づいてしまったことで、三角関係は避けて通れない局面に差し掛かっている。
第64回は、「善意」「才能」「好意」が重なったときに起きる人間関係の歪みを静かに、しかし確実に描いた回だったと言えるだろう。
次回、友情は修復されるのか、それとも決定的に壊れてしまうのか。
物語は、いよいよ感情の正面衝突へ向かっていく。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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