本記事にはアフィリエイト広告を利用しています。
2025年12月1日(月)放送の『どんど晴れ』第43回。
前回、夏美は従業員総出の糾弾と、時江の退場を引き金に耐えきれず盛岡を離脱。
そして今日はついに、夏美が“帰る場所も見つからないまま”横浜へ戻る回となった。
その裏で、柾樹の元カノ・香織の登場が夏美との関係にも新たな波を起こす――。
◆盛岡を出た夏美、横浜で完全に心が折れる
加賀美屋を去った夏美(比嘉愛未)は横浜に戻るも、実家にも帰れず橋の上で海を見つめながら途方に暮れる。
その頃、加賀美屋では佳奈(川村ゆきえ)が夏美の不在を報告し、他の仲居たちは「当然」と突き放す中、佳奈だけが夏美をかばう。
(個人的感想)
夏美の精神状態は限界寸前。橋の上のシーンは本気で危険な香りが漂っていた…。
佳奈は本当に夏美の“唯一の味方”。この友情は大切にしてほしい。
◆伸一・久則は“後継者問題”しか頭にない
夏美がいなくなったと知ると、久則(鈴木正幸)と伸一(東幹久)は「柾樹が戻らなかったら、自分に後継ぎの目が出る」と妙な方向で盛り上がる。
お客様の訴訟の心配よりも家督争いが優先というブレなさを発揮。
(個人的感想)
この親子、本当に大丈夫か? 旅館が危機でも“自分ファースト”なのはもはや清々しいレベル。
◆環とカツノの会話:処分なしの“つけ”が回り回って夏美を追い詰める
夏美が消えた理由を「処分ゼロのまま放置した結果だ」と環(宮本信子)は分析。
カツノ(草笛光子)は「もう少し我慢してくれれば」と悔やむが、最も夏美を追い詰めたのは環の“あの言葉”だったと環自身は自覚している。
(個人的感想)
結局、大女将が夏美に何も処分しなかったのが全ての火種。行為に応じた処分を下していれば、従業員からの夏美への非難もここまで大きくはならなっただろう。
“裁かれない者への反感”は組織で最も危険な感情だよ…。
処分ゼロの夏美が組織に起こした“負のドミノ”
本来、重大インシデントが起きた際に必要なのは
公正で納得感のある処分。
だが今回、大女将は夏美に対し何も罰を与えなかったため、組織内に“公平感の崩壊”が起きた。
-
「ミスをしたのは夏美」
-
「罰を受けたのは上層部」
-
「なぜ加害者が無傷なのか?」
従業員の怒りは当然であり、夏美は完全に標的化された。
この“責任の所在を曖昧にした意思決定”こそが最大の失策であり、
夏美を孤立へ、時江を退職へ、旅館全体を混乱へ
と連鎖的に悪化させた。
◆横浜では香織(元カノ)登場で波乱の予感
柾樹の職場では香織(相沢紗世)の歓迎会。
山室部長(中原丈雄)も同僚も柾樹(内田朝陽)を絶賛し、香織は明日からブライダル部門の柾樹の企画を手伝うことに。
夏美の存在を知っても意外なほど余裕で、「まだ結婚してないのよね? じゃ、私にもチャンスがあるってことか」と肉食発言。
(個人的感想)
香織、強い!!“元カノ”“同僚”“美人”“やり手”の四拍子揃ったラスボス感。
柾樹の周り、急に恋愛ゲームみたいになってきた。
柾樹ばっかり美女にモテて本当にけしからんな。
香織はただの“元カノ”ではない
今回の話で重要なのは、香織の存在が
夏美の“失った自己肯定感”の対比として描かれている点。
-
香織 → 自信家・仕事ができる・明るい
-
夏美 → 自責と孤立で自分を見失っている
香織の登場は恋愛の火種ではあるが、
それ以上に
夏美がどれほど追い詰められているかを際立たせる装置
として機能している。
◆夏美失踪で横浜と盛岡が大騒ぎ
裕二郎(吹越満)から柾樹へ、カツノから啓吾(大杉漣)へ、立て続けに「夏美がいない」と連絡が入る。
家族も大混乱。柾樹は横浜中を走り回って捜索へ。
◆ついに再会、そして…観覧車バックハグ
ベンチで落ち込んでいる夏美を発見した柾樹。
「来ないで!…もう一緒になれない」と言い残して歩き去ろうとする夏美。
追いかけた柾樹が、美しくライトアップされた観覧車の前で後ろからぎゅっと抱きしめる。
(個人的感想)
夏美が誰にも一言も告げずに姿を消したことで、関係者全員が右往左往していて気の毒ではあるけれど、それ以上に「ここまで追い詰めた環境」の方が問題だと思わざるを得ない。憔悴しきった顔で「来ないで!…もう一緒になれない」と柾樹を拒んだ姿を見ると、もしカツノが最初に夏美へ“相応の処分”を下していたら、従業員の反発も和らぎ、女将修業も続けられたのでは…と悔しさが残る。
「職場」「家族」「恋人」すべての支えが同時に崩れた。
夏美が精神的に崩壊した理由は、単なる職場での失敗ではない。
同じタイミングで
-
職場 → 集団からの糾弾
-
時江 → 退場
-
大女将 → 迷走
-
柾樹 → 夏美からのSOSに気づかず元カノと飲み会
-
実家 → 心配させたくなくて帰れない
という“全方位喪失”が起きている。
特に柾樹が着信に気づかず、結果的に夏美の絶望を深めたのは大きい。夏美が「もう一緒になれない」と言ったのは、恋の問題ではなく「自分は誰の役にも立てない」という自己否定の極みからだ。
柾樹が驚異的な速さで夏美を見つけたのは、ご都合展開というより“赤い糸”が本当に存在するのだろう。ライトアップされた観覧車の前でのバックハグは、まさにトレンディドラマの王道で清々しいほど。正直、このまま二人で横浜に腰を据えて静かに幸せになった方がいいのでは? 少なくとも、今の加賀美屋に戻るよりずっと健全に見えてしまう。
まとめ
第43回は、夏美という人間が完全に限界を迎え、人生のどん底に落ちた瞬間を丁寧に描いた回だった。
-
夏美の退場は責任の所在を曖昧にした加賀美屋の失策
-
香織の登場は夏美の崩壊を照らす鏡
-
夏美の自己否定は“恋愛問題ではなく自己価値の喪失”
-
バックハグは運命的だが、ここからが本当の試練
夏美が盛岡に戻るのか、女将修業を続けるのか――その判断は大きく物語を左右するはずだ。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
広告
懐かしい朝ドラをもう一度見たい方はこちら → NHKオンデマンドでは見られないけどTSUTAYA DISCASで楽しめる朝ドラ5選

