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2025年11月29日(土)放送の『どんど晴れ』第42回では、
夏美の謝罪が愛子に受け入れられず、事態はさらに深刻化。
旅館全体が責任の所在をめぐって揺れ、ついには大女将・カツノまでが
“隠居”を宣言するという異例の展開に。
増幅する従業員たちの反発の中、夏美はついに盛岡を去る決断を下してしまう――。
◆ 盛岡駅での土下座謝罪と愛子の拒絶
夏美(比嘉愛未)は盛岡駅で愛子(とよた真帆)と翼(川口翔平)をつかまえ、改めて謝罪。
しかし当然ながら愛子の怒りは収まらず、夏美は人目のある駅構内で土下座までして必死に誠意を示す。
けれど愛子はその行為を「誠意の押し売り」と突き返し、「もう顔も見たくない」と夏美を拒絶。
そのまま翼を連れて立ち去ってしまうが、翼だけは何か言いたげに夏美を振り返る――。
(個人的感想)
夏美は善意の塊のように行動してきたが、
今回の盛岡駅での土下座は完全に「逆効果」だった。
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公衆の面前での土下座 → 愛子にとっては迷惑でしかない
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経済評論家としての立場を考えれば、周囲の目線こそ避けたい状況
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夏美は“誠意の押しつけ”という最悪の形を生んでしまった
そして、仲居の制服のまま土下座するというのは、
結果的に加賀美屋の評判をさらに下げるリスクがあった。
夏美の行動原理は「その瞬間の気持ちがすべて」になりがちで、
状況を俯瞰して判断できないことが今回の悲劇を加速させてしまっている。
◆ 時江、最後の“指導”と別れの言葉
夏美が加賀美屋に戻ると、佳奈(川村ゆきえ)と清美(中村優子)以外の仲居たちから一斉に責め立てられる。
そんな険悪な空気の中、時江(あき竹城)が姿を現し、仲居たちに「今までありがとう」と静かに別れを告げ、夏美を外へ連れ出す。
申し訳なさに押しつぶされそうな夏美に、時江はまず「加賀美屋の決まりは十分わかっている」と気遣いを示す。
そして、伸一(東幹久)家族が自分にとって“家族のような存在”だったこと、幼い頃から彼を見守ってきたことを語り、
「だから柾樹(内田朝陽)が跡を継ぐ話が出たとき、どうしても伸一を守りたかった」と胸の内を明かす。
さらに、これまで夏美に厳しく接してきたことについても
「いじめではなく、指導だった」
と告げ、深々と加賀美屋に一礼して去っていく。
残された夏美には、時江の言葉と自分の行動が招いた結果に対する 深い後悔 だけが残った。
(個人的感想)
佳奈と清美だけが夏美の味方で、他の仲居たちが一斉に敵に回る構図は、これまでの“夏美の独断暴走”が職場にどれほど負荷をかけてきたかを如実に示していた。
そして、時江が語る伸一の“優しい少年時代”は、今の伸一からは想像できないほど純粋で、
この二人が積み重ねてきた深い絆がよく伝わる名シーンだった。
一方で視聴者の中には、
「いや、どう見ても夏美への対応は“指導”の域を超えていたよね?」
とツッコミを入れたくなる人もいたはず。最後の最後に自己弁護に聞こえる…という受け止め方も十分にありえる場面だったと思う。
◆ 大女将&女将の“処分”発表と、夏美への集中砲火
女将・環(宮本信子)は、今回の件に対する自らの処分内容を板場に集められた従業員たちの前で発表する。
その内容は――
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大女将・カツノ(草笛光子):隠居
-
女将・環:仲居頭への降格
突然の大改革に板場は騒然となるが、環が「みなさんには今まで通り働いてもらいます」と場を収め、従業員の動揺を落ち着かせる。
すると番頭・中本(高橋元太郎)が核心を突く質問をする。
「一番責任のある夏美さんを、どうするつもりなのか?」
環の答えは、
「夏美さんには、他の仲居と同じように働いてもらいます。仲居“見習い”の夏美さんには、責任の取りようがない」
という衝撃のものだった。
夏美は「自分にも責任を取らせてください」と訴えるが、環は「これは大女将の決定」として動かず、さらに「大女将は夏美に女将修業を続けてほしいと思っている」と伝える。
しかし環自身は、
「私だったら、ここにはいられない」
と“暗に退職勧奨”とも受け取れる言葉を夏美に突きつける。
板場へ戻った夏美は、従業員たち――特に伸一から激しい叱責を浴び、久則(鈴木正幸)の忠告、仲居たちの非難が次々と降り注ぐ。味方になってくれたのは佳奈と清美だけ。涙をこらえきれなくなった夏美は、その場から逃げ出してしまう。
(個人的感想)
大女将と女将が自分たちに処分を下すのはまだ理解できる。
だが、「仲居見習いだから責任の取りようがない」という理屈は理解不能。
今回の件は紛れもなく夏美の独断による重大事故であり、大女将が“夏美に処分なし”という姿勢を貫いたことで、従業員たちの不満が爆発したのは当然だと思う。
むしろ、この判断こそが職場秩序を崩壊させた最大の原因と言っていいレベル。
環も
「私ならここにはいられない」
と言っているが、大女将も環も夏美に対してはっきり「辞めろ」とも言わず、
“察して動け”という極めて曖昧なコミュニケーション
に頼っているのが問題をこじらせている。
さらに、同僚全員が見ている前で伸一が夏美に怒鳴り散らした行為は、現代基準で見れば完全に パワハラ。そこに他の仲居からの集中攻撃が重なれば、あの鋼メンタル・夏美でも心が折れるのは当然だろう。
この場を仕切れる管理職がいないことで、建設的な話し合いの場は、ただの集団私刑になってしまった。
◆ 夏美、ついに“失踪”――置手紙だけを残して盛岡を去る
旅館のどこを探しても夏美の姿が見つからず、佳奈はイーハトーブの裕二郎(吹越満)へ電話。
裕二郎が急いで夏美の部屋を確認しに行くと、そこには本人の姿はなく、
テーブルの上に置かれていたのは――
「お世話になりました 夏美」
ただそれだけの、短い置手紙。
一方そのころ、夏美は岩手山を見つめながら涙を落としていた。そしてそのまま、誰にも告げずに盛岡を後にする。こうして、夏美は女将修業から逃げ出し、今週の放送は幕を閉じた。
(個人的感想)
夏美はどんな窮地に立たされても“報連相ゼロ” を貫き続けてきたけれど、今回はその極致だったと言える。
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旅館にも退職の正式な申し出はない
→ 翌日からは形式上“無断欠勤”扱い -
下宿先にも挨拶なし
→ 心配する仲間の気持ちを完全に置き去り -
両親にも連絡なし
→ 特に母・房子なら絶対に味方になってくれるはずなのに…
夏美の“消える”という選択は、彼女の周囲に深い心配と混乱だけを残す行動 であり、これがもし現実なら最悪のケースを考えて大騒ぎになるレベル。
辛い時、弱い時に「助けて」と言えることも大切だと思う。鋼のメンタルの夏美でも、抱え込みすぎればいつか折れてしまう。なぜここまで誰にも頼らないのか、彼女の内面の危うさが改めて浮き彫りになった締めくくりだった。
◆ 第42回 全体を見てどうしても気になった点(まとめ版)
第42回を見終えて、どうしても「加賀美屋という組織の在り方」が気になって仕方がなかった。物語としてはドラマチックだが、職場・労務の観点で見ると気になるところが多すぎる。その核心を整理してみる。
1. 就業規則に基づかない“恣意的な処分”が混乱を招いている
加賀美屋の規模から見ても、従業員は10名以上いる可能性が高く、本来なら 就業規則の作成義務がある事業場 のはずだ。
つまり、
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服務規律
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懲戒処分の種類と基準
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手続き
などが明文化されている可能性が高い。
にもかかわらず、大女将が独断で
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時江を辞めさせる
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夏美は処分なし
-
女将を降格、大女将は隠居
と“しきたり”に従って恣意的に判断してしまったため、従業員たちは激しい不公平感に包まれた。
本来なら、
夏美の行為を就業規則の懲戒基準に照らし合わせて処分する
これだけで混乱の8割は防げたんじゃないかと思う。
2. 「仲居見習いだから責任は問えない」という論理の不自然さ
夏美は
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雇用契約があるのか
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労働者として扱われているのか
が劇中では不透明だ。
そのため、
「もしかして嫁候補として“労働者扱いされていない”のでは?」
と邪推してしまうほど扱いが特別だ。
簡易的な憶測ではあるが、
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そもそも就業規則が存在しない
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夏美は既に家族扱い、仕事を教えてほしいと懇願してきた雇用契約なしのボランティアのようなもので就業規則の対象外
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よって処分しないのも“大女将の胸先三寸”
こんな可能性まで考えてしまう。
3. 経営体制が完全に“大女将のワンマン”で機能不全を起こしている
今回もっとも驚かされたのは、
女将である環・支配人とされている久則・その息子の伸一といった経営側が 誰も権限を持っていなかった こと。
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大女将の決定 → 女将が伝達
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従業員だけじゃなく、久則や伸一も初めて聞かされ、ただ従うだけ
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重大事故が起きても協議・合議での決定ではなく大女将の一存。
典型的なワンマン経営の構造であり、組織として危機管理が完全に機能していない。
180年の伝統を守りたい気持ちは分かるが、「しきたり優先」で現実的な対応が一切できなくなるのは危うい気がする。
4. 時江の退職は“理不尽”の極みであり、ブラック体質が露呈
時江は第38回で
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翼を連れて行くなと明確に指示
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行動前の相談を徹底するよう指導
という適切な指導をしていた。
にもかかわらず、
夏美の独断で事故が起こり、
その責任を“上司として”取る形で退場。
そして時江は
「加賀美屋の決まりは分かっている」
と受け入れた。
この言葉が意味するのは重い。
時江が働いていた30年の間に、同じように理不尽に辞めさせられた人が複数いた可能性が高い。
労働法上、解雇には
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客観的合理性
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社会通念上の相当性
が必要なことは昨日も触れたが、これらを満たしていないのに解雇された人が複数いたのだとしたら…。加賀美屋は潜在的リスクを抱えているとも言える。
5. もし時江が不当解雇で訴えたら、加賀美屋は崩壊しかねない
愛子親子との訴訟リスクだけでも大問題なのに、時江がもし手のひらを返して不当解雇で争えば、加賀美屋は 二つの訴訟対応 を抱えることになる。
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金銭的負担(和解金・慰謝料など)
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訴訟対応による業務の停滞
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世間的な信用の失墜
ここまで考えると、「時江の退場」は最悪の判断だったと言える。
6. 180年の伝統は尊いが、“アップデートできない伝統”はもはや毒になる
大女将は
「伝統」「格式」「しきたり」を大切にしているが、その頑なさが結果として旅館を弱体化させている。
180年前には存在しなかったのだからといって
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労働法
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年々高まる労働者の権利意識
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厳しくなり続けるコンプライアンス
を無視することはできない。
伝統そのものは尊重すべきだが、伝統を守るために組織を壊してしまっては本末転倒 だ。
時代に合わせたアップデートも必要ではないかとも感じる。
◆まとめ
今回の第42回は
「夏美の失敗」と共に
加賀美屋という組織の問題構造 が浮き彫りになった回だった。
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不公平な処分
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大女将のワンマン体制
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しきたり優先で労働法無視
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職場のコンプライアンス欠如
これらが積み重なり、
時江が去り、夏美も去り、旅館として崩壊寸前になっている。
ドラマとしては見ていられるが、現実なら訴訟沙汰&経営危機に陥っていてもおかしくないと感じさせられる回だった。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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