朝ドラ再放送『どんど晴れ』第35回感想(ネタバレ) ―「親の想い、娘の覚悟、大女将の賭け」揺れる三者三様の本音 ―

どんど晴れ

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2025年11月21日(金)放送の『どんど晴れ』第35回。

夏美(比嘉愛未)を連れ帰ろうとする両親、修業を続けたい夏美、

そして夏美に未来を託す大女将・カツノ(草笛光子)。

“三者の本音”が真正面からぶつかる、大きな転換点となった回だった。


■ 夏美を連れ帰りたい両親 vs. 修業を続けたい夏美

庭仕事で膝を痛めて帰る夏美を見た啓吾(大杉漣)と房子(森昌子)は、

「一緒に横浜に帰ってもいいんだぞ」と心配を露わにする。

しかし夏美は驚いた表情で、「大丈夫だから」と一蹴。

智也(神木隆之介)は、「姉ちゃんは平気だよ」と楽観視するが、房子の不安は収まらない。

さらに伸一(東幹久)と時江(あき竹城)が、「庭仕事は大女将の指示だ」と追い打ちをかけ、両親の不安を最大化させていく。

(個人的感想)

姉弟と親では“心配の質”が全く違うのがリアル。伸一と時江は今日も絶好調に性格悪い。ここまで悪だくみが毎回成功していると、もはや才能の領域。逆に、啓吾と房子の純粋さは“詐欺耐性ゼロ”に見えて心配になるレベル…。


■ カツノの部屋で、家族と夏美が正面衝突

大女将に呼ばれ部屋へ入ると、朝倉家が揃っていた。夏美は、両親が「連れて帰りたい」と大女将に申し出たと知り激怒。

庭仕事は仲居の仕事じゃない、弱音を吐いて諦めるのを待っているだけじゃないか——という房子の心配が、夏美の逆鱗に触れる。

「大女将や女将に失礼!」「こんなこと言うために来たなら来なくてよかった!」と怒りが爆発。

大女将は夏美を制し、啓吾と二人きりで話をすることに。

(個人的感想)

「誰も間違っていない」からこそ起こる最大の衝突。全員の気持ちが分かるからこそ、胸が苦しいシーン。夏美の怒り、両親の心配、大女将の信念──物語的に面白いのは、今回の対立には悪者が一人もいないという点。どれも間違ってないのがつらい。
特に房子の「弱音を吐いて諦めるのを待ってるだけじゃないの?」という推測は、母親としては自然すぎるほど自然。だから夏美の怒りも、房子の不安も、どちらも正しい。
でも根本原因はやっぱり「庭仕事の意味が説明されてない」こと。そりゃ誤解が生まれるよね……。


■ カツノと啓吾、腹を割った“覚悟”の対話

啓吾は本音を語る。修業の厳しさは理解しているが、夏美を快く思わない者がいる環境で頑張れるのか。柾樹(内田朝陽)が不在のなか、頼れるのは大女将だけ。

そして本当は旅館の娘を嫁に望んでいたのではないか——そのすべてが不安だったと打ち明ける。

カツノは静かに語る。

・女将は普通の娘が簡単になれるものではない

・でも夏美には“人を引きつける不思議な力”がある

・それは座敷童と見間違うほど

・おもてなしの本質を持っている

・だからこそ若女将として新しい光になってほしい

・残りの人生を夏美に賭けたい

啓吾は深く頭を下げ、「夏美をお願いします」と修業継続を願い出る。

そのやり取りを知らない夏美は、まだ怒りが収まらないまま庭仕事を続けていた。そこに環(宮本信子)が現れ、「あなたには女将修業をする資格がないようね」という不穏な言葉を落とし、今日の放送は終了。

(個人的感想)

今日のハイライトは完全に 啓吾 × カツノの二人芝居。大杉漣と草笛光子という超・実力派同士の応酬は、このドラマで最高レベルの“緊張と説得力”があった。

大女将は“座敷童”を信じているのではなく、“可能性”を信じている。
大女将の「夏美を座敷童と見間違えた」という告白。

これだけ聞くと「スピリチュアルで決めたの!?」と思えるが、実際は違う。
座敷童=人と場を明るくする人間的魅力の比喩

大女将は、

・人に好かれる

・空気を変える

・誰かの背中を押す

・周囲を自然に巻き込む

これらを“女将の資質”と見抜いている。

つまり夏美はスキルではなく、人間性で選ばれたということ。
これは物語の核心に関わる重要ポイントとなるのだろう。

啓吾の“心配の正体”は、修業ではなく「人間関係」
啓吾はパティシエ修業を経験しているから、修業が厳しいこと自体は問題にしていない。

彼が恐れていたのは、

◎ 夏美を良く思わない人物がいる

◎ その中で娘が孤立している

◎ 柾樹は横浜

◎ 頼れるのが大女将だけ

という、弱者としての夏美の立ち位置
親なら誰だって心配する。

だからこそ、大女将の“覚悟ある言葉”は啓吾の不安を払拭した。

ただ気になるのは房子。彼女は啓吾以上に心配性で、しかも「自分だけ仲間外れ」が大嫌いな性格。啓吾とカツノだけが話して解決してしまった今回、房子は素直に飲み込めるのか……?

ラストの環の一言も不穏。明日の展開が読めないほど“危険な香り”が充満している。

「あなたには女将修業をする資格がないようね」

これは明らかに叱責ではなく、夏美に気づかせるための“試し”か“課題”。のように感じる。
環はずっと“揺れる存在”として描かれてきたが、この台詞は夏美を突き放すのではなく、“次のステップに進ませるための一打”に見える。

まとめ

第35回は、

◎ 親:愛情ゆえに止めたい

◎ 子:夢のために進みたい

◎ 大女将:未来のために託したい

この三者の“本気”が初めて正面衝突した回だった。

第36回では、庭仕事の意味、女将修業の本質、夏美の覚悟——これらがいよいよ明かされるはず。

『どんど晴れ』感想まとめはこちら

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