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2025年11月14日(金)放送の『どんど晴れ』第29回。
韓国スター・ジュンソ(リュ・シウォン)の恋人探しは難航し、夏美(比嘉愛未)も行き詰まり気味。そんな中、大女将・カツノ(草笛光子)が“星合い”を通して語った言葉が、夏美の背中をもう一度押す回だった。
涼子探しは難航、市役所でも突破口見えず
ジュンソが探している恋人・木下涼子の手がかりは「名前」と「盛岡出身」という情報のみ。
夏美は時江(あき竹城)に頼まれた買い物のついでに、市役所を再訪して住所を尋ねるが、個人情報のため回答は得られない。そこへたまたま一緒になった平治(長門裕之)も加勢してくれるものの、職員の態度は変わらず、結局なにも進展はなし。
(個人的感想)
ここは市役所職員(田中要次)が一番まともだったシーン。平治まで乗っかってきた瞬間、「え、ここで教えちゃう展開くるの?」と一瞬ヒヤッとしたけど、ちゃんとした対応で安心した。むしろ、情報が何もない状態で盛岡全域から1人探そうとしてる夏美のほうが、すごい行動力ではある。
イーハトーブの仲間の総力戦と、横浜での“会いに行けばいいじゃん”
イーハトーブでは、裕二郎(吹越満)、アキ(鈴木蘭々)、聡(渡邉邦門)たちが、それぞれツテを使って涼子探しを続行。しかし、これといった成果は出ない。
一方、横浜では柾樹(内田朝陽)と智也(神木隆之介)がサッカーのあと、星を見ながら夏美との馴れ初めトーク。
柾樹は「離れてると、話したくても会えないのがつらい」とこぼすが、智也は一言。
「じゃあ、会いに行けばいいじゃん。別にあの星にいるわけじゃないんだし」
(個人的感想)
智也、やっぱりこのドラマの“真理担当”だよね。大人になると「仕事が」「タイミングが」と“できない理由”ばかり並べがちだけど、子どものシンプルな正論に刺される。盛岡と横浜、物理的には全然会える距離なんだよな……と視聴者まで現実に引き戻されるセリフだった。
ジュンソは「忙しさ」を言い訳に2年間行動しなかった。柾樹も「仕事の責任」を理由に、盛岡へ戻るのを先送りにしている。
もちろん仕事は大事だけど、「会いに行こうと思えば行ける距離なのに、それをしないのは誰の選択なのか?」という問いを、視聴者にも返してくる一言だった。
大人の事情を捨ててまで動けとは言わないけど、「できない理由」ばかり並べて、本当に大事なものを後回しにしていないか?それを考えさせられるセリフだった。
ジュンソの諦めモードと、星合いに込められた大女将のメッセージ
加賀美屋では、大女将・カツノが板場に現れ、篠田(草見潤平)の料理を褒めて場を和ませる一方、ジュンソの部屋の夕食には食べ残しが目立つ。環(宮本信子)は「心配だから」と言い訳しながら様子を見に行こうとするが、久則(鈴木正幸)に遮られ、結局カツノが行くことに。その前に、夏美が先にジュンソの部屋へ。
二人で「手がかりゼロ」だったと報告し合い、ジュンソは
「もう会えないのも運命だと思う」と、半ば諦めたような表情を見せる。
そんな夏美を、カツノは母屋の縁側に呼び出す。水面に映る星同士が出会う「星合い」を見せながら、人と人の出会いもまた奇跡であり、諦めずに「ここに来てよかった」と思ってもらえるおもてなしをすることが大切だと語る。
(個人的感想)
「星合い」、演出としてめちゃくちゃロマンチックだった。水面のさざ波に揺れる星を眺めながら、“巡り合い”の話をする大女将は、もう完全に人生の語り部である。単なる恋愛相談じゃなくて、「旅館のおもてなし」と「人生の向き合い方」を同じ土俵で語っているのが上手い。だがしかし、旅館の仲居がこの問題にどこまで首を突っ込んでいいのかは依然として疑問が残るが、旅館の代表者である、大女将・カツノが背中を押すような発言をしていることから、これが加賀美屋のおもてなしだということで、ジュンソのプライベートに介入することにゴーサインが出たということなのだろう。
「星合い」について個人的に解釈すると、大女将・カツノが見せた「星合い」は、単なる風流な遊びじゃなくて、ドラマ的にはかなり大きな意味を持っている。
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無数の星が水面で偶然交わる → 人と人の出会いの比喩
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水面が揺れることで、一瞬の重なりが生まれる → タイミングの儚さ
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それでも「出会いの瞬間」を味わうために、暗闇の中じっと待つ → 諦めずに“待つ”姿勢
カツノが夏美に伝えたのは、
「結果が出なくても、お客様が『ここに来てよかった』と思ってくれるように、できる限りのことをやりなさい」
という、職業としての“おもてなし”の哲学。
同時に、
「簡単に諦めたら、その出会いは最初からなかったことになる」
という人生観でもあるんじゃないかと思う。肯定的に捉えるとすると、夏美が「まだ仕事が残っていました」と言って走り出したのは、“恋愛相談に首を突っ込むお節介”ではなく、“加賀美屋の仲居として、お客様の心に最後まで伴走する”という決意表明でもある。
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夏美、自分の想いを重ねてジュンソの背中を押す
星合いの言葉を受けて、夏美は「まだやるべき仕事が残っている」と走り出し、荷造りを始めたジュンソの部屋へ。「失礼します」と声をかけるものの、返事を待たずに襖を開けて中へ入ってしまう。ジュンソは「涼子が盛岡に戻った時点で、自分を信じるのをやめたのだと気づくべきだった」と諦め論を語るが、夏美はそれを真っ向から否定。涼子本人の口から本当の気持ちを聞かずに、勝手に“終わり”を決めつけるなと訴える。
そして、
「もし私が彼女だったら、迎えに来るって言葉を信じて、どんなに離れていても待ってます」
と、自分と柾樹の状況をそのまま投影したような言葉で励ます。
そのタイミングで夏美の携帯に裕二郎から着信。「この電話が、ジュンソが恋人と出会う最後のチャンスを運んできた」とナレーションが入り、次回へ続く。
(個人的感想)
ジュンソの物語は、そのまま夏美と柾樹の“未来のIF”になっている。ジュンソと涼子の2年越しのすれ違いは、まさに今の夏美と柾樹の関係の「未来の失敗例」として描かれているように見える。
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韓国でブレイクして多忙になったジュンソ
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盛岡に戻り、連絡が途絶えた涼子
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迎えに行くと約束したのに、2年も放置してしまった負い目
これは、「横浜で仕事を任されてなかなか盛岡に戻れない柾樹」と、「盛岡でただ待つことしかできない夏美」の構図と完全に重なっている。だからこそ、夏美はジュンソの「もう会えないのも運命だと思う」という諦め方に、ものすごく敏感に反応している。
「ここで諦めるってことは、自分たちもこうやって終わっていく未来を選ぶことになるんじゃないか」という恐怖も、どこかにあるのかもしれない。
そして、今回、一番ツッコミたくなるのはここ。
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返事を待たずに襖を開ける
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客室で着信が鳴って、そのまま電話に出る
リアル旅館なら完全にNG行動だろう。でもドラマ的には、ここが夏美の「プロとして未熟なところ」と「人としての真っ直ぐさ」が同時に出ているポイントにもなっている。
夏美は“お客様”と“友達”の境界線がすごく薄い。だからこそ、普通の仲居なら踏み込めないところまで踏み込んでいけるし、それが結果的に「その人の人生のターニングポイント」に関わることになるのだろう。
良く言えば「人として寄り添うおもてなし」。悪く言えば「職業倫理ガン無視のお節介」。このギリギリのラインを、ドラマはあえて肯定的に描いているように感じる。
夏美の“境界線の薄さ”は欠点でもあり、最大の武器でもある。
まとめ
第29回は
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諦めるための理由はいくらでも用意できる
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でも、「諦めない」ほうを選んだときにだけ見える景色がある
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その背中をそっと押すのが、加賀美屋の“おもてなし”
という回だったように感じた。
夏美がジュンソを励ましているようで、実は自分自身と柾樹に言い聞かせている。そして、その姿を一歩引いて見守る大女将カツノ。
この三層構造が、よくできてるなあ、と感じる回だった。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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