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2025年11月10日(月)放送の『どんど晴れ』第25回。
今週は「再出発」と「邂逅」がテーマ。
大女将カツノ(草笛光子)が旅館に復帰し、職場に新たな緊張が走る一方、夏美(比嘉愛未)は新しい出会いを経験する。
大女将・カツノ、現場復帰。漂う緊張と安堵
カツノが加賀美屋の“顔”として仕事に戻った。板場に全員を集め、「再び大女将として務めるから、皆もしっかりついてきてほしい」と力強く宣言。環(宮本信子)は無言のまま複雑な表情を浮かべる。久則(鈴木正幸)からは前年対比の売上減少報告。柾樹(内田朝陽)は電話でカツノの体を気遣いながらも、帰郷の準備を進めている様子を見せた。
(個人的感想)
大女将の復職を喜ぶ者と、内心穏やかでない者――この“温度差”がいかにも加賀美屋らしい。環にとっては“再び自分の上に立つ存在”の帰還は面白くないはずだが、あと少しの辛抱かもしれない。逆に夏美にとっては、カツノが健在なうちにどれだけ存在感を示せるかが勝負どころだ。
イーハトーブの温もり、夏美の“居場所”
イーハトーブでは、柾樹が来週にも盛岡へ戻ると聞き、喜びの声が上がる。佳奈(川村ゆきえ)やアキ(鈴木蘭々)は、久しぶりに恋の話題で盛り上がり、夏美も自然な笑顔を見せる。佳奈は夏美の部屋に布団を運び込み、恋バナを続ける。
(個人的感想)
このイーハトーブの空気感が心地いい。職場で張り詰めた空気を吸い込み、ここでようやく息をつける――そんな夏美の日常が垣間見える。そして、じゃじゃ麵が出るたびに「またか!」と思いつつ、店主・裕二郎(吹越満)らしい温かさを感じてしまう。
平治と聡、“職人の矜持”
南部鉄器職人の平治(長門裕之)は、自身の作品を心待ちにする客がいるから値段はいくらでもいいから3点納品してほしいと高額注文を受けるも、「納得できるものしか渡さない」と拒否。弟子の聡(渡邉邦門)はビジネスチャンスだと進言するが、平治は「金のために作ってるんじゃない」と一喝する。
(個人的感想)
平治の生き様が美しい。「一生一作」という言葉が重い。金ではなく、己の納得だけを価値とする――まさに職人の哲学だ。聡がいつかこの精神を本当に理解できる日が来ることを願う。
平治の言葉「一生一作」。このセリフは、いわば“仕事を生きがいとする哲学”の象徴だ。一方で、弟子・聡のような若い世代は、生活と商売のバランスを求める。ここに“令和の働き方改革”の原型を見るような気がする。働くことの価値が「誇り」から「持続性」へと変わっていく過渡期を、彼らは無意識に体現しているのかもしれない。
夏美、運命の出会い ― 川原の青年ジュンソ
おつかいの途中、健太(鈴木宗太郎)と勇太(小室優太)に誘われてサッカーをする夏美。その輪の中にいたのは、韓国から来た青年・ジュンソ(リュ・シウォン)だった。無邪気にボールを蹴り合う中、ジュンソの落としたハンカチを拾う夏美。だが、返しそびれてポケットにしまってしまう。
(個人的感想)
ここで新キャラ・ジュンソ登場。しかし夏美、勤務中だぞ!おつかいの途中で子どもとサッカーって、完全に業務外の行動だから怪我しちゃったとしてもきっと労災にならないぞ…。
そしてハンカチ、なぜすぐ返さない!好奇心が人を動かすとはいえ、もう少し常識的に振る舞ってくれ…。ただ、この偶然の出会いから、物語の新しい歯車が動き出すことになるのだろう。
叱責と再会
旅館に戻ると、時江(あき竹城)から「おつかいが遅い」と厳しく叱責。「柾樹の婚約者だから言いたくても言えない」と愚痴る時江。そこへ到着した客の姿を見て夏美は息をのむ。――それは、先ほど川原で出会ったジュンソだった。
(個人的感想)
今回は完全に時江の正論回。勤務中に遊んでたらそりゃ怒られる。夏美は嘘をつくわけではないが、正直にもなりきれない“危うさ”を見せた。そしてラスト、偶然の再会をどう描くのか。物語が再び動き出す予感を感じさせる締めだった。
まとめ
第25回は、“再生”の週の初日としては静かな立ち上がりだった。噂話に敏感な地元の人々、立場で言葉を飲み込む従業員、そして恋愛をからかいながらも自分の好きな人は語れない佳奈。どれも現実にありそうで、どこか懐かしい。
ここで新登場したジュンソの存在が、これまでの「内向きな加賀美屋」に外の風を吹き込むきっかけになるのだろうか。伝統と異文化、労働と人間性――そのせめぎ合いが、次回以降どんな化学反応を起こすのか。「どんど晴れ」はいま、新たな段階へと進もうとしているように感じる。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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