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2025年11月3日(月)放送の『どんど晴れ』第19回。
今回は、夏美(比嘉愛未)の成長と、恵美子(雛形あきこ)の“新たな試練”が交錯する回。加賀美屋の人間関係も再び動き出しました。
成長が生む嫉妬――組織の中の「人間関係の歪み」
夏美の働きぶりが客からも評価され、環も認めるほどに。
しかし、周囲の伸一(東幹久)・時江(あき竹城)は焦りを隠せない。
これこそ典型的な「新人の突出に対する排除反応」。
どんな職場にも存在する現象であり、ドラマの描写が20年近く前でも現代でも通用してしまうのは恐ろしい。
(個人的感想)
“褒められる=孤立の始まり”という構造は、いまだに多くの職場に残っている。
成果を出した人を素直に評価できない文化は、モチベーションを削ぐ最大の要因。
加賀美屋の内部も、古い上下関係が人を縛っている。
“仕事を与えない”という嫌がらせ
時江は「やる気のある人間には、仕事をさせない方がつらい」と発言。
これはまさにパワーハラスメント6類型のうち「人間関係からの切り離し」「過小な業務命令」にあたってもおかしくない。
20年近く前のドラマとはいえ、現代のハラスメント研修教材にできるほどリアル。
(個人的感想)
今なら確実に労務相談案件。
“指導”と“嫌がらせ”の線引きは、上司が自分で引いてはいけない。
第三者視点でどう見えるかを常に意識しないと、職場は簡単に崩壊する。
「24時間女将」の価値観とワークライフバランス
カツノ(草笛 光子)の「女将は常に見られている」という言葉。
これは一種の職業倫理ではあるが、現代でいえばワークライフバランスの欠如。
環(宮本信子)のように「仕事が終われば自由な服装に戻る」ことこそ健全な切り替え。
(個人的感想)
“仕事の顔”をいつまでも外さない人ほど、燃え尽き症候群になりやすい。
カツノの世代の働き方は美徳ではなく、時代が許した無理の象徴。
このシーンは、働き方改革の核心をつく。“24時間女将であれ”というカツノの価値観は、今の時代では息苦しさを感じる。
イーハトーブの夜、夏美の決意
イーハトーブでは、夏美が女将を目指していることが仲間にバレる。
「旅館は女の戦場」と揶揄するアキに、夏美は「加賀美屋は違います」と言い切る。
女将への憧れを語る夏美の真剣さに、アキ(鈴木蘭々)とビリー(ダニエル・カール)は謝り、応援を約束。
しかし、夏美は「いいんです!私は私でやっていきます」と微妙な返答。
(個人的感想)
この「いいんです!」発言、やっぱり謎(笑)。
強がりなのか、独立心なのか、夏美の複雑な心情をもう少し描いてほしかった。
応援してくれるって言ってくれた人たちに、応援してくれなくていいんです、私は私で勝手にやっていきますってことかな?
恵美子の修業と家庭の板挟み
家事・育児・職場――すべてを押し付けられる恵美子。
夫の伸一も義父の久則(鈴木 正幸)も大女将のカツノも、彼女の負担を“当然”と見なしている。
この構図こそ、今も根強く残るジェンダー労働分担の固定観念。
(個人的感想)
共働きが当たり前の今でも、「家のことは妻が」という空気は残っている。
この時代のドラマを見返すことで、今の社会がどれだけ変わったか、そしてまだ変われていないかを痛感する。
まとめ
第19回は、“働く女性の二重苦”と“旧来の職場文化”を浮き彫りにした回。
『どんど晴れ』が今も再放送される理由は、結局のところ“働くことの普遍的な難しさ”を描いているからなのかもしれない。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
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