朝ドラ再放送「どんど晴れ」第17回感想(ネタバレ) ハクサンチドリが導く希望と、それぞれの想い

どんど晴れ

本記事にはアフィリエイト広告を利用しています。

2025年10月31日(金)放送の『どんど晴れ』第17回。前回、吉田のために環と共に夜を明かした夏美。今回は、彼女が“おもてなし”の本質を学ぶとともに、吉田の心の奥にある悲しみに触れる回となりました。横浜では啓吾と柾樹の確執が続く中、盛岡では新たな出会いと“ひらめき”が訪れます。


徹夜明けの夏美と、環が語る“女将の心得”

徹夜で吉田の部屋の前に座っていた夏美は、一人で立てず環に肩を借りて歩いてくる。「だらしがない。こんなことでよく、『女将になりたい!』なんて言ったものね」と環がいう。足を痛がる夏美を見て、「でも、私にもそんな時期があったわ」と昔を懐かしむ環。女将というのは徹夜をしたからと言って褒めてもらえる仕事じゃないと教える環。徹夜明けとはいえ、「今日の仕事はきちっとしてもらいますよ」と釘をさす。吉田がなぜ岩手にきたのかを環に確認する夏美。観光で来たならお一人だし私が連れ出してあげたいという夏美に、吉田はいつもこの八幡平に奥様と一緒に花を見に来ていたと説明する環。「ハクサンチドリといって、この季節に咲く花なの。奥様が大好きだったお花なのよ。その奥様も、去年お亡くなりになって・・・。一人でいらしたの初めてなの。」と環がいう。「じゃあ、私、お連れして」と夏美が提案するが、標高1600メートルの山の上に咲いている花だと環に説明され驚く夏美。「もう、お年だし、腰も痛められて。無理ねえ・・・」と環。

(個人的感想。現時点では環はなんだかんだといっても夏美の女将修業を助けてあげているように見える。吉田さんはやはり、奥様を亡くされてから初めて来る岩手旅行だったんだね。ハクサンチドリを見せてあげることが吉田さんの心を癒すのかどうかはまだ未知数。夏美がまた独断で突っ走らなければいいなと願うばかりだ。)


恵美子への“女将修業”指令

久則一家と伸一一家がみんな揃って朝ごはんを食べている。そこに環が凝ってる腰を伸ばしながら入って来る。「ご苦労さん。先に食ってらぞ」と久則。伸一も浩司もお疲れ様と環を労う。「お母さん、大丈夫ですか?少し横になられた方が・・・」と恵美子がいう。人間気が張ってれば一日寝ないくらいどうってことはないという環は恵美子に「旅館の仕事のほうも手伝ってくれること考えてくれないと。いつまでも奥に引っ込んでたんじゃ、女将の仕事覚えられないでしょう?」と環がいうと、伸一が「それじゃあ、やっぱり、母さんも若女将は恵美子だって。」といえば、久則は当たり前だろう、そのために嫁に来てもらったんだからという。そして安心した伸一は「いや、てっきり母さん、ばあちゃんの意見に賛成なのかと思って」という。「賛成も反対も、夏美さんを修業させるのは大女将の命令。私はそれに従うだけ」「でも、こうなった以上、恵美子さんには本気出してもらわないと」と環。恵美子に「そのつもりでね」と念を押す環だが、恵美子はあまり乗り気じゃなく「はい・・・」と返事する。その様子を見て浩司が「これでまた、一騒動あるようなあ」とぽつりと一言。恵美子が環にカツノが部屋に来てほしいと言ってることを伝えると、「また?また・・・何かしら?」と不安がる。

(個人的感想。環はやはり、長男伸一の嫁の恵美子に若女将になってもらいたいようだ。環は夏美のために女将修業を手伝ってあげていると思っていた前言は撤回せざるを得ない。浩司だけはいつも中立でなるべく揉め事に巻き込まれたくないというスタンスが分かりやすくて好きだ。恵美子はいつも若女将には興味なさそうだよね。)


大女将・カツノの真意

「お母さん、お呼びですか?」と環がカツノの部屋にやってくる。まずは徹夜したことを労うカツノ。「この旅館を任されてるものとしては、当たり前のことをしただけです」と環。「あんたに任せておけば、安心だものねえ」とカツノ。そしてカツノは夏美の修業のことを環に確認するが、「まだ、始まったばっかりで、大女将にご報告することはなにも・・・」というと、ガッカリ顔のカツノ。「それより、恵美子さんにも旅館の仕事のほうを手伝ってもらおうかと思ってるんですが、いかがでしょうか?」と環がいうと、「考えておきやんす」と素っ気ない返事をするカツノ。

(個人的感想。カツノは恵美子には興味なさそうだね。とにかく夏美に女将になってもらいたいというのがよく伝わってくる。)


恵美子と夏美、それぞれの“女将観”

夏美におにぎりを持ってきた恵美子。夏美は「おいしそう」とおにぎりを頬張る。恵美子は夏美に「本気で女将になりたいの?」と確認する。いつもカツノや環を傍で見て、わざわざ苦労することもないのにと思っている恵美子には、どうして夏美が女将になりたいのか理解できないようだ。夏美は柾樹に言われた言葉を話す。「『自分と結婚する以上、結婚相手は女将になれる人じゃないと駄目なんだ』って、だからここで修業する決心したんです」と恵美子に告げる。それに実家のケーキ屋でもケーキを食べてくれた人の笑顔が見るのが好きで、女将っていう仕事も向いてるんじゃないかと思ったと、「でも、実際、そばで見て、女将は並大抵の仕事じゃないなって思いました。でも、私、頑張ります!」と夏美が宣言すると、恵美子は「そうよ。負けないでね!」と笑顔で励ます。「どうやら、恵美子は夏美に修業を頑張らせたいようでございます」とナレーションが入る。

(個人的感想。大女将のカツノや女将の環をそばで見ていて、その苦労が痛いほど分かっている恵美子は、やはり女将には興味がないようだ。そして、夏美の女将修業を応援する。夏美にもどうして女将になりたいのか確認して、夏美の意思で女将を目指していることが分かったから安心して応援できるようになったのだろう。これが、夏美は女将はやりたくないけど、結婚するために仕方なくという返答であれば、恵美子は夏美に女将という仕事を押しつけるだけで素直に応援できなくなることだろう。)


清美との和解と新しい絆

玄関掃除をする夏美と佳奈。そこへ康子が佳奈に手伝いを頼み連れて行く。一人になった夏美はここは一人でやっておくからと告げる。そこへ清美がやってきて、夏美はお子さんの具合を心配する。「熱も下がったし、もう大丈夫」と清美。「代わってくれて、ありがとね」と素直に感謝を伝える。代わったことで旅館のことが少しずつ分かってきたと逆に夏美がお礼をいうと、柔和な顔で清美が「そう」と答える。

(個人的感想。熱を出した子供のために泊まり込みを代わってあげたことで、清美は夏美に対して心を開きつつありそうだね。こうやって一人ずつ仲間を増やしていくんだ夏美!)


吉田の胸に残る“花の記憶”

吉田(山本圭)の部屋を訪ねた夏美。深々と頭を下げる。

女将さんからハクサンチドリが亡くなった奥様の好きだった花だと聞き、自分のせいでけがをさせてしまい行けなくなったことを詫びる夏美に、吉田はふっと微笑む。 「あなたのせいじゃないよ」

柔らかく首を振りながら、静かに続ける。 「無理すれば、この足でも行けるんだ。けど……あの花を見ると、きっと妻のことを思い出してしまう。だから、一人で行くのが怖いだけかもしれない。」その言葉には、優しさと共に、深い喪失の影が滲んでいた。夏美は何も言えず、ただ静かにうなずいた。

(個人的感想。吉田の「一人で行くのが怖い」という言葉には、長年連れ添った妻を失った人間の孤独が詰まっている。誰かを癒やしたいという夏美の気持ちは尊いが、悲しみを抱えた人を“無理に外へ連れ出すこと”が必ずしも正解とは限らない。相手の心のペースに寄り添うことこそ、本当の“おもてなし”なのかもしれない。)


横浜の柾樹と啓吾、すれ違う想い

横浜のホテルでは、柾樹(内田朝陽)が退職に向けて引き継ぎ業務に追われていた。その姿を見た山室部長(中原丈雄)は、柾樹が退職するのを残念そうにしながらも柾樹に言った。「持久戦は覚悟してけよ」——それは、啓吾(大杉漣)との確執を見抜いた上での忠告だった。

場面は浅倉家のケーキ屋へ。今日も啓吾は厨房で黙々とケーキ作りに没頭している。そこに柾樹が立ち啓吾の様子を伺っていると、保(与座嘉秋)がすぐに間に入った。「そこに立ってると、仕事の邪魔なんですけど」「ああ、すいません」と柾樹は頭を下げるが、啓吾は一瞥もくれず、黙々と作業を続ける。

またも、言葉を交わせずに終わる柾樹と啓吾の再会。その様子を見ていた房子(森昌子)は、とうとう口を開いた。「どうして、柾樹さんの話、聞いてあげないんです?」何度も足を運んでくれているのに、一度も話を聞こうとしない啓吾を責める。啓吾は、夏美が勝手に盛岡に行った、盛岡に行けば勘当だと言ってあるんだから話は聞く必要ないという立場を崩さない。

その強がりを、智也(神木隆之介)が静かに制した。「父さん、最近、なんか変だよ。怒りっぽいし。……もっと、自分に素直になったほうがいいんじゃないの?」その言葉に、啓吾の動きが一瞬止まる。返す言葉が出てこなかった。

(個人的感想。柾樹はなぜ、いつも啓吾が仕事に集中している厨房で話しかけようとするのか。あれでは“誠意”よりも“自己都合”に見えてしまう。啓吾が心を閉ざしてしまうのも当然だ。けれど、そんな啓吾を揺さぶったのは、息子の智也の冷静な一言。「もっと素直に」という言葉には、家族全員の本音が詰まっている気がした。もしかしたら、啓吾を変える鍵を握っているのは、柾樹でも房子でもなく、この智也なのかもしれない。)


新たな出会いと“ハクサンチドリ”へのひらめき

夜、イーハトーブに戻ってきた夏美と佳奈。入口の前で懐かしい声が響いた。「アキさ〜ん!」カメラマンの水森アキ(鈴木蘭々)が久々に帰ってきたのだ。佳奈が駆け寄ってハグする姿に、下宿全体が一気に賑やかになる。

元気に自己紹介する夏美に、アキは笑顔で手を差し出す。「いいんじゃない? 今度、写真撮らせてよ」突然の申し出に驚く夏美。その様子を見ていたマスター・裕二郎(吹越満)がからかうように言う。「アキはね、普段は自然しか撮らないんだ。でも、夏美ちゃんは別のようだね」

佳奈が、「夏美も見てみたら?」と声をかけ、アキの撮った写真を差し出す。カウンターの上に広げられたのは、岩手の自然が息づく美しい風景写真の数々。その中の一枚に、夏美の目が釘付けになる。それは「ハクサンチドリ」の写真。紫がかった花が、柔らかい光を受けて咲き誇っていた。「アキさん、この花が咲いてる場所、知ってるんですよね?」と身を乗り出す夏美。「教えてください! 明日、行きたいんです!」。ナレーションが静かに入る。「夏美は、何やら思いついたようでございます。」——そして、第17回の放送は幕を閉じた。

(個人的感想。アキが初対面の夏美に「今度写真撮らせてよ」と言う展開、確かに距離の詰め方が早い。このドラマの登場人物たちの中には“他人との壁をつくらない”というより、“最初から壁がない”感じがする人がいる。佳奈も初対面で夏美を親友扱いしていたし、イーハトーブという場所そのものが“人とのつながりを生み出す空間”なのかもしれない。それにしても、ハクサンチドリの写真が再び登場したのは見事な伏線回収。花の咲く場所を知るアキの存在が、物語を次の段階へ導くきっかけになりそうだ。)

『どんど晴れ』感想まとめはこちら

広告

懐かしい朝ドラをもう一度見たい方はこちら → NHKオンデマンドでは見られないけどTSUTAYA DISCASで楽しめる朝ドラ5選

タイトルとURLをコピーしました