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2025年10月29日(水)放送の『どんど晴れ』第15回。物語はいよいよ、夏美が新しい環境「イーハトーブ」での生活をスタートさせ、加賀美屋の仲居修業と両立する日々へと突入しました。横浜では柾樹が啓吾に再び頭を下げ、和解を試みるも門前払い。盛岡と横浜、遠く離れた場所でそれぞれが“責任”と“覚悟”を問われる回となりました。
イーハトーブで始まる新しい生活
下宿先の部屋を岩本裕二郎(吹越満)に案内される夏美。トイレとお風呂は共同で、朝食は毎朝岩本が作るという。「あと、わかんないことがあったらいつでも聞いてください」と優しく声をかける裕二郎。その言葉にほっとする夏美のもとへ、タイミングよく柾樹(内田朝陽)からの電話が鳴る。裕二郎が「柾樹から?」と言うと、「え?」と驚く夏美。どうやら、裕二郎は柾樹の高校時代のサッカー部のOBで、彼にとって兄貴分のような存在らしい。
電話越しに柾樹は「もうすぐ、今の仕事が一段落しそうなんだ。そしたら、すぐにでも、そっちへ」と穏やかに語る。夏美は「早く、2人で一緒に見られるといいね、この夜空」と夜空を見上げ、柾樹も「うん」と答える。遠く離れていても、互いを思う気持ちは変わらない。
荷ほどきをしていると、下から佳奈(川村ゆきえ)の「夜食作ってるから降りてきたら?」という明るい声が響く。階下に降りると、賑やかな面々が揃っていた。マスター兼オーナーの裕二郎をはじめ、岩手大学講師のビリー・ジョナサン(ダニエル・カール)、南部鉄器職人を目指す岸本聡(渡邉邦門)、(そしてまだ不在のカメラマン・アキ)。初対面の夏美に、皆が温かく声をかける。
南部鉄器を学ぶ聡が「まだまだ修業中です」と頭を下げると、夏美も「じゃあ、一緒ですね。私も仲居の修業始めたばかりなんです。よろしくお願いします」と笑顔で返す。その柔らかいやり取りに場が和む。夜食の盛岡名物「じゃじゃ麺」が出来上がると、夏美は「うん!おいしい!」と嬉しそうに声を上げ、「これでますます盛岡、好きになれそうです」と答える。そんな中、座敷童のように現れた少女・咲が「おしっこ」と言い出し、裕二郎が連れて行く。どうやら彼の娘のようだ。
裕二郎が席を外すと、夏美は何気なく「結婚されてるんですか。じゃあ、奥さんは?」と尋ねてしまう。すると空気が一変。「そのことは、禁句」とビリーが静かに告げ、「裕二郎さんの前で、奥さんのことは話さないほうがいいよ」と聡が続ける。佳奈も「黙っておいた方が身のため」と小声で付け加える。ナレーションが流れる——「何かマスターには訳がありそうでございます。」
(個人的感想。個人情報だからべらべらしゃべらないほうがいいのは分かるが、マスターの結婚や奥さんの話は禁句で言わないほうがいいのであれば、理由を説明してあげないと夏美はまた地雷を踏みそうだ。このドラマだったら夏美にはちゃんと説明しないなということは読めてきた。)
靴の“ずれ”に込められた意味
朝、自転車で佳奈と並んで出勤する夏美。加賀美屋の一日は早い。到着するなり、下足室で靴磨きを始める2人。そこへ仲居の康子から「あやめの間のお客様の靴お出しして」と声がかかる。夏美は慌ただしく動き出し、靴を揃えて並べるが、環(宮本信子)が通りかかり、右足の靴だけを少しずらして置き直す。
その微妙な動きに首をかしげる夏美。「靴って、揃えて出すんじゃないんですか?」と佳奈に尋ねると、佳奈は「もちろん、揃えて出してますよ」と答える。だが、なぜ環がそうするのか、その理由は誰にも分からない。「どうして環が、片方の靴だけ、ずらして置くのか、訳が分からなかったのでございます」とナレーションが入る。
(個人的感想。以前の放送でも、環が靴をわずかにずらして置く描写があった。今回もその意図が明かされないまま。夏美は明らかに疑問を抱いているのに、本人に確認しようとはしない。環が怖くて聞けないのか、単に“報連相”ができない性格なのか。どちらにしても、疑問をそのままにしておく癖は直したほうがいい。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、まさにその典型だ。)
啓吾への再訪と柾樹の決意
横浜の浅倉家では、柾樹(内田朝陽)が啓吾(大杉漣)を訪ねていた。「ご挨拶が遅くなってすいません。今日は、お父さんとお母さんにお話があって来ました」と房子(森昌子)に伝える柾樹。房子は「そうなんですか。あ……私は、いいんですけど」と戸惑いながらも啓吾に知らせる。だが、柾樹は啓吾の許可を得る前に厨房へと足を踏み入れてしまう。
「お父さん、今日はお話があって来ました」と切り出す柾樹に、啓吾は冷たく「君に“お父さん”と呼ばれる筋合いは、もうない」と突き放す。柾樹が「少しだけでも話を聞いてください」と食い下がるも、啓吾は「帰ってくれ」と背を向け、黙々と作業を続ける。その姿に言葉を失う柾樹。
やがて、店を後にする柾樹に房子が「ごめんなさいね」と声をかける。「いや、いいんです。お父さんが怒ってらっしゃるのも当然です。一度結婚をやめたのに、もう一度お願いに来ているんですから」と柾樹は静かに答える。房子は「時間をかければ、きっと分かってくれるはずよ」と優しく励まし、「話を聞いてくれるまで、何度でも来ます」と決意を示す柾樹に微笑む。
さらに房子は、見知らぬ土地で修業を続ける娘を思いながら「一日も早く、夏美のそばに行ってやってくださいね。柾樹さんがそばにいてくれたら、あの子も寂しい思いをしなくて済むと思うの」と頼む。「はい。何があっても、夏美さんを守っていくつもりです」と力強く答える柾樹。彼の胸には、夏美が働く加賀美屋で彼女をよく思っていない人々がいるという不安があった。それで、彼女のために盛岡へ戻る決意を固めるのだった。
(個人的感想。お父さんに話があると訪ねたのなら、啓吾の許しを得る前に厨房に入らないほうがよかったんじゃないか柾樹。忙しい最中に押しかけても逆効果だろう。誠意を見せるなら、きちんと時間を選び、落ち着いた場所で話すべきだ。それでも、何度でも足を運ぶという覚悟には、ようやく男らしさを感じた。啓吾の許しが得られなくても、せめて夏美だけは守り抜いてくれ、柾樹!)
雨の日の失敗と“知らなかった”では済まされない現実
雨が降りしきる中、「お客様がお着きになりました」と報告する夏美。しかし、奥から返事は聞こえるものの、誰も玄関に出てこない。やむを得ず夏美は傘を手に、一人でお客様のお出迎えに出る。荷物を持とうと駆け寄ったその瞬間、雨で濡れた地面にお客様の吉田(山本圭)が足を滑らせて転んでしまう。「お客様!大丈夫ですか!?」と慌てる夏美。「吉田様、どうされました?」と仲居の清美も駆けつける。吉田は「いや、つい滑ってね」と苦笑いするが、その背後から時江(あき竹城)の怒鳴り声が飛ぶ。「なして、足元に敷物が敷いてないの!雨の日は、敷物を敷くことになってるべ。え!」
ナレーションが静かに告げる——「夏美は知りませんでした。」
さらに時江は、「お客様に万が一のことがあったら、夏美さん、あんたの責任だからね!」と叱責。夏美はただ頭を下げるしかない。「しかし、“知らなかった”では済まされなかったのでございます」とナレーションが締めくくる。
(個人的感想。以前、佳奈が“雨の日の準備には傘以外にも…”と何か言いかけていたことがあった。その時も嫌な予感がしたが、やはり的中してしまった。きちんと教えなかった佳奈も悪いが、疑問をそのまま放置して確認しなかった夏美にも責任はある。お客様にとっては「知らなかった」は言い訳にならない。接客の世界では、一瞬の判断ミスが信用を失うことに繋がる。さらに言えば、夏美の立場も曖昧だ。雇用関係のある正式な従業員なのか、修業中の身の無給ボランティアなのか。もし無給で働いているボランティアだとすれば、責任の所在はどこになるのか。加賀美屋がこのまま改善しないままでは、いつか“ブラック企業”と呼ばれる日が来るかもしれない。)
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