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2025年10月28日に放送された『どんど晴れ』第14回。
仲居修業が本格的に始まった夏美(比嘉愛未)。
同じ新人仲居・佳奈(川村ゆきえ)との友情が芽生える一方で、加賀美屋の空気はどこか冷たく、厳しい現実が突きつけられる回でした。
夏美と佳奈、最初の“親友”宣言
洗濯物を干し終え、「次に何をしたらいいですか?」と張り切る夏美に、佳奈が「もうお昼だよ。お腹すかない?」と笑う。
夏美は「張り切りすぎて忘れてました」と照れ笑い。すぐに打ち解けた二人は、お互いを「佳奈」「夏美」と呼び捨てで呼ぶことに決める。
「よし、夏美。お昼食べにいこう!」と明るく誘う佳奈の姿は、厳しい修業生活の中での唯一の救いのように感じられた。
(個人的感想。佳奈の明るさと自然体の優しさが、孤立する夏美の支えになっている。彼女の存在がある限り、夏美は折れずに済むかもしれない。)
ベテラン仲居たちの本音——“若女将”への警戒心
休憩所では、ベテラン仲居たちが夏美の噂話をしていた。
「柾樹坊ちゃんの婚約者なら、こき使うわけにもいかない」「なんで仲居なんかやってるの?」「次の若女将は恵美子さんじゃないの?」と不満と警戒が交錯する。
そこへ佳奈と夏美が昼食を取りに入ってくる。夏美が「朝はご挨拶できずにすみませんでした」と丁寧に頭を下げても、仲居たちは素っ気ない態度。
お茶を注ごうとする夏美に「もう食べ終わったから」と言い残し、ベテラン勢はそそくさと席を立ってしまう。
それでも佳奈は明るく「ここ、賄い美味しいんだよ!」と笑い、夏美の緊張をほぐしてくれる。
「もう、私たち親友でしょ?」と笑う佳奈に「親友ですか?」と驚きながらも、夏美は微笑んだ。
(個人的感想。職場の閉鎖的な空気がリアルに描かれている。佳奈のまっすぐさと対照的に、他の仲居たちの距離の取り方が現実的で苦い。)
房子の心配と母娘の電話、そして夏美の“覚悟”
横浜の朝倉家では、房子(森昌子)がそっと電話を取り上げ、啓吾(大杉漣)の目を盗んで夏美に電話をかけようとしていた。
一方その頃、加賀美屋では、夏美が佳奈(川村ゆきえ)に「実はこれ、女将修業なんです」と打ち明けていた。
「えっ?じゃあ、これ全部、女将修業なの!?」「へぇ〜、人生かけた覚悟だね」と驚く佳奈。
「でも、私には無理だなぁ。寝ても覚めてもお客さんのことばっかり考えてなきゃいけないなんて」と正直に話す。
「だけど、まぁ“愛は強し”ってやつかな。だって、柾樹さんのためにやってるんでしょ?」とからかうように笑う佳奈。
夏美は少し照れながら「まぁ……」と頬を赤らめ、「もう、なによ、その顔!」と佳奈にいじられて笑い合う。
その時、夏美の携帯が鳴り、相手は母・房子。
「朝から何度もかけたのよ。出ないから心配したわ」と慌てた様子の房子。
夏美は「ごめんね。今日から仲居として働かせてもらってるの」と伝える。
さらに「女将修業をさせてもらえることになったの」と報告すると、電話の向こうの房子の声が少し明るくなる。
「よかったわねぇ。でも、これから、本当に大丈夫なの?」と母らしく心配する房子。
「柾樹さん、東京に戻っちゃったけど、仕事が片付き次第またすぐ来てくれるって」と答える夏美。
(※ここで“横浜”と“東京”の微妙な表現ズレが気になったけど、柾樹は横浜じゃなくて東京なの?)
「それまで一人で平気なの?」と問う母に、「もう友達もできたの。」と嬉しそうに報告。
だが、啓吾が部屋に入ってきそうな気配を感じ、房子は「じゃあ、またね」と急いで電話を切るのだった。
(個人的感想。若い佳奈は恋愛トークが大好きそうで、夏美の恋バナを聞けて嬉しそうだった。母の房子は娘の声を聞けて安心したものの、やはり心配が尽きない様子。)
板場での“見習い”試練と、続く嫌がらせ
忙しそうに動く板場では、板前や仲居たちがせわしなく立ち働いていた。
夏美も何か手伝おうとするが、「あなたはいいの」と突き放されてしまう。
「いい身分だな、こったら忙しいのに、なんもしねえでいられるなんてよ」と篠田(草見潤平)が嫌味を飛ばす。
それでも夏美は「私にも何かさせてください!」と引かず、食い下がる。
「板場に女の仕事はねえ」と言い放つ篠田だったが、浩司(蟹江 一平)が「じゃあ、おかん番いないみたいだから、お銚子でもつけてもらうかな」と助け舟を出す。
こうして夏美はようやく仕事に加わり、慣れない仕事に汗を流す。
「こうして、夏美は修業一日目を終えようとしておりました」とナレーションが流れる。
だが、仕事終わりに「お疲れ様でした」と仲居たちへ挨拶した瞬間、時江(あき竹城)が立ちはだかる。
「夏美さん、ちょっといいべか? 玄関の掃除、もう一度やり直してください」——嫌がらせのような命令だった。
理由は「お客さんの出入りが多かったから埃がたまってる」。
驚く夏美に、「今からだば、大変かもしれねえけど」とわざとらしく言う時江。
しかし、夏美は一歩も引かず、「何でも言いつけてください。何でもやりますから」と返す。
思わぬ返答に時江は「え?」と目を丸くし、環(宮本信子)はその様子を静かに見つめる。
やがて、玄関掃除を終えた夏美に再び「やり直し」と命じる時江。
「お願いしやんす」と意地悪な笑みを浮かべるその姿は、もはや“指導”ではなく“いじめ”だった。
(個人的感想。夏美の真面目さと忍耐力があまりに健気で胸が痛い。朝ドラとしては少し重たい展開だが、ここを耐えてこそ“女将の器”に近づくのだろう。)
終わらない“指導”と、環の曇ったまなざし
夜、すべての仕事を終えた夏美。
休憩室では、音楽を聴きながら待っていた佳奈が「遅いなぁ、何やってたの?」と声をかける。
「玄関の掃除」と答える夏美に、佳奈はすぐに察して「『いじめようと思って言ってるんじゃありません!指導です!』でしょ?」と、時江の真似をして笑わせようとする。
そこへ環(宮本信子)が現れ、「お疲れ様」と穏やかに声をかける。
「どうでしたか、一日目の修業は?」と尋ねる環に、「はい、まだ分からないことだらけで……」と正直に答える夏美。
環は優しく頷き、「それでいいんです。一つ一つ、丁寧に覚えていってくださいね」と声をかける。
さらに、「今日からは下宿に泊まってもらいます。」と説明。佳奈もそこで下宿している。
佳奈は「一緒に帰ろうと思って待ってたの」と笑顔を見せる。
環に対し、「一日も早く女将さんの仕事を覚えたいので、これからもよろしくお願いします」と真剣に言う夏美。
環は柔らかく微笑みながらも、その表情の奥にどこか影を落とした。まるで、過去の痛みを思い出しているように。
そのとき、玄関では、時江がしゃがみ込みながら「ほら、埃残ってんじゃねえか。もう一回やり直し!」と指を差す。
「またですか?」と夏美が驚くと、「“なんでもやる”って言ったんだべ?」と、夏美の言葉を皮肉るように言い放つ。
佳奈は心配そうに見守り、環は黙ってその様子を見つめ続けていた。
その視線には、厳しさと憂い、そして“見守る覚悟”が混ざっていた。
(個人的感想。環が浮かべる曇った表情には、柾樹の母の面影を重ねているようにも見えた。女将という重責に押しつぶされた過去を思い出しているのかもしれない。
時江の“指導”はもはや教育の範囲を超えているが、それを見届ける環にもまた、何か試しているような意志が感じられる。佳奈の存在が、今の夏美の唯一の救いだ。)
下宿「イーハトーブ」での新たな出会い
夜道を歩く夏美と佳奈。
「疲れたでしょ?」と心配する佳奈は、「時江さんもひどいよ!初日からあんなにこき使うなんて。何が“指導”よ、あんなのいじめじゃない!」と憤る。
夏美は苦笑しながら「ううん、大丈夫」と応えるが、その声には少しの疲労がにじんでいた。
2人が辿り着いたのは、一階が喫茶店「イーハトーブ」になっている下宿。
店内には楽しげな笑い声と温かな光が溢れている。
「今日からこちらでお世話になります」と挨拶する夏美に、オーナーと個性豊かな下宿人たちが迎えの笑顔を見せる。
ナレーションが流れる——「これが、イーハトーブのオーナー。そしてそこに下宿している、一風変わった仲間たちとの最初の出会いでありました。」今日の放送はここで終了した。
(個人的感想。時江の“指導”は明らかに適正な業務の範囲を逸脱しており、加賀美屋の職場環境そのものがパワハラの温床になっているようにも感じた。仲居たちが夏美を孤立させている構図も含め、厚労省の定義するハラスメントの典型例に重なって見える。現代の視点で見れば、夏美が声を上げれば加賀美屋は“ブラック企業”と批判されてもおかしくない状況だろう。朝から見るには少々重たいテーマだが、そんな中で佳奈の明るさと支えが物語に温度を与えている。これから登場する“イーハトーブ”の人々が、閉ざされた旅館社会にどんな風を吹かせてくれるのか。希望の兆しが見え始めた今、もう少し見守りたいと思わせる回だった。)
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