本記事にはアフィリエイト広告を利用しています。
2025年10月22日に放送された『どんど晴れ』第9回。
これまで一貫して沈黙を貫いてきた柾樹(内田朝陽)が、ついに本心を語った回でした。
彼の中にあった“母への思い”と“女将という宿命への恐れ”、そして夏美(比嘉愛未)の揺るぎない愛と決意が交錯する、心揺さぶられる展開でした。
横浜では夏美が新作ケーキに挑む
横浜のケーキ屋では、夏美が新作ケーキ作りに没頭していました。
「吹っ切れたんだよ、きっと」と見守る保(与座嘉秋)は、破談を乗り越えたと勘違いしている様子。
夏美が作ろうとしていたのは、父・啓吾(大杉漣)の代表作「シブースト」。
彼女はその名作を“自分流”にアレンジしようとしており、彼女なりに新しい一歩を踏み出そうとしているように見えました。
加賀美屋の騒動 大女将・カツノと女将・環の対立
盛岡の加賀美屋では、病み上がりの大女将カツノ(草笛光子)が、ひいき客が泊まりに来たと聞いて無理を押して着物に着替えます。
「今日は、大切なお客様がお見えになるんだよ」と立ち上がるカツノに、女将・環(宮本信子)は「ご無理なさらないで」と声をかけますが、聞き入れません。
仲居頭の時枝(あき竹城)が「またお倒れになられたら」と止めると、「時枝さん! あんたは黙っててけれ!」と声を荒らげるカツノ。
「この旅館の大女将は私です。私がこの加賀美屋の顔なんだから」と、誇りを込めて立つ姿は痛々しくもありました。
(個人的な感想。仲居頭の時枝だけが環派なのか、それとも仲居全体が環派でカツノは孤立しているのか気になる。声を荒げる彼女の態度には孤独の影が見える。孤立しているから強気なのか、強気だから孤立してしまったのか——この構図は今後のドラマの大きな鍵になりそうだ。)
伸一の焦り 兄弟の確執が静かに動き出す
盛岡では、柾樹が本当に旅館を継ぐつもりなのかを確認するため、板前の浩司(蟹江一平)が電話をかけます。
「お前さ、こっち戻ってくるって本当か?」と問う浩司に「ああ」と答える柾樹。
「それはさ、夏美ちゃんも一緒に戻ってくるってことかな?」と聞く。
その報告を受けた伸一(東幹久)は、「こうなると、柾樹のやつ本気で旅館継ぐ気だよ」と不安を募らせます。
(個人的な感想。伸一の焦りには共感する。自分の立場が危うくなる不安と、家族内の複雑な力関係。その苦悩は、夏美とは違う形の“試練”なのかもしれない。)
夏美、再び柾樹のもとへ——強すぎる愛と強靭なメンタル
柾樹のアパートの下で彼を待つ夏美。咳き込みながら帰ってきた柾樹に「風邪ひいたの?」と駆け寄ります。
「大丈夫」と答える柾樹の額に手を当て、「熱いじゃない! 熱ある」と慌てる夏美。
「帰ってくれ」と再三頼まれても、「卵おじやにするね、柾樹さん好きでしょ?」と台所に立つ夏美。
(個人的な感想。再三『帰ってくれ』と言われながらも居座り、看病までしてしまう夏美の行動力には驚かされる。強靭なメンタルの持ち主だ。これほどの粘り強さがあるなら、老舗旅館の女将としてもやっていけるかもしれない。)
熱に浮かされて語られた真実——柾樹が抱えていた“罪と恐れ”
夏美の看病のおかげで熱が下がった柾樹。
「ずっと、ここに?」と問う柾樹に、「私はずっと柾樹さんのそばにいる。どこにも行ったりしない」と夏美が答えます。
そしてついに、柾樹が沈黙を破ります。
「母が女将になったから死んだんだ。」女将という仕事が、あの人の命を削ったという思い。
彼は幼い頃、母が大女将の厳しい指導に耐えながら旅館を守り抜いた姿を見てきた。父がいなくなったあとも、母はひとりで加賀美屋を背負い、過労で倒れた。
「だから、君にはそんな苦労をさせられない。君を幸せにしたかった。でも、幸せにできないなら、結婚する意味はない。」
涙を浮かべながら夏美は言い返します。
「私は、幸せにしてもらいたいんじゃない。私は、柾樹さんと2人で幸せになりたいの。」
「無理だ。俺が帰らないと、旅館は建て替えられてしまう。俺は今の加賀美屋を守りたい。でも、それは俺一人の思いだ。その思いに君を巻き込みたくない。」
「帰ってくれ!」と叫ぶ柾樹。
(個人的な感想。ようやく柾樹の本心が語られた。母を失った悲しみと、女将という宿命への恐れ。その苦しみは理解できるが、誰にも打ち明けず一人で決めてしまったのはやはり浅はかだった。もっと早く話していれば、ここまで誰も傷つかずに済んだのではと思ってしまう。とはいえ、女将の仕事が激務で、そのせいで母を失ったからこそ夏美には同じ苦しみを味わわせたくなかったという思いは理解できる。ただ、ここで一つ柾樹に提案したい。もし女将の仕事が激務であると感じているのなら、その働き方を見直し、旅館全体で“女将の働き方改革”を試みてはどうだろうか。自分が経営の一端を担う覚悟があるなら、激務の構造そのものを変えることも一つの道ではないか。……とはいえ、そんな合理的な展開になったら、ドラマとしての面白さは半減してしまうかもしれないけれど。)
夏美の決意——涙の中で見えた“どんど晴れ”
柾樹の本心を聞いた夏美は、静かに頷きながら涙を流します。
きっと心の中でこう思った思ったに違いない。
「私、やっぱり行く。盛岡に。柾樹さんのそばで、あなたと一緒に歩いていく。」
彼女の中に芽生えたのは、ただの恋心ではなく、運命を共に背負う覚悟なのだろう。
「柾樹の本心を知った夏美は、ある大きな決意を固めたのでございます。」というナレーションが流れ、第9回は幕を閉じます。
まとめ “愛”と“宿命”が交差する夜
第9回は、ようやく柾樹が沈黙を破り、彼の過去と本心が語られた重要回でした。
母の死の真実が、彼の行動すべての理由だったと知ることで、夏美も新たな覚悟を決めます。
一方で、家族間・旅館内の対立は深まり、物語は新たな局面へ。
次回、第10回では——いよいよ夏美が盛岡行きを決意するか!? 新たな試練と希望の「どんど晴れ」が待っています。
『どんど晴れ』感想まとめはこちら
広告
懐かしい朝ドラをもう一度見たい方はこちら → NHKオンデマンドでは見られないけどTSUTAYA DISCASで楽しめる朝ドラ5選

