朝ドラ再放送「どんど晴れ」第5回感想（ネタバレ）　すれ違う想いと迫りくる決断　夏美と柾樹の運命の夜

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2025年10月17日に放送された『どんど晴れ』第5回。
前回、大女将カツノ（草笛光子）が倒れたことで加賀美屋の運命が揺らぎ始めた中、今回は横浜に戻った夏美（比嘉愛未）と柾樹（内田朝陽）の関係に新たな波が訪れました。
二人の間に漂う微妙な距離感、そしてそれぞれが抱える“不安”が静かに交差する回でした。

カツノへの想いを込めたお見舞いのクッキー

盛岡から帰った夏美は、病床のカツノを気遣い、手紙と一緒に“レバーペースト入りのクッキー”を送ります。
「貧血にはレバーが効くから」と、優しい気遣いを見せる夏美。
クッキーを口にしたカツノが「うん」と頷く姿に、視聴者もほっとさせられる瞬間でした。
わずかに笑顔を取り戻した大女将の姿は、夏美の思いやりが確かに届いた証のようでした。

父・啓吾（大杉漣）の背中に見る“職人の誇り”

一方、横浜の浅倉家では、夏美の父・啓吾（大杉漣）が厨房でケーキ作りに没頭していました。
彼は「甘さとほろ苦さが同時に楽しめる」ケーキ“シブースト”で世界大会を制した実力者。
その腕を慕って遠方から訪れる客も多く、夏美にとってはまさに憧れの存在です。

家庭では穏やかな父ですが、仕事となると表情が一変。
職人としての厳しさを娘に見せるその姿に、夏美は改めて“本物の仕事”の厳しさを実感していました。

不安を胸に、それでも前を向く夏美

夏美は父の背中を追いながら、新作ケーキ作りに没頭します。
しかし、盛岡から帰ってきて以来、柾樹からは一向に連絡がありません。
「どうして何日も音沙汰がないのか・・・」
心配を隠しながらも、気丈に仕事を続ける夏美。

そんな中、同僚の保（与座嘉秋）が「今はケーキより他に考えることあるんじゃ？」と、
夏美に“結婚”の話を切り出します。
式場は柾樹の働くホテル。夏美は「全部、柾樹に任せてるから大丈夫」と笑顔を見せますが、
保の「本当に結婚するんですよね？」という一言が心に刺さります。
どうやら保は、夏美に淡い想いを抱いているように感じます。

ホテルでの再会と、柾樹の“避けるような態度”

ケーキの納品で訪れたホテル。
夏美は大学時代の友人・久美子（別府あゆみ）から「柾樹さん、さっき企画部で見たわよ」と聞かされます。
新婚カップルが笑顔で祝福を受けるロビーを見つめながら、夏美には笑顔がこぼれました。

そんな中、柾樹の上司であり、啓吾の旧友でもある山室英喜（中原丈雄）が声をかけます。
「何してんだ、入んなさい」と気さくに迎え入れ、柾樹を呼び出してくれる山室。
外国人との打ち合わせを中断して現れた柾樹に、夏美はようやく再会を果たします。

「どうして連絡くれなかったの？」と問いかける夏美に、柾樹は曖昧な笑顔を見せ、
「今日、夏美の家に行くつもりだったんだ。君にも、ご両親にも話したいことがある」と告げます。
そのまま打ち合わせに戻ってしまう柾樹を見つめる夏美の表情は、不安と期待が入り混じったものでした。

揺れる加賀美家の思惑と、崩れゆく均衡

一方その頃、盛岡ではカツノの容体を心配する環（宮本信子）が薬を持って部屋を訪れます。
しかし、カツノはすでに着物に着替え、女将としての仕事に戻ろうとしていました。
「お客様が来ているのに、寝てなんかいられない」と気丈に立ち上がるも、再びめまいでよろけてしまうカツノ。
環が恵美子（雛形あきこ）を呼び、介抱を頼む姿に、女将としての重圧がのしかかっていることが伝わります。

そんな中、環と伸一（東幹久）は再び「建て替え計画」を巡って父・久則（鈴木正幸）と対立。
「そろそろ腹をくくったら？」と迫る伸一に、「生意気なことを」と応じる久則。
カツノの反対を押し切ってでもリニューアルを進めたいという思惑が、家族の間に深い溝を作り始めていました。