2025年10月14日に放送された『どんど晴れ』第2回。
盛岡の老舗旅館・加賀美屋を舞台に、朝倉夏美(比嘉愛未)が初めて柾樹(内田朝陽)の家族と対面する回でした。
この第2回では、華やかな宴の中に描かれる「伝統ある家族の重み」と、
その中で光る夏美の天真爛漫さが印象的でした。
厳かな喜寿の宴と、初めて触れる加賀美家の世界
柾樹の祖母・大女将カツノ(草笛光子)の喜寿祝いの宴。
大広間にずらりと並ぶ親戚たちの顔ぶれと、礼儀作法にあふれた光景に、夏美はすっかり圧倒されます。
女将・環(宮本信子)、叔父で社長の久則(鈴木正幸)、支配人の伸一(東幹久)と妻の恵美子(雛形あきこ)らが次々と挨拶を述べ、
老舗旅館の“格式”というものをまざまざと見せつけられる場面でした。
けれど、そんな中でも夏美は持ち前の明るさを忘れません。
緊張しながらも笑顔で応じ、場の空気をやわらげていく姿に、彼女の人柄の温かさがにじんでいました。
この瞬間、彼女が“加賀美屋の空気を変える存在”であることを予感させます。
遠くから見守る朝倉家の想い
一方、横浜の朝倉家でも、夏美を想う両親の会話が描かれます。
母・房子(森昌子)は「ついて行ったほうがよかったんじゃないかしら」と心配しますが、
父・啓吾(大杉漣)は「柾樹君もいるんだし、大丈夫だよ」と優しくなだめます。
「見知らぬ国にやったわけじゃないしね」と微笑む房子の言葉が印象的でした。
けれど実際には、夏美にとって加賀美屋の世界は、まさに“よその国”のような場所。
この対比が物語の中に静かに響いていました。
古き良き伝統の中に息づく人のあたたかさ
加賀美屋では、喜寿の祝いに合わせて親戚一同で餅つきが行われます。
「昔は宮沢賢治も泊まったことがある」と聞き、驚く夏美。
その土地の歴史と誇りが息づく場所に、自分が足を踏み入れたのだと実感するシーンでした。
やがて、鶏小屋から逃げた鶏を夏美が見事に捕まえ、場の空気を一変させます。
「小学校のとき飼育委員だったもので」と笑う彼女に、親戚一同も思わず感心。
さらに、餅で“ウサギとカメ”を作って子供たちを喜ばせる姿に、
その場にいた大人たちも笑顔になっていきます。
カツノと環が見守る中、
「良さそうな人でよかったですね」と環(宮本信子)がつぶやく一言。
そこには、夏美という新しい風を受け入れ始めた加賀美家の変化が感じられました。
座敷わらしに見えた夏美という存在
宴が終わり、後片づけを手伝っていた夏美は、子供たちに代わって臼を蔵に片づけようとします。
そこでカツノが見たのは、暗がりの中で作業する夏美の姿――。
その一瞬、カツノは彼女を「座敷わらし」と見間違えます。
「座敷わらしの出る家には幸せが訪れる」という岩手の民話。
カツノにとって、その姿はまさに幸福を運ぶ存在に見えたのでしょう。
この“見間違い”が、のちの物語の象徴となる予感を残します。
「どんど晴れ」という言葉に込められた希望
夜、夏美と柾樹は縁側で星を見上げながら語り合います。
「座敷わらしの出る家は幸せになる」と本を見せる柾樹。
さらに、“どんど晴れ”という言葉の意味を尋ねる夏美に、
「うちの方では『めでたしめでたし』みたいな意味だよ」と答える柾樹。
「なんだか元気が出る言葉だね」と笑う夏美。
その笑顔が、まるで加賀美家全体を照らしていくようでした。
このシーンこそ、第2回のハイライト。
伝統やしきたりに戸惑いながらも、彼女が少しずつ家族の心に光を灯していく姿が、静かに描かれました。
まとめ 座敷わらしが運ぶ“どんど晴れ”の予感
第2回では、夏美が加賀美家に初めて迎え入れられる中で、
その明るさと行動力が、固い家族の心をほぐしていく様子が丁寧に描かれました。
「どんど晴れ」という言葉が、ただの昔話の締めくくりではなく、
人と人とをつなぐ希望の言葉として響いた回でもあります。
座敷わらしのような笑顔を見せた夏美が、
これからどのように加賀美家に幸せをもたらしていくのか――。
次回以降、ますます目が離せません。
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