朝ドラ再放送「チョッちゃん」第152回感想 “東京再会編──失われた街に再び灯る絆”

朝ドラ

2025年10月7日放送 第152回


ざっくりあらすじ

  • 東京へ。チョッちゃん(古村比呂)と泰輔(前田吟)は行商の前に、かつての家があった千駄木を訪れる。焼け跡で見つけた立札には、なんと“連平からの伝言”が。

  • 闇市の再会。上野の闇市で石けんを売る連平(春風亭小朝)と夢助(金原亭小駒)に遭遇。久しぶりの再会に涙する一同。かつての仲間たちは逞しく生き抜いていた。

  • 洗足での奇跡。家がなくなった洗足で、チョッちゃんは中山音吉(片岡鶴太郎)と中山はる(曽川留三子)夫妻と再会。土地の地主に頼み込み、再びこの地に小屋を建てる希望を得る。

  • 連平たちの提案。スルメや干物を売るというチョッちゃんに、連平と夢助は「売るのは自分たちがやる」と申し出る。チョッちゃんには行商を続けながら資金を貯め、再び東京に戻ってきてほしいと励ます。泰輔は東京に残って復興の足がかりを作る決意を固めた。


今日のグッと来たセリフ&場面

# セリフ/場面 ワンポイント
1 チョッちゃん「叔父さん!これ見て!」 焼け跡に残された連平からの立札。希望の糸口がつながる瞬間。
2 連平「チョッちゃん!」 闇市での再会。生きていた!という喜びが画面から溢れる。
3 泰輔「お~!甘い!」 久しぶりの砂糖の甘さに子どものような笑顔。戦後という時代の象徴的シーン。
4 夢助「今頃になってポコッと帰ってきてる間の抜けた手合いも多いんだから」 要さんを信じる軽妙な言葉に、深い優しさがにじむ。
5 音吉「この小屋に奥も手前もあるかい!」 笑いを交えながら、再会の喜びを照れ隠しする音吉節が懐かしい。
6 ナレ「もう一息だよ、チョッちゃん」 仲間たちの言葉が再出発への背中を押す。涙がこぼれるラスト。

私が感じたポイント

  • 「再会」がもたらす命の灯。焼け跡の街で、かつての仲間たちが次々と再会していく様子に胸が熱くなった。連平も夢助も、音吉もはるさんも、みんな戦火をくぐり抜けてきた。ボロボロの小屋でも、「お互い無事で何より」と笑い合える光景に、言葉にならない力を感じた。

  • 再会の喜びと、伝えなければならない悲しみ。夢助や連平、音吉やはるさんと――久しぶりの再会は、まさに奇跡のようだった。けれど、みんなが生きて再び出会えたからこそ、頼介の戦死がいっそう悔やまれる。再会するたびに、チョッちゃんは「頼介が亡くなったこと」と「要がまだ帰ってきていないこと」を一人ひとりに伝えなければならない。その姿があまりに健気で、喜びと悲しみの両方が胸に迫ってくる。戦争が終わっても、チョッちゃんの心の中には“まだ終わっていない戦い”があるのだと感じた。

     

  • 甘い砂糖の味に宿る幸福。連平が差し出した砂糖入りの紅茶?コーヒー?戦後の日本では、砂糖は“贅沢品”であり、“平和の象徴”でもあった。「甘い!」と笑う泰輔とチョッちゃんの顔が、戦争を越えた今だからこそ沁みる。

  • 人の輪でつながる再建。チョッちゃんが「スルメを売る」と言った時、連平たちが即座に「それは俺たちが売る」と申し出た。助け合いの連鎖こそが、この物語の真骨頂。誰かのために動く人がいる限り、チョッちゃんの“家”はなくならない。

  • 泰輔の決意。「俺、このまま東京に残ろうと思うんだ」という一言に、泰輔の真骨頂を見た。東京で再建の準備をする泰輔に静かな男気を感じた。(闇市での商売にワクワクしているわけではないよね・・・?)

  • 家族を支える役割の重み。泰輔が東京に残ると決意した一方で、青森には富子がいなくなる。そうなると、チョッちゃん、みさ、加津子、俊継の4人で飯炊き業を続けられるのか——。希望の兆しが見えた分、現実的な生活の心配も残る。この物語のリアリティは、こうした“生活の重み”を丁寧に描くところにあると思う。

  • 要がいなくても「要に守られている」チョッちゃん。連平の「要さんに分かったら怒られるよ」という言葉には、要がこの場にいなくても、みんなの中に確かに“要という柱”が生きていることを感じた。チョッちゃんは、要の不在を悲しむだけでなく、その存在感に今も守られて生きている――そんなぬくもりが伝わる回だった。

まとめ

第152回は、「再会」と「希望の再建」がテーマだった。焼け野原の東京に、少しずつ人が戻り、かつての絆が息を吹き返す。闇市の喧騒も、ボロ小屋の笑い声も、どこか温かく、懐かしく、力強かった。

連平たちがチョッちゃんのスルメを売ると約束した時、それは単なる商売の話ではなく、「もう一度立ち上がろう」という誓いだったのかもしれない。そして泰輔が東京に残る決意をしたことで、家族は再び“東京への道”を歩み始めた。

焦土から立ち上がる人々の姿に、チョッちゃんという作品が一貫して描いてきた「生き抜くことの尊さ」が、改めて浮かび上がる回だった。

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