朝ドラ再放送「チョッちゃん」第148回感想 “再会が告げる運命の知らせ”

朝ドラ

2025年10月2日放送 第148回


ざっくりあらすじ

  • 神谷夫妻との再会。 安乃(貝ますみ)が汽車内で体調を崩したことから、偶然チョッちゃん(古村比呂)一家と再会。妊娠を知り、一同は祝福する。

  • 頼介の遺骨。 神谷(役所広司)が持っていた風呂敷包みは頼介の遺骨だった。フィリピンで8月9日に戦死。終戦まであと6日という悔しさが語られる。

  • 生き様の記憶。 チョッちゃんは、出征前に頼介が「喜んで死ねる」と語っていたことを思い出し、彼の不器用で誠実な生き方を振り返る。

  • 滝川へ帰還。 遺骨は滝川に納められることに。安乃の赤ちゃんを「頼介の生まれ変わり」と信じ、みんなで涙する。

  • 東京の状況。 神谷が伝える東京の様子は焼け跡とバラック、犯罪や治安悪化と厳しいものだった。東京への帰還はまだ難しいと悟るチョッちゃん。

  • 別れと再会の約束。 翌日、駅で神谷夫妻と別れ。「さよならではない」「また会おう」と再会を約束し、頼介の遺骨はふるさとへ帰っていった。


今日のグッと来たセリフ&場面

# セリフ/場面 ワンポイント
1 神谷「俊ちゃん、それは頼介おじさんだ」 骨箱を前に空気が一変。戦争の現実を突きつける瞬間。
2 泰輔「バカタレが!」 頼介の死に怒りと悔しさをぶつける。愛ゆえの叫びが胸を打つ。
3 チョッちゃん「やっと…帰れるんだね」 故郷滝川に戻る遺骨を思い、涙をこらえるチョッちゃん。
4 みさ「安乃ちゃんの赤ちゃん、頼介さんの生まれ変わりでないべか?」 死と誕生がつながる瞬間、救いと希望をもたらした言葉。
5 神谷「なんも、『さよなら』ではないっしょ」 別れを前向きに言い換える神谷節。次の再会を信じさせてくれる。
6 骨箱を囲む一同の沈黙 言葉にならない悲しみが場を支配し、視聴者の胸にも重く響いた。

私が感じたポイント

  • 不器用にしか生きられなかった頼介。 出征前に「喜んで死ねる」と語った言葉どおりに戦地で命を落とした頼介。要領よく逃げることもできただろうに、最後まで誠実で不器用に生きた姿が痛ましくも尊い。

  • 命の循環を感じさせる演出。 安乃の妊娠と頼介の死が同時に描かれることで、命の終わりと始まりの対比が際立った。赤ちゃんを「生まれ変わり」と信じることで、絶望の中にも希望を見出す姿に救われた。

  • 戦争の残酷さ。 8月9日、終戦のわずか6日前に命を落とした事実が、戦争の無慈悲さを象徴していた。「もしあと少し…」という思いは、戦争体験者の誰もが抱いた感情だったのではないか。

  • 地域の記憶としての頼介。雪原を走る馬そりの映像は、頼介が確かにこの土地で生き、人々に欠かせない存在だったことを思い起こさせる。俊道の往診があの馬そりにどれほど支えられていたか。頼介がいなければ、あの厳しい冬の中で多くの人の命は救えなかったかもしれない。頼介の姿はすでにないが、その足跡は地域の記憶として生き続けている。――夜空を見上げるチョッちゃんは、ただの悲しみではなく、誇りと感謝を込めて頼介を思っているようにも見えた。

  • 東京への思い。 神谷の話から、東京はまだ混乱と荒廃の最中だと分かる。帰りたい気持ちを抱きながらも「今はまだ帰れない」と突きつけられるチョッちゃんの複雑な表情が心に残った。

  • 神谷先生の温かさ。 「さよならではない」という言葉に、また会える未来を信じさせてくれる強さと優しさを感じた。辛い現実の中でも人を支えるのは、こうした言葉なのだと思う。


まとめ

第148回は、戦争で命を落とした頼介の遺骨がついにふるさと滝川に帰ることとなった、涙なしには見られない回だった。悲しみの中で語られる彼の誠実な生き方、そして安乃の赤ちゃんを「生まれ変わり」と信じる希望。死と生が交錯する構成が見事だった。
同時に、戦後の東京の現実も描かれ、帰る場所を失った人々の苦しみが重くのしかかる。
それでも最後は「さよならではない」と未来への再会を誓うことで、観る者の心に温かな余韻を残した。

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