2025年10月1日放送 第147回
ざっくりあらすじ
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開店初日の不安。 食堂を始めたものの客足がなく、チョッちゃん(古村比呂)や泰輔(前田吟)、富子(佐藤オリエ)は焦りを隠せない。前向きに「昼になってみなきゃわからない」と言うチョッちゃんに対し、富子は悲観的な発言を繰り返し口論に発展しかける。
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喜作の呼び水。 様子を見に来た喜作(伊奈かっぺい)が座って雑炊を注文したことで客が続々と入り始める。復員兵や行商のよね(根岸明美)たちが加わり、店内は一気に賑わう。
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みさの奮闘。 みさ(由紀さおり)も給仕を手伝うが、皿を割ったり配膳を失敗したりとトラブル続き。富子と泰輔も呆れ顔を見せるが、みさは「楽しかった」と笑顔を見せ、家族は温かく見守る。
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俊継の不安。 復員兵の親子の再会を目にした俊継(服部賢悟)が「お父さん、いつ帰ってくるの?」と問いかけ、要を待つ切ない思いがにじむ。
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要の噂。 食堂を訪れた復員兵から「麻布連隊は全滅した」という噂を耳にしたチョッちゃん。動揺する彼女を泰輔やみさが必死に励ます。
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神谷先生との再会。 体調の悪い安乃(貝ますみ)を連れて現れた神谷先生(役所広司)と、偶然にもチョッちゃん一家は再会を果たす。驚きと喜びに包まれる食堂だった。
今日のグッと来たセリフ&場面
# | セリフ/場面 | ワンポイント |
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1 | 富子「昔、あんたにそういう目に遭わされてるからだよ!」 | 泰輔の過去の失敗が尾を引き、悲観的になる富子の本音が突き刺さる。 |
2 | チョッちゃん「ダメならダメでいいじゃない」 | どんな状況でも前を向くチョッちゃんの言葉に救われる。 |
3 | 喜作が雑炊を注文する場面 | 呼び水となって客を呼び込む存在感。福の神のような力を感じた瞬間。 |
4 | 俊継「お父さん、いつ帰ってくるの?」 | 子供らしい率直な問いかけに胸が締めつけられる。 |
5 | 復員兵「麻布の部隊は全滅したって噂だんだ」 | 要の安否が揺らぎ、チョッちゃんの心を深く揺さぶった一言。 |
6 | 神谷先生と安乃の登場 | まさかの再会に驚きと喜びが溢れる、感動的な場面。 |
私が感じたポイント
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前向きと後ろ向きの対比。 商売を「まだ昼前だから」と前向きに捉えるチョッちゃんと、「全部無駄になる」と悲観的に考える富子。両者の温度差がぶつかり合うが、結果的にバランスを保っているようにも見える。
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喜作の福の神ぶり。 自ら雑炊を頼んだことで客が次々と集まり、場の空気を一変させた喜作。彼の存在感はもはや「お守り」のようだ。
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みさの成長課題。 皿を割り、配膳を失敗し続ける姿にはもどかしさを覚えるが、それでも「楽しかった」と笑顔を見せる純粋さが救いだ。でも、さすがに今日はイライラしてしまった視聴者がいるかも…。富子と泰輔もイライラを隠し切れずだったし、お金をもらって商売としてやっている以上は、みさの今後の成長や適材適所が求められる場面だ。このドラマを見続けてきた視聴者なら、「みさはこのままでは終わらない」と信じているはず。
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俊継の寂しさ。 父の帰りを待ちきれない俊継が見せた「お父さん、いつ帰ってくるの?」の一言は、戦後の子供たちが抱える不安を象徴していた。姉の加津子が寄り添う姿も胸に残る。
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要の噂に揺れる心。 復員兵の言葉ひとつで揺さぶられるチョッちゃんの姿が痛ましい。真偽不明な情報に翻弄されながらも、希望をつなごうとする姿が切ない。
- 再会のドラマ。 神谷先生と安乃との再会はご都合主義に見えなくもないが、諏訪ノ平にいることは知っていても、食堂を始めたことは知らないはず。食堂という場が人を引き寄せた結果だと思えば納得できる。偶然が重なってこそ物語の妙味が生まれるとも言える。
まとめ
第147回は、食堂の開店から神谷先生との再会まで、転機となるエピソードが詰め込まれた回だった。商売に挑む不安と喜び、子供たちの寂しさ、そして要の消息をめぐる揺れる心。それらをすべて包み込み、最後に訪れた再会のシーンは胸を熱くさせた。食堂という新しい場で、チョッちゃん一家の物語はますます展開を見せていきそうだ。
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