2025年9月26日放送 第143回
ざっくりあらすじ
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加津子(藤重麻奈美)の芝居が大評判。 代役で出演した芝居は連日大盛況。村中でも「大したもんだ」と評判になる。
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光代(清水愛)との友情。 寝込んでいる光代を見舞った加津子は「芝居うまいんだもん」と褒められるが、「加津子がいたら私は要らない」と光代は胸中を明かす。
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座長の申し出。 馬之助(加藤武)が蝶子(古村比呂)の小屋を訪れ、「加津子を一座に預けてほしい」と迫る。生活の保障や将来性を説かれるが、蝶子は即答できない。
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加津子の“優しい嘘”。 「芝居は好きじゃない」と答え、座長を納得させる。だがそれは光代に役を譲りたいという思いやりからの嘘だった。
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光代との別れ。 加津子は「光代さんにお芝居をさせてあげて」と馬之助に願いを伝え、光代とは互いに別れを告げる。
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台風襲来。 その夜、青森は台風に見舞われ、小屋を襲う暴風雨の映像で締めくくられた。
今日のグッと来たセリフ&場面
# | セリフ/場面 | ワンポイント |
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1 | 富子(佐藤オリエ)「今やね、加津ちゃんが我が家の大黒柱だ」 | おひねりを喜びつつも、子供に頼らざるを得ない戦後の現実が滲む。 |
2 | 光代「加津子さんがいたら、私に役が来ないな」 | 子役としての不安を正直に吐露する姿が切ない。 |
3 | 馬之助「加津子ちゃんを、うちの一座に譲っていただきてえ」 | 才能を見抜きつつも、生活事情を盾に迫る座長の言葉の重み。 |
4 | 加津子「ホントは、芝居好きじゃないの」 | 光代に役を譲るための“優しい嘘”。子供ながらの思いやりに胸を打たれる。 |
5 | 加津子「光代さんにお芝居やらせてあげて!」 | 自分より友の幸せを願う言葉。友情の尊さが際立った瞬間。 |
6 | 舞台を見つめる加津子の表情 | 未練と決別が同居する複雑な表情。成長の一歩を感じた。 |
私が感じたポイント
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泰輔(前田吟)と富子も復調。 昨日まで落ち込み続けていた泰輔も、加津子の活躍を「大したもんだ」と誇らしげに語っていたのが印象的だった。富子も「大黒柱だ」と言い切り、すっかり元気を取り戻していた。昨日まではお荷物感に悩んでいたのに、加津子のおかげで自分たちまで誇りを持てるようになったのだろう。
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座長の先見の明。 馬之助は「親は子の才能を潰す」と語り、加津子の素質を高く評価した。確かにその目は確かだった。だって、この加津子は後に黒柳徹子となり、日本中が知る存在になるのだから。
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加津子の優しい嘘。 「芝居は好きじゃない」とあえて言ったのは、自分の本心ではなく、光代に役を譲りたいからこそ。子供らしい正直さではなく、人を思いやるための“嘘”だった。その優しさが加津子らしい。
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光代への友情。 自分が舞台に立つより「光代さんにお芝居を」と願う姿に、人の痛みを思いやる強さを感じた。子役同士の友情が胸を打った。
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別れの美しさ。 光代とのお別れは寂しくもあったが、互いを思いやる友情があったからこそ前向きなものになった。芝居舞台を後にする加津子の「晴れやかな顔」には、別れを乗り越えた成長の輝きがあった。
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チョッちゃんの母親としての芯。 座長に迫られても、最後は「子供は夫と自分のもの、勝手には決められない」ときっぱり断った蝶子。どんなに生活が苦しくても子供を守る母親の強さを感じた。
まとめ
加津子の才能をめぐり、大人たちが揺れる一方で、本人は「芝居は好きじゃない」と“優しい嘘”で線を引いた回だった。光代との友情、座長の先見の明、富子や泰輔の変化、そして母親としてのチョッちゃんの芯。戦後の不安定な生活の中でも、人との関わりが心を動かし、支え合う姿が描かれていた。
そして夜の台風襲来。平和が訪れたとはいえ、自然の脅威は待ってくれない。家族を守り抜こうとするチョッちゃんに、また新しい試練が迫ってきている。
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