朝ドラ再放送「チョッちゃん」第136回感想 諏訪ノ平での再会と選んだ疎開先——“リンゴ小屋”に宿る未来

朝ドラ

2025年9月18日放送 第136回


ざっくりあらすじ

  • 疎開の途上で体調不良。 汽車の中でみさ(由紀さおり)が具合を悪くし、駅で休むことに。

  • 行商のおばちゃん(黒柳徹子)の助言。 この近くに知り合いはないかと聞かれ、蝶子(古村比呂)はリンゴを送ってくれた中本喜作(伊奈かっぺい)を思い出す。

  • 中本家での再会。 喜作と妻のよし(高柳葉子)が歓迎し、二人の子供の良平(中野慎)は加津子(藤重麻奈美)・俊継(服部賢悟)とすぐに打ち解ける。

  • 滝川か、諏訪ノ平か。 嘉市(レオナルド熊)の牧場ではなく、中本家の厚意に甘えることを決意。親戚に頼らぬ選択は、三代治(山本亘)への配慮でもあった。

  • リンゴ小屋を希望。 蝶子は母屋ではなくリンゴ小屋での暮らしを望み、自ら大工仕事で整えると宣言する。


今日のグッと来たセリフ&場面

# セリフ/場面 ワンポイント
1 行商のおばちゃん「一日休んだほうがいいなす 戦中でも変わらぬ人情の温かさ。
2 中本喜作「いやいやいや、よくまあ思い出してけだなす 思い出が縁を再び結ぶ瞬間。
3 よし「あんたがたから礼状ばもらって 子供たちの手紙が生んだ再会。
4 加津子「行こう!」と良平に声を弾ませる 子供同士は一瞬で距離を縮める。
5 みさ「三代治さんの評判に傷がつくかもしれない 親戚を思う気遣いの鋭さ。
6 蝶子「私がやりますから」(小屋を整えると) 大工仕事で未来を切り拓く意志。

私が感じたポイント

  • 行商のおばちゃんの存在感。 短い登場ながら、東京とは全く違う時間の流れを見せてくれた。空襲に怯える日常から一転、田舎の人情に触れることで、緊張がふっと和らいだように見えた。

  • 黒柳徹子の“遊び心”。 行商のおばちゃんを演じたのが黒柳徹子。その黒柳自身が加津子のモデルだという事実を知っていると、思わずニヤリとする。娘のモデルが母の旅路を助ける——物語の外側と内側が交差する小さな仕掛けが効いていた。

  • “リンゴ”がつないだ縁。 去年の手紙と絵を大切に取っていてくれた中本夫妻。その記憶が、今回の再会をより温かくしていた。戦争が人を分かつ一方で、果物と子供の絵が人をつなぐ。そんなささやかな縁が心に残った。

  • みさの判断力。 滝川に帰れば親戚・三代治に迷惑をかけるかもしれない——そう言い切るみさは、ただ“のんびり屋”ではない。過去の記憶と周囲の評判、その両方を踏まえて冷静に進路を定める姿は、ここ数回で一層際立っている。

  • “もしも策士みさ”という妄想。 もちろん実際は違うだろうけれど、もしみさが「嘉市さんのところに世話になれば三代治の評判に傷がつく」とまで計算して、途中下車であえて諏訪ノ平を選ばせたとしたら……そののんびり顔の裏に恐ろしいほどの参謀ぶりが隠れていたことになる。そう考えると、ただの癒やし役ではなく“家族を導く存在”としての新しい一面も浮かび上がってくる。

  • リンゴ小屋を選ぶ蝶子。 母屋ではなく、あえて小屋を望んだ蝶子。その選択には、客ではなく“居候”として遠慮しすぎず、働きながら共に暮らすという覚悟がにじむ。大工仕事を自分でやると宣言する姿は、元々得意だった大工仕事+音吉から受け継いだ技と心を示すものとも感じた。

  • 諏訪ノ平という新しい居場所。 戦争は人を分断するが、同時に新しいつながりも生み出す。滝川に戻るはずが、偶然と人情でたどり着いた諏訪ノ平。ここでの暮らしが、岩崎家にとってどんな未来を描くのか——新章の始まりを感じさせる回だった。


まとめ——“思い出の家”ではなく“出会いの家”へ

親戚の家でも昔馴染みの牧場でもなく、中本家を新たな居場所に選んだチョッちゃん一家。戦時の不安の中で、人の縁と判断力が未来を形作っていく。今日の十五分は、“居場所を選ぶこと”が同時に“生き方を選ぶこと”になるのだと教えてくれた。

『チョッちゃん』感想まとめはこちら

お知らせ

本日19時から、岩崎要を演じた世良公則さんと、岩崎蝶子を演じた古村比呂さんの特別対談が世良公則さんのYouTubeチャンネルで配信されます。作品を彩った二人が今、どんな思いを語ってくれるのか楽しみです。詳細は公式ポストをご確認ください。

 

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