朝ドラ再放送「チョッちゃん」第108回感想 “さるまた騒動”と祖母W初対面――恋と家族の距離が一気に縮んだ日

朝ドラ

2025年8月16日放送 第108回


ざっくりあらすじ

  • 朝の病室に要(世良公則)。加津子(椎野愛)は読書のふりをしつつ盗み聞き。要が「干してある男物の下着が俺のじゃない」と訴え、向かいの音吉(片岡鶴太郎)に確認するも「あっしは、さるまた、はかねぇ」。

  • そこへ安乃(貝ますみ)。「それ、神谷先生(役所広司)のです」と即答。神谷宅の洗濯物を持ち帰って一緒に洗ったと説明。要&蝶子(古村比呂)はホッ。

  • 洗足の家では、神谷が下着を受け取りに。安乃が“洗わなくていい”と言う神谷に「なら自分でちゃんと洗って。洗えないなら人の親切は受ける」とビシッ。音吉はこのやり取りを“のろけ”と解釈。

  • 病室にはみさ(由紀さおり)・連平(春風亭小朝)・夢助(金原亭小駒)、看護婦の増田たま(もたいまさこ)・横山里子(吉田やすこ)。さらに要の母・まつ(初井言榮)が訪れ、祖母W初対面に。

  • 間の悪さ極まって富子(佐藤オリエ)も登場。気まずさ限界で連平&夢助は退散、富子もフォローに失敗して撤退。残されたみさ×まつ×加津子のカオスを、桃缶オープン(缶切り担当:まつ)で乗り切る。

  • 蝶子到着でようやく場が落ち着く。みさと蝶子は「親子三代そっくり」で意気投合。

  • 二日後。邦子(宮崎萬純)は大川(丹波義隆)との結婚を決意。最後まで引っかかっていたのは神谷への想いだが、安乃がそばにいることで腹が決まったと打ち明ける。

  • 黒木医師(大門正明)から加津子は一週間後に退院可の朗報。要は「11年前、初めての求婚ビンタより今回のほうが痛かった」と笑いに変え、夫婦の距離も近づいて今週〆。


今日のグッと来たセリフ&場面

# セリフ/場面 ワンポイント
1 加津子「さるまたってなあに? 読書の“盗み聞き職人”ぶり、今日も絶好調。
2 安乃「神谷先生のです」→要&蝶子ホッ 下着一枚で進む“ひょっとして”フラグ。
3 安乃「洗わないなら自分で洗って/洗えないなら親切は受ける 叱り方が実務の愛。距離の取り方も絶妙。
4 加津子「あーあ…」(祖母W+富子カオスの中) 子ども視点の“空気読めてるため息”が名演出。
5 まつ、桃缶オープン/みさは缶切り未経験 生活スキルの違いが性格も浮き彫りに。可笑しくも温かい。
6 邦子「安乃ちゃんがいてくれる気がして、安心したの」 結婚決断の背を押したのは“人の配置”。
7 黒木医師「一週間ほどで退院できそうです」 長期戦の出口がようやく見えた。
8 要「11年前のより痛かった 危機を笑いに変える夫婦漫才で、心の回復を実感。

私が感じたポイント

  • 椎野愛さんの“目で語る”演技。 祖母W初対面〜富子乱入のカオスで、視線の泳ぎやまぶたの揺れ、唇の尖り、そして小さな「あーあ…」までが空気を運ぶ。台詞より先に状況を伝えるミクロ表情の設計が今日の肝でした。

  • 洗濯物=暮らしの匂いが運ぶ恋のフラグ。下着一枚で神谷×安乃ラインが“現実の距離”に。前回の「ひょっとしたら、ひょっとするかも」が一段具体化しました。

  • 祖母W初対面の“沈黙の圧”が最高。富子の空回り、連平&夢助の逃走、加津子の「あーあ…」。言葉より空気で笑わせ、最後は桃缶で和むリズムが見事でした。

  • みさ=場の温度を下げる人、まつ=手を動かして回す人。缶切りひとつで役割が立ち上がる。

  • 邦ちゃんの決断は“安乃カード”が鍵。 神谷先生を置き去りにしないための安心材料が整ったからこそのGO。恋の線と家族ケアの線が、穏やかに交差しました。

  • 加津子の退院=次の段取り開始。 家の配置換え、付添いローテ、要の仕事ペース——長期戦から在宅ケアへ、再び“共同体設計”が必要になります。

  • 要の自虐ツッコミ(ビンタ比較)は、家族が“笑える”段階に戻った合図。危機をユーモアに変換できたら、もう半分は乗り越えています。


まとめ――下着と桃缶が運んだ、やわらかな前進

第108回は、生活の細部が人間関係を一歩進める回でした。洗濯物で恋が近づき、桃缶で家族がほぐれ、医師の一言で長いトンネルの出口が見える。次は退院後の暮らしの設計と、神谷×安乃の“実務連携”が情に育つか。そして邦子の結婚がどんな波紋を呼ぶのか——静かな期待を抱かせる締めでした。

あなたなら、誰かの背中を押す“安心材料”をどこに置きますか?

『チョッちゃん』感想まとめはこちら

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