朝ドラ『あんぱん』第98回感想と考察 “嘘をほどく日”から7年ジャンプ、ミュージカル招集と初衝突まで一気呵成の回

朝ドラ

2025年8月13日放送(第20週・第98回)


◆ 本記事のポイント

  • のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)が互いの嘘とクビ通告を打ち明け、関係をリセット

  • 嵩の新作『メイ犬BON』に込めた“微笑ませる使命”が言語化

  • 物語は一気に7年後へ――テレビ購入、蘭子(河合優実)の活躍、取り残され感に揺れる嵩

  • いせ たくや(大森元貴)&六原永輔(藤堂日向)のミュージカルから舞台美術オファー

  • 稽古場で六原と価値観クラッシュ、いせの必死の仲裁で次回へ


二人の“本音解禁”――メイ犬BONの原点が明らかに

朝。嵩は“黒板スケジュールが全部ウソ”と白状し、見えっ張りだったと謝罪。のぶはさらに重く、薪鉄子秘書をクビになった事実を告げます。「お先真っ暗だね」と弱音を吐く嵩に、のぶは力強く「こればあじゃ、へこたれん」と宣言。さらに「次の職場も紹介されたき、気兼ねなく描きや」と背中を押します。ペンを走らせながら、嵩は『メイ犬BON』に込めた一文を呟く――“あなたがゲッソリしてもう死にたい時、どうしても微笑ませるのが生きがい”。戦地の極限経験が、作品の使命感に変換された瞬間でした。

私のひとこと感想:やさしい嘘を解くと、作品テーマまでクリアに見えてくる。“微笑ませるために描く”――嵩の漫画のコアが定義された回でした。


7年ジャンプ――テレビ導入、蘭子は連載順調。取り残される嵩

時間は一気に7年後へ。長屋にはテレビ(分割払い)が入り、のぶの収入も安定。蘭子は会社勤めと映画評の連載を両立し、令和顔負けの副業モード。対して嵩は、仲間の久里田やコオが成功する中で“自分だけ止まっている”感に苛まれます。

私のひとこと感想:7年スキップで“停滞の重さ”がズシン。続ける体力は才能の一部――でも孤独にはさせないのぶが最強。


いせ&六原、ミュージカルからの“舞台美術オファー”

いせ たくやと六原永輔が嵩の自宅へ来訪。いせはCM曲で成功中、六原は「日本人による日本人のためのミュージカル」を構想し、舞台美術を嵩に依頼。決め手は、かつての三星劇場ポスター。蘭子の「随分、適当ですねえ」は相変わらずのキレ味。未経験に怯む嵩を、のぶは“たっすいがーは いかん」で押し出し、「明日見学して、嫌なら断ればえい」と逃げ道も用意します。

私のひとこと感想:評価は“覚えてくれている人”が連れてくる。いせの記憶力=最高の営業マンだし、のぶの伴走力=最高のプロデューサー。


稽古場で初衝突――“全部捨てて専念しろ”に揺れる

稽古見学当日。六原は「俺たちは一切の仕事を捨ててこのミュージカルに賭けてる。君も同じに」といきなりフルコミット要求。嵩は「自分は普通の人間だから、そこまでは」と後ずさり。帰ろうとする背を、いせが必死で引き留めます。

私のひとこと感想:フルベット型クリエイター vs 生活も守る職人型――価値観の初衝突。ここを越えた先に“嵩らしい関わり方”が見えるはず。


まとめ――“嘘をほどいた朝”が、7年後の挑戦に繋がった

  • 夫婦は本音共有で再起動、嵩の創作ミッションが明確化

  • 7年後、仲間の成功と自分の停滞が対照に

  • いせ&六原のミュージカル案件で新フィールドへ

  • 稽古場での価値観クラッシュが次の課題を提示

次回注目ポイント

  1. 嵩は“舞台美術”にどう居場所を作る?(専念か、両立か)

  2. のぶの“次の職場”はどこに――政治と現場の往還は続く?

  3. 『メイ犬BON』は連載・単行本化へ転がるのか?

“見上げてごらん夜の星を”――嘘をほどいた先の7年、ここからまた始まる。

 

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