2025年8月12日放送 第104回
ざっくりあらすじ
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俊道〈佐藤慶〉の助言で大病院を再受診し、加津子〈椎野愛〉は結核性股関節炎と診断、そのまま入院となります。案内役は看護婦・増田たま〈もたいまさこ〉でした。
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先医の「慢性関節リウマチ」との相違に要〈世良公則〉が激昂。飛び出そうとする要を、たまの一喝と蝶子〈古村比呂〉のビンタが制し、黒木医師の説明に耳を傾ける体勢が整いました。
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親戚の泰輔〈前田吟〉・連平〈春風亭小朝〉も駆けつけて励まします。付添は蝶子が残り、要は一旦帰宅へ。
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洗足の家では、お向かいの音吉〈片岡鶴太郎〉・はる〈曽川留三子〉が食事面を支援。富子〈佐藤オリエ〉も奔走し、ご近所力が発動します。
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滝川に電話で報告。俊道は医師として心配し、みさ〈由紀さおり〉には教会で祈ることを勧めます。邦子〈宮崎萬純〉が花を手に見舞いに来て、気丈だった蝶子の緊張がほどけ、幼馴染の絆で抱きとめられます。
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追加検査で他臓器への波及は見られず命の危険は遠のく一方、治療は長期戦に。夜、蝶子は病室でブラームスの子守歌をハミングし、要は自宅で雅紀・俊継の寝かしつけに四苦八苦します。
今日のグッと来たセリフ&場面
# | セリフ/場面 | ワンポイント |
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1 | たま〈もたいまさこ〉「静かになさい!」 | 修羅場を一喝で整える現場力でした。 |
2 | 蝶子、要に平手「当たり前とはなんです。先生に謝りなさい」 | 怒りの矛先を“治療へ”向け直す合図でした。 |
3 | 黒木医師「我々も全力を尽くします」 | 医療者の覚悟に、親の不安が少し解けました。 |
4 | 泰輔「万が一のことがあったら承知しませんよ!」 | 強面の励ましが場の空気を支えました。 |
5 | 邦子「大丈夫だ、チョッちゃん」 | 気丈さがほどけ、幼馴染のセーフティネットが作動。 |
6 | 病室の子守歌/自宅のてんやわんや | 離れていても、それぞれの“夜戦”が切なかったです。 |
私が感じたポイント
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誤診への怒りは“誰のため”かだと痛感しました。要さんの激昂は親の本能ですが、いま必要なのは治療の継続と段取りです。蝶子のビンタは“怒りの再配分”に見えました。
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看護職の胆力が光りました。増田たまさんの一喝が、医師の説明を通す前提をつくっていました。こういう人が現場を回しているのだと伝わります。
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医療と祈りの共存がこのドラマらしいです。俊道の実務的助言と、みさの祈りの勧め。科学と信仰が対立せず、家族の支えとして並走していました。
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ご近所力のありがたさ。音吉・はる、富子、泰輔・連平……危機のとき、“家族を家族たらしめるのは共同体”だとあらためて感じました。
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幼馴染の即時セーフティネット。富子や医師、要の前では弱さを見せなかった蝶子が、邦子の顔を見た瞬間に緊張の糸が切れました。邦子が即座に肩を貸す一連に、長年の信頼がにじんでいました。
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長期戦の構え。他臓器への波及がない安堵と、治療が長丁場になる現実。付添シフトや家事分担、要さんの仕事との両立まで、日常をどう設計するかが問われます。
まとめ――怒りの行き先を変えると、物語も動き出す
第104回は、診断変更と父の逆上から、“治す”に向けて心を整えるプロセスを描きました。家族と医療者、地域の支えが一本の綱になる――その第一歩です。次回、入院生活が本格化します。蝶子の体力と要さんの役割分担、そして加津子の痛みとの付き合い方に注目して見ていきたいです。
あなたなら、危機のとき“怒り”をどこへ向け直しますか?