2025年8月11日放送 第103回
ざっくりあらすじ
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滝川のみさ〈由紀さおり〉から大量の野菜が到着。石沢嘉市〈レオナルド熊〉の牧場からの恵みも含め、富子〈佐藤オリエ〉やお向かいのはる〈曽川留三子〉へお裾分けします。
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要〈世良公則〉の仕事は“選り好み”で収入が不安定。安乃〈貝ますみ〉は無給も申し出るが、蝶子〈古村比呂〉はきっぱり断り、必要時の相談だけ了承します。
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夕方、加津子〈椎野愛〉は何度も転びながらも「大丈夫」と笑顔。しかし夜になると激痛で泣きじゃくり、深夜にも再発。要は練習や睡眠を理由に苛立ちを見せ、蝶子と気まずい空気に。
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翌朝受診し「慢性関節リウマチ」と診断。注射を受けた加津子は「泣かなかった」と胸を張り、はるに褒められて得意顔になります。
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満州にいる道郎〈石田登星〉からは“支社長の娘さん”という恋人報告が届き、邦子〈宮崎萬純〉は大川信吾〈丹波義隆〉からの求婚を「本気で考える」と表明。
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蝶子は富子宅の電話で滝川に報告。みさは相変わらずおっとりと励まし、俊道〈佐藤慶〉は「設備の整った病院で」と医師らしく助言。直後、加津子の痛みがふたたび強まり、蝶子はただならぬ不安を抱えます。
今日のグッと来たセリフ&場面
# | セリフ/場面 | ワンポイント |
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1 | みさからの野菜の木箱を前に、蝶子の笑顔 | 物資難でも“つながり”が食卓を支えます。 |
2 | 要「ちゃんと睡眠を取らないと満足に練習ができん」 | 父の本音がこぼれ、夫婦の温度差が露呈します。 |
3 | 加津子「痛いよー、アンヨが痛いよー」 | 子どもの直裁な言葉が胸に迫ります。 |
4 | 加津子「泣かないもん」→はる「偉い偉い」 | 小さな誇りを大人が受け止める優しい瞬間です。 |
5 | 邦子「迷いはないけど、考えている」 | 仕事と結婚、戦時下の選択に芯の強さが見えます。 |
6 | 俊道「設備の整った病院で診てもらいなさい」 | いざという時の“医の背骨”が頼もしいです。 |
私が感じたポイント
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支え合いの循環――滝川からの野菜、お裾分け、安乃の気遣い。物不足の時代でも、助け合いのネットワークが家族を温めます。
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要さんの“音楽の都合”と親の現実がぶつかりました。深夜の苛立ちは理解できる一方、痛みの主体は子ども。蝶子の受診判断とケアの速さに救われます。
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「泣かないもん」の自己効力感が眩しいです。注射を“誇れる体験”に変える周囲の言葉掛け(はるの称賛)が効いていました。
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診断名の重み――慢性関節リウマチという長期戦の予感。俊道の“設備の整った病院”提案は、情より先に具体策を示す良いバランサーでした。
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恋の行方も加速。道郎は満州で新章へ、邦子は大川と“本気で考える”段階へ。戦時下でも人は生き、選び、進むのだと感じます。
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家計と誇りのせめぎ合い――安乃の無給申し出を断り続ける蝶子の矜持が眩しいです。「困ったら頼る」のライン設定も現実的でした。
まとめ――痛みと生活を“分けない”覚悟
第103回は、子どもの痛み、家計の不安、恋の決断――さまざまな“痛点”が同時に押し寄せました。蝶子は支え合いの輪を広げながら、必要な医療へと舵を切ります。次回、加津子の症状はどう動くのか。要さんの向き合い方は変わるのか――見守りたいと思います。
あなたなら、家族の“痛み”と暮らしの“やりくり”を、どう両立させますか?