朝ドラ『あんぱん』第95回感想と考察 退職願と理想の衝突、母への八つ当たりから見えた“ちっぽけな自分”でも前へ進む回

朝ドラ

2025年8月8日放送(第19週・第95回)


◆ 本記事のポイント

  • カフェで嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)が退職可否を議論、実物の手嶌治虫(眞栄田郷敦)出現で決断が加速します。

  • のぶ(今田美桜)と薪鉄子(戸田恵子)がついに正面衝突。理想と政治の現実がぶつかりました。

  • 登美子(松嶋菜々子)来訪で家庭会議発火。嵩は母に八つ当たりし、自らの“ちっぽけさ”と向き合います。

  • それでものぶは夫を信じる姿勢を崩さず、物語は次の段階へ進みます。


カフェで決意――ライスカレーと退職願のゆらぎ

健ちゃんとカフェでライスカレーを食べながら、嵩は「今日こそ退職願を出す」と宣言します。良い職場・良い人・安定収入という三拍子が決断を鈍らせる一方、収入か自由かの二者択一が胸を締め付けます。そこへ店内に手嶌治虫(眞栄田郷敦)が現れ、創作の衝動が一気に沸点へ――嵩は会社へ戻り、引き出しの退職願を提出しました。

私のひとこと感想:昭和のカレーは決断の味。“天才の実像”は最強のトリガーですね。ライスカレーばっかり食ってるから、こっちも、いつもつられてカレー食いたくなるんだわ(笑)


理想と現実の断層――のぶ×薪鉄子、初の目に見える衝突

悲母の会の声を束ねた資料に目を通してほしい――のぶの願いに、過密日程の薪鉄子は「後で見る」と受け流します。弱者の声を優先したいのぶと、まず政策を通すために勝たねばならないと説く薪鉄子。“戦争のない世界”はきれい事なのかという問いに、薪鉄子は「甘い!」と一喝し、「文句があるなら辞めてもいい」と突き放しました。

私のひとこと感想:理念と勝ち筋の両立は永遠の課題。のぶの“現場の体温”をどう政策に翻訳するか、次週の鍵です。世の中ってどうやったら変わるんでしょうね。


家庭会議炎上――登美子来訪と“漫画一本”宣言の激突

のぶの長屋に現れた登美子は、のぶの妊娠か嵩の出世と勘違い。実際は嵩の退職話で、漫画だけで生きる決意に真っ向から反対します。帰宅した嵩に向かい「考え直して」と迫る母。「無責任すぎる」「辞めるのはのぶの方」と畳みかけられ、嵩の感情は爆発。「僕たちの人生に立ち入らないで。帰って」と突き放してしまいます。のぶは自分の衝突(薪鉄子との一件)を飲み込み、ただ夫の背を支えます。

私のひとこと感想:嵩が大事な話があるって母に提案したのに、話し合うこともせず、八つ当たりするは、追い返すはでは、ちょっとひどすぎませんかね。こういうことをしちゃうと自分はちっぽけな人間だって思っちゃうのかもしれませんね。親子バトルは後味が重い…。でも「いつか天才もビックリするような作品を作る」と“信じる伴走者”がそばにいる限り、挑戦は続けられます。


退職願に至る心の地図――“収入か自由か”を超えるもの

嵩の逡巡は“責任感”の裏返しです

職場も人も好き、生活も守らねばならない――そのための躊躇でした。だからこそ、創作の衝動が理屈を突き破る瞬間に価値があります。

のぶの沈黙は“信頼”の発露です

自分も仕事で壁にぶつかった日に、夫の挑戦を止めず、言葉を飲み込む。夫婦のタッグが次章をひらくと感じました。


まとめ――“ちっぽけ”を自覚しても歩みは止めない

  • 嵩は実物の手嶌治虫と遭遇し、退職願を提出しました。

  • のぶは理想と現実の狭間で薪鉄子と衝突しました。

  • 登美子との断絶は痛手ですが、のぶの信頼が物語を前進させます。

次回注目ポイント

  1. 嵩の連載・持ち込みはどこへ向かうのか。

  2. のぶは悲母の会の声をどう政策ルートに乗せるのか。

  3. 親子関係の修復はいつ、どのきっかけで訪れるのか。

“勇気の花”――ちっぽけさごと抱えて、それでも前へ。次回も面白がって見届けます。

 

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