朝ドラ再放送「チョッちゃん」第98回感想 物不足の東京で育つ夢――“校歌プロジェクト”とマッチ一本の重み

朝ドラ

2025年8月5日放送 第98回

ざっくりあらすじ

  1. 物資不足が深刻化する東京。蝶子〈古村比呂〉は三児を連れ泰輔〈前田吟〉宅を訪問し、北海道の両親へ電話。加津子〈椎野愛〉は杉山学園の近況を長々と報告し、蝶子は味噌や砂糖の仕送りを急ぎ依頼。

  2. 砂糖は切符制、マッチは貴重品。子どものイタズラでぐちゃぐちゃにされると一家の死活問題になると嘆く大人たち。

  3. 夢助〈金原亭小駒〉の稽古を「質問しない」と約束して見学する加津子。泰輔は喫茶店の先行きを案じつつ「なるようになる」と開き直りの笑み。

  4. 洗足へ戻ると要〈世良公則〉・連平〈春風亭小朝〉・坂上〈笹野高史〉が素麺をすすりつつ仕事激減の暗雲トーク。要は“教えることで金を取る”ことに抵抗感を示す。

  5. 蝶子は内職を開始。加津子は「お父さんも内職すれば?」と純粋質問、お父さんはバイオリンしかできないからと説明。

  6. 音吉〈片岡鶴太郎〉夫妻が訪ね、加津子は「駅員さんになる! 切符を集めたいから」と宣言。建具屋志望だったはずの音吉ショック。

  7. 杉山学園に校歌が無いと知った加津子は要へ作曲依頼。自作の可愛い歌詞まで準備し、要は徹夜制作を約束。

  8. 翌日、校長が既に校歌作成と判明し落ち込む加津子。蝶子がフォローを請け負い、笑顔が戻るところで幕。

今日のグッと来たセリフ&場面

# セリフ/場面 ワンポイント
1 富子「マッチごときで頭を痛めるなんて悲しいね」 物不足のリアリティが凝縮
2 要「金を取って教える気はない」 プライドと生活苦のせめぎ合い
3 加津子「お父さんの曲を校歌にしてください!」 小1とは思えぬプロデューサー気質
4 音吉「建具屋じゃねーの!?」 夢変換にショックを受ける師匠
5 泰輔「なるようにしかならん」 流通難を吹き飛ばす豪快ポジティブ

私が感じたポイント

  • マッチ一本の価値――電気ライフの現代では想像しづらいが、火種が“死活インフラ”だった事実にハッとしました。

  • 要さんの“教えれば稼げる”話を突っぱねる頑固さは美徳と紙一重。戦時下で信念を貫けるのか見ものです。

  • 切符集めで駅員志望に転向する加津子の柔軟さが可愛い。子どもの夢は物資状況に左右されるという皮肉もちらり。

  • 校歌プロジェクトが父娘クリエイションになる直前でストップ。せっかく父と娘の合作の校歌が無駄になってしまうのか気になるところです。

  • 蝶子の「みんな苦しいのよ」発言が光る。苦境を“一人の問題にしない”姿勢は、今を生きる私たちにも有効なメンタリティ。

まとめ――不足の時代でも、アイデアは尽きない

第98回は物不足・仕事不足を背景にしつつ、加津子の校歌企画や駅員宣言が家庭に小さな希望を灯しました。だが外来語禁止・洋楽締め付けが迫り、要の音楽人生は岐路へ。次回、父娘の校歌は日の目を見るのか? そして物資難は岩崎家をどこまで追い込むのか、注目です。

あなたなら、物がなくても“創り出す”ために何をしますか?

『チョッちゃん』感想まとめはこちら

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