2025年7月30日放送 第93回
悪魔か平和の使者か? 加津子〈椎野愛〉を巡る“木づち”攻防戦
要〈世良公則〉はバイオリン練習の妨げになるお向かいの木づち音を止めさせようと、娘の加津子を「平和の使い」に仕立てます。音吉〈片岡鶴太郎〉は頼まれれば従うしかなく、要の作戦は成功――しかし大人の都合に子どもを巻き込む卑怯さがにじみ出ました。
彦坂安乃〈貝ますみ〉、押しかけ家政婦宣言!
三児の育児でてんてこ舞いの蝶子〈古村比呂〉を案じた安乃が、給金不要で家政婦にしてほしいと懇願します。滝川時代の“おいしいおいしい”のひと言に救われた――その恩返しをしたい一心の真剣さに、要も蝶子も折れ、月15円・隔日勤務の契約が成立しました。
頼介〈杉本哲太〉の安堵と“もしもの日”
軍人の兄・頼介が現れ、妹の行く末を案じる胸の内を明かします。「いつ死ぬかわからないからこそ安心だ」と久々の穏やかな笑顔。戦時下ならではの切実なセリフが、背後に漂う不安を際立たせました。
滝川の手紙騒動――「ワシには話さなかった!」俊道最大のいじけ
蝶子から届いた入学祝いの礼状を、みさ〈由紀さおり〉・俊道〈佐藤慶〉・品子と並んで朗読。手紙には加津子が「学校での出来事を毎日たくさん話してくれる」と書かれており、みさは加津子が蝶子の子供時代にそっくりだと目を細めてほくほく。ところが俊道は
「ワシには、蝶子はなんにもしゃべらなかった。」
と拗ねモード全開。さらに「お前にはそんなにたくさん話してたのかい?」と嫉妬心むき出しで問い詰め、品子は気まずさにそっと退却――今日イチの面白ポイントは、この“昭和版ヤキモチ父”のいじけ芸でした。
神谷容〈役所広司〉×邦子〈宮崎萬純〉×安乃――三角関係に新たな影?
神谷先生は自作童話『クリちゃんの大冒険』を入学祝いに持参。腰痛を抱えつつ日雇いも続ける現実に、邦子はマッサージで労わります。帰路、並んで歩く神谷と安乃を見た要が「似合いだな」とポツリ。ナレーションの“変な予感”が、静かな波紋を広げました。
今日のグッと来たセリフ&場面
# | セリフ/場面 | ワンポイント |
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1 | 蝶子「悪魔の使者にしても構わないの?」 | 子ども利用作戦をズバッと皮肉 |
2 | 安乃「滝川の恩を返したいんです」 | 純粋な奉仕の決意が胸を打つ |
3 | 頼介「自分がいなくなっても妹のことは安心だ」 | 戦時下のリアルな覚悟 |
4 | 邦子の複雑な表情とため息 | 邦子にまた問題発生? |
5 | 俊道「ワシには、蝶子はなんにもしゃべらなかった」 | 手紙をめぐる父の全力いじけ |
6 | 要「似合いだなあ…」 | 何気ない一言が生む三角模様フラグ |
私が感じたポイント
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要さん、アンガーマネジメントの掛け声だけでは克服できず、娘を“交渉材料”にする狡さが炸裂しました。
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安乃の「恩返し」は、滝川編で描かれた階級や貧富を超えた友情の結晶。蝶子の“何気ない優しさ”が巡り巡って今、大きな支えになっています。
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頼介の台詞が、物語を戦時色へ一段押し進めました。笑顔の裏にある“死”のリアリティが重いです。
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要の“似合いだ”発言――恋模様が複雑に揺れそうでドキドキします。
まとめ――“ありがとう”が紡ぐ新たな力
入学前夜の岩崎家は、加津子という小さな使者と、安乃の大きな恩返しで“家族の輪”をもう一回り拡げました。一方で、要さんの短気と戦時下の不穏がじわり。
次回、安乃・神谷・邦子の関係はどう動くのか? そして要さんは「1・2・3」で本当に怒りを制御できるのでしょうか。
あなたなら、誰かの恩をどうやって返しますか?