2025年6月27日放送の第83回は、要さん(世良公則)の“結婚するための大ウソ”が完全露呈し、チョッちゃん(古村比呂)が怒りに任せて家出→居候→銀座→邦ちゃん(宮崎萬純)宅と転々。誰一人として彼女の怒りを真正面から肯定してくれず、迷走に迷走を重ねる 15 分でした。チョッちゃんの涙と要さんの開き直り、そして周囲の“男はそんなもん”論まで、怒涛の感情ジェットコースターを振り返ります。
「声楽家に才能なし」は真っ赤なウソ! 岩崎家の大口論→「出ていけ!」
前回、要が告白した“才能なし発言はウソでした♪”が引き金となり、岩崎家は修羅場。機嫌を取ろうと家事を手伝う要にチョッちゃんは無言→険悪→大口論。「自分の意志で諦めたならともかく、あなたのウソで夢を諦めた!」と怒鳴るチョッちゃん。お向かいの音吉夫妻が慌てて仲裁に入るが、要の口から飛び出した禁句──
「だったら出ていけ!」
鍋のフタが落ちる音より衝撃的。チョッちゃんは加津子を背負い、家を出ました。
野々村家で愚痴大会――しかし“男はそんなもん”の大合唱
避難先は泰輔おじさん(前田吟)の家。事情を聞いた泰輔はご飯を食べ続けるだけで苦笑。富子さん(佐藤オリエ)は「男はそんなもんだよ」とアッサリ。兄・道郎(石田登星)まで「なんで怒るんだよ」と言い放つ。誰ひとり要を非難しない現実に、チョッちゃんの怒りは行き場を失います。
円タクで銀座『泉』へ――青春の灯が眩しすぎて踵を返す
泰輔から円タク代を借り、懐かしの喫茶『泉』へ。だが扉の向こうから聞こえる笑い声に足が止まる。赤ちゃんを背負った自分が入っていい場所じゃない…と踵を返し、入り口から反転するチョッちゃんの背中が小さく見えました。
邦ちゃん宅で“隣の芝生”相談――涙ポロリ
頼ったのは邦ちゃん。「結婚、後悔してるの?」と核心を突かれ「なんも…そんなことじゃなく…」と答えにつまるチョッちゃん。邦ちゃんは隣の芝生が青く見えちゃっただけじゃないかと穏やかに諭す。その言葉すら胸に刺さり、チョッちゃんの瞳から一筋の涙。「助けて」と声にならない叫びが聞こえた気がしました。
要さんの“俺理論”――ウソも愛情、詐欺は騙される方が悪い?
一方の要は神谷先生(役所広司)に相談。「自分の道は自分で決めろ」とチョッちゃんに教えたのは自分だと語りはするが、要さんがウソをついたことについて神谷先生から大した咎めはなし。帰宅後チョッちゃんとようやく向き合うも…
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ウソをついたから結婚できた。
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声楽家になったら他の男に取られるかもしれないから嫌だった。
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詐欺は騙される方にも非がある!
――という無敵の自己弁護。チョッちゃんは呆れ「結婚詐欺」と一言。でも最後には無敵の要理論にも「ま、そうだね」と微かに頷いたようにも見え、本心はまだ迷路の中です。
今日のハイライト
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禁句「出ていけ!」で赤ちゃん抱えて家出するチョッちゃん。
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“男はそんなもん”泰輔・富子・兄、誰もチョッちゃんの味方なし。
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銀座『泉』の笑い声を背に踵を返すチョッちゃんの切なさ。
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要さんの無理筋三段論法→「詐欺は騙される方も悪い」に視聴者総ツッコミ。
まとめ――ウソも愛も飲み込める日は来る?
要さんが平然とウソを正当化する背景には、自分に自信がないからこその不安と、チョッちゃんをつなぎ留めたいという強烈な自己中心性が混在しているように見えました。驚いたのは、その“とんでもないウソ”を誰ひとり本気で咎めない周囲の大人たち。昭和初期の価値観では「男は好きな女を守るためならウソも方便」がまかり通っていたのかもしれませんが、夢を奪うウソは今の感覚では到底許されない――そう強く感じました。
誰よりまっすぐで単純なチョッちゃんだからこそ、要の“愛あるウソ”は致命傷。けれど周囲は「男はそういうもの」と達観し、要本人は開き直り。理解者ゼロの孤独が彼女の涙を誘いました。このまま許すのか、それとも声楽の夢を掘り起こすのか――“輝きたい”と言ったチョッちゃんが、次にどんな一歩を踏み出すか注目です.