朝ドラ再放送「チョッちゃん」第76回感想 無声映画からトーキーへ――泰輔おじさんの覚悟と揺れる邦ちゃんの夢

朝ドラ

2025年6月19日放送の第76回は、泰輔おじさん(前田吟)がついに活動写真館をトーキーへ切り替える決断を下し、連平さん(春風亭小朝)・邦ちゃん(宮崎萬純)・チョッちゃん(古村比呂)の運命が大きく動き出した回でした。無声映画への郷愁と“食べていく”現実のはざまで揺れる大人たち、それを見つめるチョッちゃんの複雑な胸中を振り返ります。

無声を捨てトーキーへ――泰輔おじさんの重すぎる覚悟

泰輔おじさんは活動写真館をトーキー上映にすると決意。無声映画を守ると連平さんと交わした約束をほごにする旨を切り出すが、言い出しにくそうな表情が痛々しい。生活のため、身内のための決意。理由は「暮らしに余裕がない姪(チョッちゃん)や甥(道郎)のため、そして身内以外にも、連平さんや夢助さん、邦ちゃんや神谷先生にも万が一のことがあった場合に頼りになりたい」と思っているからのようだ。

個人的には「さすがに背負い過ぎじゃないかい?」と感じるほどの覚悟。それでも家族を守る役割を自分が負うという泰輔の姿勢に胸が熱くなった。

連平さん、すでに覚悟はできていた

連平さんは時代の波に逆らえないと覚悟していた様子で、泰輔の頼みを静かに受け入れる。「楽士としてのこだわり」より「時代の波には逆らえない」という決断が切ない。

ヨーヨー作り?! 昭和の流行チラ見え

この時期流行の兆しだったヨーヨーを泰輔が誰かに発注。昭和初期に流行ったヨーヨーも流行は巡り、昭和末期にもまた再ブームが来るのは面白い。

邦ちゃん、映画関係者から“女優に”オファー

泰輔の事務所で映画関係者に声を掛けられた邦ちゃん。後日「大東キネマの女優にしたい」と正式オファーがくるも、自分の演技に自信がなく決断できず。チョッちゃんは背中を押すが、実は嫉妬も入り混じる複雑な感情が可愛らしい。

女学生の自殺増加と『暗い日曜日』発売禁止

女学生の自殺が相次いだことを受け、『暗い日曜日』のレコードは発売禁止に。暗いニュースが続く世相の不穏さが一気に押し寄せ、希望と不安の落差が際立った。

チョッちゃんの単純さに要さんが苦笑

映画関係者に“意見を参考にしたい”と言われたチョッちゃんは嬉しくてたまらず、要さんに即報告。「お前は単純だな」と言われ膨れるチョッちゃんが微笑ましい。

今日のハイライト

  • 泰輔おじさんの「俺の役目は稼ぐことだ」 ——家族愛が詰まり過ぎて涙腺崩壊。

  • 連平さんの静かな了承 ——無声映画楽士の矜持と現実の落差に震える。

  • 邦ちゃんへの女優オファー ——決断を迫られる邦ちゃんと、チョッちゃんの隠しきれない嫉妬が可愛い。

まとめ——夢と生活、どちらを取る? 昭和の現実が突きつける選択

無声を捨てて“稼ぐ”決断をした泰輔、仕事を選べない連平、女優の夢に揺れる邦ちゃん。誰もが“夢だけでは食べていけない”現実に向き合う昭和8年。それでも前を向く姿に、視聴者は明日の希望を見つけたはずです。次回、邦ちゃんは女優の道を選ぶのか?目が離せません。

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